今週の「ナルト疾風伝」を見て ふと思ったこと・・・(カカシの口上手と、ナルトの言葉)
(↑以前の記事のイラスト使い回しです)
「今ここで若い忍が不器用なりに雲と木ノ葉・・互いの里・国を想い頭を下げている 雷影様、アナタは五影の一人としてこれをどう捉えどう思われる?」
サスケを始末しないでくれと嘆願するナルトを、雷影はいったんは無視して去ろうとしていたんです。でも・・・・カカシのこの一言に思わず足を止め、自分の考えを伝える・・ この言葉が、すごい。
カカシの言葉は実に丁寧です。 失礼なことは言ってないんですよね。
だけど、《五影ともあろう雷影様は、若い忍の必死な嘆願を無視するほど器の小さいお方ではないですよね?》というやんわりとした脅し、あるいは信頼でもあるんですよね;あれは。 さすが『オレは口がうまいから』と自慢するだけはあるなぁ~カカシ。
五影(しかも、あの雷影)相手に、まったく怯むことなく堂々と(冷静に)話せちゃうカカシも実に器の大きい人だなぁ~と改めて思ってしまいます。 逆にナルトの嘆願を無視して去ろうとする雷影のほうが子供に見えちゃうんですよね。 これじゃ、どっちが年上だかわからない。流石に雷影も五影としてのプライドにかかわるわけで、きちんとした返事をせざるを得なくなったのかな。
カカシならではの巧みな「話術」・・・カカシは言葉による「心理的かけひき」が、すごく巧い。
再不斬との第1回戦でも、巧みな話術で再不斬を心理的に追い詰めていく過程は圧巻でした。
そういう意味ではカカシも話術を武器としているわけで、なんだかなぁ・・・今週号(528話)で銀角が「言葉も忍具だ」と言っていたのも わからないではない。 忍にとって「話術」は重要なスキルであることは確かですよね。
もちろん、カカシのようにうま~く自分のペースに乗せるのは「口が上手い」と言われるわけですが ウソや裏切り(つまり騙し)という使い方をすれば「不名誉の象徴」になってしまう。 (まぁ・・・・敵をうまく心理的に追い込むのと、騙すことの境界線が曖昧になっちゃうこともありそうですけど)。
でも魂を揺さぶることが出来るのは、結局はその言葉に《真実、欺かないもの》がある時だけなのかもしれないですね。 ナルトの言葉が再不斬の本心を引出したように。
カカシの言葉が雷影の心を動かしたのも、雷影の本心を引き出すような響くものがあったってことですよね。カカシは、雷影が《本当は人情に厚い器の大きい人物》だと分かっていたんじゃないかな。 だから、ああいった言葉で雷影の「本心」を巧みに引き出したんだと思います。雷影という人物の情報(データ)は、元暗のカカシならバッチリ頭に入っていそうですから(実際、カカシの頭の中はデータでいっぱいですからねぇ・・)あの時、ヤマトは「雲隠れはかつて日向の一件で汚いことをしている」と取引のようなことを提案しようとしたんです。これは、今まで当たり前のように使われてきた方法だと思うんです。 そっちの弱みを握っているんだから、その代わりと条件を提示するってのはね。 でも、カカシはそれを止めて、雷影を「信じた」。これは今までにない交渉術だったんじゃないかと思います。 だからこそ・・雷影も、カカシという人物に「新しい時代」を感じたのかもしれない。
そして不器用に訴えるナルトには「おまえが何をすべきかもっと考えろ」とは言ったものの・・・ナルトの純粋でまっすぐな訴えは雷影の心をしっかりと揺さぶっていたんですよね。
雷影はナルトを気にしながら去っていった・・・。
なんだかなぁ、今週号(528話)のダルイのあの言葉と重なりました。
・・・《ここぞって時の言葉は ここん中の誠を伝える大切なもんになる》・・・・
ナルトのあの不器用すぎる嘆願にも、『誠』・・・《真実、欺かないもの》・・・がいっぱい詰まっていたのかな。
☆駄文、読んでくださってありがとうございます。