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NARUTO-ナルト- 607 : どうでもいいんだよ 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ48号) その2

NARUTO 607:どうでもいいんだよ その2

 
(その1の続きです)
 
・《“暁”という名前》
 
さて、オビトは長々と長門達に喋ってますが、内容は以前マダラがオビトに喋った事そのまんま。・・・さすが写輪眼の持ち主というか、完璧・・・相変わらずマダラとオビトじゃあ《造る・創る》の違いだけはあるんだけど(笑)
長門は簡単にオビトの口車に乗せられそうになってますが、それを阻止したのが弥彦。
 
弥彦達が「うちはマダラ」に会ったのはこれが初めてみたいだし、54巻でオビトは「弥彦に“暁”を立ち上げさせたのはオレだ」と言っているので、この後何度かの接触を経たのち、弥彦とも協力関係になったのでしょうか。
つまり「弥彦に“暁”を立ち上げさせたのはオレだ」が事実なら、“暁”の名前を提案したのもオビトの可能性が高いと思われるんです。
 
長門を手懐ける目的とは別の、“暁”という組織を弥彦に作らせたことが「オビト自身のシナリオ」の第一歩だったと思われるのですが、なぜオビトは“暁”を組織する必要があったのだろう・・?しかも、名前が「夜明け、夢から覚める刻」である“暁”という名前に。 
 
“ナルト”の名前に両親と自来也の想いが託されているように、名前ってのは、しばしば「真実」を物語る。
 
例えば「サスケ」の名前には、フガクとミコトの“秘められた本当の思い”が託されていると思うんです。里を裏切りクーデターを本心で起こそうとする人物が、三代目火影の親で猿飛一族のサスケの名前を付けるだろうか・・・? だから、私は未だフガクには「別の真実」があるような気がしてならないんです。たとえ目に見える事実は「フガクは裏切り者である」と示していたとしても、彼が遺した「サスケ」の名前には、サスケには直接伝えられなかった本当の秘められた想いが「真実」としてあるような気がしてならない。
 
それと同じで、もし、オビトが“暁”を立ち上げさせ“暁”の名前を付けたのだとしたら・・・オビトの本心は『無限月読=永遠の夜』ではなく、『夜明け』を願っているんじゃないだろうかと思えてくるんです。こういう小さな事実の欠片にこそ、“目に見えてない本当の真実”が秘められてるんじゃないかと思えてなりません。
 
 
・《相手の痛みを知って流す涙と・・・理解》
 
「相手の痛みを知り 同じように涙を流せて 初めて本当の世界へ近づける」 (弥彦)
 
「・・・同じように涙をか・・・ ・・・つまり復讐か?」
 
「いやそういうことじゃない 理解し合うってことだ」 (弥彦)
 
 
うん、カッコイイぞ・・・・弥彦!!
 
弥彦って人物は、NARUTOの中で最も『理想的なリーダー』だと思うんです。鋭く冷静、優しくて責任感が強く、カリスマ性もある。 ナルトや昔のオビトと並んで主人公っぽさを持つキャラだけど、中でも一番「完璧」に近いというか・・・欠点をあげるなら、欠点が無いところぐらいじゃないかな(笑
 
こんなに太陽みたいな指導者を失ったら、長門が一気に光を失ってしまう気持ちになるのもよ~く分かる。
にしても、弥彦の言葉・・・《理解し合うって事》 《相手の痛を知り同じように涙を流す》、これこそこの戦争の最終目的だと思います。我愛羅が開戦前の演説《大いなる希望》でも言ってましたよね・・・
 
《その者は敵であるオレのために泣いてくれた!傷つけたオレを友と言ってくれた!》
《同じ痛みを理解し合った者同士 わだかまりはない!》
《今ここに敵はいない!》
 
《あるのは ただ“忍”だ!》
 
これがオバマ氏の名演説「大いなる希望」そっくりというのは以前お話しましたが、この我愛羅の言葉こそ・・この戦争で忍が出すべき答えなんです。そしてこれは、自来也が望んでいたこと《人が本当の意味で理解し合える時代が来ると信じとる!!》でもあり、ナルトが今まで出してきた答えでもあります。・・そしてイタチがカブトに対して出した答えでもあり、既に弥彦も出していた答えでもある。
 
・・・だけど口で「理解」を言うのは容易く、実際に「理解」を行動で証明するのは容易い事では無い。
 
今までン十年モノ長い間、大国は過去の痛みから何も学ばず過ちを繰り返してきたわけで、それが“暁”という共通の敵を持ったことで、ようやく「共闘」してやっと互いを理解し合うようになった。 
大国同士が「1つになる」という、忍史上初めての事がこの戦いで実現しているんです。だけど、もうあと一歩・・・・あとは「敵と理解し合うこと」、これが戦争の最終最大の課題として忍達に提示されている・・
 
敵と理解し合うのは本当に難しいと思うんです。 まして、「どうでもいいんだよ」なんて言うようなヤツを理解するのは最難関とでもいいましょうか・・。 でもこの戦争での最大の課題は《理解》。しかも敵の痛みを思って涙を流せるぐらいの理解・・・難易度最高レベルです。
でもねぇ、本当は《理解することと、相手の痛みのために涙を流すこと》をカカシに教えてくれたのは、他でもない・・・・オビトなんです。 いつか、カカシとオビトが互いの痛みを思って涙する時が来るんだろうか・・?
 
そして、この《長門手懐け》から《九尾事件》までの間に・・・オビトにも多少の変化が起きてるんですよね。

長かった髪をバッサリ切ってオビトらしくなり、グルグルに覆われていた顔は仮面に変え、体は相変わらず大きめのフードで隠している。おそらく体はグルグルがまだ覆ってますよね、この後ミナトと戦った時に自分の腕もあるはずの左腕がドロ~ンと溶け落ちてますから。
 
この時の仮面は、向かって右を下にすれば一つ目の外道魔像が蓮の上に鎮座している姿にも見える・・・ようするに十尾かな(九尾の尾と月にも見えるけど)。 
 
この時、オビトとグルグルはどういう関係だったのか・・・そしてこの後、グルグルはどうなったのか分からず終いですが、「グルグルとオビトの間に起きた事」が、オビトの計画をマダラの計画から大きく引き離す原因の1つになったような気がします。 オビトはグルグルを通じて重要な事を何か知ったんじゃないだろうか・・
そして己の「使命」を悟るような、何かを知ったんじゃないだろうか。 
 
ただし・・・その回想は飛ばされている・・・きっと肝心な部分なんだろうなぁ。
 
 
・《そして・・・九尾事件当日、カカシの「リンの墓参り」》
 
 
「これ・・・一応極秘あつかいなんだけど・・・ ミナト先生のお子さんが産まれるんだってさ・・」
「戦争を知らない世代だよ・・・ オレ達ももう少し遅くに・・・」
 
「・・・・・・」
 
「・・・オビトにも報告してやらなきゃ・・・ もう行くよ」
 
 
カカシのこの服装、三代目火影直轄暗部の服装とも違うし 「四代目直轄暗部もしくは護衛隊」だったんだろうか(既に同期のゲンマやライドウは四代目火影護衛隊だったはずだから)。
って・・・リンの名前って「のはらリン」だったんですね。既出の有名一族ではないし霧隠れっぽい名前でもない。未だ彼女が死ななければならなかった理由は、分かりそうもないですねぇ。
 
しかし、カカシはこうやって毎日リンの墓参をして、それから第三演習場にある「英雄の慰霊碑」を回って毎日の報告をしたり詫びたりを繰り返してたんですね・・。つまり、カカシはずっと心の中ではまだ「ミナト班」のままだったんだろうなぁ・・・。
 
サスケにも「(カカシの時代は)時代も悪かった・・」なんて言ってたことがありましたが、「戦争を知らない世代だよ・・・ オレ達ももう少し遅くに・・・」の言葉からカカシの切ない思いが辛いほど伝わってくるんです。 しかしこの想いがあるからこそ、カカシはナルト達《戦争を知らなかった世代》には自分みたいな苦労や悲しい思いをさせまいと必死に「盾」になってきた。 汚い事は一切させず一切見せない・・・時には過保護と思えるぐらいに守ってみせる。 ヤマトはそんなカカシの姿に「ボクはカカシさんじゃない(だから、そういうことは出来ない)」と言ってたことがありますが、カカシには《ナルト達には辛く悲しい思いをさせまい》という特別な思いがあったんですね。
 
角都戦はその顕著な例で、カカシは第十班のために「盾」に徹してたんです。 そして、大切な部分はシカマルやナルトに任せ、そしてカカシはナルトに見えないところでこっそり「角都の後始末」をするという汚れ役を引き受けていた・・・。
 
そんなカカシの生き様はカッコいいと思うのだけど、一方でカカシ自身は何も己の問題を解決できないまま、ずーっと十数年過ごしてきてるんですよねぇ。 そして、カカシは解決するつもりさえ無いんじゃないかと思うんですよ、このままず~っと重荷を背負い、己を責めることで一生贖罪の人生を送るつもりだろうか。 友との約束を果たせず、たった一人生き残ってしまった者の罪滅ぼしとして。
 
でも、カカシのこういう姿勢をオビトはイライラして見ていたらしいですね、ど~やら・・。
 
オビトにとって、これが久しぶりの帰郷でしょうから、リンのお墓に来るのもおそらく初めて。
カカシが手向けた花をオビトが引き抜いてバラバラにしたのは、堕ちた英雄がそんな言い訳の花を手向けるんじゃねェ!》という気持ちあったんじゃないかと思うんです。オビトは、リンの事も大事だけど同じぐらい「カカシの事も大事」・・・だからこそ、怒る。 
 
オビトが一番嫌うのは《口先ばっかりで、問題を先送りすること》・・・これは外伝の時から今に至るまで一貫して変わっていないところであり、オビトという人物を考えるうえで「絶対に外して考えてはいけない点」だとも思っています。だから、オビトは・・時には思い切った「行動」にも出るんじゃないだろうか。 他の人だったら躊躇するような事でさえも・・・。
 
 
・《さて・・・九尾事件当日のオビトですが》。
 
今思えば九尾事件の時のオビト・・・「口に出している言葉」と、「心の中で呟いている言葉」には大きな違いがあるような気がします。 言葉では四代目火影」「ミナト」なんて言ってるけど、心の中では《ミナト先生・・》ですからねぇ。以前コメントでもご指摘いただいたんですが、九尾事件の時のオビトは「オレ達」って複数形で言ってる事もあるし、今思えばオビトが言ったのか、グルグル?が言ったのかさえ区別がつかない言葉もあるような気もします。 かなり「監視者」を意識した言葉でもあるだろうし、「やれ九尾!」なんて言ってるかと思えば、本音は《ミナト先生》、《もう・・》 《こんな世界どうでもいいんだよ》なんて、思いを断ち切れないような切ない言葉ばかり。。
 
ちょっと投げやりにも聞こえる《もう…》ですが、これは「心を必死に殺そうとしてる言葉」とも考えられないでしょうか。 もし仮面の下で涙を流しながら言ってる言葉だとしたら・・・・??
 
でも、《それでも、しなければならなかった》理由が、きっとオビトにはあったんだと思うんです。
どうでもよかったのではない・・・本当は“必要”があった。
 
「どうでもいい」という気まぐれに見えるけど・・・計画でもある。
「戦争のため」にも見えるけど・・・本当は先を見据えた「平和への願い」でもある。
 
《オレの計画には気付けないだろうが…》と火影岩のミナトを見ながら思っていたオビト。
つまり気まぐれでもなく 「里」がどうでもよかったわけではなく、必要があった・・計画なんです。
 
そう考えていくと、「どうでもいいんだよ・・」とは八つ当たり的な言動だったわけではなく・・かつての『自分の夢や自分の帰る場所』を失うことを「覚悟」するための悲痛な叫びだったのでは。
誰よりも里を愛し、里を想い、里を守りたかった・・・里に帰りたかった少年なのだから。
 
「マダラなのか・・?」と聞かれてフードを取ったのも、本当は「気づかれては困る」んだろうけど、それでもやっぱり、ミナト先生に《もしかして、オビトか・・?》と言ってもらいたかったんじゃないだろうか、本当は。
 
そして、心の中では先生に叫びたかったんじゃないだろうか・・・・
 
 
《オレは生きている!!》・・・って。
 
 
 
(その3へ続けます)
 
 
 
 
 
 
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