NARUTO552:火影の条件・・・!!
『“火影になった者”が皆から認められるんじゃない “皆から認められた者”が火影になるんだ』
『・・・仲間を忘れるな』
いいこと言うなぁ~。 ビーも言っていたけど「ただ強いってだけの忍じゃない」ですね、イタチは。
さて・・・
(唐突ですが)サン=テグジュペリの「星の王子さま」に出てくる有名な言葉に「本当に大切なものは 目には見えないんだよ」というのがあります。 これ、キツネが王子さまに教える言葉なんですけど;今週のNARUTOを読んでて浮かんだのも・・・その言葉でした。
目に見えるもの・・・例えば力とか、道具とか。 それらに頼った者の末路は・・・・孤独な闇の中。
本当に大切なモノとは、目には見えない仲間との絆、信頼、愛情・・・ 今週の話を順番に辿っていくと、おのずとそんなメッセージが浮かんでくるような気がしたのです。
まず、第1のキーワードから・・・
・《“道具”としての、眼もあれば・・・》
で、彼は敗因をこう分析してる・・・
《長門め・・・ やはり機動力に欠けてたか・・》
《口寄せ輪廻眼による共通視界で機動力を補うつもりが・・・》
《隠れた死角からクナイを的に当てるイタチの手裏剣術!!さすがにかわせなかったか・・・》
カブトは広い視界を持つ輪廻眼よりも、イタチの凄腕手裏剣術を可能とする「イタチの眼」が道具として優秀だった・・と敗因と分析してるんですよね。 「眼」をただの道具として考えてるカブトにとって、眼に見える「視界」の広さとか精度こそが眼の価値であって、眼とは 形を情報として伝える手段(道具)に過ぎない・・・。
長門本人は自分のことを「機動力が無い・・こともない」とか言って、口寄せに乗ることで欠点をカバーしたりしてましたっけ。 長門やイタチ本人は けして己の眼の能力(視界)だけに頼った戦い方はしてないんですよね。
・《そして、“心”で読む眼もある。》
25巻、第220話でのことですが・・・・
終末の谷で、サスケが思い出すイタチ兄さんの話は「8本のクナイを同時に8つの的に的中させるイタチ」から始まってます。
「すっげーよ兄さん!岩の裏の死角の的にもド真ん中だ!!」・・・
この時のイタチの圧倒的な手裏剣術・・・
読者も、この時イタチという忍が「ハンパなく凄い」ってことを強烈に印象付けられるんです。 本格的に「素のイタチ」が語られる最初の場面ということもあって、事実上の「真の初登場シーン」。 《死角すら見えていたイタチ》・・・・ 今思えば、あれはイタチという忍を語るうえで重要な場面だったんですね。
でもイタチは「白眼」じゃないから、死角にある的が実際に透視できるわけじゃないと思うんです。心で読んでる・・・いわゆる写輪眼の「洞察眼」の能力でしょうか。 イタチの本当の凄さは『目に見えないもの』本質を見抜く眼なのかもしれません。
かつてド真ん中に的中させてた「的」の絵と、今回の口寄せ達の輪廻眼の絵がリンクしてますね・・・
でもイタチが見抜いたものは、輪廻眼という「的」の場所だけじゃない・・・・もっとその先にある穢土転生を操ってる術者の「心」だと思うんです。 《術者は人間を「人形扱いする輩」だから、道具に依存する戦い方をする》ってことも、イタチは見抜いていたってことでしょうか。
カブトには、ナルト達とイタチがすぐに連係して戦うなんてことも考えられなかったんじゃないかな・・。
・《力を得ると 見失ってしまうもの・・・それは》
ナルト、よく理解していない言葉は全部カタカナなんですよね~「エドテン」って・・;
ビーも「エドテンセイ」になってますね(要するに2人とも穢土転生をよく理解してないし、それを気にしてもいないw)。
(にしても、やっと出てきましたね「九尾チャクラモードでの影分身のリスク」)。
穢土転生を止めるには「オレが打ってつけ」とイタチは言ってますが、「術の穴利用する」作戦だとしたら、それって穢土転生の「リスク」につながるのかな・・・ 単純に術者に幻術をかけるのではなく、術者の命令札を「上書き」するとか・・・・ちょっと楽しみ。
にしてもナルトぉ・・。 『戦争は全部オレ一人がやる!!』って・・・また出ちゃいましたね、オレオレが。
ペイン戦の頃から目立ち始めていたナルトの「オレオレ」。 「里の皆には手をださねーように伝えてくれ 皆をかばいながら戦うのは逆にやりづれーから」発言には正直、引きました。 あのあと、ミナト・クシナがナルトを止めてなかったら今頃ナルトはどうなっていただろう。
しかし・・ ナイスだよ、イタチ!
『・・・お前は確かに前とは違い強くなった・・・力を得た だがそのせいで大事な事を見失いかけてもいるようだな』
『力をつけた今他人の存在を忘れ驕り “個”に執着すればいずれ・…』
『マダラの様になっていくぞ』
シスイの死の翌日、イタチが呟いていた言葉・・・《力を持てば孤立もするし傲慢にもなってくる 最初は望まれ求められていたとしてもだ》。・・・イタチは責任感と傲慢が紙一重だって事、よ~く分かってたんですね。
にしても、ここでもイタチの眼は「見えない先」まで見据えている・・
例えば同じようにナルトを止めようとした雷影や綱手は、ナルトが参戦した場合のリスクと効果を天秤にかけて判断してます。 彼らが見ている先は「この戦争の結果」つまり目の前のことだけなんですよね。 それは立場上仕方のないことではありますが・・・
でもイタチの発言は ナルトの将来を見通しての忠告なんです・・・やはりイタチが見ているのは「もっと先」。
さすがにナルト、ハッとしてますね・・・ ナルトはホント『周囲』に恵まれてます。 この前はイルカが止めて・・そして今度はイタチ。 ナルトって、イルカに対しては反抗期の子供みたいに「子ども扱いすんな~」的な態度が出ちゃいますが、イタチのおかげで《イルカの心配》の有難さもわかったみたいですね。
ナルトは素直だけど意外と繊細だし、トラウマのせいでたまに屈折した言動も出ちゃう。 それに「主人公キャラ」としては完璧でもないし、美化されすぎてもいない。それでも素直に反省して自分を見つめ直していける・・・
そこがナルトのいいところなんですよね。
『お前の父ミナトが火影としてあったのは 母クシナや仲間の存在があったからこそだ』
『“火影になった者”が皆から認められるんじゃない “皆から認められた者”が火影になるんだ』
(イタチ、やっぱりナルトの両親のこと知ってた・・・というのはさておき)
これ・・・ナルトの考え方を根底から覆すような、鋭く重要な一言ですね。
かつてのミナト父ちゃん・・・アカデミーで自分の夢を語る時、『里の皆に認められる立派な火影になりたい』と言ったんですよね。
で、ナルトは第1巻の自己紹介で『火影を超す!ンでもって、里の奴ら全員にオレの存在を認めさせてやるんだ!!』と言った・・・
同じ火影になる夢でも、目的と手段が違う・・。 でもナルトの発想に「逆だろコラ」とツッコミを入れた人はいなかったんですよね;その闘志のおかげでナルトはここまで成長できたのも事実ですから。
皆に感謝することを知った今こそが ナルトの大事な分岐点だってこと・・・イタチはシッカリ見抜いていたんですね(かつてのマダラはその分岐点で方向を間違ってしまったのでしょうねぇ。)
『・・・仲間を忘れるな』
ナルトは知っているのかなぁ・・・ カカシ先生が一番最初に教えてくれた言葉『忍にとって一番大切なのはチームワーク』って言葉は、ミナトがカカシに教えた言葉だってことを。
・《本当に大切なものである・・・・》
イタチ、シスイの眼を燃やしちゃいましたね~、なんつ~もったいない・・・
『お前はシスイの眼以上のものを持ってる・・ それはシスイと同じ心だ シスイが渡したかった本当のものはそれだ もう眼はいらない』
確かに・・・シスイがイタチに託したものは、写輪眼に宿る「意思」のほうですよね。 争いの種でありシスイを死に追い込んだ 力の象徴・シスイの「眼」・・・イタチには惜しいものではなかったのでしょう。
本当に大切なものは、そこに宿る「魂」。忍刀に受け継がれるものも、傀儡に受け継がれるものも・・・
そして写輪眼にも。
・・・にしても「別天神」ですが。
シスイの眼が無くなったからといって、こんだけ丁寧な伏線が積み上げられてきた「別天神」、これで終わりとは思えないんですよね~。それに、この前イタチが言っていた『シスイの万華鏡は再発動まで十数年かかる 千手柱間のチャクラでもないかぎりな・・・』というのは何の伏線だったんだろう?
あれは「ナルトのチャクラがあれば別天神を再発動できる」って話かと思ったけど、その可能性はシスイの左眼炎上とともに消えちゃったし・・・ だからといって、あれはダンゾウが別天神を何度も使えそうだった事の説明とも思えず・・・ やはり「キッシーの三択法」でいうところの3つ目の答え「そのほかの伏線」なんだろうか?
だいたい、四代目水影やぐらにかけられた「別天神らしき術」についても詳細不明のままですよね。。
イタチの発言と合わせると、「シスイではない《柱間チャクラを使う》人物」が 四代目水影に別天神を継続的に使っていた可能性もあるわけでして・・・ 今でもその人物は別天神を使用している(あるいはこれから使用する)といった可能性もあるんじゃないか・・と思うんですが、はて。。
・《『目には見えない』もの》
さて、場面変わって再び我愛羅部隊VS元影達。
しかしこの戦場、カブトもほぼ放置しているし二代目水影様のお茶目キャラのせいもあって、悲壮感があまりないですねw・・・・ 犠牲者もほとんど出ていないんじゃないかなぁ。
三代目雷影はテマリたち風遁部隊によって順調に封印されそうですが 無サマと二代目水影には梃子摺ってる・・・やっぱり「目に見えないモノ」相手に戦うのは難しいんですね;二代目水影の蜃(おおはまぐり)の蜃気楼の術、こっちは再不斬の霧隠れの術への対処みたいに感知系が感知できないもんなんでしょうかね~。
どこの戦場でも「見えない敵」に苦戦しているようですが・・・
トビの「霊体と実体のシフト」の秘密に見えない「時空間」、トビを操ってると思われるマダラらしき人物の「見えない存在」・・・ これから先は、「幻」の中で現実を見つける戦いに向かっていきそうな気がします。
気になるんですよね~例の42巻のイタチの言葉、《その現実は 幻かもしれない・・・・》 。目には見えないモノを見る・・・それって瞳力の良し悪しの問題ではなく、もっと大切な「心を読む眼」が必要なのかもしれません。
さて今週の話、キーワードを順に拾ってくと・・・・
《道具としての眼もあれば、心を読む眼もある。 力を得ると見失ってしまいそうなモノ・・・それは、本当に大切なものである『目には見えない』もの》・・・・・こんな言葉が炙り出されてくるんです。
・・・本当に大切なのは・・・目には見えないモノ・・・。
・で・・ナルト到着?
ナルト達が島亀(雲隠れ)から北上してるとしたら、ダルイ隊に向かって北上している我愛羅隊とぶつかるのも納得ですが。
☆イタチ、術者はカブトだってことは予測済みでしょうけど、どこに向かったんだろう。
☆イタチは自分一人で背負いこんだことを「失敗だった」と思ってたんですね;
サスケに会うつもりは無さそうですが・・・。
☆長駄文、読んでくださって有難うございます。感謝。