イタチに対する謝罪文 (穢土転生イタチに見る「本当のイタチ像」についての、雑感)
イタチ、自分が為すべき事を胸に・・ どこかへと行ってしまいましたね。
この数週間、穢土転生イタチを見てて・・・なんだかなぁ、私は今までイタチに悪いことをしていたような気分になりました。 今までイタチのことを・・・何も見抜けていなかったんだなぁ、と今更のように。
サスケってイタチのことを何にも見抜けていなかったんだな~なんて言いながら、自分だって全然読めてなかった。 イタチファンの方々はきっと読み取っておられたんだろうな~と思うのですが・・・ なんだかイタチに謝りたくなってしまった・・。
長門&イタチという最強ペアが穢土転生された時、すごい期待をしてたんです。 この2人、何をしてくれるんだろうかって。 ・・・で、実際イタチは期待以上でした。 術の使い方、冷静な分析力、身のこなしは「さすが」と思わされるものだったし・・・ それに穢土転生の縛りを解除し、こんな短い時間にナルトに「戦いの分析方法」を教えたり、ナルトの目を醒ますようなアドバイスまでしてくれて・・・強いし、人間的にも尊敬できるカッコいい忍。
でも、私が勝手に考えていた「イタチ像」とはちょっと何かが違う。
今回見た素のイタチは、今までイメージしていた「イタチ像」よりも はるかに「人間的なあったかい・・・でもちょっと弱いところもあるイタチ」でした。
「イタチ」なんかが違う・・・最初の戸惑いを感じたのはこの時です、
サスケが暁に入ったとナルトから聞かされて驚いているイタチ・・・
『・・・・・!!』
『・・・・なぜサスケは里へ戻らない・…?』
イタチの口から「なぜ」とか出てくるとは・・。
当然イタチのことだから、サスケが洗脳されて木ノ葉の敵になることまで承知で(それも計画の一環で) それでナルトに「力」を託した・・・・そう考えていた私にとって、このイタチの言葉はビックリでした。
《サスケは里に戻っているかもしれない》とイタチが期待していたなんて・・・;
えぇ~イタチ、そんな楽観してたんかぃ!みたいな・・
しかも、マダラがイタチの「極秘任務」を知っていたことも、
『まさか・・・ マダラが・・・ 』 という反応。
えぇ~、イタチは「自分の全てをマダラに知られている」ことも把握していなかったのか・・・?
疑ってはいたみたいだけど、確信は無かったらしいということにも、ある意味ショック。
そんなばかな・・・イタチは完璧であって、イタチの口から「なぜ」とか「まさか」なんて言葉が出てはいけなかったのですw 私としては。
そして、シスイから「平和のために使え」と託された「別天神」という幻術で サスケを止めるつもりだった・・・という事実。
あの「カラスの力」とは《ナルトやサスケを救って、サスケの目を醒まさせるものだ!》なんて勝手に妄想していた私にとって、真実はその逆に「サスケに幻術にかけて その場をやりすごす」ものだったなんて・・・
ま、シスイの眼については他に色々と妄想ネタが増えたこともあって、あまり深くつっこまないようにしよう・・とは思ったのですが、やっぱり気になってしまった。
とにかく、イタチについては『これ以上を求められないほど完璧な忍』とか、 『全てを見据えて トビ以上のシナリオを考えて万全の用意をしていた人』とか散々書いてきちゃいましたし・・・
「イタチの新・真実・・・意外とイタチはサスケについて楽観してた」ということ・・・・これは今までの「イタチのイメージ像(個人的なイメージですが)」をひっくり返される思いで、受け入れるのに少々時間がかかりましたw
でもイタチが「完璧だった」という神話的イメージを持っていたのは ダンゾウもだったみたいですよね(とダンゾウに同意を求めてみる;)、
51巻でのダンゾウの話を聞いていると、イタチのことを《自己犠牲を貫いた本当の立派な忍》として語っているし・・・サスケのことを『お前の唯一の失敗』とまで言っている。 ダンゾウから見ても、イタチという忍は忍の理想像、「完璧な忍」だったのだ。
いや、イタチだって自分の計画はもっと「完璧」と思っていたのかもしれない。 ナルトにシスイの眼を託したのも、本当に「万が一」「最悪の場合」のつもりだったのかも・・・・。だから「まさか」 「なぜ」という発言が飛び出すんですよね・・。
この世に戻ってみたら、意外と現実が厳しかったことを知り(トビが予想以上に手強かった・・と言うべきでしょうか)、「自分は失敗した」と素直に認めちゃったイタチ・・・こんなに簡単に自分の過ちを認めちゃうのかい!と・・・これまた意外でした。
(イタチは完璧だから失敗なんてあるわけない)と思い込んでいた私は、最終的にイタチの《自分は失敗者》発言にトドメを刺されたような気持ちになりました;(大げさですが)
でも・・・・そのモヤモヤ感を消し飛ばしてくれたのが 「シスイの眼」を何の躊躇なく燃やしちゃったイタチの潔さ・・・・・・そして、
『お前はシスイの眼以上のものを持ってる・・・ それはシスイと同じ心だ シスイが渡したかった本当のものはそれだ もう眼はいらない』という目の覚めるようなイタチの言葉。
写輪眼に託されていくものは『そこに宿る意思、心』だってことは、この前も書いたばっかりだったのに(苦笑)・・・それでも《うちは一族は眼が命》的なイメージが強かっただけに、ここまでしちゃうイタチに正直驚きました。
しかし、イタチがこうもあっさりと「大事なシスイの形見」を燃やしたって事は、それだけイタチは「心」そのものを大事にする忍ということなんですよね。 おそらく、《任務に役立つ道具なんかよりも、感情(心)の方が大切なんだ》とイタチはずーっと 思ってたんだろうな。 だからこそ、どんな宿命にも耐えて「心」を失わないでいられた・・・それがイタチを支えていたんだと、やっと本当に分かった気がしました。 だからなんですね・・・シスイの別天神なんていう凄い術を「サスケが里を襲った時の 万が一の保険」扱いに出来ちゃったのは・・・やっとその点についても納得できました;
自分を「ろくでもない人間(=鮫以下)」と卑下する鬼鮫に、最後の最後まで人間であることを諦めるな(心があるんだ)と伝え、鬼鮫の心を救ったイタチ・・・ あれも心を大切にするイタチだからこその言葉だったんだなぁと思えてきます。
一族の為、里の為、平和の為・・・自分を犠牲にして心を無くしてきた ちょっと古いタイプの「完璧な忍」イタチの実像は、里を愛し平和を愛し、でも何よりも弟を愛し・・・こんな状況になっても心配し続け 弟のことを仲間に頼む、兄バカとも言えるほど弟想いの忍・・・。
そして「どこまでいっても弟を信じようと思ってる」・・・・・・「完璧」過ぎではないけど、人一倍「心」を大事にする優しい忍。 めちゃくちゃ優しい、人間らしい忍だった。
でも考えたら・・・確かにそうだったんですよね。
あの夜、サスケを残して立ち去る時 辛くて悲しくて 涙を流してしまったイタチ。
・・・あの日、サスケを遺して旅立つ時 本当に嬉しそうに微笑んでしまったイタチ。
最初から最後まで完璧に悪役を貫ぬくはずだったのに・・・・でも最初と最後で、イタチは演技しきれていなかった。感情を完璧には抑えることが出来なかったじゃないか・・・。
イタチが「完璧」であったのは、自己犠牲を貫く忍としてというよりも・・・・その「優しさ」においてだったんですね。
イタチは、完璧に優しい・・・人だった。
勝手に「完璧な忍」なんてイメージを押し付けて・・・イタチに過度な期待と重荷を押し付け 孤独に追い込んだのは、読者である自分もそうだった・・・
本当にごめんねとイタチに謝りたい気分です。
でも・・・
ますます・・イタチという忍が好きになったかも、しれない・・・。
☆駄文、読んでくださって本当に有難うございます。感謝。