NARUTO528:「だるい」を超えて
「サムイさんアツイ アンタ達のおかげだ・・後で必ず助け出す!」
今週のタイトル「だるい」を超えて・・ってなんのこっちゃ?と思ったんですが・・・・w
それは争いを好まぬ だるそ~な男が「優しさ」を強さに変える時、とでもいいましょうか。
誠実なダルイには、「誠」・・・《嘘が無いもの、欺かないものby広辞苑》って言葉がピッタリな気がします。
・沈黙は禁なり?
う~ん、やはり金銀兄弟が先週言っていた言葉は重要なヒントだったんですね。 彼らは「口は災いの元だ」なんて言っていたけど、彼らのほうがお喋りで墓穴を掘っているような気もするんですが。
「沈黙は金なり」 「言葉なんてのは 嘘で人を騙すための道具だ」・・・つまり沈黙は「金」というのは嘘――
だからサムイは黙っていて(沈黙)、 紅葫蘆に吸い込まれたんですね・・;
「騙してなんぼの弁舌だ! ここで言うなら〝沈黙は禁〟ってな ハハハ!」
銀角の「悪ふざけ」が過ぎる言葉に、あまり感情を表に出さないダルイが《ほんの僅かだけど》額にピキッ!と皺を寄せて険しい顔になった(彼としては、沸騰顔ですねw) ダルイがピキィ!ときたのは、「嘘」とか「騙す」ってことに対してだと思うのですが・・。
ダルイと言えば、ルックスは「ダボッとしたズボン」だし(者の書設定画の説明より)、ファスナーを上まで締めずに胸元を開けていたり ポケットに手を突っ込んでいたり(←これはカカシと同じw)
・・・なんだか締まりが無い不良風なんですけど、実はめちゃくちゃ誠実だし、堅すぎるほど真面目。
だから、雷影がついてこい!と窓から飛び出した時も ダルイは真面目にドアから出るし(49巻で)、壁を壊した雷影に代わって謝ったり。 彼の座右の銘は「誠」なのかな?と思うぐらい誠実な人だから、嘘とか騙すなんて言葉は許せないんじゃないだろうか。
・「騙し合い」と「裏切り」
「言葉は騙すための道具」
「忍の世では騙し合い 裏切りも 立派な戦術・・・言葉も忍具だ」 (銀角)
むむ、裏切り・・・・。 トビが目の敵にしている言葉「裏切り」って言葉出てきましたね。
でも、銀角が言ってることはわからなくもないんです。 雲隠れだって「里単位」で裏切り行為をしているんですよね。 「同盟条約締結」を隠れ蓑に ヒナタを誘拐して白眼を奪おうとしたことがあったり。
砂隠れだって同盟国なのに木ノ葉崩しに加担したり、岩隠れでもズルい手を使ってきたらしいし・・・・まぁどこの里でも国家単位での裏切りも当たり前、忍の世界で騙し合いなんてのは珍しいことでは無いわけで、金銀兄弟だけが間違っているわけではないのかもしれない。
銀角の騙すとか裏切りという言葉に一瞬ピキィ!となったものの、それでもダルイの怒りって穏やかだなぁ~と思います。
「そんなんだから・・・雲隠れでアンタ達は不名誉の象徴なのさ」
《そんなんだから》と、まるで先生が生徒を諭してるみたいだったり。
「沈黙は金なんてよく言えたもんだ・・・・ったく」
《ったく》とか。 なんだか怒るというより呆れているに近いかな? 言葉の大切さに気付いていない「大先輩」に 本気で同情しているように見えるんです。
銀角はダルイの発言を生意気ととらえて、
「なんだとこの三下銅ヤロー!おまえは所詮雷影の駒でこの忍具の類似品みたいなもんだ!ただの道具だ!ほざくな甘ちゃんが!ったく今時の忍は何様だ!?」
と わめいでいますが、わめくほど銀角の銀メッキが剥がれていくような気がする・・・安っぽく喋りすぎ、銀角w
銀角の言った三下銅ヤローって何・・?
「三下奴(さんしたやっこ)」というと、やくざの役に立たない下っ端のこと(賭博で役に立たない「三」以下のコマ)。 でも、三下「銅」ってのは 彼等『金銀よりも格下の銅』、雷影一家の下っ端ということだろうか。
金銀兄弟の名は西遊記の金角銀角から来ているみたいですが、『将棋の金銀』という意味でもあるのかなと思います。 守りの金に、攻撃的な面もある銀・・・(銀角のほうが喋るし攻撃的?w) 将棋では「玉」を守る金銀ですから、本来は玉を守ってきた人達だったのではないかと思うのですが・・。
・ダルイの「守るべきもん」
道具と言われて、ダルイが思い出したのは 雷影との「ちょっといい話」。
五影会談で雷影が左腕を失ったことに責任を感じ、《すみません》と謝るダルイに、
「左腕に未練などない なぜならワシは右腕を2つ持っておるからな」
「これ(右腕)と・・・」
「お前だ」
ぐぁあ、なんて渋い笑顔だ雷影・・・・ あんなに言われたら「ついていきます!」って即答してしまうではないか!
責任を感じる部下へのあったかい言葉、上司として最高ですよ。ハートが熱い雷影だから、多少「きかんぼう」であっても許せちゃうのかも。
ダルイも、一瞬《ドキン》として固まってますが、
嬉しかったんだろうな・・・
「右腕」・・・つまり信じている、必要としている、っていうことですよね。
このダルイの表情を見て、カカシがサイに言ったアレを思い出しちゃいました。 先週アニメで放送された部分(49巻)ですが・・・
「信じてるよ」
(ニコ)
上司が信じてくれて、必要としてくれるってことは、部下にとって最高に嬉しいわけでして。
それとは対照的に「言葉に誠が無いと、まったく伝わらない」悪い例が、木ノ葉崩しの頃の大蛇丸とカブト(10巻88話)。
この時の大蛇丸の言葉は「相手の腹の内を探るための道具」でしかなく、ハートを伝えるもんじゃなかったのだ。
あのダルイと雷影の会話、五影会談終了後に交わされたものなんでしょうね。 「ビーが無事だった」とわかったせいか、雷影の表情に余裕がありますから。
会談中の雷影は、弟のことで頭がいっぱいで冷静じゃあなかったですからね・・・ダルイはそんな雷影を うんと心配していたんです(詳細は先週のダルイ記事にて) 。
あの雷影の言葉は、ダルイの優しい気持ちに対する「ありがとう」でもあったのかな。
・だるいを超えて
ダルイの一生で一番多く言った言葉「だるい」・・・・
それを紅葫蘆に吸い込まれる直前に 数で「超えた」言葉が「すみません」。(それでダルイは吸い込まれずに済むわけですが)
「だるい」を超えた「すみません」・・
ダルイは元々争いごととか好きじゃない、平和主義者に見えるんです。 争いは嫌いだから、つい言ってしまう「だるいけど」なんじゃないだろうか。
でも、それ以上に彼の性格を表しているのが「すみません」・・・・
「すみません」について、ダルイは「オレは意外と謙虚な奴だったって事か悪くねェ!」 と思ってる。
だけど、謙虚である以上に「優しい」ってことなんじゃないかと思うんです。
雷影に代わって《すみませんね、机とか壁とか・・》と謝ったのは 雷影を心配する優しさからの言葉だし(49巻)、 紅葫蘆に吸い込まれかけた時ダルイが思い浮かべたのは仲間・・・《すみません、皆》
雷影が左腕を失ったのは、ど~考えても雷影が無茶をしたからで ダルイの責任ではない(と思う。)
それでも「すみません」と思う・・・それは雷影を想うダルイの優しさからの発想ではないかと思います。
そして、さらにダルイの優しいところが見えるのが、雷影に「2本目の右腕」と言われたダルイが、
「どうせなら シーも入れて三つってのはどうスか?」 と言ったところ・・・
シーがあの場にいたわけじゃないから、シーに気を遣ったわけじゃない。 あれはダルイの本心からの優しさなんです。
雷影は(まあいいだろ、多いにこした事はない)と言ってるので、本当はシーをカウントする気は無かったと思うんですけど; でもダルイの思いやりに思わず《まあいいだろ》と言ってしまった…
雷影は、ダルイのこういった「優しさ」に 惚れこんでいるんじゃないだろうか・・?
さて、危機一髪で吸われなかったダルイ、瞬時に銀角の後ろをとって鉈で斬って金角の幌金縄にぶつけ、紅葫蘆と七星剣を奪い取って銀角のNGワードを録音して逆襲。 ・・・それが速い!
こういった素早さと機転に、あの「黒斑差」で見せた「雲隠れ一の上忍」としての才能が垣間見える・・・(ほめ過ぎ?いや、本当にかっこいい忍と思う)
・銀角に「助けてくれ」と言わせたもの
「・・確かに・・ 言葉ってのは 嘘をつき人を騙すための道具かもしんねェ・・・」
「けどここぞって時 言葉ってのは―――」
「ここん中の誠を伝える大切なもんになる」 (トン、とハートを叩く)
「だからこそアンタは今封印されるのさ」
ぐあっ、、撃沈・・・・! (私が、じゃなく 銀角がw)
それまで「三下」「ほざくな甘ちゃんが」と吠えていた銀角が、途端に弱気になったのは ダルイの守るべきもの「誠」が入魂された、熱~い言葉に圧倒されてしまったからだろうか。
嘘、裏切りの真逆である「誠(嘘が無いもの・欺かないもの)」・・
「・・・助けてくれ・・・金角」 (情けなさすぎる・・)
瓢箪に吸い込まれた銀角のNGワードは「金角」・・・
なんだか皮肉なことに、兄弟の絆を感じるこの言葉には彼らの「本当の心」が現れているんじゃないだろうか。 助けて金角~、なんて銀角も憎めないというか
ダルイは紅葫蘆をじ~っと見つめて
《サムイさんアツイ アンタ達のおかげだ・・後で必ず助け出す!》と力強く「!」をつけて誓っているのだが・・・
ダルイって、普段セリフに「・・・・」が混じることが多いんです。 たとえば
「・・・ったく」 「っスよ・・・」 「・・・か?」とか、ね。 で、「!」が少ない。
要するに、話し方も 《いつも怠そ~》なんです。
その彼が「!」をつけて誓い、それに彼は口にしたことは絶対に曲げない。 だから・・・
ダルイはアツイとサムイを必ず助け出す!と思ってます。
(雲隠れでは、ビーの影響なのか 「言葉を曲げない」若い世代が育っている気がします。オモイがナルトの事を「男は軽率に言葉を決めないもんだ こいつは口にした事を曲げねえタイプだ」 「敵だけどこーゆー奴は好きだ」と言っていたっけ。)
・金角の「九尾化」
弟?のピンチに、怒りを解放して「九尾化」した金角・・・・「六本目」まで出してますね(で、中央部分は太長い)。
ナルトが六本目まで出した時(ペイン戦)では骨を纏って完全に「九尾」の体型になっていますが、
金角の方は六本目でも「人型」。 金角の体に尾が生えた形です。
(ビーのバージョン2、八尾チャクラを人型に抑え込んだ形とほぼ同じ。)
それを見た角都が
「金角がああなるのは久しぶりに見るな つまり・・・銀角はやられたか」
・・・って、卒寿を超えてる角都、前に銀角がやられた場に居合わせたんですね。
角都は滝隠れの里出身で、柱間暗殺任務に失敗した後に里を抜けてます(者の書)。
当時、既に抜け忍だった可能性が高い・・・金銀兄弟側だったのか、あるいはその敵側だったのか。
それにしても、九尾の意志が無く「チャクラ」だけ持っている金角は 今のナルトに近い状態といえそうです。
己のチャクラを九尾に取られるリスクが無く、意識もしっかりしている金角は理想的な九尾化に見えるんですけどね(尾獣玉まで使えたりするんだろうか?)
本部で金角「九尾化」が感知されるだろうから、ここで「木遁のヤマトは生きてるのか?」なんて捜索が向けられることにも期待したいですが・・・。
☆角都、背中に5つ仮面つけてる状態で穢土転生されてるみたいですね。
☆暴れん坊的な金銀兄弟、金銀メッキが剥がれたら意外と純粋なんじゃないだろうか?
☆ダルイの目、カカシの目とソックリ
☆感想その2(ダルイの知略戦について) 追加アップしました。
☆長駄文、読んでくださって感謝。
☆←にほんブログ村、ランキング 投票クリックしていただければ嬉しいです。