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カカシの「余計なひと言」癖について

カカシの「余計なひと言」癖について

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7月に、「大蛇丸の余計なひと言癖について」という話題について書いたのですが、今回はカカシの「余計なひと言癖」について、ちょっと。

607話で、カカシが《これ・・・一応極秘あつかいなんだけど》と言って、リンの墓前でミナト先生のところに子供が生まれる事を報告したカカシ。 
 
「これでオビトに情報が伝わっちゃって、九尾事件になった」と解釈された方が意外と多かったなぁとコメントを頂戴して分かったんですが・・・実は、私はそうは思わなかったんです。 
その前に、既にオビトは《オレの計画には気づけないだろうが・・》と火影岩を眺めながら考えてるし、あの日は九尾を口寄せする計画を予め立てて「久々の帰郷」をしていたと考えてます・・・ 
なので、あれはカカシのせいじゃないと(笑) カカシの弁護をするわけじゃないですが。
 
「カカシ・・・ お前はそうやって簡単に口を開く」
 
・・・と、594話でオビトに言われちゃったカカシ。
 
ま・・・これは「言葉を口先だけにしてる」という意味であって、カカシは「不用意に喋る」人では無いんです(どっちにしても、いい意味じゃあないけど)。 今の戦場でも「敵を煽るな」とナルトに注意したり、過去にもヤマトが何か話そうとすると「サッ」と手を出して制止してきたり。 言葉に関してはかなり「慎重」です。
 
だけど、ちょっと違う意味で・・・カカシは「余計な事を言う」と言われちゃったことがあるのも事実。522話で、穢土転・再不斬に言われてる・・・
 
「カカシ・・・余計な事をベラベラと・・・」って。
 
これは、穢土転された白に「再不斬は君の事を道具だなんて思っちゃいなかった」なんてカカシが言っちゃったものだから、再不斬が「・・・・・」 「カカシ・・・余計な事をベラベラと・・・」となったのです。
 
ま、再不斬が「余計な事」って言ったのは、“照れ臭くてカッコつかないから”ってのもあったと思うんですが、典型的な“古臭い忍”の再不斬にとって、感情を伝えることは《余計な事》・・・ まして他人に言われるなんて余計なお世話なんだろうと思います。 再不斬は、こういうのは「言わぬが美学」と思ってたんだろうから(もっとも、再不斬も最期は「人間として」死んでいったわけですが)。
 
だけど「人間として」死んでいった自分の姿を、白に知られるのも恥ずかしかったんじゃないだろうか。・・・なのに、カカシは勝手に、不器用な再不斬に代わって「再不斬の本当の気持ち」を白に伝えてしまった。 でも結果としては白も嬉しそうだったし、良かったとは思うんですよね; 
 
「感情」ってもんは、ひっそりと抱いているだけじゃなくって、ちゃんと『伝える』ことも大事なんじゃないかと思うんです。だけど、感情を伝えることに関しては実に無器用な忍達が多いような気がします。
 
そもそも一般的に《忍には感情なんて余計なモノとされてきたわけだから、その感情を《素直に表現し伝える》なんてのは、さらに難しい事だったハズ。 イタチやサスケも想いを伝える事は得意では無かったと思うし、イタチもやっと素直に「愛している」とサスケに伝えられたけど、かなりの遠回りをした・・・。
白に自分の「愛情」を伝えられなかった再不斬に代わって、カカシが白に「再不斬の想い」を伝えたのは・・・カカシが《感情をちゃんと言葉で伝える事》は大事だと思っているから・・のハズなんですよね。
 
カカシの余計なひと言といえば、もう1つ・・・16巻で、「アスマと紅」にもツッコミを入れている・・・
カカシが他人の恋愛に突っこんだりするのって、ちょっと意外な感じがしますが。
 
「よう!お二人さん・・・ 仲のよろしいことで・・・ デートですか?」
 
この時の紅とアスマの反応が面白いんです、紅は顔を赤くして「バーカ 私はアンコに団子を頼まれたのよ」と否定してるんですが、アスマは全く気にせず「お前こそこんなとこで何やってる?甘いもの苦手じゃなかったか・・」とさらっと答えてる。
 
あの当時、既にあの二人は付き合ってたのかどうかは分からないんですが、あの反応からして 紅のほうはかなりアスマに惚れてたような気がします。 
二人はアカデミー時代から一緒だったし、九尾事件の時もアスマが紅を制止したりしてて、昔から仲が良かったのは分かるんです。 だけど、アスマってのは父ヒルゼンとも一悶着あって里を出ちゃったような人だからなぁ・・・・恋愛に関しても、かなり気ままで“束縛されるのが嫌なタイプ”だったのかなぁ・・なんて思ってます。 
35巻でも、妊娠が判明した紅がカカシの病室にまでアスマを探しに来るシーンがありますけど、紅のほうは かなり積極的で、アスマのほうが少々慎重になってる感じがあるんですよね。 
 
んまぁ、そういう感じのお二人さんだから、同期のカカシから見ても《この二人はどうなってるんだろう》という感じはあったのかなぁなんて思ってます。 16巻だんご屋の前での「カカシのツッコミ」はハッキリしない二人の関係を応援するような、背を押すような一言だったのかな、と・・・。
(もっとも、あの時カカシが 二人をからかった本当の目的は、「団子屋の中に居る怪しい二人組」にカカシ、アスマ、紅の上忍三人がここに居ること伝えて反応を見る事だったと思ってますが)。
 
忍という生業上、明日の命も分からない。
だから・・・思いは《伝えられる時に、ちゃんと伝えておいたほうがいい》というのがカカシの考えなんじゃないか、と。
 
というのも、その直前・・・同じ16巻で、カカシは《恋人ハヤテの死を悼む、夕顔の辛そうな姿》をみてるんです。
木ノ葉崩し直後、三代目の葬儀が始まる前・・・例によってカカシは「慰霊碑」の前にいるんですが、そこにカカシの元後輩・暗部の卯月夕顔が来るんです。 ハヤテに供える花を持って・・・。
「ハヤテへか・・・」とカカシは声をかけ、で・・・逆に夕顔に「先輩こそオビトさんへですか・・」と言われてる(ちなみに「オビト」の名前が出てきたのは、この時が初めて)。
 
ハヤテはカカシの同期だし(だったみたいだし)、夕顔はカカシの暗部の元後輩。 カカシは二人の仲を取り持つような立場にあったから、二人の交際についても知っていたんだと思うんですよね。。
夕顔は、暗部の一員・・・何と言っても暗部は《己の覚悟(たぶん、捕虜になったら自決するという事ですよね)なんてのを誓わされるほど厳しい世界だし、忍には死が付いてまわる事もよく分かってる。
だから涙は見せないし、気丈に振る舞っている・・・だけど、それだけにカカシには彼女の《感情を押し殺している苦しみ》も分かると思うんです。
 
暗部なんて、それこそ感情の一切を仮面の下に隠して行動するわけだし《感情なんて余計なもん》なのかもしれませんが・・・そんな殺伐とした世界の中に居て、カカシは《感情は“余計なモノ”なんかじゃない》ってことは大事にしてたんじゃないかと思うんです。 だってオビトが教えてくれた大切な事ですから・・。
カカシは、部下達が「人間らしい心を無くさないように」彼らの恋愛にも軽く突っこんでは見守っていたんじゃないのかなぁ。だから、カカシは恋愛になんて無関心そうな顔してるけど、意外とツッコんだりするのかもしれない・・・。
 
もっとも、カカシ自身はどうなんだ?・・・お節介はしてるけど、彼自身、自分の感情や想いを伝えるのは あまり上手いとはいえそうにない。ナルトにも素直に「お前の事が好きになってきたぞ」なんて言ったりしてたけど、勘違いされちゃってたし(笑 あんまり伝え方が上手じゃないのかも・・。
 
カカシは自分のことはともかく、周囲の“感情を表現するのが苦手な忍達”に変わって「余計なひと言」を伝えてたんじゃないか・・・とも思ったりするんですよね。 それは、「最後まで自分の想いを伝えられなかった忍達」の姿を多く見てきたからじゃないか・・という気もします。多くの「忍の死に様」を守ってきたカカシならではなんじゃないか、と。
 
そして、カカシ自身が《自分の想いを 大切な人に直接伝えられなかった無念》をよ~く知ってたんじゃないだろうか。 カカシも、結局サクモ父さんが生きている間に「自分の想い」直接伝えられなかったのだから・・・ (結局、一度死んだお蔭でサクモに想いを伝えることは出来たわけですが)。
 
サクモが「任務失敗」して里の人達から責められた時、カカシもサクモ父さんを責めたんじゃないか?と思うんです。 どうして父さんは、そんな事をしたんだよ?!って。“あの世との狭間”で、サクモとカカシが二十数年ぶりに出会った時・・・サクモは「オレを許してくれてありがとう」と言っていましたよね・・・・ 
つまり《カカシはサクモ父さんのことを許していなかった》ってことだと思うんです。
 
本当はカカシだって、父さんは正しかったと思ってた。 だけど・・・素直に伝えられなかった。
カカシは当時7歳だったけど、「忍」だったんです。
 
でも死んでしまった父さんに、もうその気持ちを伝えることは出来ない・・・その事をカカシはずっと悔いていたんじゃないだろうか。 忍という職にある以上、お互いに明日の命は分からない。 生きている今、想いを直接伝えなければ、後悔することになる。
 
だから・・・オビトが「死んだ」直後に、カカシはリンに「オビトがリンに直接伝えられなかった想い」を真っ先に伝えたんじゃないだろうか? 「リン・・・ ・・・オビトはお前の事が好きだったんだ・・・ 大好きだった・・・ 大切だった・・」って。
 
カカシがつい、余計なひと言を言ってしまうのも、後悔があるからなんじゃないだろうか・・・・
サクモ父さんに自分の気持ちを伝えられなかった事、
オビトにリンへの気持ちを伝えさせてやれなかった事・・・
忍として「余計なひと言」は、本当は大切な「伝えるべきこと」なんだと・・・
 
だから白にも、再不斬の気持ちを伝える。 紅とアスマにツッコミを入れてしまう。 
《余計》と言われようが、言ってしまう。「今」伝えることが大切だと分かってるから。
そして、感情は《余計なもの》ではないのだから。

カカシが自来也のイチャイチャシリーズを愛読してるのも、あの作品には人の心、感情、恋愛という、忍の三禁的な「余計なもん」がたくさん描かれているからなんじゃないだろうか。本当は大切な、伝えるべき《余計なもん》が。
55巻でも、サイに感情を解放するように焚き付けていたカカシですが、今度こそ・・・
 
カカシ自身が、己の大切な「余計なひと言」を ちゃんと親友にも伝えられる・・・でしょうか。
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
 
(ナルト好きブログ! Nov.2012)