ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

うちはオビト  NARUTO登場人物考察

うちはオビト  NARUTO登場人物雑考

「オレは忍の世界を無茶苦茶にしてしまった…」
「今さら何を言って去って行ったらいいのかも分からない…」
 
カカシとの精神世界での会話で…最後にこんなことを言って、しゅんと落ち込んだ顔をしていましたっけ…
 
 こんなに落ち込むんだったら、初めっから戦争なんて起こさなければいいのに…なんてツッコミもありそうだけど、そうはいっても「そうはいなかった」のでしょう。マダラ爺が仕込んだ呪印札もあれば、監視役の黒ゼツもいたし…何よりオビト本人が一度決めた「己の決意」があったのだから。
 
 元々感情をかなり露わにするタイプのオビトは、サスケから見れば「過去を切る」役割としては、甘すぎに見えたかもしれない。 譲らない意志の強さと共に、かなりの「もろさ」も併せ持つ…それもまたオビトの個性でしょうか。
 
分かりづらい彼の人生を一番分かりやすく語っていたのは、結局…599話「うちはオビト」の、言葉無しの「過去ストーリー」だったんだろうと思います。   
 「人助け(年寄りのお世話)」で遅刻して、だけどそんな言い訳も嘘だと思われてて…周囲に迷惑をかけたせいで怒られてばかりいた… そして戦えばボコボコにされて負けて… だけどリンだけが「オビトは頑張ってる」と認めてくれてた。 …結局、彼の人生もそんな感じだったんですね。
 
 ただ…最後の最後で、ちょっと変わった。 リンだけじゃなく今度はカカシも…
「人助けばかりで遅刻していたあの頃のお前と」と言ってましたよね。 ミナト班時代は「オビトの遅刻の理由は嘘」と断じていたカカシも、十数年経って…ようやく友のことが少し分かってきたのかもしれない。
 
 第1話から第700話迄に登場するNARUTO世界の「敵」の中で、最強は「かぐや」、そして最大のシナリオ「無限月読」を企画・実行したのは「マダラ」。陰でうろちょろと画策していたのは「黒(ゼツ)」。
 
 しかし、ナルト達の敵として最大にしてメインの敵であり 最も手こずった相手は結局「オビト」だったと思います。 今振り返ると、事実上のいわゆるラスボスにあたる存在はオビトだったんだと…私は考えてます。 そこにカグヤや黒、トビ(グルグル)やマダラ達の思惑やらシナリオが介在していたにしてもです。

ナルトとオビトの直接対決は、コミックスで言うと59巻から68巻あたりになりますが、実際はもっともっと前から…第1巻「以前」17年前の九尾事件の日から始まったと言ってもいいんじゃないでしょうか。 
 17年前のあの日、帰郷したオビトは電柱の上に立って里を見下ろし「決意」をして… 火影岩に立つミナト先生を見つけ、過去を断ち切った… あの時に、いずれナルトと向き合う時が来る事が決まったわけですから。
 つまり、表に見えていなくても、ナルトとオビトとの闘いは1巻から71巻まで ずーっと続いていたのだと思います。
 そして、ナルトとオビトの闘いが終わったのは「勝負の結果が出た」68巻ではなく、71巻687話の「お前は必ず火影になれ」「ああ…」のやり取り、あの時にやっと「終わった」のだと私は考えています。
 
  最終的に、その最大の「敵」と助け合い、互いに「ありがとう」と言い合った…
 
「闘い」とは相手をぶっ倒すのではなくって、相手と心を通わせて「分かりあう」ことなのだと…それをナルトは見事に示してくれました。 
 2人が最終的にあそこまで共感し分かり合えたのは、互いに認めるほど「似ている」という事もあったと思います。 本来、2人とも他人の痛みを自分の痛み以上に痛く感じるタイプで(ナルトは我愛羅の為に泣き、オビトは傷ついたカカシを想って泣いた)、そして繋がりが欲しくて必死で… ナルトはイタズラして叱られようとし、オビトは人助けして誰かに必要とされようとした…
 
 落ちこぼれで「泣き虫忍者」で、忍術より爺さん婆さんのお世話が得意で、実戦では怖くてオロオロ泣いてしまってた…オビトは、本来「戦場で戦う忍者」には向かない人物だったのだと思う。 そんな忍らしくない「小さな存在」が、かぐややマダラに代わって世界をひっくり返そうとするとは…  
 いや、「年寄りを守る」という「小さな平和」を愛する人物だったからこそ、隠された忍世界の大きな闇に疑問を持ち「行動」することになったのかもしれないのだけど。そしてそれはカブトにも言える事で、カブトは孤児院のマザーや仲間の子供達を守りたかった・・ オビトもカブトも 忍世界に翻弄され犠牲になる小さな存在に心を痛めていた。
 
 そして、その「優しさ」がマダラ爺ちゃんのお眼鏡に適ってしまって面倒な事に巻き込まれた訳で… そして黒ゼツやらトビやら様々な「過去」の存在による束縛の中で生きてきた彼は、「トビ」であったり「マダラ」であったりして…「誰でもない」なんて言ってたけど、実際には「オビト」という憑代に様々な「過去」の思念が入り込んで利用しようとしてたのではないか…と思います。
 オビトはその中で、実は「己」を保とうとしてたんじゃないだろうか…マダラ復活を阻もうとしたり、黒ゼツを遠ざけたりしてたのも、いろんな「過去」の人々の思惑が渦巻く中で、運命を「自分」の手に…運命の決め手を「過去」ではなく「現在」に取り戻したかったんじゃないだろうか。 
 最終的にそれはナルトとサスケという「未来」に託されたわけだけど。
 
 
 ナルト達が忍になった《最初》の日、カカシは「慰霊碑の英雄」の言葉をナルト達に贈った。

「忍者の世界で ルールや掟を破る奴はクズ呼ばわりされる 
…けどな! 
仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ」…

 それから忍となったナルト達は様々な経験をし、成長していって… 
そして物語の《最後》に、ナルト達はその「慰霊碑の英雄」と闘った。 
 
 ナルトが「カッコイイ」と憧れた「死んだはずの慰霊碑の英雄」本人は生きていて、ナルト達の前に現れ、そしてナルトを試すかのように次々と試練、難問を与えた。
そしてその英雄との闘いは、直接対決だけでもNARUTO最長の「十数巻分の長さ」にも及んだ…
 
その間、多くの「心のぶつかり合い」をし、多くの厳しい「問い」に答え…やっと…
 
 最後に本人から直接「お前は必ず火影になれ」と認めてもらった…

そう考えると、ナルトの「忍」としての今までの道…火影になるという夢を叶える過程、NARUTOの物語は、「あの日に伝えられた言葉」を実際に達成できるかという「長い長い鈴取り合戦」でもあったんじゃないかと思える。
 ラストにようやく、「あの言葉のご本人」という本丸…「最も手強い試験官」から、ナルトは「未来の火影合格」を出してもらえた…という物語だったのかもしれない。 
 
 そして《仲間を大切にする》に徹底してこだわり続けたナルトは、その厳しい最終試験に「合格」したからこそ…“一番身近でありながら一番遠かった”サスケとの和解に辿り着けたのかもしれない…と思います。
 
 
 ようするに《オビト》とは、「カカシの友達でミナトの部下でサスケと同じうちはで…云々」だったり「グルグルとの関係やマダラとの関係」で説明できる人物でもありますが… やはり、物語上での一番の役割は《慰霊碑の英雄》だったんじゃないのかな…。
 
「神無毘橋」で死んだ筈だったオビトは「生きていた」。
 
 神無毘橋の、あのような状況では「神のような力に依らないと助からなかった」…あの時何があったかは結局分かりませんが、本来はあの時オビトは「死んでいた」んじゃないかと思います。 あれからの十数年という時間は、特別「与えられた」時間… 最後にもちょっとリンを待たせたような、「ちょっと助けてこい」と誰かに与えられた時間だったのかも…しれません。
 
 それは彼がかつて憧れた「火影」という形での人助けとは程遠いもの、従来の「人助け」の形とも程遠い…忍世界をぶっ壊し「敵」となる形でのモノではありましたが… 彼のああいう「役割」も、世界の変革には必要だったのだと思います。そして、ナルト達の為にも…カカシの為にも。
 
何より、リンにも労ってもらえたし…今度はカカシも笑顔で送ってくれた事が、彼にとっては最高の「ご褒美のアメ玉」だったかもしれません。それにハゴロモも「あの世でオビトから色々話を聞く」なんて(ちょっと楽しそうに)してましたから…
 
結局、オビトは…あの世でも「爺さん」達の世話はする事になりそうですね(笑)
 
 
 
 
「お前にはこれからまだまだ多くの苦しみがあるだろう…」
 
「だが… それでもお前は変わることなく その忍道を貫き通せ」
 
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「お前は… 必ず火影になれ」
 
 
 
…オビト、いや「慰霊碑の英雄」から貰った「合格」…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
 
☆カカシ、サクラ、ナルト、サスケの雑考については最終回後にアップしたいと思ってます(彼等については、最終回を読んでから書きたいと思いますので…)
 
 
 
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