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“暁”についての雑考(その2) 「“暁”という名前」

“暁”についての雑考(その2) 「“暁”という名前」

 
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(立ち上げ当初の、弥彦率いる“暁”)
 
“暁”という名前・・・これが最初に登場するのは第16巻、木ノ葉崩し直後の「自来也とカカシの会話」の中なんですね。 この時、自来也とカカシが“暁”を警戒したのは大蛇丸とイタチ》が関わっていて、おまけにナルトを狙っているからだったわけですが…でも自来也もカカシも、まだこの時点では、この組織が2人にとって「とんでもなく因縁が深い組織」だとは、知らないんです。 
“暁”のリーダーが、かつての自来也の弟子『弥彦』の姿をしたペインだという事も、“暁”の黒幕が、かつてのカカシの仲間『オビト』だという事も。 
 
“暁”という組織の事を最初に語ったのが、自来也とカカシだった・・というのも、何かの因縁かな。
 
“暁”の立ち上げに関わる《ゴタゴタ》にこそ、重要な「秘密」があるんじゃないかと私は邪推しておるのですが、その“立ち上げ”に関わったと思われるのが自来也の弟子「弥彦」とカカシの仲間「オビト」…
この2人《弥彦とオビト》の出会いは、607話(63巻)でオビトの回想という形で描かれていますが、あの607話以降、私はこの“2人の関係”がなんとなく気になっています(度々、毎週の感想内でブツブツ言ってますけど)。
 
607話の回想を見る限り、あの当時のオビトは《マダラの指示通り》忠実に動き出してるんですよね。 言われたとおり真っ先に長門を「手懐けに」向かっている…ここまでは「マダラのシナリオ」通りなんです。
だけど、そこには思わぬ「誤算」があった…それが《弥彦》の存在です。
 
「感化されやすい子」長門はあっさりとオビトの口車に乗るところでしたが、弥彦がそれを止めるんですよね… 「そんなことはできない」 「オレ達を利用しようってのか?」 「こいつらは信用できない」 「二度とオレ達に近づくな」とバッサリ。  この時の様子を見ると、とても弥彦とオビトが「共感し合った」ようには見えないんです。
 
しかし、このあと弥彦は“暁”を立ち上げることになる・・・しかもオビトによれば「暁を弥彦に立ち上げるように仕向けたのはオレ(※1)」。  
それを聞いた小南は驚いてはいたけど、否定はしなかった・・・何か思い当る節があったのかもしれません。 607話の「あの後」、弥彦とオビトの間でいったい何があったのだろう…?
 
あの後も、オビトは「毎日この時間にここに居る」長門のストーカーまがいを続行したみたいだから、弥彦は「長門に近づかないように」忠告するために、一人で(長門達に内緒で)オビトに会いに行った可能性もあるかと推測してます(“暁”立ち上げのいきさつについて、長門も小南もその事実を弥彦から事実を聞かされていない様子から判断して)。 そこで2人の間に何があったのか…。 
弥彦がオビトの瞳力で操られ「感化された」可能性もゼロではないですが、54巻、48巻のその後の弥彦を見る限り、弥彦は最期まで己の意志を曲げなかったように見えるんですね。操られたり利用されたとは「考え難い」。
どっちかというと、感化されたのはオビトのほうだったのではないだろうかと私は思うんです。 『弥彦』という人物は、それだけの影響力を持つ人物ではないか…人の心を変えてしまう不思議な力を持った人物だと思うんです。
 
では、弥彦の考えがオビトの心を「変えた」可能性があると仮定した場合、どうして弥彦はオビトの心を変えられたんだろうか。 その可能性を考えるうえで、607話の弥彦の言葉は重要だと思うんです。
 
(弥彦) 「相手の痛みを知り 同じように涙を流せて 初めて本当の世界へ近づける」
 
(オビト) 「…同じように涙をか… …つまり復讐か?」
 
(弥彦) 「いや そういうことじゃない 理解し合うってことだ
 
(オビト) 「お前こそキレイ事を口にするな この世にそんなものは無い」
 
この時点では、弥彦とオビトの考えに接点は「無い」んです。 だけど、弥彦もかつてはオビトと同じことを考えていたんですよね。
 
「分かり合うなら相手を同じ目にあわせてからだ! それが痛み分けってことだろ!?」
「だから戦争は無くならないんだ!」って(372話で)。
 
弥彦も両親をころされて「相手に同じ目にあわせて痛み分け」と考えていた…つまり復讐して、相手に痛みで「思い知らせる」って。 
それが自来也に教えを受けた後、607話のように「復讐ではなく、同じように(相手の気持ちを考え)涙を流し理解し合う」と考えが変わってるんですよね。 
 
だから、弥彦には当時のオビトの気持ちも理解できたんじゃないかと思うんです。 「分かり合うなんて出来ない」って考えてしまう気持ちも。 そして、どうやったら「きっと分かり合える」と信じることが出来るようになるかも「弥彦なら」経験上知っている。 オビトの気持ちが理解できるハズの弥彦なら、オビトの気持ちを「変える」事だって出来たんじゃないだろうか…? 弥彦という人物は《人の心を変えることが出来る器》、テマリが言う五影の条件をも満たす器だったかもしれません。
 
マダラ爺ちゃんは瞳力でオビトを自分のシナリオ(一本道)に導こうとしていたのかもしれませんが、そこに「弥彦」という思わぬ「道案内」が現れたのではないだろうか。 
607話の冒頭数ページは、「オビトが長門を手懐けようとしたエピソード」とも言えるけどオビトと弥彦の出会いのエピソード》とも解釈できるんじゃないかと自分は考えてます。 
 
つまり…“暁”誕生に関わるエピソード。
 
弥彦とオビトが何を話し合い、どのような理念で“暁”を立ち上げたのか…そのいきさつはまだ明かされてないし、これから先も明かされるかどうか分かりませんが(…)、ただハッキリと言えると思うのは“暁”という名前にこそ、弥彦(と、おそらくオビト)の本当の想いが籠められているのではないかということです。
長門や小南も、直接弥彦から聞かされていなかった(らしい)“暁”の誕生秘話と、その名の本当の「由来」…
 
小南は、“暁”の衣の赤い雲模様を《雨隠れに血の雨を降らせた戦争の象徴》だと語っていましたが(54巻で)、あの“太陽のような”弥彦が、そんな臥薪嘗胆的な理由の模様を衣につけようとするだろうか…?
あの赤い雲模様は《戦争の象徴》ではなく、組織名《“暁”の象徴》…明け方に東の空にたなびく「東雲(しののめ)」である可能性のほうが高いと思うんです。 東雲とは「暁」の意味でもある…そして暁とは、明け方、ようやく夜が明ける頃のこと。
 
(ちなみに、立ち上げ当時の“暁”の衣には、東雲模様が描かれてたり描かれてなかったりします:509話参照)。
 
「名前」というものに込められた、それを生んだ者たちの「想い」・・・
ミナトとクシナが「ナルト」という名前に込めた「想い」、フガクとミコトが「サスケ」という名前に込めた「想い」。そこに「本当の」両親の想いがあるように・・・“暁”の名前に、組織の生みの親・弥彦とオビトの本当の想いが「ひっそりと」込められているんじゃないかと思います。 名前こそ、すべての真実を物語っているのではないかと… 
 
「暁」、忍世界の「夜明け」…そして夢からの目覚め。
 
小南も、その“本当の意味”に近いうちに気付くのではないかと(小南は生きている!という推測前提での話ですが)。 鬼鮫が望んだのも、そういう世界だったんじゃないかな…。 
自来也が言っていた《人が本当の意味で理解し合える時代が来るとワシは信じとる》という想いは、弥彦にしっかりと受け継がれていた… そして弥彦の意志が、今、忍世界を変えようとしてるんじゃないだろうか。
 
《平和への懸け橋は彼(弥彦)だよ 彼の意志そのものがね》 (509話、長門の言葉)
 
自来也、弥彦、そしてイタチやイズナ、シスイ…多くの人達の想いが繋がれて、本当の意味で人が理解し合い、互いの痛みに涙することが出来る時、忍世界もようやく“暁”の時を迎えることが出来るんじゃないかと思っています。
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
 
 (※1) 54巻509話、この時オビトは「輪廻眼を与えたのもオレ」と言っており、この「オレ」に関しては当然オビト自身ではなく、マダラ(仮にマダラと思われる人物)のことですよね。 しかし、弥彦が「マダラと名乗る人物」に会ったのは607話でオビトに会ったのが初めてだったみたいなので、弥彦に接触し弥彦に“暁”を立ち上げさせた「オレ」とはオビトの事と解釈。
 
 
 
(ナルト好きブログ!2013/08/23)