ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

カカシが万華鏡写輪眼を見せる時 (カカシの話をざっくり振り返るの3回目)

カカシが万華鏡写輪眼を見せる時

 シルバーウィークもあっという間に過ぎ、もうすぐ10月… 今年は涼しくなるのが早かったせいか、いつもならナルトの誕生日(10月10日)あたりに花を咲かせる金木犀が、今年はずいぶん早くに咲き始めましたが…

 さて「カカシ個人の物語(カカシが「過去」を見つめ直し自分自身を認めていく物語)をざっくりと振り返る」の続きですが、今回は「第二部(28巻以降)」を見ていこうと思っています。
 
 カカシにとっての第二部は、万華鏡写輪眼の新術を披露して始まる… 
 
ナルトが自来也と修行に出ていた期間(第一部と第二部の間)に、カカシはこっそりと万華鏡写輪眼の修行をしていたハズなのですが、どのような修行をしていたんだろう。  万華鏡写輪眼の「開眼」そのものは、実は子供時代…リンの死の時だったこと、そしてオビトの右眼と同時に開眼していた事が63巻にて明かされました。 あの当時、既に「開眼していた」ことにカカシは気付いていたのだろうか…?  もし、気づいていなかったとしても、カカシのことだから「万華鏡開眼の方法」について色々と調べ尽していただろうし、「リンを自分の手で死なせてしまった」時に開眼していた可能性を考えていたかもしれません。 
 ま…そうはいっても、普通の写輪眼状態でさえあれだけ肉体への負担が大きいのだから、万華鏡写輪眼は「その眼に合う血族じゃないカカシの体」にはとてもじゃないが負担が大きすぎる。

 しかし、サスケが里を抜けてしまい、ナルトも新たな敵“暁”に狙われるといった状況で、カカシは彼らを守るために「もっと強くなる必要」がでてきた…  たとえ負担が大きかろうが「今度こそ彼らを守る」決意で、リスクを覚悟の上で修行していたのではないだろうか(と推測)。 28巻では「すごい新術を開発した」とサラッと語っていましたが、そこに辿り着くまでは相当大変な努力をしたのだろう…ということは想像に難くない。
 
 だけど、万華鏡写輪眼は「使うほど視力が低下してしまう」というリスクまである… だから、カカシが万華鏡写輪眼を使うのは「ここぞ」という時に限られます。 
つまり、カカシが「万華鏡写輪眼を使う時」こそ、カカシにとって「ここぞ」という時…彼が、その眼を見せる時はどんな想いがあったのか…そしてその眼を見せた時、何が起きたのか。それを見ていこうというのが今回の記事の主旨なのですが、ま…それで記事のタイトルが《カカシが万華鏡写輪眼を見せる時》なんてダサいタイトルになっちゃった(自分でツッコんでおく)…とりあえず、第二部の中から《カカシが万華鏡写輪眼を見せた場面》(チラ見せも含める)を取り出してみます。  

風影奪還任務 (31巻)
・イタチ追跡任務 (43巻)
・ペイン天道戦(46巻)
・鉄の国境の橋での戦い(52巻)
第四次忍界大戦でのオビト戦、カグヤ戦(62巻~71巻、多数連続使用)

(他にあったっけ…?)

…とまぁ並べてみますと、場面的にはそれほど多くはないように思えるのですが、62巻以降の戦争編では、1日の中で多数の神威を連発しているので、トータル的にはかなりの回数の万華鏡を見せています。
 では、どういう状況で万華鏡写輪眼が使われ、そしてカカシの話がどう動いたのか…それぞれを具体的に見ていきましょう。
 
・まずは最初の「風影奪還任務」。

 第二部開始早々にカカシが「万華鏡写輪眼」を披露したのは「風影奪還任務」… デイダラの腕を引きちぎり、デイダラの自爆分身を異空間に飛ばしたり…カカシの左眼(というかオビトの眼)って、実はトンでもない能力を秘めていたのね…と驚きましたが、同時に「もし、オビトの右眼も残っていたら…」という事も気になってくる。 
 「圧倒的な威力を持つ左の万華鏡写輪眼の披露、そして…風影奪還エピソードを締めくくったのは「右眼だけ仮面の登場」(31巻ラスト、トビの初登場)でした。 左右の眼の対をなすような、気になる登場の仕方…うーん、初っ端からかなりの「ヒント」が出されていたような気はいたします。
 だけど、この時は我愛羅の復活、そしてナルトと我愛羅の熱い友情》という熱~く感動的なストーリーの陰に隠れちゃって、カカシの話はそれほど目立たなかったんです…(しかも、最後に「ガイとカカシのオッサンどうしのおんぶ」というギャグ的なオチがついてしまって、カカシの“すごい新術”はさらに目立たなくなる)。

でも、左右の眼の再会の物語は始まっていたんですよね…静かに…かなり大胆に。

 そして、その次にカカシが「万華鏡写輪眼」を見せるのは、ちょっと先で…イタチ追跡任務の時。 それまでの間カカシは何をしていたかというと…寝込んでいたり、ナルトの修行に付き合ったり、第十班を率いて角都・飛段と戦ったり…とそれなりに多忙だったんです。 そしてこの期間、カカシの「第七班の先生としての物語」は大きく動きます。 自分の役割、立ち位置に自信を持ったり、迷ったり悩んだり…とね。 
 だけど、角都戦では(かなりの苦戦を強いられたものの)カカシが万華鏡写輪眼を使うことはありませんでした。 そして、カカシの「写輪眼の物語」のほうも、この間は目立った進展はない…。

 しかし、ここから先…カカシもオビトも、それぞれ「サスケ」を追う事になります。なので「再会」も時間の問題ではあったんですよね。

・イタチ追跡任務

 さて、次にカカシが万華鏡写輪眼を見せた「イタチ追跡任務」(43巻)…
イタチとサスケのもとに急ぐカカシ、ナルト達木ノ葉小隊の前に足どめに現れた「謎の仮面の男」…それが、カカシとオビト(2つの写輪眼)の十数年ぶりの再会でした。 

 (この時、カカシは仮面男の右眼が「写輪眼」であることに気づき、さらに「時空間忍術系の術」を使うことに動揺する…)

「こいつ…一体何者だ!?」 (396話)

(…オビトです。というツッコミは止めとくとして…) カカシはその人物との対戦を覚悟して、左眼を《ギン》と万華鏡に切り替えるのです…(同じく396話)。

 仮面の奥に潜むギロッと睨んだ「右の写輪眼」と…それと対抗しようと構えたカカシのギン!という「左の万華鏡写輪眼」…あの時の「左右の眼の対となるような描写」も、かなりハッキリとしたヒントだったような気はします。 

 二人の十数年ぶりの再会というシーン…なのにこの時は、なにせ「イタチの死」の直後だったこともあり、多くの読者は「そっち」に気がいってしまって(と思われる)、この時も「左右の眼の描写」はさほど目立ちませんでした。  
 しかし、そうやってメインストーリーの陰に隠れながら、カカシの話(左右の写輪眼の物語)も着々と進んでおりました…また1つ確実に。


・そして、ペイン天道戦

 次にカカシが万華鏡写輪眼を見せたのはペイン戦… この時、カカシはペイン相手に2回の神威を使って、チャクラ切れであの世に行きかけてしまいます。 カカシは「オビト、オビト」と言いながらオビトに会いに行くつもりだったのに、実際にカカシが「あの世との狭間」で出会ったのは「サクモ父さん」でした
 あの時、カカシが「あの世ではオビトには会わなかったこと」…「カカシが今まで己を責め続けていたのは、“オビトを守れなかった”せいではなく、“リンを守れなかった”せいだった」と判明した事…この2つは、その後のカカシの物語の方向を示す、ものすごーーく重要なことでした。

 ペイン天道戦で、カカシが命がけでチョウジを守ったのは、自分の命と引き換えにしてでも「これから先(若い世代)と里を守るため」。  それは、先に逝ったミナト、オビト、リンが選んだのと同じ道でもあり、彼らと同じ道を選ぶことは カカシにとって「彼らへの贖罪の方法」だったのかもしれません。 しかし、彼のその選択は「復活(=この世でのやり直し)」を命じられたことより、事実上否定されたことにもなる… 
 サクモ父さんに言われた「この世でお前がやるべきこと」…それは「これから先(ナルト達)を守ること」でもあるけれど、まずその前にカカシがやらなくてはならない事…それがサクモとの再会イベントで判明した2つ「この世でオビト(右の眼)と再会すること」「リンを守れなかった痛みをオビト(右の眼)と分かち合うこと」…まずは自分自身の問題を解決させて、自分を許してやる事がカカシには必要だったんだろうと思います。
 カカシがやるべきことは「誰かに許してもらうこと」ではなく、「自分で自分を許すこと」…これから先を守るためにも、これから先をもっともっと見るためにも。 

 カカシの「これからやるべき事」が示されたサクモとの再会エピソードも、ペイン戦における《様々な感動的かつ劇的なエピソード》の1つとして埋もれてしまい、あまり目立つことはなかった…(ような気がする… 私としては感動したのだけれど)。 
 
 その次にカカシが万華鏡写輪眼を見せるのは、鉄の国境でのこと…


・国境の橋

 (51~52巻、久々に集結した第七班…  カカシはこの時、サスケの須佐能乎攻撃の防御のために神威を使い、さらに「マダラはここでオレが処理する」と決意する… だけどマダラ(オビト)に「そんな術(神威)はきかない」と制止されてしまう)。 

 マダラ(オビト)に神威が通用しない理由は、もちろん「同じ眼を持っているから」だったわけですが、当時のカカシは「その理由」に気づくはずもない… そして カカシはまだこの時「自分もナルトと同じような立場にいる」ことに気づいていませんでした。

 「橋」は、出会いの場であったり、再会の場であったり(…という話を前回いたしましたが)、カカシとオビトのふたりにとっても「橋」は重要な場面で登場してきました。 「カカシ外伝」ラストの絵も「破壊された神無毘橋」…あの壊れてしまった神無毘橋が象徴するように、カカシとオビト(左右の眼)の物語は「別れ」で始まります。 本来1つであった2つの眼が運命によって分断され、長い時間を経て再会へと向かい、そして次第に元に戻っていく…。

 鉄との国境の「破壊された橋」のたもとで、敵対したナルト達第七班とサスケ…そしてカカシとマダラ(というかオビト)。 二組の「本来1つであったもの」が、宣戦して向き合った場… あの時、ナルトとサスケ、カカシとオビトは「戦いを宣言し」最悪な状況になるのですが、ここから先はおもむろに(徐々に)修復へと転じていきます。 
 このエピソード中でナルトが(カカシの横で)つぶやいた「仲間一人救えねぇ奴が火影になんてなれるかよ」は、もちろん「ナルトが自分自身に言った言葉」だったわけですが、当時「次期火影就任」の話が出ていたカカシにとっては痛烈なパンチ…  だけど、この言葉はその後「友達を救った」カカシが六代目火影を引き受ける気持ちになる…という予告のようなものでもありました。 

 そしてこの時も、「ナルトとサスケの再会、そして闘う宣言」という大きな話の節目に隠れちゃって、カカシの眼の話は目立たない…。 でも、ナルトもカカシも、本当に大変なのは「ここから先」だった…


・第四次忍界大戦の戦場にて

 そして…次、というか最後ですが、カカシが万華鏡写輪眼を使うのは、戦争の後半戦(ボス戦というかね)…まずは62巻595話「皹(ひび)」…十尾復活が始まり「仮面の男(オビト)との直接対決」が始まった時からでした。

 戦争の第一日目、穢土転生ズと戦っている間は「カカシが万華鏡を使う場面」は描かれていない(使っていたとしても描かれていないだけじゃないの?というツッコミは無しでお願いします…あくまで「描かれている場面」ということで)。 ま…おそらく戦争という長期戦を考えて、チャクラ温存のためにも、おそらく万華鏡写輪眼は使っていなかったと思われるのですがね…  そして、戦争前半はカカシとオビトの接触もなく、左右の写輪眼の物語も目立った進展はありませんでした。

 しかし、ついにカカシが仮面男との対決に入り、「この世界」を守ろうとして万華鏡写輪眼を見せた時から…スイッチが入ったように「左右の写輪眼」の物語が動き始めます…それも一段と加速して。

まず最初に、カカシは十尾=外道魔像の首に狙いを定めて神威を使ったものの、オビトに相殺され「止められてしまう」…(595話)

「神威!!」「!?」
(どういうことだ…? まさか…)

しかし、次に神威で時空間に飛ばしたクナイが、仮面に皹を入れる…(同じく595話)

(待てよ…)
(イヤ…そんなハズは…)
(しかし…)

さらに、神威で時空間に飛ばした螺旋丸が、仮面の肩を直撃する…(596話)

「奴の時空間忍術は…オレの神威の時空間と繋がっている!」

そして今度は、神威で時空間に飛ばしたナルトが、ついに仮面を割る…(598話~599話)

「お前は…」 「オビト…?」

 わずか3話の中で、4回もの神威…595話以降は何度も何度も繰り返しカカシは万華鏡写輪眼を使っていきます。 そして使うたびに、左右の眼は引き寄せられるように近づいていく。そして「正体」に近づいていく。 
 最終的に仮面にひびを入れたのも、仮面を割ったのも、カカシが「万華鏡写輪眼」でクナイやナルトを時空間に送り込んだからでした。 左眼が…右眼につながった瞬間でした。

(そして、その後いろいろあったけど、最終的に二人…2つの眼は「万華鏡写輪眼を共に開眼したあの時の痛み」と向き合うことになります。 今まで、二人が誰にも語らず一人で抱えてきた「あの日の痛み」を共に向き合い、乗り越える。 カグヤ戦で、二人が一緒に「カカシとオビトの手を引いてくれるリン」を見た時…二人はようやく「あの日」を受け入れ自分を許すことができたんじゃないかと私は思っています)

 そしてついに揃った2つの眼は、その本当の力を発揮した後、オビトと共にその役目を終え、カカシも本来の眼に戻っていく…

 「カカシが万華鏡写輪眼を見せる時」…それは「今度こそ仲間を守る」決意を新たにする時であり、そして「万華鏡を開眼した“あの日”の痛みと向き合う」時でもありました。 カカシが万華鏡写輪眼を見せる時に「写輪眼のカカシの物語」が大きく動き、左右の対となる眼が「再会」へと向かっていったのは、当然のことだったのかもしれません。一人ではなく、二人であの日の痛みを分かち合うために…

 第二部で描かれた「写輪眼のカカシ」の物語…「万華鏡写輪眼」の物語は、カカシが友を救い、そして自分を許していく物語でもありました。 第七班の先生としても、オビトの友としても色々と大変だったカカシだけど、最後はやっと「報われた」…  オビトがカカシに言った「六代目火影はお前がなれ カカシ」は… 岸本先生からカカシへの「お疲れさん」という労いの言葉のようにも聞こえます。

 「写輪眼のカカシ」の物語をちゃんと完成させたカカシだからこそ、ナルトの先生としても…「一歩先にお手本のように歩く先輩としての背中」を見せることが出来たんじゃないのかな…


☆ホント、お疲れさんでした…カカシ。六代目時代の話も、もっと読みたかったなぁ…。


☆長駄文、読んでくださって感謝。



(ナルト好きブログ!2015/09/24)