トビと『裏切り』・・ トビとゼツの「ズレてる」会話 その1
トビの精神体が誰なのか?という話は とりあえず置いといて・・・・;
少~しずつではありますが、トビという人物の真の姿がチラ見えしてきたような気がするんですけどねぇ。
509話からしつこく触れているトビの「裏切りトラウマ」。
彼が「希望など無い」という考えに至ってしまった背景には、「裏切り」という過去のトラウマが影響していそうな気がするんですよね。 一体何があったのかは、まだわからないわけですが・・・
・「裏切り」にたいする嫌悪
トビの「裏切りへの警戒、嫌悪」はハンパ無いものがあります。
509話、輪廻眼を取リ戻しに雨隠れに出向き、トビが小南に真っ先に尋ねたことは、
「一つ問う・・・ なぜお前らほどのメンバーがオレを裏切った?」 ・・・だったし、
460話、宿屋でゴロゴロしていたナルトのもとに トビが一人で会いに行った理由は、
「今は話がしたい・・・ペイン長門を裏切らせたものは何なのか?」でした。
トビにとって「長門と小南の裏切り」は、ど~しても受け入れ難いものらしいですね。 なにせ幼い長門に輪廻眼を開眼させて、ずーっと長門の成長を見守ってきたわけで(というか操ってきたと言うべきかな。)。じっくりと手塩にかけて育てた長門達が裏切ったわけですから、トビの気持ちもわからないでもないんですがね。
小南に対してトビは執拗に、「なぜ裏切った?」 「本当はまだ暁に未練があるのでは?」 「ナルトの戯言に乗せられただけだ」 と繰り返し、未練がましい姿を見せていました; 暁の黒幕ともあろう人が、これほどにまで冷静さを失うのか?と思うぐらいに。
トビが抱え込む「裏切りに対するトラウマ」は、彼の精神的な弱点とも言えそうです。
トビの肉体的な弱点が「自分を吸い込む時は遅い」「霊体化は連続5分まで」だとしたら、精神的な弱点は「裏切り恐怖症」といったところでしょうか;
なんだかなぁ・・。トビは過去にも、似たような状況・・・「手塩にかけて育てた」人(たち)に裏切られた経験があるんじゃないだろうか?
トビが「裏切り」に過敏になるのは、なにも長門に関してだけじゃあない。
489話、カブトが“暁”のアジトに現れた時。 トビはすぐにカブトに飛びかかるんですが、こんなこと言ってましたね・・
「サソリの・・ スパイの一員だったな・・ お前は“暁”の裏切り者だ」 。
裏切り者は絶対許さない。暁においては「裏切り者には死を」というのが掟だったのだろうか。 とにかく、「裏切り」というモノに、トビはすぐ反応する。。。
“暁”とは、いわゆる「自分で行き場所も決められないごろつきの集団」(イタチの言葉を借りると)。 ノルマを与えたら、あとは自由にやってくれていいという かなり拘束力の緩い集団ではあるんですが、ただし「裏切り」だけは絶対許されない。トビはその点に強烈にこだわっていたのでは、という気がします。
44巻で、トビは鷹に「八尾狩り」を命令するのですが、こんな一言を付け加えてます。
「ただし」 「“暁”を裏切れば ちゃんと死んでもらう」
ちゃんと死んでもらうって・・・; やはり裏切り者には死を、なんですね。ここでも「裏切らないように」と念を押している。う~ん、やはりトビ、裏切りには懲りているとみえます。
でもこの「弱点」、日頃黒幕として振舞う時は隠してるんですよね~。だから、いつも傍にいるゼツですら トビの裏切り恐怖症には気づいていないように見えます。
トビとゼツ・・・
すべての始まりから一緒に行動しているようなあの二人。でも、たま~に「小さな感覚のズレ」があります。
今までの記事でも「2人の間にある微妙なズレ」については触れてきたんですが、その「原因」が何なのか?まではよくわかっていなかったのですが・・・
でも、ど~やらその「ズレ」の原因は、トビが「裏切り恐怖症」をゼツには隠しているからなんじゃないか?・・・と、思えてきました。 今までの話のなかで、トビとゼツが微妙~にズレれたところは、コレが原因だったとすれば理解できる気がします。
・トビとゼツの、ズレてる会話 その1
44巻、イタチの真実をサスケに語り終えた後のトビとゼツの会話。この時2人の間に微妙~なズレがあります。
サスケを手に入れて、トビは珍しく嬉しそうな表情?でゼツに話しかける・・・
「上手くいった・・・・」
でも黒ゼツのほうは、トビが言うほど順調とは思っていなかったようなんですね・・・
「シカシ・・・ココマデ来ルノニコレホド“暁”ノメンバーガヤラレルトハナ」
最初は10人だった“暁”も 大蛇丸の脱退から始まってメンバーが一人また一人と欠けていき、サソリ、飛段、角都、デイダラ、イタチ・・・この時までに6人も減っていた。これは「かなり計算外」で、ゼツはその点を心配していたようでした。
ゼツの言葉から考えると、本来の計画では ここにくるまで暁メンバーも ここまでは減らないはず・・・という計算だったんじゃないだろうか?
おおむね筋書きは予定通りとはいえ、大幅な人員減少=戦力低下は計画上大きな「計算ミス。」これは本来のシナリオ通りとは言えず、ゼツはその点を冷静に客観的に心配していたんですよね。
でも、トビは意外にも「大幅な人員欠落」を気にもしていない様子で ゼツの心配をよそに満足していた・・・
「どこかしらに問題はあったが 皆己の意志で“暁”に貢献してくれた
デイダラ サソリ 飛段 角都・・・ 彼ら無くして ここまでの進展はなかった」
「そのお陰でオレのシナリオ通りに事は運んでいる」
「何より・・ サスケを手懐けた」・・・・
「サスケを手懐ける」という最大の賭けをクリアしたのだから、多少の痛手はカバーできる・・というのもあったでしょう。 でも『何より』という言葉。
「何より」・・・つまり、「全て順調でよかったんだけど、とりわけ その中でも一番よかったのはサスケを手懐けたこと」という言い方なんですよね。 他のことも全て順調だった、みたいな・・・。
トビは「彼らが最後まで裏切らなかった」という結果に、内心「満足」していたんじゃないだろうか?
トビにとっては、「ここにくるまで、何人の暁メンバーが残るか?」ということよりも、「ここにくるまで、何人の暁メンバーが裏切らなかったか?」ということのほうが(実は)気になっていたんじゃなかろうか。 (ゼツには、そんなこと言えないのだろうけど。)
だから、ゼツの心配をよそに「上手く行った・・・」なんて嬉しそうな顔をしていたんじゃないかな?(顔は面で見えてませんがw・・・たぶんニンマリだったのでは)
その少し前。 イタチとサスケの戦いの直前、トビは終末の谷の「マダラ像」の上で、なんだか勝利を確信したかのように優越感に浸って呟くんですよね・・・
「いい流れだ」・・・
うーん・・。 なんだかなぁ、この頃が トビにとって一番「いい」時だったのかもしれないですねぇ。
☆「裏切り」のこと・・・ズレてる会話その2へつづく
(数日中にアップします)
☆いつも駄文読んでくださって感謝、です。