ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO人物雑考 はたけカカシ 「オレは火影のガラじゃない」について その2

完結から一週間ほど経ち、あれこれと考えていたのですが…

 
ナルト達の話と同様、NARUTOという作品は『終わった』わけではない…としみじみと感じています。 漫画に限らず、あらゆる芸術作品、文学作品が本当に評価され、多くの人達に愛されるのは『終わった後』ですもんね。NARUTO-ナルト- もこれからもずっと『残る』作品だと私は信じています。
 
 
 
 
 
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(渋谷駅にて、11/16)
 
 

前置きが長くなりましたが…
 

NARUTO人物雑考 はたけカカシ 「オレは火影のガラじゃない」について 
その2

 
「その2」としましたのは、「その1」が存在するからなんですが(2010年の記事)…その記事を書いてから約4年経ち、その「続き」記事を書くことになろうとは…
 
 終盤、第687話ではナルトに濃厚な「火影フラグ」が立ち…さらに第688話ではカカシにも久々に「火影フラグ」が立って…一体どうなるのかと思ったら、699話でカカシが六代目火影になって 700話でナルトが七代目火影になるとは…「両方とも火影になった」展開には驚きました。お見事です…岸本先生。 
 40巻から52巻頃(ペイン戦前夜~ペイン戦後)にかけて盛んに立った《カカシ火影フラグ》…あれにもちゃんと意味があったんですね。
 
 だけど、あの時は何度も「カカシ火影」の話が出ては立ち消えて…その後はナルトが「どんどんと皆に認められていって」火影への道まっしぐら。 カカシの火影への道は潰えたように…みえました。 なにしろ、以前まではカカシ自身が「オレは火影ってガラじゃないし」と全然乗り気じゃなかったんですよね。
 
《火影になる条件》…それは皆に認められた者。
 
 
 カカシは自分では「ガラじゃない」と言ってましたが、その《火影になる条件》とやらを満たしていたんだろうか(つまり…カカシは皆に認められていたか)…?
 
 そもそも最初に「カカシ次期火影」を言い出したのは綱手です(40巻)。 
そしてペイン戦直後の「火影決定会議」では 上忍班長である奈良シカクがカカシを六代目火影に推薦し…火の国の大名とその側近もカカシを「認めた」(48巻)。 現火影、忍代表、大名…ようするにカカシは里の皆から「認められた」ことになります。…条件は「満たしている」。
 
 さらにその後、カカシに再び火影の話が出たのは「五影会談」での事ですが、この時カカシを火影に推したのは「我愛羅」だったんですよね…「信頼できる木ノ葉の忍」として、我愛羅はカカシを会議場で推薦し…それで他の里長達も同意した。つまり…カカシは「現火影、里の忍達」だけではなく「他里の影達」からも認められていた…これって珍しいパターンですよね。
 
 既にこの頃から、カカシは十分すぎるほど「火影の条件」を満たしていたような気もするのに…なぜかカカシは乗り気じゃあなかった。 周囲の誰もが「火影の“器”」と認めても、ただ一人だけ…カカシ自身がカカシを「認めて」いなかった。
 カカシほど周囲からの高評価と己自身の低評価の「差が激しい」人物は珍しい…という話を前もいたしましたが、カカシはその点徹底してたんですね。 
 
 ペイン戦後、綱手が回復して『六代目火影』を回避した時…カカシは思わず 「ま…オレは火影ってガラじゃないし」と言ってましたけど… でも、それは「本当に火影になりたくない」というよりも、「自分にその資格は無いのだから」と自分に言い聞かせているようでもありました。
 
 それと同じような事を、自来也が言っていたことがあったんですよね、
木ノ葉崩し直後に自来也は「五代目火影」就任を命じられるのですが、彼はキッパリと断っている…「おあいにく様 ワシはそんな柄じゃあないのぉ…」と。
 
自来也もカカシも…周囲の誰もが「火影の“器”」と認めていても、自分のことを「火影のガラじゃない」と言う。 ならどんな柄が火影の柄なんだと思ってましたが…《皆に認められたものが火影になる》のだとしたら、この二人…確かに周囲には認めてもらっていても、「己が」まだ己を認めてない。だから「皆」じゃあなかったんですね。そして、この2人に共通するのは「仲間を守れなかった自分を許せていないこと」…
 
 木ノ葉崩し直後、自来也はカカシが「慰霊碑」の前で「仲間を守れなかった自分」を責めているのを目撃していて(16巻82頁)、思わずカカシを自分と重ねているんですよね…《仲間(大蛇丸)を止められなかった自分と、仲間(ミナト班)を守れなかったカカシ》を重ね、かつての「ヒルゼン班」を思い出している。
 そして自来也は、カカシも未だに己を「許せていない=認められずにいる」事を察していたんですね。 
 
 思えば最初にカカシに「火影フラグ」が立った時(40巻)、あの時の自来也の反応がちょっと気になります。
 自来也「お前(綱手)以上の火影は 今 里にはいないんだからのォ!」の言葉に、綱手「カカシがいるだろ それにいずれはあのナルトもいるしな」と答えると…自来也「カカシはともかく ナルトはまだまだだ」と答えるんですが、その後はナルト、ナルトの両親の話になっていき…自来也は「次期火影カカシ」を否定はしてないけれど、積極的に肯定もしていない。
 
 もちろん、それは綱手に「里に留まるように」釘を刺す為でもありましたが、《綱手以上の火影は今 里にはいない》自来也の(あの時点での)本音だったのではないかと思います。 カカシは「あの時点では」まだ火影としては難しい…おそらくカカシ自身が乗り気にならないだろうと自来也は考えてたんじゃないだろうか… 木ノ葉崩しの時の、あの「己を許せてない、自分そっくりなカカシ」を自来也は見ちゃってますから。
 …「その1」を書いた時は、カカシがなぜ「火影のガラじゃないのか」という点で…次のカカシのセリフ「今のこの状況下では顔のきく綱手様が火影でいてくれないとね」を理由として、カカシはまだそこまで顔がきかないから…みたいな事書いてますが、ちと違う気がする(苦笑) 
 …それはカカシの本音では無く、本音としては「まだまだ自分を認めてない」って事だったんだろうと思います。カカシの「己を認める道」はかなり険しかった…
 
 身近なところで、ナルトがどんどん周囲に認められていって…ますます火影に近づいていくのを見て、カカシは自分の中に眠る《火影願望》をさらに奥へと隠し…「自分を認められない気持ち」が強まっていったんじゃないかとも思うんです。ナルトの成長を見る度に比較して…余計に自分は「ダメ」という気持ちになっていったんじゃないだろうか。
 
 だからカカシは…「ナルトの夢」を守る事に終始していたような気がするんです。「カカシ自身の夢」ではなく… 
 
 それは最後まで続いていて、カグヤ戦でもカカシは「オレは何もできない」と落ち込み…結局「今のオレに出来る事」として選んだのは、壁となってナルト達を命がけで守る事でした。
 だけど、オビトはカカシに「お前はまだこっちに居ろ」と言った…まだ「生きろ」と。そして、カカシが相変わらず自信を失っていることが「シャクだ」とも言っていた…
 
 そして、オビトはカカシに「六代目火影はお前がなれ カカシ」と伝えた…
 
 それは、カカシがずっと聞きたいと願っていた「オビトからの言葉」…27巻、慰霊碑の前でカカシが《もしお前が生きていたら…今のオレに何て言うんだろうな》と尋ねたことの答えでもあった(と思います)。  
  でも、オビトに「六代目火影になれ」と言われた時のカカシの反応は意外にも「!!」だけで、否定はしてなかったんですよね… あの反応を見る限り、カカシも元々「火影願望」ははしっかりとあったんじゃないかと思います(おそらく子供時代から)。それを言えなかったり、己に許さなかっただけで…カカシは本音を「隠しこんでいた」だけだったんだろうと…(オビトは見抜いていたんだろうか)。 
 
結局、オビトのあの言葉が カカシが「己を許す」為の最後の鍵になったんじゃないかと思いますが… サスケもナルトの言葉が鍵になりましたよね… やはり「親友の言葉」の力って大きい。 「やっと」カカシが己の心を開き、本心を見せ…ようやく己を認めてやれたのが、あの時… ずっと「聞きたいと願っていた言葉」を聞けたあの時だったんじゃないかと思います。 
 
 「己を認めてやる」という話は、ナルトやサスケだけじゃない…「カカシ」に関しても、最後の最後まで続いていたんですね。 そして、ナルトだけじゃなく…カカシ自身もナルトと共に「火影への道」を歩いていた。
  
ナルトは「周囲に認められていく」為の道を…
そしてカカシは「己を認めていく」為の道を。
 
 
 
 
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…かつて妄想した、六代目火影カカシの姿… 実現したんだろうか (笑)
 
 
 
 
 
☆長駄文読んでくださって感謝。
☆次回は第700話から人物模様について思うことを少々…というか、NARUTO世界の恋愛のことを。
 
 
 
 
 
 (ナルト好きブログ! 2014/11/17)