NARUTO 685:ありったけの…!! (2)
(その1の続きです…)
さて…その2では「先週の分身チームの作戦」と「今週のオビト達の作戦」を中心に書こうと思ったんですが、実は「今週の気になる画」ってのがありまして、まずはこの画のことから書かせてください。 凄く気になったんですよ、このナルトの表情…
(今週一番「気になった」ナルトの表情…)↓
コレは、始球空間に潜入した“分身ナルト”が《ボン!》と消えて、本体に分身の経験が蓄積された時のナルトの表情なんですが… まずこの画の1つ前に、分身から経験が入ってきて「!!」と普通に驚く表情があって、そしてその次にこの画…
模写が下手なもんだから、上手く表情が伝えられないのが残念ですが、ホンモノの画はもっと目が開いて《ハッ》としたような表情なんです。 なぜナルトはこんなにも「ハッ」としたような顔をしているのか? 「……」と何を考えているのか。これがすごく気になってしまったんです。
ナルトが「ハッとしている」理由の1つには、『まさか分身チームがこんな大胆な作戦を成功させてたとは思わなかった』という驚き…コレは当然ありますよね。
本体と分身チームは離れた場所にいましたから、当然ナルトは作戦には気づけなかったし… それに、オビトの神威がカグヤの時空間忍術と「共鳴できる」なんてこと、本体ナルトに分かるはずないですもんね。
ただ…この表情を見ると「それだけ」じゃないと思うんです。 何と言ったらいいのかな…何かに気づいて《ハッ》とした感じの表情とでもいいましょうか。 驚いた顔というよりも真剣な表情で、思わず「……」と考えてしまうほどの何か「衝撃」があったのではないかと思うんです。
ナルトはこの時、何を「感じ」、何を「考えて」いたのか… もしかしたらナルトは、自分が「分身チーム(オビト、サクラ、分身ナルト)」のことを「気に留めてなかった」ことに気づいて、思わず「……」となってしまったんじゃないだろうか?
カグヤと黒ゼツも「分身ナルトチーム」のことを「気に留めなかった」ために、作戦に気付けなかったわけですが、黒ゼツ達だけじゃない…「本体ナルト」も彼らのことを「気に留めてなかった」点では同じじゃないかと思うんです。
「気に留めてなかった」というとちょっと語弊があるかもしれませんが、要するに、ナルトは「カカシ・サクラ・オビト」の事を“頼れる仲間”としては「気に留めていなかった」という事なんです。 ナルトは、彼らの事を“守るべき存在”としてしか見てなかったんじゃないか…?と思うんです。
そういえば「仲間を守ること」の考え方の違いで、この前ナルトとサスケの間で一悶着ありましたよね。 その時もナルトの考え方は、そうだった…。
たとえば「その1」でも話題に出した『サクラが六道マダラに陽動として突っ込んだ時』(676話)ですが、あの時サスケはサクラに続いて攻撃に出て、傷を負ったサクラの事を振り返らず、ずっと前(敵)を見続けてたんですよね。 ナルトはサクラを心配したけど、サスケは心配していないように見えて、サクラはすごく寂しそうな顔をしていた…。
さらに『いきなりカグヤに溶岩世界に飛ばされた時』ですが、この時サスケはカカシ達の事はあまり気にせず、ナルトを守る事を優先させましたよね。 ナルトはどっちの時もサクラやカカシを「守ろう」としたし、あるいは「心配」した。 だけど、サスケはサクラやカカシの事よりも「目の前の敵」に集中していた… そこに二人の「ズレ」があったんです。
ナルト側から見れば、サスケの行動は「冷たい」ようにも見える。
でもサスケは、カカシやサクラの事を「頼れる戦力」として「信頼していた」んじゃないだろうか…?
サスケが、サクラの陽動に続いて(サクラにお構いなしで)マダラに攻撃することに専念したのは《サクラを一人前に扱い、互角な仲間として認めていたから》と受け取ることも出来る。
それに、溶岩世界に飛ばされた時だって、サスケは「カカシ達」を心配してなかったわけじゃあない… ちゃんと「カカシがサクラとオビトを助けようとしていた」事を確認していたし、そのうえで「カカシなら二人を助けられるだろう」と信じていた(のだと思う)。
サスケは、サクラの事もカカシの事も「彼らだったら出来る」と信じて「任せた」のかもしれない…それは「冷たい」のとは違う。
サスケが「カカシ先生やサクラちゃん達を ちゃんと仲間として守ろうとしているのか」…ナルトはそれが不安だったかもしれない。
だけど、逆にナルトは「カカシ先生やサクラちゃん達を信じたり頼ったりする気持ちが足りなかったんじゃないか」とも言える…。
ナルトは「分身チームに頼ろうとしていなかった自分自身」を通して、サスケが「前だけを見ていた」理由に気づいたんじゃないだろうか。 サスケが「前だけを見ていられた」のは、仲間を「心配していない」のではなく、「信頼できる仲間に背中を預けていた」のかもしれないと…ナルトは気づいたんじゃないだろうか。そして自分にはそれが足りなかったという事にも。
穢土転イタチは、サスケにこんなことを伝えてくれましたよね…
《全てができないからこそ それを補ってくれる仲間がいる 己が本来できたであろうことを ないがしろにしないためにもな》と。
実はついこの前、私はサスケの事を《頼り下手》と書いたばかりなんです。サスケはずっと一匹狼的だったし、“鷹”の仲間にも遠慮するようなところがあったし…責任感が強すぎて「人に頼る事が出来ない」と…。 でも、それは「前までのサスケ」だったのかもしれない。
サスケが「六道仙人から託された自分達の役割」にこだわっていたのは、「自分達だけが特別」と思っていたわけではなく、《己が本来できたであろうことを ないがしろにしない》と思っていたからなのかもしれません。
そして《全てができないからこそ それを補ってくれる仲間がいる》…カカシやサクラに安心して背を預けていたんじゃないだろうか。
サスケの今までの言動を見ていると、サスケはイタチの言葉を1つ1つ大切に受け止めて、行動しているように見える…
ナルトとサスケは、確かに考え方は違う。 だけど二人とも違う形で違う発想で、それぞれ「仲間を想って」いたんじゃないだろうか。
ナルトのあのハッとしたような、そして「……」と考えた表情。
ナルトはそこにも気づいたんじゃないかと思うんです。
《…こいつ(カグヤ)が向こうへ行かねー様に うまく戦わねーと…》
ちょっと前までは《《本体の)オレが》と思っていたナルト。 でも今度は、ナルトが「オビトとサクラのサポート」にまわる。そういう事だってあって当然なんだと…自分に出来ないことは仲間を頼ってもいいのだと、いや頼るべきなのだと…ナルトは改めて気づいたのかもしれません。
助け、助け合う。補い、補い合う。頼り、頼られる。それが本当のチームワークってやつなのかもしれない…
ナルトはまた一つ学び、また少し「サスケの気持ち」に近づいたんじゃないのかな…と思います。
(その3神威の事、感知の事、共鳴の雑考に続けます… 今回はいつも以上に長文になりそうなので、分割書きですみません)。
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