NARUTO 636:今のオビトを (3)
(その2の続きです・・でラストです)
・《そしてマダラさんですが》。
マダラさんはお座りしたまま、退屈しのぎに柱間の木遁分身と遊んでたんですね。
でも分身柱間が呟いた「マダラ・・・お前もずっと・・・何かを」これ、ちょっと気になります。マダラがこんな「先」に復活してまで何かを成そうしているからには、「何か余程の事情と計画がある」ってことを柱間も「何か」感じてはいるんですね。 マダラの“本質”がオビトが言うみたいに「子供」なのだとしたら、マダラは今も子供時代の夢を追っているのかもしれない。 分身が解かれたことで、本体柱間に情報が還元され「今すぐにでも、マダラと向き合う必要性」に気付いてくれれば・・とにかくハッシ-は十尾よりも「マダラ」に向かうべきだと思うんです。
やっぱり「マダラの最大の理解者」は柱間しかいない。
(そして時空間から瀕死の状態でオビトが出てきた事に気付くマダラですが)・・・
《・・・アレはもう使いものにならんか・・・ 人柱力になる前に柱間とやってみたかったのだがな・・・》
《しかたない・・・》
《オレを輪廻天生させる頃合いだ・・・》
(オビトの右半身に仕込んでいた黒棒をグサグサと突き出させ、柱間細胞を黒ゼツのように一気に黒く染めていくマダラ・・・ そして苦しみ悶えて、リンを思い出しながら、《ウオオオオオオ!!!》と叫ぶオビト。 あまりにも・・痛々しすぎる・・可哀想だ。)
マ、マダラのく○ジ○ィがぁ・・なんっつーことを・・・!
だけど、《ついに、やらかしたか・・》というのも、正直な感想だったりで・・。
こういう事態をずっと危惧しておりました・・・マダラのオビトに対する圧倒的な余裕は、「コレ」のせいなんだろう、と。 といいますのは、64巻614話で、マダラとがオビトが《輪廻天生》について言い合う場面がありますが、その時、マダラはやたらと余裕なんですよね。 だから《オビトは右半身に埋めこんである黒棒のせいで、マダラには逆らえない》んじゃないかと・・・マダラの余裕は、そこからくるのではないかと思えたんです(614話「お前に」雑考その2)。
しかしなんて非道な・・・オビトの「オレのご先祖のマダラ」発言から判断しても、オビトはマダラ直系の「孫か曾孫」でしょ?なのに、これですかい? 柱間なんて、孫を溺愛してたってのに。
マダラは五影の前でも子孫の事を「下っ端」という言い方をしてましたけど(577話で)、彼は子孫の事を信じてはいないんですよね。 余程の「裏切られトラウマ」があるのか・・・カブトに「偽マダラが計画通りに事を運ぶ気があるのかどうかは分かりませんが」と言われた時だって、思いっきり「疑い深い顔」をしてましたよね。
とはいえ、マダラがこんな残酷な事をオビトにやってるのも、「計画の為」、仕方なくのことだとは思うんです。
マダラにはン十年かけてきた譲れない計画があるんだろうし、マダラもオビトも・・お互い秘めた「計画」の為には、自分が十尾の人柱力になる必要があるんじゃないだろうか・・?
ただ…1つ悲しいのは、オビトもマダラも「お互いへの愛情」を、素直に伝えられない事なんです。 マダラをあれだけ「警戒」していたオビトだけど、それでも「年寄り孝行がモットー」なオビトが「マダラ爺ちゃん想い」でないハズはなく、そして弟想いだったマダラが「本気で子孫をどうでもいいと思ってる」ハズも無いと・・ただ、お互いに言えない「本当の目的」のために、本音を言えないんじゃないかと思えて・・それがまた悲しく、悔しいのです。
ラストで、オビトが思い浮かべるリンの優しい笑顔・・・
オビトは、以前回想していた、あの言葉を思い浮かべているんじゃないだろうか?
《強がって傷を隠してもダメ》
《ちゃんと見てんだから》
今や誰からも「切り捨てられ」、完全に「孤独」になったオビトのことを、ただ一人「分かってくれる人」がいたとしたら・・・それは「リンだけ」なんじゃないだろうか。
オビトの「本当の」目的は、物語的には当分明かされないかもしれませんが、オビトは「自分の体に仕込まれている黒棒」の事は分かっていただろうし、自分の宿命も分かった上で「計画」を立てていたんじゃないかと思えるのです。 「忍連合」を作らせたのはオビトだし、ここまでナルト達を「導いたのは」実はオビト。
でも理解される事は求めず、全世界を敵に回し「犯罪者」となったとしても、《リンだけは、ちゃんと本当の自分を見てくれている(分かってくれる)》・・・オビトはその想いだけを頼りに、今まで生きてきたんじゃないだろうか・・・
・そして「黒棒」なんですが。
やっぱり気になるのは「黒棒」なんですよね。
605話「地獄」で、オビトが「ウオオオオオ」と黒棒を右半身から突出し暴走したのも、マダラが操作してたんじゃないかとさえ思えちゃうし、そもそも子孫不信のマダラがオビトに後を任せて「逝った」のも、オビトに黒棒という時限爆弾を仕込んでいたからだろうし、「黒ゼツ」という「監視役」をつけたせいじゃないかと思うんです。
リンの一件だって、当時の「血霧の里」つまり「ロン毛のマダラさん」主導の出来事でもあるし、当時マダラは「居眠り」と称して意識が「どっか」に行っていた事がありましたよね。 マダラは《オレもここより出ることはできん…“この体ではな”》なんて気になる言葉を言ってたことがありますし(602話で)、「この体」がダメなら「他の体」ならOKだったんでしょ?と・・それがずっと気になってます。
当時のマダラの写輪眼は「左眼だけ」しか入っておらず、対となる右眼は誰か「外に居る人物」(ロン毛のマダラさん?)と視野共有していた可能性は捨てがたい(詳細は「602話雑考」にて・・・ということで)。 さらに、九尾事件当時のオビトが「ロン毛のマダラさん」仮面を被っていたことは、当時のオビトが「ロン毛マダラの支配下」に在った事も匂わせる・・・やっぱり九尾事件はまだ語られていない真実が、かなりありそうです。
それに、オビトが「黒棒」を突きだして暴走した頃と、長門が外道魔像と「黒棒」でリンクして「暴走」したのも、ほぼ同時期・・・(第三次忍界大戦末期)。やはりそこには、何モノかの意志の介在を感じます。
そして・・同じような運命に巻き込まれた者同士として、オビトが一方的に「長門に対して強い仲間意識」を持っていたのも何となく分かるし、「弥彦とオビトの2人が、長門と小南に内緒で、“暁”を立ち上げたという例のいきさつ」が、ますます気になってきます(そして“暁”は、マダラも知らないですよね)。
やっぱり・・オビトには、何かある。
そして、マダラは黒棒の事を「ワシの意志」と言ってましたけど、あれこそマダラの「禍々しいチャクラ」の源で、九喇嘛でさえ強制的に口寄せされてしまう力の「根源」じゃないかともと思えるのです。 でも、それが本来マダラ自身のモノか疑わしいものがあり、やはり気になるのは・・里設立当時からマダラ周辺に漂っていた『無形の意志』・・・それが黒棒に宿る禍々しいチャクラを作りだす「意志」じゃないか」と思えてしまうのです。
黒ゼツの《全テノ地ハオレソノモノ》発言は、十尾の「黒い意志」のようにも思えるし・・・なんだか十尾にも「禍々しい破壊的な意志」と、「ユーモアがありいい子な創造的な意志」と、二つあるんじゃないか・・なんて、ふと考えてしまいます。
さて・・この後、オビトは完全に自分を失うのか、それも分かりませんが・・何だかこの流れ、《カカシの雷切が仲間を貫く→カカシは倒れ込む→マダラの意図でオビトは(十尾と共に?)暴走》は、リンの時の「繰り返し」のようにも思えます。。なぜだろう。
そして、もし「十尾」がオビトとマダラ・・どちらを「選ぶ」かといえば、オビトを選ぶんじゃないかとも思えるんです。 というのも、マダラはオビトほどは「十尾を分かってはいない」し、コントロールも出来ていない・・
630話で《手加減なしに暴れる十尾》を見て、マダラさんは(十尾が手加減無しとは)・・なんて考えている描写があるんですが、でも、本当はそれまでは「十尾自身が手加減してた」のではなくってく、《オビトが十尾を制御していた》んです(628話での「唯一繋がってたオレと十尾を切るからだ・・(これから先は)抑えがきかんぞ」というオビトの台詞から)。 でも、その事にマダラは「気づいてない」・・・
630話で《手加減なしに暴れる十尾》を見て、マダラさんは(十尾が手加減無しとは)・・なんて考えている描写があるんですが、でも、本当はそれまでは「十尾自身が手加減してた」のではなくってく、《オビトが十尾を制御していた》んです(628話での「唯一繋がってたオレと十尾を切るからだ・・(これから先は)抑えがきかんぞ」というオビトの台詞から)。 でも、その事にマダラは「気づいてない」・・・
マダラに唯一誤算があるとしたら、「オビトと十尾の絆の深さ」を知らないって事だと思うんです。
そして・・・
(《ウオオオオオ!!!》のオビトの叫びに、気づくミナトとナルト・・・)
遂に、ミナトがオビトに気付きましたか・・・!!
オビトの雄叫びに気付いたのか、それともミナト(とナルトの)特有の感知能力を生かして『オビト周辺に起った急激なチャクラ型の変化』に気付いたのか・・ミナトがやっと気づいてくれた。そして・・ナルトも。
オビトはこのまま自分の意志に関係なくマダラに操られるのか。 あるいは、唯一オビトにだけは心を許していると思われる「十尾」がオビトを助けに入る事があるかどうか・・・もし後者なら、オビトの本心は誰にも知られないまま、十尾の人柱力になってしまう可能性もあると思いますが、でも・・・ミナトなら、オビトを「分かってくれる」ような気もする。
「カカシ外伝」では、ミナトはオビトの「遅刻」を叱らないんですよね。 なぜなら、ミナトは遅刻の「理由」を重視してたから・・・「オビトはおばあさんについていってあげたんだよ」と、ミナトは既にオビトの事を理解していて、そして「信じてた」んです。 だけど、カカシは「遅刻してきた」という事実だけを見て、オビトを「だらしない」と判断し・・・その「理由」は嘘と断じて、真実を知ろうともしなかった。 そしてオビトに言われてるんです、「てめーは心の優しさってもんがねーのか」って。
カカシは、「抜け忍は抹殺がセオリー」だとか「オレにできることはこれしかない」と、発想を自らを縛っちゃう傾向が未だに在るというか・・・頭でしか理解しようとせず、「心」で理解することを躊躇してるというか、恐れているようにさえ見えてしまう。
カカシにとって、この戦争での最大の課題は《本当の意味での「理解力」があるカカシ》になることじゃないかと私は考えているのですが(この話、かなり重要になると自分は考えております・・・「なぜ、ガイとナルトはカカシの「理解力」と言ったのだろうか・・?」をまだ読んでないという方はご一読いただけると・・大変に有難いです) 。 オビトと闘ってる時だって《セオリー通りか、セオリーなんかどうでもいいか》とかなり迷っていた様子だったし、カカシは既に「アタマでの理解」から「心での理解」へと、変わりつつある「途中」なんだと思います。
本当は、カカシだって大切な親友を死なせたくなんかないハズなんです。 たとえ「オビトを助ける」事が忍連合部隊長としては「セオリーやらルールから」外れたとしたって、いいじゃないか(と私は思ってしまう)。 カカシにはサクモ父さんの意志を取り戻してほしいんです。
たった一人になってしまったオビトを、本当の意味で理解してあげられるのは・・・生きてる人では「カカシしか」いない。 オビトが本当は「どんな人物なのか」・・・もう一度、カカシは本当の「今のオビトを」知ろうとしてほしい。
オビトの「本心」に最初に気付き、最初にオビトを「信じ」、そして「助けたい」と思うのは・・どうか「カカシ」であってほしい。
数多くの「死に様と、託された意志」を守ってきたカカシだけど、これからは・・・「生き様」を守って欲しい。そして・・・忍達も『生きる』事にもっとこだわって欲しい。
(今のオレにはこれしかできない) (オレはオレのできる事を・・・)とカカシは言ったけど、今のカカシに「できること」は、ほんとは・・・
「今のオビトを」理解し、信じる事。
そしてそれこそ・・・「カカシにしか出来ない事」なんだから。
☆長駄文、読んでくださって感謝。
(ナルト好きブログ!2013/07/01)