ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

(今さらながらの)NARUTO第2話雑考 第2話にあった伏線・・「忍界大戦を終わらせた大切な鍵2つ」

 

 今さらながらのNARUTO感想、今回は第2話から少々。 第2話って、ざっくり読むと《ナルトと木ノ葉丸のほっこりした物語》なんですよね。 

 だけど、ここにもラストに向けた伏線がしっかり描かれていた・・

 

  さて、その第2話とは。

 

(第2話では 木ノ葉丸が登場します。 ホントまだ幼くて可愛い・・ 木ノ葉丸は じいちゃんの三代目火影に何度も奇襲をしかけたりしていますが、ナルトの「おいろけの術」を見て弟子入り志願し、ナルトに悩みを打ち明けます) 

 で、ここでナルトと木ノ葉丸がやり取りするのですが、その会話が今回の雑考のポイント。 その中に《忍界大戦を終わらせた大切な鍵》がなんと2つ、しっかりと出ておりました。 その鍵とは・・

 《火影になる奴に近道なんかねェ》《名前》です。

 

・木ノ葉丸の悩み

 

  ではさっそく、その「鍵」が出てくる二人の会話を見ていきましょう。

 

 (ナルトが「何でお前ってば そんなに火影のじいちゃんに食ってかかんだ?」と木ノ葉丸に聞くと‥)

「・・・木ノ葉丸って名前・・じいちゃんがつけてくれたんだ この里に名前にあやかって」

「でもこれだけ里で聞きなれた響きの名前なのに ・・ 誰一人その名前で呼んでくんない!

 

 (それを聞いたナルトはこう反応する)・・

「!」とだけ・・反応してる

  さらに木ノ葉丸は続けます

「みんなオレを見る時やオレを呼ぶ時 ただ火影の孫として見やがんだ」

「誰もオレ自身を認めてくんない もうやなんだ そんなの!!」

「だから今すぐにでも火影の名前がほしーんだ!!」

  

 するとナルトの表情が変わるんですよね。

こんどはこんな顔。険しい表情だ(第2話より)

 それでナルトが説教するのだ・・

「バーカ!お前みたいな奴誰が認めるか! ガキが語るほど簡単な名前じゃねェんだよ」 「簡単じゃねェーんだバーカ!・・火影火影って・・そんなに火影の名前がほしけりゃな・・」

「このオレをぶっ倒してからにしろ!!」って。

 

  (それから少ししてから、ナルトは再び木ノ葉丸にこう伝えます)

 

「色々やなことだらけで色々迷うことばっかだろーし」

「オレだってオレのこと認めてくれる人が一人できたけど それだけでもスッゲー大変だったんだぞ!!」

 「やっぱ覚悟しておかなきゃな」

 「みんながみんなが認めてくれる」

 「火影ってスゲー名前語るのによーお!」

 「ぜってェー! 近道なんかねェーってことはよ!!」

 

このナルトのセリフ、カッコいい・・

  木ノ葉丸は、ポッと頬を赤らめる‥ 

 そしてこのときから、ふたりは「火影の座を争うライバル」となる。

 

 さて、木ノ葉丸の話には2つのポイントがあると思うんです。 まず1つは《じいちゃんが付けてくれた大切な「木ノ葉丸」という名前があるのに、誰もその名で呼んでくれないという悩み。 さらにもう1つが《自分自身を認めてもらうための近道として、今すぐにでも火影になりたい》という考え方。  それに対する「答え」こそ、戦争を終わらせる鍵になるものだったのだ・・ 

 で、この2つに対するナルトの「反応と答え」、それがなかなか興味深いのです。

 

・「近道なんかねェ」

 

 まずは先に、2つ目のポイント《木ノ葉丸が、自分自身を認めてもらうために今すぐにでも火影の名が欲しい》と言ったことに対するナルトの反応と答えですが。 こっちにはナルトは即、反応したんですよね。 すぐ表情をこわばらせて、さっそくお説教している。 かなり強い口調で‥バーカ!を2回も繰り返してます。  

 でも、その後にちゃんとフォローして最高のアドバイスをしているんです。 「色々やなことだらけで色々迷うことばっかだろーし」と言って「やっぱ覚悟しておかなきゃな みんながみんなが認めてくれる火影ってスゲー名前語るのによーお!」「近道なんかねェーってことはよ!!」って・・ いやもうコレね、達観しすぎてて弱冠12歳の少年のことばとは思えない。

 でもそうだよね‥ナルトは「オレだってオレのこと認めてくれる人が一人できたけど それだけでもスッゲー大変だったんだぞ!!」と言ってたけど、ここまでの12年間 孤独で辛くて苦しい道をずっと歩いてきて・・やっとのことで《最初の一人に認めてもらった》。 “イルカ先生がオレを認めてくれた”第一話は、ナルトのここまでの物語のいわば《12年間のゴール》でもあったんですよね。

 苦労してやっと手に入れる、その長い道のりの価値をナルトは知っていた。 だから「手っ取り早い近道」を選ぼうとする木ノ葉丸にお説教したのだ‥ その言葉は、人一倍苦労して経験してきたからこその「説得力のある重みのある言葉」だったのだ。

 つまりナルトは《手っ取り早い近道》に対して《火影になる奴に近道なんかねェ》という答えを、この時からしっかり持っていたって事だ。 

 

・忍界大戦での《近道なんかねェ》

 

 この先も、ナルトはずーっとこの考え方や生き様を基本ブレずに貫いていきます。  そして最終的には 戦争でオビトとこんなやり取りをすることになる・・

 オビトは「無限月読」という究極の平和への近道を主張した。 「ハッキリした行き先があり近道があるなら誰でもそちらを選ぶ」というオビトに、ナルトは怒って こう説教した・・ 

「オレが知りてーのは楽な道のりじゃねェ 険しい道の歩き方だ」

「近道」を主張するオビトに、ナルトはこのときも厳しい表情になる

 火影になる奴に近道はねェーし!なった奴に逃げ道はねェーよ!!・・そうだろ‼?」ってね(68巻より)。

 

 そしてオビトも、次第にナルトの中に「かつての自分」を見るようになっていく・・ナルトのお説教が「効いた」のだ。  ナルトの《火影になる奴に近道はねェ》の説教と生き様が、オビトとの闘いを終わらせたのです。 

 

 それでも、ナルトでさえ実際には多少ブレた事もあったんです。 たとえばナルトが忍界大戦の戦場に向かう時。 「自分一人で決着をつける」と言い張っていたのですが、イタチがこう諭してくれるのだ‥

「“火影になった者”が認められるんじゃない “皆から認められた者”が火影になるんだ」「‥仲間を忘れるな」とね。

 はい、これもNARUTO名言中の名言ですね。 そして これこそまさに第2話でナルト本人が木ノ葉丸に伝えた事でもありました。 

 

 それに、こんなことも。  

 

 (347話、ナルトは新術「風遁・螺旋手裏剣」を開発したものの いきなり使用禁止を言い渡されてしまった。 多重影分身を使って《時間短縮の近道》でやっと開発したってのに・・ そして落ち込むナルトの前に、突然 木ノ葉丸が現れた。 木ノ葉丸は習得したての「影分身の術」を披露する‥) 

 木ノ葉丸の「影分身の術」、これは(後に分かる事なんですが)螺旋丸習得のための第一歩だったんですよね。 

 まだまだ「螺旋丸」という本目的達成には遠いけど、木ノ葉丸は堂々と胸を張って途中経過を報告に来た。 だって「術の会得にも近道なんかない」から・・ ま、影分身の術披露というより、おいろけ・女の子どうしの術を披露しにきた感じだったんですがね・・(この件の詳細は下記別記事にて)。  術会得に焦るナルトの前に、木ノ葉丸が「近道なんかねェぞコレ」と自らの生き様を見せに来てくれたのだ・・

 第2話のあの日、ナルトの兄ちゃんが木ノ葉丸に教えてくれたことを 今度は木ノ葉丸が思い出させてくれたというわけだ。 

 

 ま、そんなこんなで ナルトでさえ近道を選ぼうとした事もあったけど‥ 《大切なのは苦労して辿りつくその過程の道》であることを、ナルトは第2話の時にはすでに知っていた。 そして安易に「近道」を選ぼうとする木ノ葉丸の甘さ弱さに怒り、説教した。  で、第2話で木ノ葉丸にしたお説教を 最後には忍界大戦でオビトにもした・・ 

 

 「近道なんかねェ」は、戦争を終わらせる大切な鍵となったのです。

 

名前の持つ意味

 

 さて、もう1つのポイント「(木ノ葉丸という大切な)名前」のほうですが、こちらもまた終盤になってから すごく大切な意味を持ってきます。  だけど、こっちについては《ナルトは直接的には答えていない》んですよね。 

 最終的に「火影という名前」と引っ掛けた形にして答えてはいるけれど、コレは木ノ葉丸が悩んでいた《木ノ葉丸という名前があるのに 誰もその名で呼んでくんない》という問題の直接的な答えではないと思うんです。 たぶん、思うにですが‥ナルトは《名前》についての問題はあんまりピンと来てなかったんじゃないかと。 木ノ葉丸が「名前」の話をした時の反応も「!」だけだしね。

 というのも ナルトはまだ(この時は)自分の名前の由来や 名前に込められた想いなんて知らなかった。  《ナルトとは、自来也が書いた「ド根性忍伝」の主人公の名前であること・・その主人公の意志を師匠や両親から託されたこと、そこには両親の愛がいっぱい詰まっていたこと》等々・・ナルトがそれらを知るのはずーっと先なんですよね。 

 

 一方で、木ノ葉丸は「じいちゃんが付けてくれた名前」にこだわりがあった。 そこにじいちゃんの愛を感じていただろうし、里の名にちなんだその名前に誇りを持ち、自分の存在意義を感じていたと思うんです。 だけど、この時点のナルトは「自分の名前」に特に何も感情は無かったはずでして・・ だから木ノ葉丸の「名前に対する想い」は、正直よく理解できなかったんじゃないだろうか。  

 だけど 「自分の名前の由来」を知ってから、ナルトも「名前に対する意識」が大きく変わっていってます。 尾獣たちにもそれぞれ「六道のじいちゃんがつけてくれた大切な名前」があると知ったナルトは、九尾の事も「九喇嘛」と名前で呼ぶようになるんですよね。 で、それが尾獣たちとの和解につながっていく・・

 

 第2話のラストでは、ナルトが木ノ葉丸にこう伝えます。

「いつか火影の名をかけてお前とは勝負してやんよ ‥それまで楽しみにしとけよな」

「木ノ葉丸!!」 

 名前で呼んでもらった木ノ葉丸はすごく嬉しそうだった‥ 「名前」で呼んでもらうこと、それは「火影の座を争うライバル」として対等に認めてもらったということだ。 

そして 570話の《九喇嘛との共闘・和解》の場面は、この第2話ラストを彷彿とさせるものとなっています。 

今はもうバケ狐じゃねェ‥おめーは木ノ葉隠れのオレとコンビの‥九喇嘛だ!

 ナルトは九喇嘛と「対等」にコンビとして共闘する宣言をする・・その証として「九喇嘛」と名前で呼んだ。  「名前」は、尾獣たちとの和解の大切なカギとなったのです。

 

 ・・そして「名前」といえば、カブト。

 

 忍界大戦で カブトは こんなことを言ってたんですよね・・ 「最初からボクは何者でもなかった ボクには何も無かった」 「親を知らず‥自分の名すら知らない」と。   だけどイザナミの術の中で己を見つめ直して取り戻していって・・その中でカブトの名前の由来も明かされる。 そこにはカブトの帰る場所と本当の想いがあって、大切な仲間も居た。  そしてカブトも自分を取り戻す・・

「ボクは他でもない――カブトなんだと」

「もう自分が何者か分かってる・・そして己が何をすべきかも!」とね。

 名前は《ボクがボクであるために》大切なモノだった・・

 

 さらにオビトとの闘いでも「名前」は重要なカギになっているんですよね。 

  「オレは誰でもない」と言ったオビトに、ナルトはこう言っている・・

「お前はオレに“誰でもない‥誰でもいたくない”って言ったよな」

「面して自分を隠したってダメだ アンタはカカシ先生の友達で父ちゃんの部下でサスケと同じうちはで  オレと同じ夢持つ先輩で 木ノ葉の忍だった アンタはうちはオビトだってことだ!って。  そして最後にはオビトも自分を取り戻して こう言うのだ・・

 「今のオレは‥火影を語りたかったうちはオビトだ!」とね。

 名をくれた人達の想い、愛情、そこに宿る意志、そこに在る本当の自分・・ 厳しい任務で己を無くし「本当の自分」を見失う忍が居る中で、自分を取り戻すために大切な役割を果たしたのが「名前」でした。 尾獣もカブトもオビトも・・自分を取り戻す鍵となったのが「自分の名前」だったのです。

 

 この日ナルトは「名前の持つ意味」をちょっと知って、名前で呼ぶことが《対等な関係》を築く第一歩になる事を知った。  だけど「あんまり深くは分かっていなかった」のではないかと・・ 

 たぶんここからだと思うんですよね、ナルトが本当に「名前の持つ意味」を経験しながら知っていくのは。

 

 《近道なんかねェ》と《名前の持つ意味》・・

 物語最後の忍界大戦で《戦争を終わらせる大切な鍵》となるその2つは、第2話にしっかりと問題提起されていた。

 1つはナルトが最初からよく知っていた事であり、もう1つはここから知っていく事になるものだった・・

 

・さて・・その後の木ノ葉丸ですが。

 

 第二話ではまだ幼くて、走ってはコケて隠れてはバレバレでおいろけの術もダメダメだった木ノ葉丸ですが、終盤にすっかり成長した姿を見せてくれます。

 木ノ葉隠れの里にペインが襲ってきたとき。 木ノ葉丸は「螺旋丸」でペインの一体を見事に倒し、堂々と胸を張って こう名乗りを上げるのだ・・

 

里の名を授かった姓は猿飛、・・

《里の名を授かった猿飛一族の下忍!》

《姓は猿飛!!名は木ノ葉丸!! 覚えとけコレェ!!》

 

 

 

☆長駄文、読んでくださって感謝。

 

☆第二話で登場する「おいろけ・ハーレムの術」。 普通の「おいろけの術」には引っ掛からなかったエリート教師のエビス先生も‥影分身と掛け合わせた「ハーレム」に格上げしたら、見事に鼻血ブー。 瞬時に《影分身×おいろけ》を思いつくヒラメキの天才ナルトの才能の一端がうかがえます。 ちなみに「ハーレムの術」について岸本斉史先生のこんなエピソードも公開されています。

《おいろけと影分身を合わせてハーレムにしたらと(当時の編集担当だった矢作氏に)提案したら、「そろそろ真面目に打ち合わせしようか」って》。それでも「試しに絵にしたら面白かったので採用になった」とか(公式データブック「陣の書」より)

 

☆ちなみにイタチがナルトに伝えた「“火影になった者”が認められるんじゃない “皆から認められた者”が火影になるんだ」の実例としては、65巻にこんなエピソードも出てきます。 木ノ葉隠れの里が出来たばかりの頃、柱間はマダラを初代火影にしようと考える。 それはおそらく柱間の計らい‥ もしマダラが火影になれば、里の皆もマダラのことを認めてくれるだろう…ってね。 だけど里の人たちは柱間を選んだ。 まさに「火影になった者が認められるんじゃない、皆に認められた者が火影になるんだ」の結果でした。

 

☆参考過去記事、 347話 木ノ葉丸がナルトに「初心」を思い出させてくれた話の雑考です↓↓

konohanogenin.hatenablog.com 

 

(ナルト好きブログ! 2026/05/04)

 

(今さらながらの)NARUTO第一話雑考(その2)ナルトの「おいろけの術」についての考察

 今回は第一話雑考その2、第一話に登場する「おいろけの術」についての雑考です。 おいろけの術は何とも平和な術と申しましょうか、いかにもナルトらしくて大好きな術の1つなんですけどね・・ 今回は第一部雑考として(少しだけ)真面目に考察・雑考してみます。 なぜ、第一話で「おいろけの術」が登場したのか? そこに何か「意味」はあったのだろうか。 結論から言うと、そこには大きな意味があったと思います。

(ちなみに電子書籍キャラクター考察編のナルト記事として書いたものを元に、第一話雑考として書き直してます)。 

 

・ナルトの「最初の得意技」

 

 さて、ナルトといったら「螺旋丸」と「多重影分身」だと思うけど、ナルトがいちばん最初に使った術はおいろけの術」でした。 

第一話、開始早々「おいろけの術」は登場する

 開始早々、ナルトは見事な「おいろけの術」を披露する。

 当初ナルトがまともに使えた術はコレだけで、第一話を見る限り ほかの変化の術や分身の術は からっきしダメ。 なのに この術だけは完璧だったんですよね。 見事なボンキュッボン・・・ なにせ第一話ではイルカ先生や“里最強の忍”三代目火影までコレでノックアウトしております。 おいろけの術は《いかなる強者の鉄壁の防御さえも打ち砕く》・・最強の陽動忍術とも言えましょう。

 それに、おいろけの凄い点はこれだけじゃない。 この術について少々マジメに考えていくと《ナルトにとって とんでもなく大切な術だった》ことが分かってくる。 もし この術が無かったら ナルトというキャラクターやNARUTOのストーリーは成立しなかったんじゃないかと言えるぐらいにね。

 

・「意外性の忍者」

 

  ところで作者の岸本先生は「おいろけの術」についてこう語っています。

 《一番最初に思い付いた術は もともと色んな忍術漫画で使われていた「変化の術」、そこから「影分身の術」、「お色気の術」と生まれていったのだが、でもオリジナルと言ったらやっぱり「お色気の術」じゃないですか。 変化の術よりエンターテインメント性もあると思うし》(「陣の書」より)とね。

 たしかに普通の「変化の術」はよく見かけるが、いきなり「おいろけの術」だ・・

それに 作中においても、おいろけの術はナルトオリジナル。 螺旋丸はもともと「四代目火影が妻クシナの為に開発した術」と明らかになったし、多重影分身は「二代目火影・千手扉間が開発した術」だった。 その点 おいろけの術はナルト本人が開発した可能性が高いのだ。 まぁ・・開発といっても《気晴らし的なお遊び感覚》だったんじゃないかとは思いますがね。  だけどこんな破廉恥な術を思いついて堂々と使っちゃうのは、NARUTO世界ではナルトぐらいだったらしい(NARUTOに出てくる忍者たちってプライドも高いし極めて真面目キャラが多い気がする)。 

 それに“エンタメ性”においても《一流の忍者たちが鼻血ブー》なんてくだらないけど、素直に笑えちゃう。 新連載の第一話だからこそ、まずはつかみ。 開始早々いきなり(うっふ〜ん♡)で読者の心も鷲掴みにする・・これで読者たちの「新連載を査定する厳しい視線」も打ち崩したと思われます。

 

 しかもNARUTOの第一話って なにげに話が重たいんですよねぇ‥ 先の第一話雑考でも触れたように、滲み出てくる背景が重たいのだ。 主人公ナルトが背負う《少年にはあまりにも重すぎる人柱力という宿命》・・ 大人たちからの理不尽なイジメと容赦ない偏見、ナルト本人の屈折した想い・・さらには忍世界の闇やら憎しみの問題まで出てきちゃう。 イルカや大人たちの姿からは、NARUTO全体に貫かれる《大切な人の死にどう向き合いどう乗り越えるか》というテーマも見えてくる。 

 重たいテーマは岸本漫画の真骨頂ではあるけれど、連載開始早々重たさが目立つと正直キツイ。   だけど《おいろけで鼻血ブー》なんてベタな笑いが入ると いい具合に抜けるのだ。

 それにしても大人たちが「おいろけ」に簡単に引っかかるのはまさか過ぎちゃって予想出来ないからですよね。 お堅くて真面目なNARUTO忍者達にとって、こんな破廉恥な発想は意外すぎて有り得ない。 だからこそ《いかなる鉄壁の防御も打ち砕く》

 多重影分身の術がナルトの莫大なチャクラ量と潜在的な能力をアピールするなら、おいろけの術はナルトの意外性。 おいろけの術が第一話の中で果たした役割《鼻血ブーで重苦しさを抜く》以外に《意外性の忍者としてのイメージ作り》もあったんじゃないかと思います。 

 こういった型にハマらないナルトの意外性が、やがて忍世界の在り方を変えていく。 既成概念や常識にとらわれない自由な発想が、分厚い壁をぶち壊していくことになるのです。

 

・当初は“ナルトの孤独と闇”の象徴 だった

 

 さて第一話、ナルトはおいろけの術だけは迅速にササっと発動しております。 しかも 火影様に対しても迷うことなく咄嗟に術を発動させている。 ナルトは《どんなオトナでもこの術には簡単に引っかかる》ことをよく知っていた・・ よほど多くの忍や大人に使って「効果を実証済み」だったということだ。 想像するに、大人の気を引くためとか 「仕返し」的にこの術を使っては鼻血ブーにしてきたんじゃないだろうか。 それで この術は必中することを知っていた・・ ま、大袈裟に言えばナルトにとって「おいろけの術で鼻血ブー」というのはちょっとした復讐だったんじゃないかと思います。 つまり《何故ナルトはこの術ばかり使ってきたのか》を考えると、そこに“ナルトの心の闇”が見えてくるのです。 

  だけどここからが肝心なことでして‥「おいろけの術」はナルトにある大切なことも教えてくれたハズなんです。 それは《どんなヤツでも自分と同じところがある》ってこと。 

 どんなヤツでも皆この術には弱い。 人類みなスケベ‥ナルトは次第に気づいたはずなんですよね、《偉そうにしてたって結局みんな同じだってばよ》ということにね。 はじめは復讐に快感を得ていた(であろう)ナルトも、次第に《つながりを感じること》が嬉しくなっていったんじゃないだろうか。  

 おいろけの術は、孤独だったナルトを「周囲とつないでくれた術」でもあったのです。

 

 ・術は復讐のためではなく「つながる」ために

 

 これは第一話より先の話になりますが、実際にナルトは「相手とつながるため」においろけの術を利用したこともありました。
 ひとつは91話、自来也に「チャクラのコントロール」を教えてもらおうと思ったナルトは、自来也のご機嫌を取ろうとお世辞を言ったり 調子を合わせようとします。 だけどなかなか上手くいかない。 そこで「こうなったらぁ」と繰り出したのが「おいろけの術」だった。 

 カワイイ美女にうっふ~んとされて「気に入ったー!!」「お前は天才だのォ!」と大喜びした自来也は、めでたくナルトの修行に付き合ってくれることになったのだ(いや自来也は 最初からナルトに修行をつけるつもりで現れたんだけどね)。
  さらに492話にもそっくりな場面が出てきます。 今度はキラービーに「尾獣のコントロール」を教えてもらおうと思ったナルトは、キラービーのご機嫌をとろうとお世辞を言ったり、調子を合わせようとします。 だけど これもなかなか上手くいかない。 そこで「こうなったらァ!!」と繰り出したのが「おいろけ・ハーレムの術(たくさんの美女が囲む)だった。  もっともこの時は珍しく失敗に終わります。 キラービーは若い子じゃなくて“年増好き”だったのだ・・

  自来也や三代目火影みたいなフツーのスケベには フツーのおいろけの術でも効く。キラービーにも好みを外さなければたぶん、効いた。  「どうだってばよ‥男はこの術に皆弱い」とナルトは言ってたけれど、もちろん男だけじゃあない。 木ノ葉丸の「おいろけ・男の子どうしの術」はサクラによく効いたのだ。 なんやかやで人類皆スケベ。 偉そうな顔してたって本質的なところでは同じものがあって、つながるものがある。 ナルトはそれをよく分かっていた‥

 「おいろけの術」のおかげでね。

 

・ナルトの原点

 

  この先のナルトの闘い方がをみていくと「相手をやっつけて倒す」だけで終わってない。 ナルトにとって「勝つ」とは相手の本心を引きずり出して、心の奥を浮き彫りにすること。 で・・それって「おいろけの術効果」そのものだと思うんです。 どんなイヤなやつでも悪そうなヤツでも、可愛い子を見ると鼻血ブー。 心の奥ではみんな同じ痛みや同じ夢を抱えていたり、自分と似たところがあったりする。 

 ガチガチに固めた心の鎧を破壊して《本当の姿》を曝け出させる・・それがナルトの闘いであり、おいろけの術の〝本当の術効果〟であります。 あ、三代目火影の本当の姿がただのスケベじじいだとは言いませんがね・・ 

 

 ナルトのそういった点について、岸本先生は完結後のインタビューでこう語っています。
《『ペイン編』もやられてやり返すという描き方もできたけど、それじゃ憎しみの連鎖は続く。誰かがそれを断ち切らないといけない。なぜそうなったのかを考え、相手を理解する――そこまで描きたかった。それを少年誌でやるということは大変でしたし、本当に成り立つか?とすごく悩みもしました》(シネマカフェ、2014年12月インタビューより)

  その後のジャンプでは「敵を助けたい」と言う主人公も登場するようになったけど、当時はまだ《やられたらやり返す》が主流だったと思う。 長門との和解についても 当ブログ当時のコメント欄にも賛否両論ありまして、悪いやつは許しちゃダメだ、ボコボコにやっつけておしまいにするべきという意見も多かった。  それでもナルトは‥というか作者は このスタイルを貫いた。

 憎しみを乗り越えて、復讐ではなく《相手と分かり合ってつながる》ことを選ぶ‥そして相手の本心を浮き彫りにする。そういったナルトスタイルの原点に在ったのが「おいろけ」じゃないかと思うのです。 そしてそのスタイルは再不斬と白、我愛羅、オビトと向き合う時にも貫かれ、九尾(九喇嘛)との和解や 最終的には「サスケを連れ戻す」ラストにつながっていきます。 それこそ第一話で問われた「相手を分かる」という話は最後まで続いていくんですね。

 

 ・「おいろけの術」の行きついた先

 

 のちにナルトはこんなことを言っていた・・

「オレってば 密かに螺旋丸以上にこの術(おいろけの術)を練習してきたんだってばよ‥!」とね。

 あの螺旋丸以上に練習していたとは・・ でもそれって「遊んでいた」だけでしょーよ・・と思ったけど、ご本人は極めて真面目だったようだ。 その《練習の成果》は、物語のクライマックス682話ラスボス・カグヤとの最終決戦で披露されることになる。

《ナルト達はカグヤの前に打つ手がなく 最大のピンチに陥る。 そこでナルトが真剣な表情で「あの術しかねェ」と繰り出したのがおいろけ・逆ハーレムの術だった。 それは各種イケメンがカグヤを取り囲む眩い光景‥》 

おいろけ・逆ハーレムの術!!!

  サクラは《あほ~~~!この状況で何て術してんのよォー!! 私は別として、そんな術があんな神みたいのに効くかぁーー!》と呆れ果てるのですが、でも「効いた」。 一瞬だけど、カグヤは目を丸くして驚いて隙ができたのだ。  《いかなる鉄壁の防御も瞬時に打ち砕く》‥それがおいろけの術の最大の強みだ。

 木ノ葉丸の「おいろけ・男の子どうしの術」“サクラによく効いた”ことから、女性であるカグヤにも「おいろけの術は有効」とナルトは判断。 さらにキラービーの時に「好みを外した失敗」を踏まえ、今度は「各種イケメンを取り揃える」という進化形。   まさに今までの集大成《おいろけの術・究極版》でした。 

  その光景に、カカシは感動して意外性ナンバーワン! まさかナルトのエロ忍術が世界を救うことになるのか?! 見てますか!︎?自来也先生!》と心の中で叫んでおりました。 いや、エロ忍術が世界を救うというか・・ようするに《ナルトの意外性が世界を救う》ということなんですがね。 

 残念ながらカグヤはあまりにも強すぎて封印するのに手いっぱいで「理解し合う」までには至らなかったけど、確実にその手前まではいったのだ。

  そう言えば 自来也は「バカはバカでも 大馬鹿なら なんとかなるかもな」と言ってましたっけ。 自来也は、ナルトの意外性が《世界を変える》と信じていた。 常識ではあり得ない発想、ナルトならではの「つながりたい」想い・・それらが不可能を可能にしていったのです。

 

 第一話、「おいろけの術」はナルトの最初の得意技として・・そして《ナルトの孤独と闇の象徴》として登場しました。 それはナルトに「つながることの大切さ」を教えてくれて、術の在り方や闘い方まで教えてくれていたのです。 第一話の出発点に在ったのが「おいろけの術」だからこそ《ナルトは“ナルトらしく”なった》と言えるし、ストーリー展開も《NARUTO-ナルト-らしくなった》と言えるんじゃないだろうか。 そして第一話で出された課題「憎しみを乗り越えて分かりあう」の解決の鍵も、第一話で登場した「おいろけの術」にあったのだと思います。 ・・全ての原点に「おいろけの術」があったのだ。 

 さすがは“螺旋丸以上に”練習して、里最強の忍・三代目火影やラスボス・カグヤに満を持して使った“NARUTO-ナルト-最強・陽動忍術”・・

 

 術効果は“鼻血ブー”だけどね。

 

☆長駄文、読んでくださって感謝。

 

関連記事その1、682話「見たことねーだろ」感想 2014年6月30日)

konohanogenin.hatenablog.com

関連記事その2

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(ナルト好きブログ! 2026/03/27)