トビが目論む「効果」について (お前らとの会話・・・楽しかったよ・・)
《そうだな・・・しいて言うなら・・・ 完全体になる事か・・・》
トビは自分の「望み」について 一言だけそう言って、
「お前らに話してもあまり意味がない もっと効果的な場で話す・・・」 と言ってズズズと体を消していく。
《・・・お前らとの会話・・・・ 楽しかったよ・・・ じゃあな・・・・・》
(49巻、鉄の国の宿八で。)
これは、545話でナルトが思い出していた「トビ(マダラ)との会話」の一部です。 ナルトはトビとの会話を『あいつは悪党だ』と確認するように思い出している・・・。
トビのあの突撃訪問&会話は、ど~やらナルトには《マダラはサスケや長門を利用した悪党》、《サスケがこんなになったのもアイツのせいだ》という印象を残したらしいですね。
この部分については以前も雑考で取り上げたことがあるのですが、今度はちょっと違う視点で雑考してみようと思います・・。
トビはこれから会談場に「宣戦布告」しに乗り込む直前・・・・ふらっとナルトのところに立ち寄ったんです。
多分、これって黒ゼツにも内緒の「お忍び」訪問だったんじゃないかなぁと思うんです。 敵ボスともあろう人が「敵」のところにこっそりお忍びで、しかもこれから五影会談場に向かう途中の僅かな時間を使ってやってくるなんてねぇ。。
いきなり『話でもどうだ?うずまきナルト』なんて声をかけてきたけど、当然トビは手荒い歓迎を受ける事になります。
ナルトの螺旋丸に、ヤマトの木遁+カカシの雷切「暗部コンビのフォーメーションC攻撃・・・ま、当たり前ですよね。 外は雪で寒いし、こたつに入ってお茶でもしながらおしゃべりしましょ~なんて展開になるわけはないのだからw
で、結局・・・・トビはヤマト製材でぐるぐる巻きにされたまま立ち話をすることになるのですが・・・
それでも最後には「お前らとの会話・・・楽しかったよ・・・ じゃあな」と去っていく。
・・・・・本当に楽しかったの?w
ん~、でも、あの「楽しかった」は、トビの「ド本音」じゃないかと思っています。 あの場には黒ゼツもいないし、他の暁もいなかったし・・・周囲の目を気にすることなく 本心を表す一言だけ残して去ったのだと思います。あれは数少ないトビの本音の一言だったのかな・・・と。
大体、こんな忙しい時間にわざわざ立ち寄ったりして・・・・トビってど~して「まわりくどい事」をやってるんだろう?という疑問があるんですよね、ズズズッと人柱力を吸い込んで尾獣を集めて十尾復活もできそうなものなのですが「オレにも計画ってもんがある」とか言っているし。
でも、その謎の「答え」は 去り際に言った『もっと効果的な場(五影会談)で話す』・・・という言葉にあるような気がします。
「効果的」。
・・・つまり、彼が五影会談に宣戦布告をしにいったのは「ある効果」を狙ってのことだった、と考えられるんです。その効果こそが目的だったのではないかと。
トビって何か具体的なものを狙っているだけじゃなくて、「効果」を狙っている・・・そう考えると、トビが いちいちまわりくどい行動をしているのも分かるような気がしてきます。。。
・五影会談での「効果」
トビが五影会談に現れた目的は、彼自身の話によれば 『月の眼計画に協力要請して八尾九尾を差し出してもらうため』なんですね。
でも、忍達が八尾九尾を差し出すわけなんて ありえないですよねw ・・・・そんなこと最初から無理だと分かっていたと思うんです。
ということは、トビが五影会談に行った理由は「八尾九尾を差し出してもらうため」なんかではなく、ナルト達に語ったように ある「効果」を狙っての事だったのではないかと思います。
で・・・・ トビの五影会談での『月の眼計画の話と宣戦布告』は 何か効果といえるものがあったのか?
効果、それも十分すぎるほどの効果はありました。
それまで互いを信用せず、話し合いも決裂しかけていた五影達なのに「共通の敵と共有する危機」の登場に忍連合を結成し 1つにまとまるという「効果」が出たんですよね。
その「効果」が、トビが黒ゼツにも知られぬよう「こっそりと運ぶシナリオ」にとってどんな意味があるのか・・・・トビが本心を見せない限り、それは分からないのですが・・。
・ナルト訪問の「効果」
さて、トビの回りくどい面倒くさい行動が「効果狙い」であるとしたら・・・・・多忙なスケジュールの合間に組み込まれた「ナルト訪問」とは『どんな効果』を狙ってのことだったんだろうか?
トビがナルトに話したことといえば、こんな内容でした・・
・イタチの真実
・古くから続く因縁と サスケとナルトが「運命の2人」であること
・サスケ自身が復讐を選んだこと、そして「人をコントロールするには心の闇を利用するテクニックが必要」だと・・・・(つまり、サスケ自身が選択したけど 事実上トビが仕向けたって事)。
これらの話をナルトにすることで、トビは「何が効果的」だと思ったのだろうか。
トビが訊ねてきたタイミングといえば、ちょうど五影会談場でサスケと白ゼツが暴れている最中だったんですよね。 で、トビはこのあと すぐにサスケをダンゾウにぶつけるつもりだった・・・。
おそらくサスケ大暴れの知らせは、ナルトのところにもすぐに届きますよね。 トビはその「前」に、サスケの事情をナルトに話したんです・・・・
《サスケがこんな行動に出ているのも「イタチ」のことがあったからだ、ということ。 そしてこれは古くから続く因縁であり サスケはその運命を背負っているのだということ。 そしてサスケ自身がそれを選択したのも トビが心の闇をコントロールして唆したから》ということを。
サスケの行動は、けしてサスケのせいではない・・・とフォローするかのような内容なんです。
トビは「本物の復讐者だよ、彼は!」とか「本心はこちら側の人間だったという事さ」とか ナルトの気持ちを逆なでするような言葉を混ぜることでナルトを怒らせ、その怒りをわざと全部自分(トビ)に向けさせていっていたような気がします・・・・。
(途中、トビは初代火影の事を「オレのもっとも憎んだ男・・・」なんて表現を使ってナルトの反応を見てますがナルトはこれには反応しなくて トビは「・・・・・」となっている)、
初代の例を出してあまり「効果的」でなかったので、トビは最後には「長門」の話を出してきます。
これにはナルトは大反応して、
『長門とてめーを一緒にすんな! やり方は違っても あいつは本心で平和を望んでた!けどおめーは違う!!』 と怒りを爆発させる。
そこで例の「フッ・・・・ だな・・・」になるのですが・・・
ナルトの怒りが全部「自分(トビ)」に向けられたことを確認して、トビは「成功した」と思ったような気がします。
トビは訪問というシナリオ上での重要事項を「成功」させ、「楽しかったよ・・・・」と言って去っていくのだ・・・。
さて、トビの会話は実際にどういう「効果」があったんだろうか?
トビとの会話の直後である 52巻485話、久々に再会したサスケとナルト。
ナルトが国境に到着した時、サスケはサクラを殺そうとしていた・・・その時、ナルトがサスケに言ったことは・・・
『サスケェ・・・ サクラちゃんは同じ第七班のメンバーだぞ』
だった。
サスケはサクラを殺そうとしたってのに・・・なのにナルトはすっごく冷静なんですよね。 しかも、
『お前のやってる事は・…』 『分かるってばよ』 とまで言った。・・・・
ナルトがあの時、サスケの心を理解し受け入れることが出来たのは・・・トビとの会話があったからですよね。 もしあの時トビに会って話を聞いていなかったら、ナルトはサスケを理解できず「憎しみを全部受け入れる」なんて答は出せなかった気がします。
トビがナルトに会いに行って「話をした」のは・・・この「効果」を狙ってのことだったのだろうか。
小南に「アナタは闇」と言われた時は大ショックだったくせに、ナルトに「悪党」と思われても「フッ・・・」というだけだったトビ・・・・
トビにとっては、ナルトが「サスケの憎しみを受け入れる」決心をする事が重要なのだろうか。それはなんだか、イタチがナルトに期待したものと同じような気がするのですが・・・
ナルトにサスケの憎しみを受け入れさせ・・・怒りは全部自分に向かわせたトビ。それも「シナリオ」なのだろうか。
人柱力ペインを従え、素顔と本心を仮面に隠して トビは「大悪党」としての2日目を迎える・・・・
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