ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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NARUTO-ナルト- 605 :地獄 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ46号) その4

NARUTO 605:地獄 その4

(その3の続きです・・・)
 
「血霧の里をなめるなよ!!」

「せめて 女だけでも回収するのだ!」
「死体を絶対に敵に渡すな!!」  (霧の忍達)
 

霧の忍が「血霧の里」って言ってるってことは、当時霧隠れは既に「血霧の時代」・・・つまり霧隠れを血霧の里にしたのはオビトじゃあ無かったんですね。 
この時代、鬼鮫は15歳ぐらいですが 54巻鬼鮫の回想に登場した『四代目水影やぐらの時代の鬼鮫はそれほど若くはなかったから・・・まだこの当時は『三代目水影時代』だったんじゃあないか?と思うんです(よく分からないけど;)。で、その三代目水影が血霧時代を作ったということでしょうか。 ・・・ますます怪しいなぁ、三代目水影・・・マダラさんの影をチラホラ感じてしまう(にしても霧の時系列は難しい)。

でも、もしリンに尾獣が既に憑依させられていたのだとしたら・・リンが死んだら尾獣も死んじゃいますよね。 そして尾獣は一定期間のナギ節?を経て復活するまでに、ある程度時間がかかる(53巻のミナトの話から)。 
でも霧の忍が「死体を渡すな」とも言ってることを考えると、リンの体そのものに尾獣に共鳴するような「実験」が施されていた可能性もあると思ってます。 
 
もしかしたら「リン」という実験体は、この日の為にマダラのシナリオで準備されていた・・なんてことは無いだろうか? 「血霧の里」で実験体として準備されたリンが木ノ葉に送られて・・オビトの傍に配置され、オビトに何かとお世話してオビトの気を惹くように仕組まれていたとしたら・・・? 
ま、いつもの悪い癖の考えすぎだとは思ってますが、グルグルの発言等から「この日のオビトのテスト」はかなり用意周到に計画されていたような気もします(マダラ爺ちゃんってばよ・・;)
 
そしてもう1つちょっと気になってる点もあるんです。 先週の雑考でも書いたのですが、先週のグルグル情報によればリンとカカシを囲んでいるのは「皆凄腕の上忍や暗部みたいのばっかだって」という事だったから、霧隠れの凄腕や暗部と言えば「忍刀七人衆」とか鬼鮫、青・・その辺りの登場を期待したんです。だってもし尾獣関係の一大事だったら、里長本人か超エリートたちが選抜されてくるはずですから。 
たとえば雲隠れでも「八尾暴走」の時には、雷影以下エーとか里のエリートが総出だった・・とモトイも回想してましたし、当然、霧なら七人衆の誰かか青はいるだろうと思ったんです。
 
なのに・・・いない。

で・・・オビトがウオオオ!と得意の蹴りで暗部の仮面を割ってるんですが、その時チラッと額あてが見えて・・それを「ガッ!」とオビトが確認した途端「ウオオオオオ!!」とバーサク状態になってその忍をボコボコにしてるんですよね。 オビトはウォオオオ~ばっかりだからよく分からないんですが、なぜかその忍の面が取れたことで興奮している・・・周囲の忍が驚いてしまうぐらいに。 ・・・やっぱり、これ意味がありそうなんですよね;
なんだかなぁ・・この件にもダンゾウが絡んでいたとしたら(って疑って悪いんだけど)、ここにも木ノ葉の“根”の忍が混じっていた可能性はあると思うんです。 オビトが見たのはもしかしたら「木ノ葉の忍」だった可能性があるんじゃないかとね・・。 木ノ葉が霧に混じっていたのか、あるいは「全部木ノ葉」って可能性さえあるかと思ってるんですが・・。
 
というのも、ダンゾウは前にもやってるんですよね・・・
長門を外道魔像にリンクさせたあの時にも、“根”の忍達に「衣装」を変えさせていた前例があるんです。
48巻長門の回想に登場するあの時の「ダンゾウと暗部達」・・・服装を見ると“根”ではなく「火影直轄暗部」の服装なんです。 あれれ?ダンゾウが“根”じゃなくて木ノ葉の正規の暗部を連れてるのか・・?と疑問だったんですが、良~く見れば彼らに「火影直轄暗部の証である刺青」が無い。やっぱり“根”の忍達が 火影直轄暗部の服を着てただけだと思うんです。 
たぶんそれは、「弥彦を騙したのは木ノ葉の火影直轄暗部だった」と長門に勘違いさせる為の作戦だったのではないかと勘繰ってます。 長門に、木ノ葉の里と火影に恨みを持たせる事がダンゾウの目的だったのではないか・・・そしてペイン襲撃時の、ダンゾウの「暁も役に立つものだ ワシにとっては必要な犠牲だ」発言につながるのではないか・・と想像しています。 
 
・・・ダンゾウにはそういう「前科」があるから、今回だって周囲とカカシを騙すために「霧の暗部のフリをさせる」なんて事は朝飯前だと思うんです。

オビトはリンの遺体とカカシを守るために「霧隠れの忍達」に一人捨て身で突進していったんだと思うんです・・・自分を見失ったかのように暴れているけど、でも・・・それも「仲間を守る為」。 オビトは「事情」なんて分かってないけど、敵にリンを渡すことだけは出来ない。 そりゃ生きてるリンに再会して守りたかっただろうけど、でも・・今のオビトに出来ることは「これしか」なかったんですよね。
 
オビトがずーっと帰りたくて守りたかった木ノ葉。いずれは「火影」になりたいというオビトの夢が「そこ」にはあった。 でももし、その大切な里がカカシとリンを見捨てたのだとしたら・・・・この後、オビトが「木ノ葉には戻れなくなった」のは当然だと思うし、もはや「里とは何なのか」分からなくなってしまうと思うんです。
 
最初は《ここは…何だ?》そして《認めない!》と、オビトはこれが「現実であること」を認めたくなかったんだと思うんです。だけど、どうやらここは「現実」だって事は認めざるを得なかったのかもしれない・・ そして、この「疑惑の忍」をボコボコにした時からは「ここは・・どこだ?」になってる。

「ここは・・・・」 「・・・一体・・・ どこだ・・・!?」
 
 

・・・《そして、満月の夜、月は血の涙を降らす》。
 
 
夜空へ渦巻くように伸びていく樹には、無数の骸とそこから滴る血・・・そして血の涙を流す、悲しい光を湛えた満月。 
 
よく見るとゾッとする戦慄の絵なんですが、悲しすぎる中に美しさがあって・・ちょっと私が好きなビアズリーの絵にも似た妖しい美しささえ感じてしまいます。 血の湖に立つオビトは、最愛の女性を守れなかった騎士のようにも見えるし・・横たわるリンの姿は死んでしまった王女のようにも見えてしまう(というのも、この絵を見て何となく雰囲気が似てるな・・と思ったのが ビアズリーの描いたアーサー王伝説の挿絵みたいだったからという個人的な印象によるものなんですけどね)。
 
血の涙を流す「月の眼」は、血を流す写輪眼のようでもあり・・・満月を中心に渦を巻くように伸びる木はグルグルの顔のようでもある・・・ 満月と樹の絵は、グルグルの仮面のように見えますね・・ オビトが長い間つけていた「グルグルの仮面」は、オビトにとってグルグルでもあり「あの日見上げた夜空」でもあったのかな・・。
 
木々は十尾が封印された「月」に引き寄せられるようにして、伸びていく。
悲しみと絶望が、十尾の居る月に吸い込まれていく。
滴る血は、月・・・十尾が流す涙でもあるんだろうか。

終わらない忍達の悲しみと憎しみの輪廻と、終わらない尾獣達があげる悲しいうめき声。
忍共が尾獣を「国の道具」として扱うたびに、十尾(=グルグル?)の眼からは「深い悲しみの血の涙」が流れるんだろうか・・・。カカシが流した、あの血の涙のように。

グルグルは無言で、返り血を浴びた体をほどき・・右眼だけ血に濡れたオビトがやっと現れるのですが・・閉じた左眼からは涙が溢れ、見開いた万華鏡の右眼からは血=月の涙が流れる。
でも、そこに立っているのは・・・さっきまで無敵状態で戦っていた忍とは思えない、あの泣き虫忍者。 
まだあどけない少年が流す涙が・・・悲し過ぎます。
 
血を吐いて倒れるリン、血の涙を流すカカシ、そして返り血を浴びるオビト・・・忍の世界は「血」に呪われ、「血」の宿命と抗い続けてばかりですよね。持って生まれてしまった「血」、自分の出生、一族、血の結束の集団である里・・・その中に在る“ただ一つの自分”を忍達は探し求めているのでしょうか。
「血」あっての自分なのか・・・自分あっての「血」なのか。
 
もし、オビトがあれほど愛し、帰るべき場所であった「里」が、大切な愛する仲間を見捨てたのなら・・オビトが見たのはまさに忍世界の闇、「地獄」以外の何モノでもない。《ここは一体 どこだ・・・!?》になってしまうのも分かる。
 

「・・・そうか・・・」 「オレは・・・」 「地獄に居る」
 

・・・「居る」という言葉。
 
岸本先生は時々「いる」と「居る」を使い分けられてますが、例えばクシナがナルトに言った「ここに居ていいのよ」。 「いる」というのは、一時的にその場に滞在してるイメージですが・・・「居る」という言葉には腰を据えて住む、暮らすという意味があり、ず~っとそこに居て動かないイメージがあるんです。 だからクシナがナルトに言いたかったのは、「ず~っとそこに在っていい」という意味だったのかなと思ってます。
オビトは、はじめはここが現実であることを否定し、「ココ」という限定された“この場所”だけが悪夢の場所だと思いたかったのかもしれません・・・だから「“ここ”は一体どこなのか?」と。 だけど、自分が帰るべき里・・夢と希望の場所だった里でさえ「悪夢の場所」だと知ったなら・・・・

オビトは気付いてしまったんじゃないだろうか、悪夢のような現実は「ココ」という限定された場所の問題ではないのだ、ということに。 そしてオビトが“居る”ところ・・・つまりオビトが生きている「この世界全体」が地獄なんだ、ということに。
 
 
「・・・そうか・・・」 
 

「オレは・・・」
 
 
「地獄に居る」
 
 
・・・・・
 
 
 
 
 
・長駄文読んでくださって、感謝。 
 
 
※(追加)
今週の描写、最初はその「生々しさ」にただ絶句。 だけど、半日以上たって・・やっと落ち着いて読めるようになりました;戦争ってのはこういうものだ。戦いとは忍とは・・ 
ターゲット層の読者達と変わらない年代の少年達が向き合った「これが現実」。 戦争と平和、希望と絶望を伝えるために、あえて生々しい残酷な描写に挑戦された、岸本先生に拍手したいと思います
 
 
※穢土転再不斬戦でも、再不斬の首斬り包丁からカカシの血が滴り落ち、それが白の目に零れ落ち血の涙となり・・・そして再不斬の目からもカカシの血の涙が流れていましたっけ。 白も、霧隠れで「自分の血」ゆえに苦しんだ一人でしたよね・・ 今週は何かと「血」だらけ・・
 
※ダンゾウに「闇」を押し付けてごめんよ・・と言いたい気分。でも当時の状況をアレコレ考えると、ダンゾウが浮かんでしまう。ダンゾウだって、里を想う気持ちには変わりない・・彼だって、悪いわけじゃない。
 
※記事更新遅れてすみませんでした。当記事へのご意見、お待ちしております。