ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

ライブスペクタクル-ナルト-NARUTO ~忍の生きる道~ ついにラスト、観てきたってばよ!

さて2015年から始まった舞台ナルトも、ついにラスト!

 

 完結しちゃった、終わっちゃったんだなぁ… それは寂しいんだけど、それ以上に8年もかけてラストまで舞台化してくれたこと、それが何よりも嬉しい! ラストの戦争編なんて とてもじゃないが舞台化は厳しいと思っていただけに感激です。 製作スタッフの皆さま、キャストの皆さま本当にお疲れ様、ありがとう(って、まだ終わってないけどね)。 しかも、原作にほぼほぼ忠実で、原作ファンとして最高に大満足。 それに役者さんたち、本当にキャラになりきっているのが素晴らしい。 柱間とかマダラとかキラービーとかホンモノにしか見えない・・ 他の役の皆さんももちろん素晴らしい再現度。

 

 さて今回のお話はコミックスでいうと65巻以降、593話ぐらいから699話まで。 サスケ一行が過去の火影達を呼び出して話を聞くところから始まって‥

途中、柱間の(マダラへの)「お前は後!!」発言もちゃんとあったし、六道仙人・大筒木ハゴロモ“~じゃね?”口調も飛び出した(そこは客席も爆笑)。 戦闘シーンも次々豪快な術を繰り出し「火遁・爆風乱舞」「互乗起爆札」「口寄せ・五重羅生門」「輪墓・辺獄」等々‥映像を駆使して怒涛の術合戦。 

 

 ま、そうは言っても時間の制約もあるしキャストの数も限られるから、中には略されたキャラもある。 それに伴って そのキャラにまつわる話はバッサリ割愛されていた(ネタバレになるので具体的には言えないが。って想像ついちゃうかもだけど)

 だけど“その人物とその人物との戦い”部分は個人的には略しちゃってもいいと思ってるので、特に気になりませんでしたがね‥ 原作知らないお客さんはこれ以上敵が出てきたら混乱しちゃうしね。

 とにかく原作中の“大切なセリフ”はほぼ入っていたのは嬉しかった。 特にミナトのこれとかね…

 

「‥そうだ 言っとかなきゃって思ってたんだ」

 

《誕生日おめでとう》

 

 観に行ったのがちょうどナルトの誕生日の翌日だったもんだから、なおさらこれは心に響いた… 

 

691話から

 

 これは原作だと691話、闘いも終わってミナトが消える前に残していく「最後の言葉」。 これだけでじゅうぶん感動場面なんだけど、舞台だと100話分ぐらいをぶっ通しで一気に観るから この少し前の “あの部分”がセットになってより響いてきた。 それはオビトとナルトの戦場での このやり取り‥

 

《明日が何の日か知ってるな?》 

《ミナトとクシナの命日だ ‥両親の死んだ日だ》

《死ねば終わりだ‥この世は‥》

 

《そうだった‥ なら明日は‥》

《オレの生まれた日だ》

《いいか‥終わりじゃねェ‥》

《オレがこの世に居る!!!》

(643話)

 

 ナルト自身のこの宣言があって、ラストにミナト父ちゃんが「誕生日おめでとう」で締めくくる。 今日は「九尾事件の悲しい日」なんかじゃない‥《ナルトの誕生日》だ。 これが揃ってやっと《NARUTOの話が完結した》と感じたんですね。

 

 そもそもNARUTOの話は「九尾事件」‥かつての10月10日の語りで始まってる。 その日は「全ての災いのはじまり」だった‥ ナルトは一人ぼっちになり九尾を背負うことになり‥里の人々の憎しみまで全部引き受けてしまった。 まるで《ナルトがこの世に生まれてきたことが厄災の始まり》だったかのような…  NARUTOの物語はそんなところからスタートする。 

 

 ナルトが火影を目指したのは、火影になりゃ里のみんなに認めてもらえると思ったからですよね。 そしてナルトが《皆に認めてもらいたい》と思ったのは、自分の存在を肯定してもらいたかったからだと思う。 その根底には《自分は本当にここに居ていいのだろうか》という疑問、不安があったんじゃないのかな。 

 ナルトの出生は「死」を生み出し、戦いを引き起こして憎しみを生み出した‥と思われていた。 だからナルトは《オレが生まれてきても良かった事、ここに居てもいい事をなんとか証明しなきゃ》と必死だったんじゃないだろうか。 

 

 10月10日は、里の皆にとって長い間「忌まわしき悲しい日」だった。 大切な人たちを失った最も辛い日…その悲しみを紛らす為に、何かに憎悪を向ける。  人々の認識を変える為には《大切な人の死をどう捉え、その悲しみを憎しみに変えずにどう昇華するのか》という大問題があった。 ナルトの物語は「死」と向き合う物語だった‥

 

 ナルトは、そしてナルト達は 多くの出会いと痛みを経て、やっと答えにたどり着く。

 

《忍とは耐え忍ぶ者》

 

 劇中でも、この大切なフレーズは何度も繰り返されておりました。 以前、イルカが言っていた《互いに信頼し合い助け合う 生まれ落ちた時からずっと大切に思ってきた人たちとのつながり‥ そしてそのつながった糸は時を経るに従い太く力強くなっていく‥》 それこそ「耐え忍ぶ者」。

 何があっても諦めない、「死」は終わりじゃあない‥ 辛くても悲しくても立ち上がる。 生きている自分たちが想いをつないでいくのだから。  

 それまで忍世界を支配し、忍達を縛ってきた「死」という呪縛から 忍達はようやく己を解き放って「生」に目を向けるようになった。 それがナルト達が成した忍世界の大きな変革、ナルト達の物語でした。

 

 10月10日‥かつて「九尾事件」のその日は、17年たって大きく違うものになったんですね。 あの日封印された九尾はナルトと一緒に闘い、あの日敵だったオビトはナルトに「お前は火影になれ」と言って去っていった。  そしてナルトのまわりにはたくさんの仲間がいる‥  聞こえてきた言葉は憎しみの言葉ではなく「ありがとう」とか「おめでとう」とか「大好きだ」(カカシが第七班に言った言葉)だった‥  憎しみや怒りやネガティブな言葉じゃなくて、前を向く言葉ばかりだった。 

 10月10日を「災いが始まった死を象徴する日」から「誕生日おめでとう」と言える日に変えるまで・・  それもナルトが歩いた道だったんですね。

 

 ラストを飾る今回の舞台のタイトルは《忍の生きる道》。 

 このタイトルは、物語を完走したナルト達への最高のタイトルだと思った。

 

 

10月11日、KAAT神奈川芸術劇場にて

 

 

 ライブスペクタクル-ナルト-~忍の生きる道~公演は

☆兵庫、2023年10月22日まで AiiA 2.5 Theater Kobe

☆東京、10月28日から11月5日まで TOKYO DOME  CITY HALL

☆公式サイト↓↓

 

 

☆駄文、読んでくださって感謝。

☆公演を見て感じたこと、まだまだあるので‥気まぐれに続けます。

 

(ナルト好きブログ! 2023/10/20)