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「犠牲」とは・・・ ( その1・「兄さん、まずは一人目だ」)

「犠牲」とは・・(その1「兄さん、まずは一人目だ」)

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   兄さん・・・なんて遠いんだ

サスケが追ってきたイタチの背中。ずっと遠くて、いくら追っても近づけなかった。・・そして今も。

480話のタイトル「犠牲」。なんだか重い響きの言葉です。

犠牲という言葉の意味は「大切なものと引き換えに、目的を達成すること」。
サスケが復讐を達成する目的と引き換えに失ったのは、香燐という仲間でした。サスケはついに「仲間」という一番大切なモノまで捨ててしまったんですねぇ・・。

「オレの目的は闇の中にしかない」・・・
本当は見えていたはずの小さな光明・・サスケのことを信じてくれる仲間の存在を、サスケは自ら断ち切ってしまったのです。


そして、もう1つの「犠牲」。
「犠牲」という言葉の本来の意味は、「神に捧げる生贄(いけにえ)」。

「兄さん・・・まずは一人目だ」・・・
これはイタチに捧げる「一人目の犠牲(生贄)」ということなんだと思います。
もはやサスケの中で、イタチは「神」になってしまっているのかもしれない。。


遠すぎる兄

幼いときから、優秀すぎる兄の背中はいつも遠くにありました・・・

「兄さんのような立派な忍になれよ」
「この調子で兄さんのように立派にやりなさい」

でも、いくら頑張っても兄の背中は遠かった。。

「無理はしなくていいのよ、あの子(イタチ)はちょっと特別だから」
「兄さんは兄さん アナタはアナタよ」とミコト母さんは優しく励ましてくれるんだけど、それが逆に辛かったりして・・。

サスケにとって、兄に近づき超えるためには、「アイツと違うやり方」を取る必要があった。 そして、
「やっと・・・たどり着いた」(386話)。

でもそう思ったのも束の間、サスケはイタチの真実を何も見抜けていなかったことを知る・・。

「お前の眼は、イタチのことを何ひとつ見抜けていなかった」(トビ、401話のセリフ)

結局は、サスケはイタチの作り出した幻のなかで、騙されて生きてきただけだったんですよね・・。
戦いで兄に勝ったとはいうものの、実際にはあれはイタチのお膳立てした戦いだったし、イタチが作り出した幻が現実になっただけだった。
・・・実質、サスケが負けたも同然だったのでした。

こうしてイタチは手の届かないところへ行ってしまい、サスケは永遠にイタチを超えることは出来ないままになってしまった・・ということです。

サスケの記憶に残されたのは、
「オレはお前と共にあり続けるさ」という優しい兄さんと、
けして近づくことを許されない「遠い」存在である兄さん。
そしてサスケの心に遺されたのは、イタチへの愛と、イタチへの畏れ。

それは神を畏怖する感情に似た、ちょっと歪んだ愛情表現なのかも。


サスケがダンゾウ戦で作り出した幻術のイタチ・・・なんだか怒りと憎悪に満ちた、怖~い表情のイタチでした。
サスケの心をそのまま投影したようなイタチの姿。
サスケにとってのイタチは・・サスケに代わって裁きを下す「守護神」のような存在になりつつあるような・・・。

サスケの中に存在する「悲しみと怒りの表情をたたえた神イタチ」。
その神へ犠牲(いけにえ)を捧げることだけが・・・今のサスケがイタチに対して出来る「贖罪」であり、唯一イタチに近づける手段であると考えていそうです。

「オレにとってイタチの命は里よりも重い」(416話)

里全ての命を捧げても足りないほど、サスケにとってイタチ一人の命は重い。

木ノ葉全体、そして妨害する者を全て排除し犠牲として捧げた時・・・やっと償い果たして「イタチのところへ」たどり着ける。
今のサスケは そんな考えになっちゃっているようにもみえるのです。

遠すぎる神、兄さんへの、サスケの愛情表現・・・
それが、兄に捧げる「犠牲(いけにえ)」、なのでしょうか。



(「その2・「イタチの笑顔」につづく・・)