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NARUTO-ナルト- 598:粉砕!!!! 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ39号) その1 (カカシの心理雑考)

NARUTO 598:粉砕!!!! その1 (カカシの心理雑考)

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『いくぞ・・・ ガイ!』
 
597話で九喇嘛の応援をもらったナルト、いよいよ飛雷神への第一歩かぁ~!というのは私の勇み足。
まだまだ、そんな簡単にはいかないですよね、ま・・『あの術』の完成は、トビ戦が終わってから次の課題になっていくのでしょう。 トビ戦は『時空間忍術への入り口』と思ってます。でも、今週ついにナルトも“時空間”を体感することになったわけで、いずれは父ちゃんの術を・・・と強く期待する気持ちは変わらずです。
・・・ともあれ、

先週以降、ずっと気になってるのが“カカシの心理状態”だったんです。
 
既にカカシの頭ン中には《オ、ビ、ト》の文字が明確に浮かんでいるハズなんです。必死でそれを打ち消したくて否定材料を探していたのに・・・ だけど、最後の砦である《第三者がオビトの眼を奪った可能性》をトビにアッサリと否定されてしまった。
597話カカシの「その眼をどこで手に入れた」発言は、仮面男がオビト本人のわけがない、ここに居る敵は『オビトの眼をどこかで手に入れた第三者だと主張したいカカシの気持ちがありありと見てとれて、それは切なすぎるほど悲しかった・・。
でも「オビトなのは眼だけであってくれ」というカカシの祈りも、トビにとっては《相変わらず現実を直視することから逃げてる姿》にしか映らなかったようです。

まぁ・・ たしかにカカシはそうなんですよね、サスケの心の闇も本当は分かっていた。病院の屋上での一件(20巻176話~177話)でも、分かっていたハズ。だけど、サスケなら大丈夫だと信じたい思いが、カカシの現実を見る眼を曇らせてしまった。《オレが甘かった》《大丈夫だと自分に言い聞かせたかっただけだ》と頭では分かってはいるものの、ここでも再び「認めたくない現実」を前にしたら、そんなハズは無いと自分に言い聞かせようとする・・・。 
 
オビトは死んでいるハズだと・・・。

この戦場で、カカシがナルトとガイから何度も誉められた《カカシの理解力・・・情報や知識から答えを推測する分析能力。》
 
でもこの「理解力」の意外な穴は、「常識や理屈ではありえない事」にぶち当たると思考が停止してしまうところにあるんですよねぇ; カカシは納得できる根拠がないと、認める事が出来ない・・・ここが賢い人の穴であって、ちょっとアレな人たちのほうが柔軟性があったりするんですよね。 
 
術の分析にはお得意の能力を発揮出来たとしても、肝心な“トビの正体”に関しては ガイの方が早く勘付いていたと思うんです(おそらく594話・・トビが最初にカカシを口先男扱いした時にガイは気づいているかと・・)。
だけどカカシは勘に頼ることはせず、仮面男がオビトであるはずがない理由として《オビトは死んだハズ》という“絶対的な根拠”を頼りにしていたんですよね。 
しかし、トビの「神無毘橋の戦いの時にその眼を手に入れた」発言には、あの時にその眼(時空間忍術の眼)を手に入れたとも解釈出来るものでして・・・あの時オビトが時空間忍術で岩の崩落から助かった可能性もありかと思っています。
 
(前まではゼツがオビトを救出した可能性を書いてきましたが、瞬時にオビトを岩の崩落から救い出すのはゼツでも難しそうなんで、595話でトビが見せた『岩のすり抜け』が、オビトは時空間瞳術で助かった可能性を暗示してるような気がします。なにせ・・・この《岩が舞い上がる光景》が、神無毘橋の戦いとリンクしているのは間違いない、と思えますので。)
 
《オビト生存の可能性》を示されたことではじめて、カカシは現実を認識して「お前は・・・」に至ったのだと思ってます。 《どこでか・・・》 《フッ・・》 《あえて言うなら・・》 《・・・の“時”だ》の会話の綾には、理論派カカシだからこそ感じ得た「答え」があったような気がします。逆に言えば、そうやって明確に根拠を示されない限り、事実を受け入れられない『カカシの頭の固さ』、勘とか心で感じ取ることができない「穴」が露呈しちゃったって事なのです。 
 
でもカカシがそうなったのは・・・父サクモの事件、次にオビト、リン、ミナト先生と大切な人達を次々と失った過去に原因が在りそうなんですよね。なんだかなぁ・・・かわいそうなぐらい、この戦場で カカシは己の「穴」を見せつけられてるような気がする・・・。
 
『……』
 
『奴は… まさか… 』
『イヤ… そんなバカなことが…』
 
 
カカシが思い浮かべている、第三演習場の《慰霊碑》。いつもカカシがオビトのお参りに行っている場所です。
《奴は…まさか…》の後に続くであろう言葉は、勿論、オビト)。
 
(オビト)でカカシは慰霊碑を連想してるってことは、567話でトビに「英雄が哀れに言い訳をする墓前」といわれてカカシが思い浮かべていた木ノ葉墓地のお墓は、まず間違いなく「リンのお墓」なのでしょう・・。 
リンはお墓で、だけどオビトは「慰霊碑」・・・オビトにはお墓は無い。
カカシも、自らの根拠にかなりの「穴」があったことに気づき始めているはずです、『オビトの死は誰も確認していない』ということを。 
 
だけど、それでも《まさか》 《イヤ》 《そんな》 《バカな》と否定の言葉を連発してみるんですね、カカシは・・・ 否定を数重ねるほど虚しさは増すばかりだというのに・・・。
 
何といっても、カカシにとってオビトは《本当の英雄》なのだから。 
 
第2巻で既に登場している、カカシの《親友》の存在・・・
 
「これを見ろ… この石に刻んである無数の名前 これは全て里で英雄と呼ばれている忍者達だ」
「…が ただの英雄じゃない 任務中殉職した英雄達だ」
 
「これは慰霊碑 この中にはオレの親友の名前も刻まれている……」
 
オビトの存在が語られたのは第8話、ずいぶんと早い時期だったんですよね。
英雄という言葉にはしゃいだナルトに、カカシが伝えた「現実の厳しさ」。
そして… ナルトが憧れてる「英雄」、その一人としてカカシが教えた『自分の親友』。
 
・・・・・その人物が今、ナルトとカカシの眼の前に居る(たぶん・・・だけど)。
 
『カカシ!オレ達も…』
『!!』
 
『・……』
 
『…シ… ・・カシ…』
 
『カカシ!!』
『!!』 (ピクン)
 
カカシがうつむいたままで、上の空であるのに気付いたガイ…驚いてますね、カカシがこんなに狼狽えるのは初めて見たんじゃないだろうか。カカシが戦闘中に人の話も聞こえないほど考え事をしてしまうのは よっぽどなのだ。 (シッカリしろ、カカシ!)とガイは叫んでいたんだろうけど、それさえ聞こえてないみたいだから。
 
(カカシは、わざとすっ呆けて?聞こえないふりをすることはありましたけどねぇ↓)。
 
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・・・なんか言った?(中忍試験で)
 
面のヤツは(オビトかもしれない)とガイも考えているんですが 彼の場合は「奴は死んだハズだから、ありえない」という理屈は(たぶん)考えてない。 ただ目の前に居るのが「オビト」って現実だけを、そのまま受け取る・・・ メンド―な理屈は後回し、っていうか「考えない」のかな;
 
で、その次のガイの言葉が・・・これが最高にいいんですよ。 いい友達を持ったなぁ、カカシ。
 
「…お前が今 何を考えているのかは想像がつく! オレもそうだ…」
 
「分かる」とは言わないところが絶妙だと思うんです。分かるって言うと、お前にオレの気持ちなんてわかるかぁ…ってなるのが人情ってもんですから。
それに忍び忍んで忍び泣きぃ~の心ってのは、お互いに詮索すべきじゃないし軽々しく分かったフリをするもんじゃない・・ってのがガイの考えでもあると思うんです(「お前にあの子の何が分かる!」とカカシに厳しく言った事もある)。 だから「分かる」なんて厚かましいことは言わない。「想像がつく」という言い方に留めているんだけど、何かと一人で抱え込むカカシに《一人で抱えるな》と痛みを共有する申し出でもあるわけで、そこに彼の暑苦しすぎない優しさを感じるんです・・。
 
でも、そのうえでの「オレもそうだ」・・・
 
これは《オレも同感だ》と伝えることで、お前の考えている事は現実なのだと引導を渡してるのだと思います。 気持ちを切り替えて、しっかり現実を受け入れろ、と。 
ガイも分かってるんですよね、《オビトとカカシ》の絆は特別で、ガイですら踏み込めない「領域」だと。
そのあたりは気を遣いつつ、でも出来る限りカカシに寄り添う。そして、カカシの気持ちを察してあえて(オビト)の名は出さない・・・。
 
ガイってのは、分析面においてはアレ発言も多いですが、人の心を理解するから励ますことは名人級だし、迷言も多いけど名言も多い。
(因みにガイは「うちはオビト」の顔と名前はしっかり覚えているだろうと思ってます。ガイは「死に様」を認めた人物は覚えている・・・ガイにとってもオビトは「本当の英雄」だったのかもしれない)。 
 
「だがそいつは置いとけ!今は感傷にひたるヒマは無い!! 部下だったナルトがお前より先に突っ込んでんだぞ!!」

「・・・・・・」
 
部下「だった」って過去形がちょい気になっちゃいましたけど、ナルトはまだ「下忍」だから今も第七班カカシの部下なのかなぁと思ってます。(ちなみにサスケもまだ里に登録されているのなら、サスケも下忍ですよね。ガイ班は全員中忍以上だから、彼等はガイの「元部下」なのでしょうけど)。 部下が先に突っ込んでいく・・当然、上司が「守ってくれる」と信じてるからですよね。
 
『バカが… 一人で突っ込んで来るとはな…』 (トビ)
 
この部分も、ちょっちカカシ外伝に似ているところがあります。
カカシが千鳥を試したくって敵のなかへ突っこんでいき、敵の岩隠れマヒルが呟く・・《真っ直ぐに突っ込んでくるとはな・・・》。
だけどこの時は、後ろから“上司”であるミナトがちゃ~んと“部下”のカカシをバックアップするんです。敵が投げたクナイを、手裏剣で全て弾いてカッコよく封じたあの時の風景とも重なります(240話でのこと)。
 
(トビは、神威の「吸出し」で、時空間というか自空間から巨大な風魔手裏剣を何枚も飛ばして攻撃してきますが・・・ ってぇ、こんな事も出来るの??眼から手裏剣投げ。どんだけ便利なんだ・・・この「神威」って瞳術は。)
 
本来なら、あの時ミナトがカカシを敵の攻撃(クナイの雨)から守ったように、カカシがやんなきゃいけないんですよ・・・だけど、カカシがやらなくっても、ビーがタコ足で手裏剣を受け止めてナルトを守る。九喇嘛が口でくわえて手裏剣を止める。完全にトビはナルトの中に九喇嘛がいて共闘してるってことを忘れてる(つまり、カカシがいつも「雷切」でオビトとカ共闘してるってことも、オビトはもはや忘れているのかな・・)。
 
『オレ一人で突っ込んでんじゃねーよ!九喇嘛を忘れんな!』
『それにビーのおっちゃんに八っつぁん ゲキマユ先生にカカシ先生も居る!!』
 
外伝の時のカカシもですけど、頼まなくったって仲間(そして上司)が守ってくれると信じてるから、突っこんでいくんですよね。ナルトの理屈無しに「仲間、カカシを信じ切った言葉」は、カカシはどう聞こえたんだろう?
 
今、カカシは自分の価値観を全てひっくり返された気持だと思うんです。カカシにとって《ミナト班》ってのは大切な心の拠りどころだし、今も大事な仲間なんですよね、ずっと枕元に写真を飾っていたようにね・・。なのに仲間の大切さやチームワークを教えてくれたオビトが、敵になってしまった。カカシにとって一番大切にしていた忍道や信念がグラッと傾いてしまった・・・とでもいうのかな。信じてきたモノが、ガラガラと音を立てて崩れ落ちるような感覚・・。
だけど、ナルトの力強い《ただ仲間を信じるブレない発言》は、グラついていたカカシの心をシャキーンと立て直してくれたんだと思います。やっぱり、四代目の子供なんですよね・・・ナルトは。同じ血が流れてる。
 
 
(※その2「神威VS神威」に続きます、長文すみません)。