NARUTO 596:一つの術 その2 (神威と時空間)
※その1の続きです。
ところで、カカシが《トビの術は時空間瞳術(神威?)1つで、ズズズ・・もすり抜けも、どちらもその応用じゃないか》と思った理由は・・・やはりコレだったんですね。
「本来神威を止められるなんて 聞いたこともない」。
神威を止められるトビだから、トビの時空間忍術は右眼の写輪眼による瞳力…神威のような(あるいは神威そのもの)であって、それなら「すり抜け」に見える術も万華鏡写輪眼の瞳術で実は時空間に消えたとしても不思議はないと思い始めたようですね。だから・・・神威で飛ばしたクナイが当たったのだと。
そして、さらに気になるのはカカシの言い方なんですよね・・・《本来》とか《聞いた事もない》とか言ってるって事。
「本来」というのは、“元々”とか“通常”という意味ですから、つまり神威には「過去例」があるという事だと思うんです。過去にも神威を使用した人が居た・・・そしてカカシは「過去例」を知っているんじゃないだろうか。
「(神威を止められるという話は)聞いたことが無い」とも言ってるし、カカシは神威をはじめ瞳術についてかなりの情報を集め調べ上げていた・・という事になりそうです。ま、そこは・・暗部情報のプロですから。
『神威』を使った人物が過去にもいたかもしれないという事は、推測は出来るんです。
可能性がある人物をあげるなら、マダラ・イズナ兄弟、そしてシスイ(勿論これは推測でしかないんですけど;)・・
まず《なぜ、カカシは万華鏡写輪眼を開眼出来ると思ったのか?》という点に疑問があるんです。カカシが万華鏡写輪眼開眼のことを「開発した」という言い方をしてる事からも、「開眼しちゃった」のではなく「開眼させた」のだと思ってますが・・・ご存知の通り、万華鏡写輪眼は「うちはの中でもほんの数人にしか現れていない」瞳術です。
なのに、カカシが無謀とも思える挑戦をしたということは、オビトの眼なら開眼できると確信した理由があると思うんですよね。それはおそらくオビトの血統が「万華鏡を開眼できる家系」だったからじゃないかと考えています。そして何よりも・・・『オビトの兄弟』が存在し、その人物が万華鏡写輪眼を開眼していた可能性も高いと思っています。つまり・・・オビトには「万華鏡開眼者」の兄弟がいたとか、カカシはオビトの眼なら絶対に万華鏡を開眼できると確信出来たんじゃないかなとも思っています。 で、オビトの年齢に近いのはシスイかなぁ・・・シスイはオビトの兄弟なんじゃないだろうかと思っててしまうのです;
16巻では2人の人物がカカシの「眼」について言及しているのですが、1人はイタチ・・・彼は《アナタの体は“その眼”に合う血族の体では無い》と言ってみたり、月読を体感させて(あなたが持っている眼は本来万華鏡の能力を持っている)と言わんばかりでしたし・・・もう1人、カブトも「もっともうちは一族ほど“その眼”を完璧に使いこなせていないようですが」なんて言ってるんですよね。 イタチとカブトが言う“その眼”=オビトの眼とは特別なモノだったのだと思われるんです。そして・・カカシもそれを重々承知していた。
かつてオビトが自分の眼にあれほど劣等感を持ち、自分を落ちこぼれと呼び(しかも呼ばれていたみたいだし)その癖プライドだけはやたらと高かったのは、血統が「超優秀」だったのなら納得もいくし、「この写輪眼が開眼したらお前なんか追い越してやる!」とカカシに叫んでいたのも分かるんです。そりゃ・・そうだろうな、と。
マダラとイズナも神威系の時空間瞳術を使えた『かも』しれないと想像する理由は後述しますが、もしそれだけ過去例があったのなら、カカシは神威についての知識も十分得られたのだろうし、「本来」とか「聞いたことが無い」なんて言葉が出てくるのも合点がいきます。
そして、なぜ過去の神威ユーザーにこだわるのかというと・・・もし神威などの《時空間瞳術或いは時空間忍術》がオビト・シスイ・マダラ・イズナをつなぐものだとしたら・・少しずつ「うちは」や「瞳術」に関する謎も同時に解けてくる気がするんです。まだ未知の領域「時空間」にいる存在、まだ謎の存在を解くカギになるのかと・・。
しかし…
カカシが「オビトの眼は特別」だと知っていたのなら、そのプレッシャーはどれほどだったでしょうか。。
この眼でリンを守って欲しいとオビトに頼まれたのに、その眼を使いこなせずリンを守れなかった。 もし、オビトだったらこの眼を使いこなしリンを守れたかもしれないと、どれだけカカシは己を責めただろう?
周囲からも「あの眼を持っている」という事で妬まれる事も多かっただろうし、うちは一族からはかなり冷たい視線を浴びたはずだし、カカシがオビトの眼を奪ったと解釈する人は多かったと思うんです。
周囲の冷たい視線、そして己を責め続け・・・カカシが今までどれほど辛い思いをして、それを耐えてきたのか。その苦労は想像を絶します。それをたとえ「後悔だらけ」と言われようが、けして他人に当たることなく「仲間を守る」ことで償おうとしているカカシの精神力の強さに心を打たれる。
そんな壮絶な人生をカカシが歩んできたなんてこと、ナルト達は全然知らないですよね。 カカシは他人に自分の「弱み」を見せようとしないし、そして頼ろうともしない。 どうやったらオビトに少しでも償えるか、ただそれだけを考えて己の失敗を十字架として背負って生きている。
ま・・でもトビが言う「後悔だらけの生涯」なのも確かです。カカシには我々の想像以上の「過去」があるのかもしれません。・・・
そして「神威の飛ばす先=時空間」。
先週595話の感想で、『カカシが神威でモノを飛ばした先はトビさんの敷地(時空間)内だったのではないか、だからトビが出入りする時空間にデイダラの腕(ってか肘部分)とか爆発とか釘とかいろいろ飛び込んだんじゃないか』なんて書いたのですが・・・少々訂正です。厳密には、トビさんの敷地では無いですよね、トビに所有権があるわけじゃないもん・・・トビが出入りしている時空間ではあるけれど、トビ専用ってわけじゃないのかな。
「時空間の定義」はまだ出てきていないので想像ではありますが・・おそらくこの世界に密着するように存在し、それこそ見えないカーテンで仕切られてるイメージなのかなと想像しています(想像だけどね)
時空間忍術そのものは珍しくはなく、たとえばこの戦場にいるガイ、カカシ、ナルトは「口寄せの術」を使えますよね。・・・という事は、「初歩的な時空間忍術」は使える人達は大勢いるってことになる。
ナルトは妙木山から「逆口寄せ」されたことがあるので『時空間経由の旅行』は経験済みですが、しかし「自分の意志で時空間に出入り出来る」人は非常に少ない。
神威は時空間内に出入り出来る、瞳術としては「珍しい能力」です。 私としては“時空間とは神の領域”だと勝手に思っていまして・・・だから時空間に出入りできる術は「神」の名を冠すると思っています。
神威に飛雷神・・・どちらも神レベルの力。
普通の人間は、神の領域である時空間にむやみに立ち入ることはできず(時空間=神の領域であり「生と死の狭間の世界」とも考えています)、今まで立ち入る事が出来たのは「仙人の能力を持った人達」、トビ、四代目火影ミナト、二代目火影扉間ぐらいでしょうか。 あとはカブトが新マンダの中に入って時空間を自分の意志で飛んでいた事があります(54巻で)。 あ、あとは「口寄せ動物たち」ですね。
で、もしかしたらマダラやイズナ、シスイも(神威系の術を使えたなら)時空間に出入りできた可能性はあったと思っています。
時空間・・・現実世界と『接して』いながら、現実世界からは通常は感知できず、存在すらわからない。
だけど確実にその世界は存在し、その世界に入れる能力を持つ人たちが『過去にも存在していた』・・・これは重要な秘密にかかわっていくような気がしてなりません。
(その3に続きます、すみません)。