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NARUTO-ナルト- 678 オレノ意志ハ 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ27号) その2

NARUTO:678 オレノ意志ハ その2


・《そして、第七班…》
 
須佐能乎の中で、無限月読から守られた「第七班」。 
(少々長いですが4人の会話から…)
 
「外は今 どうなってるの?…サスケくん」
 
「お前がそれを知ってどうする? 今のお前にできる事は何もない」
 
「……」 (サクラ)
 
「…!」   (ナルト)
 
「サスケ…そうじゃない… それはオレもナルトも聞いておきたい事だ 次の対応を分析する為にもサクラは――」  
 
「カカシ… 今のアンタもサクラと同じだ 少し黙ってろ… オレが仕切る」
 
「……」  (カカシ)
 
「てめェサスケェ! チームワークっつってんだろが!」
 
「…確かに今のオレは何もできない その左目で分析できるなら今はサスケ…
お前が第七班フォーマンセルの指揮を取るべきなのも事実」  (カカシ)
 
「ええェ!? こいつがカカシ先生やサクラちゃんより作戦練るのがうめーとは思わねーけど! オレよりはマシかもしんねーけど」
 
 
さ―て…先週、サスケがナルトに「ちゃんとわかりやすく説明してる」のを褒めちゃったばかりなんですけど(汗…)、どーもサスケは喋り方が無愛想すぎるというか、ぶっきらぼうと言うか…ナルトが怒るのはゴモットモで、サクラちゃんが悲しそうな顔をしてるから余計腹も立つんでしょう(カカシ先生とサクラちゃんの手前、あれでナルトはかなり感情を抑えてますけど)。
  サスケの場合、喋り方にも無駄が無さすぎで「黙ってろ」とか「お前に出来る事は何もない」とか、ちょっとなぁ…これじゃ言われた相手はムカッとするし、サスケだって「コイツは何考えてるのか信用できない」とか思われてしまうのがオチってもんです。
 
 しかし、今回注目すべきと思ったのは、カカシの「対応」なんですよね…
 
サスケは、師であるカカシにもずいぶんと無礼な事を言ってますが、カカシは「……」とじっとサスケを見て黙ったままで、おまけに《確かに》今のオレは何もできないとか、お前が指揮を取るべきなのも《事実》とか…「確かに」とか「事実」とか言って、サスケの暴言(とも思える発言)を「思いっきり肯定」しちゃってるんですね。
 
 もちろん、あんな無礼な(生意気な)事を言われて、カカシだって「内心」はカチンと来たと思うんですよ。 だけど、それを抑え込んでカカシは「……」とサスケを見ていた。
 
 この前(675話)、カカシが「お前が今何を思っているのかオレ達にも話したくないならそれでいい…」 「ただオレ達が第七班だった事はまぎれもない事実だ…そうだろう?」と言ったのは、サスケを「無条件で信じる」という意味じゃないかという話をいたしましたが、カカシはそれを「実践」してるんじゃないかと思うんです。 サスケの喋りはカチンとくるし、チームワークを考えてないようにも取れる… だけど「サスケを信じる(=受け入れる)」と言った以上、カカシはサスケを「信じる」事に徹しようとしてるんじゃないだろうか。
 
 サスケ流のやり方はカカシ流とは違うし、カカシが「サスケに望む方法」とも違う。だけど「師」というのは、教え子に「自分のやり方を押し付ける(期待する)」のではなく、教え子のやり方を尊重して「応援してやる(フォローしてやる)」ものなのかもしれません。 
 かつてのミナト先生も… カカシがミナトの言う事を聞かず「千鳥」で敵に突っ込むと言いだした時、ムリに止めることはせず、カカシをフォローし守り、失敗させて「気づかせる」…そんな指導をしてましたっけ。カカシもサスケのやり方を頭から否定せず、まずは「受け入れる」…あとはサスケ自身に気づかせる方法を選んだのかもしれません。
 
 それに、サスケだって「分かってない」訳じゃないと思うんです。先週だって、最初は「いいから黙ってじっとしてろ!」とか言ってたけど、あとから「ちゃんと説明していた」… 
 
 サスケが「黙ってろ」なんて言うのは「余裕がない証拠」でもあると思うんですよね。 外の状況を分析できるのはサスケだけだし、サスケはサスケで「自分の役割の重たさ」を感じているハズで、おそらく分析だけで手一杯…サクラとカカシにあんな事を言うのも「余裕がないから」じゃないだろうか。  
 
 サスケは「この状況をどうしたらいいか」…頭をフル回転させてる途中で、考えている途中で「質問」で思考の邪魔されたくなかったの「かも」しれません。それで「黙ってろ」なんて言うのは、まだサスケも「若い」んですなぁ(きっと)…
 経験豊富で百戦錬磨のカカシはサスケの「心の中」まで見抜いているんじゃないでしょうか。 だから、サスケに「落ち着け」という代わりに、まずは「お前を信じて任せるよ」的な発言をして、サスケをまずは「落ち着かせてやった」んじゃないかと思います。サスケには「落ち着け」と上から言うより「じゃあ任せるよ」と言ったほうが「効果的」なのかもしれない。
 
 事実、カカシのその発言のあと、サスケは今回もちゃんと「説明」を始めます。
 
《無限月読が発動した事、月の光ではめる幻術である事、その光は徐々に弱まりつつあるが光が差すうちは外に出られない事、そして術を解くのはサスケの左の輪廻眼で可能かもしれないこと等》… 
 
 「神威」が神威の眼で止められるように、「無限月読」もサスケの輪廻眼で止められる…というのは分かる気はします。そのためにイタチやオビトが『サスケの眼』を育てようとしてたんじゃないか…と思ってるんですが、でもそう簡単にはいきそうにないですね。
 
…って…サスケ、ちゃんと説明できてますよね(笑) 
 
カカシはどうやら「サスケの扱い方」が分かってきたようですね。 
サスケが「第七班の中での自分の役割」を見つけようと模索しているのを、カカシは邪魔せず「見守ろう」としてるんじゃないだろうか。
 
 サスケは「言い方が悪い」とかツッコミどころは満載ですが、一方で「確かに」今の状況ではサスケが仕切るのが最善というのも「事実」…という評価すべき点もある。 カカシは、サスケの「いいところ」をちゃんと受け入れ、サスケに「分析・指揮」という役割を与え(認め)、第七班の中にサスケの居場所を作ってやろうとしてるんじゃないかと思うんです。それがサスケを「信じる」という事であり、サスケの師として「サスケにしてやれる」事なんじゃないだろうか…

 その点、大蛇丸はサスケの扱い方をかなり心得ていて、サスケを預かっていた3年間…サスケの「無礼な口調」をかなり「容認」してましたよね。アレは甘やかしというよりは、上手い「サスケの受け入れ方」だったのかもしれません。
 サスケの無礼で無愛想な物言いってのは、《実は余裕が無いのを見破られたくない》からだったり、自分の言う事は《受け入れられないかもしれない》という《自信の無さ》から来るモノじゃないかと思うんですよね。 
 それは小さい頃から「(一族の中では)一人だけ子供扱いされてきた」せいだったり、「サスケはエリートで天才という周囲の思い込み、その期待と現実のギャップ」のせいだったりするんじゃないだろうか。だから、自分の思っている事をなかなか素直に「語れない、伝えられない」… 自信満々そうなサスケは、意外と自信が無い…
 
 サスケの無愛想な物言いは「かなりの問題点」ですが、とりあえずサスケを「受け入れてやる」…そうすればサスケもちゃんと自分の考えを話し始める。 サスケに必要なものは「受け入れてやる存在」であり「居場所」…
今まで、サスケはどこにも自分の居場所をつくれなかったのかもしれない。サスケをちゃんと語らせるには、まずは「受け入れて、信じていることを示す」のが必要…カカシはそう考えているんじゃないだろうか。
 
 「今のアンタは何もできない」とか「黙ってろ」とか、とにかく言われ放題で「情けない」ようにも見えるカカシですが、そうじゃなくて、それは…そんな教え子の「若さゆえの発言」を受け入れてしまうほどの「余裕」…そして指揮をサスケに任せてやるほどの「余裕」…  それは少し前までのカカシには無かったモノかもしれません。
 
 角都戦の頃のカカシは、まだ自分をナルト達と同じ「一戦闘員」として考えていて、戦闘能力に於いてナルトに「超えられて」しまったことで「自分はもう用済みで世代交代」と考えていたようですが… たしかに「戦闘能力」に於いては、今のカカシはナルトやサスケに較べたら劣ります。 が、人生経験は比べ物にならないほど「上」…その「差」が、今回のカカシの対応に出ている(と思うんです)。 まだ、ナルトやサスケは「カカシ」には追い付いてはいない…かな。
 
 カカシは自分と似たタイプのサスケには、どうしても今まで「厳しく」になりがちだった… それとは逆に、オビトと似たタイプのナルトには「甘くなりがち」だった。 しかし、カカシがサスケの扱い方が分かってきた…という事は、カカシが「自分自身を認めつつある」ってことでもあるのかな…とも思います。 
 
 
 
 
(すみません、区切りとして「黒ゼツとマダラ、そして…」の話は「その3」に分けて続けます…出来れば今夜中に)。長くなってごめんなさい。