ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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NARUTO-ナルト- 614:お前に 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ04・05合併号)  その3

NARUTO 614: お前に その3

(その2の続きをアップします、遅くなってすみませんでした。)
 
・《言葉の呪印について、》
 
 
「どうしてオレにそこまで・・・!?・・・命をかけてまでオレに・・・」  (ナルト)

「お前に・・ 天才だと言われたからだ・・・」  (ネジ)
 
そして「お前の命は一つじゃない オレの命もその一つに入ってたようだ」とネジに言われて、ネジから託される命と言葉の「重さ」を感じているナルトだけど・・・でもネジがナルトに希望を託したのはコレが初めてじゃあないんですよね。
 
3年前のサスケ奪還任務、あの時もネジはナルトを信じ、ナルトに希望を託して命懸けで戦ってますもん・・・ 相手だった鬼童丸に「どうしてそこまで出来る?」と聞かれ、ネジは「今迄に戦った全ての者の中で一番強い奴がオレにこう言ってくれた・・・“お前はオレと違って・・落ちこぼれなんかじゃない”とな」と答えていた・・・
 
でも、あの時は誰もネジの戦闘を見てなかったし、もちろんナルトもあの時のネジを知らないんですよね。・・・ただ、知らなかっただけ。
 
今までもナルトは里の人達、世界の人達に信じてもらって希望を託されてきて、それを「信じてもらう喜び」として力にしてきたけれど・・・・「重荷」として感じたことはあっただろうか。
この戦争はそもそも《ナルトとビーを守る為の戦い》だし、多くの忍達がナルトとビーに希望を託して散っていったわけだけど、ナルトは今まで“実感”してなかったんじゃないだろうか?
 
「忍連合の術」で、国境を越えて忍達は1つになって皆が「仲間」になったハズだけど、ナルトは今まで戦争で犠牲になった全ての忍達の死を《仲間の死》として深刻に受け取っていたんだろうか? 
ネジの死も「今は戦争だ 仲間が死ぬ」で済ませられるのか、それとも今までの「大勢の仲間達の死」もネジの死と同じぐらい真剣に受け止められるのか・・?
 
ナルトが《絶対仲間を殺させやしねェ!》なんて言えたのも、たまたまナルトに近い人がまだ死んでなかったからなんじゃないだろうか。今も・・ナルトは、そう言えるんだろうか。
 
それに、この戦争だけじゃない・・・前のペインによる里襲撃の時だってそうなんです。
多くの里の「仲間達」がナルトの居場所を秘密にして命を懸けて「ナルトを守ろうとした」。そして・・多くがその犠牲になってる。 だけど結局全員復活したから・・・ナルトはその「重さ」を実感してないと思うんです。
 
少なくとも、ペイン戦後・・・ナルトは「里の人達が自分のために多く犠牲になってくれた」ことの重さを感じている描写が無いんです。 九尾化して記憶を失ってる時に『やらかした事』は気にしてて、損害を出してない事を聞いて安心はしてたけど・・・でもペインからナルトを守る為に多くの忍達が死んでいったことをナルトが気にしている描写は無いんです。これ・・・実はず~っと気になってまして・・。 
たぶん、それは「ナルトは見てなかったから」知らなかったから実感してなかったんだと思うんです。
 
だから、ネジの死はナルトにとってもの凄い衝撃だろうけど、でも・・ネジのようにナルトのために、ナルトに託して散っていった人たちはもっともっと大勢いるんだよ、ってこと・・・ ナルトは初めて気付いたんじゃないだろうか? もちろん、それだけナルトは沢山の人に託されて“信じてもらってる”ってことなんだけど、でも・・それを嬉しいって素直に喜べるんだろうか?
 
あまりに・・・「重すぎる」。
 
 
「仲間は殺させないんじゃなかったのか?」
 
オビトにそう言われ《オレの仲間は絶対殺させやしねエ!!!》と言った自分の言葉を・・・ナルトは今どう感じているんだろう。
 
そもそも「オレの仲間は絶対殺させやしねエ!!!」という、あの言葉。 オリジナルはカカシの「オレの仲間は絶対殺させやしなーいよ!(ニコ)」ですよね。 コレ、ヤマトもよく知ってる「カカシの口上」です。
で、なぜナルトがカカシの言葉を引用したかといえば、オビトがカカシに向かってクズクズ言ってたからだと思うんです、《カカシ先生はクズじゃねェ!!》って。 それはカカシへの応援であって、ナルトの優しさなんだと思うんです。それにナルトにとっちゃ、あのカカシの言葉は「カッコいいヒーローの言葉」だと思うんですよ、だって最初の強敵「再不斬」に震えてたナルト達を守ってくれた大切な言葉なんですから。 そしてあの言葉に救われたのはナルトだけじゃない・・・サスケだって、あのカカシの言葉を今も忘れてないと思うんです。
 
だけど、カカシがあの言葉を言う「理由」・・・その本当の「理由」を、ナルトは知らない。
 
ナルトは(カカシ先生は強えーから、あんなカッコイイことを言えるんだろうな)ときっと、思ってる。 
カカシの「仲間を守れなかった過去」、そしてカカシがその苦しみをずーっと背負って生きてる事をナルトは知らない。
 
カカシの「絶対仲間を殺させやしないよ」、「仲間を傷つけさせやしないよ」という口上については度々雑考しておりますが・・・あの口上のことをヤマトは「ボクはあんな事を言うのはごめんだよ」と言ってましたよね。
確かにカカシは必死で仲間を守ろうとする傾向があるけれど、それは大切な仲間を守れなかった過去があるからだろうし、そんな自分を許せてないからだと思うんです。 仲間(リン)を守るという《オビトとの約束》を守れなかった自分を、カカシは今も許せてない・・・。
角都戦は、アスマに預かった第十班を絶対守らなきゃという思いがモロに出た戦いだったと思ってますが、それも過去の失敗を少しでも償おうとしてるからなんじゃないだろうか・・・。
 
カカシが笑顔であんな口上を言うのは、もう二度とあんなことはしない、二度ともう仲間を失いたくないという思いから自分を強く戒めるために言ってると思うんです。だから・・・あのカカシの笑顔と口上は、カカシにとって“言葉の呪印”みたいなモノなんじゃないだろうか。
 
カカシもオビトも、神無毘橋任務を成功に導いて結果的に“多くの人達”を救い、里を勝利に導いて「二人の写輪眼の英雄」になった。だけど・・・二人共自分を英雄だなんて思っちゃいない。
だって、大切な仲間を守れなかったのだから・・・ “たった一人”の仲間かもしれないけど、その“大切な、掛替えの無い一人”を失った痛みは、今もカカシとオビト・・二人を苦しめ続けている。
 
608話で、一瞬だけカカシとオビトが「同じ痛み」を共有した瞬間があったんですよね、
 
「オレは・・・お前との約束を守れなかった そう・・・オレはクズだ」 「だがお前は・・・・木ノ葉の英雄だ・・・ ・・・お前までそうなる必要はないだろ・・」 (カカシ)
「・・・・・」 (オビト)
 
「二人の写輪眼の英雄」と言われながら、二人共自分を「仲間を守れなかったクズ」だと思ってる。
 
《この世界で生き永らえた忍は皆クズになる》・・・生き永らえた者とは、誰かが傷ついたおかげで助かった者、つまりは・・・仲間を守れなかった者。 そして自分の代わりに死んでいった者の命を預かり、一生背負って生きていく者。 
でも、もし自分に命を与えてくれた者の意志をないがしろにしてしまったら・・・自分を一生許すことなんて、できやしない。その例がカカシでありオビトであり…おそらく、そんな忍はたくさんいる。
 
この戦場に集まったのは、この戦争の生き残り達です。だから殆どの忍が「自分の代わりに死んでいった者がいて」生き残った忍達ってことになる。 生き残り、生き永らえていく忍達は皆同じ痛みを抱えてる・・・《今は戦争だ ここは戦場だ 仲間が死ぬ》と己に言い聞かせ、心の痛みを必死に押し殺してる。
 
「ナルト」
 
この現実にどう向き合うのだ?と強く問いかけるようなオビトの表情・・・
 
この表情、オビトはナルトに向けているというより、自分自身に向けてるように見えるんです。ナルト、と言ってるけど・・オビトは「答えを未だに出せないでいる自分」にも問いかけてるんじゃないだろうか、お前は仲間を絶対に守ると言っていたハズじゃないのか!?と。
 
 
そして・・・
 
 
・《お前に・・ 天才だと言われたからだ・・・》
 
ナルトのあの言葉は、かつてネジを闇から救い出した。
 
だけど・・あの言葉は、この戦場ではネジに「決意」をさせることになったんじゃないだろうか、《あいつは凡小なオレのことを天才と信じてくれたんだから、命を懸けてもオレが守りぬかなければ》という「決意」。 
もちろん、ナルトの胸の中で息絶えていったネジは『あの言葉に追い込まれた』なんて思っちゃいないだろうし、あの言葉はずーっと大切な宝物だったのだろうし、ナルトを守ったのも「ネジの意志」。 
だけど、そう言われたナルトのほうは《あの言葉がネジを死に追い込んだ》なんて考えちゃうんじゃないだろうか・・?ネジにそう言われたナルトの表情は『ショック』だったように見えるんです。
そして今度は、その言葉のせいでナルトも苦しむことになる・・・託し託された言葉の、意外な「重さ」なんだろうか。 
 
それは、ナルトがサクラに交わした約束『サスケはぜってーオレが連れて帰る!』・・・これにも似てる気がします。 これがナルトに“頑張れる力”にもなっていたけど、ナルト本人に「無自覚のうちに」重荷にもなっていて、サイは《ボクのされているものと同じ 呪印のように感じた》と言っていましたっけ(458話で)。 ナルトも自分では「自分自身の意志だ」と否定してるだろうけど、知らず知らずのうちに縛られてきたんじゃないだろうか・・・ そして・・・
 
 
『仲間を大切にしない奴は・・・それ以上のクズだ』
 
カカシがナルト達に「忍者になって最初の日」に伝えた、オビトの言葉・・・オビトがカカシに与えたあの言葉も、カカシには大切な宝物の言葉だと思うんです。だけど「仲間を守れなかった」カカシにとっては重たい重たい「言葉の呪印」にもなっていたんじゃないかと思っちゃうんです。
すごく…いい言葉なのに。
 
そして・・・この言葉を自分でも守れず、あの言葉のせいでカカシを苦しめる事になったオビト自身にとっても あのセリフは言葉の呪印になってたような気がします。
 
この戦場にいる忍達全員が、あらゆる「呪印」から本当の意味で解放される時が来るんだろうか。
仲間を守れなかった痛みから・・・
 
それは、おそらくこの戦場の誰もが感じている、同じ痛み・・・敵も、味方も・・・関係なく。
 
 
 
 
(ナルトは・・オビトの問いに、どう答えるんだろう)。
 
 
 
 
 
☆長駄文読んでくださって感謝。
 
 
 
 
☆余談:復活の件なのですが。
 
「ネジのいないエンディング」・・想像できません。
 
こんな言い方してはナンですが、ネジも、戦争犠牲者も「戻る」ような気はしちゃいます。その手段は分かりませんが・・・
 
☆今までのオビトの言動を見る限り、オビトは開戦前から「復活のための輪廻天生」を計画していたようにも感じます。
 
オビトはマダラを輪廻天生するつもりは無かったみたいだし・・・
そして、オビトが今まで輪廻眼の能力を使ったのは「穢土転生ペインを使うため」ぐらいだけど、本来それは計画に入っていなかった(オビトが輪廻眼の回収を言いだしたのは52巻ダンゾウ戦直後、カブトに会う前・・・つまり穢土転生を計画していなかった時ですから)。
それに、オビトは千手とうちは両方の力を持っているので「輪廻眼」は持っていなくても魔像を扱う事は可能だとマダラが言っていた・・・なのでオビトが輪廻眼を回収したのは「魔像を扱うため」でもない。つまりはじめっから「輪廻天生」をするつもりだった可能性もあるような気もします。戦争を短期決戦に持ち込もうとした理由もあるのだろうし・・・ 無限月読に輪廻眼が必要なのかどうかは不明ですが。
 
 
☆ あるいは既に幻術だとか・・・ あり得るとしたらですが、613話ラスト直前、本部爆発の一瞬前の「間」で幻術入りの可能性も考えてます。あの「間」が気になってるんです。

 
 
☆次のジャンプは新年1月4日です。
 
☆63巻、12月28日発売です。
 
 
 
 
 
 
 
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