ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

16話「お前は誰だ!!」のタイトルが語る「もう1つの物語」 (NARUTO16話の雑考、カカシの話はここから始まった・・)

 今回は、ちょっと気になる「タイトル」の雑考を。 その1つが、16話のタイトル

 

「お前は誰だ!!」。

 

 16話はと言いますと、再不斬とナルト達の第1回戦が終わった直後です。 あらすじは ざっとこんな感じ・・

 

《1つ前の15話ラストで 再不斬を仕留めたのは「謎のお面の少年」だった。 彼は「霧隠れの追い忍」と名乗り、再不斬の死体を回収して去っていく。 しかしこの少年は再不斬の仲間で 「死んだはず」の再不斬は生きていた。 仮面を外した少年は、あどけなさも残る「白」という名の美少年だった・・

 一方、写輪眼を使い過ぎたかカカシはイナリの家で寝込んでしまう。 ナルト達は「こっそりカカシのマスクを外して素顔を見よう」と試みるも失敗ちゃうんですよね。で、目覚めたカカシは何やら嫌な胸騒ぎがするのだった・・》

 

 

 ようするに 前話で登場した「謎のお面の少年」の正体が分かる話であり、「死んだはずの再不斬は実は生きていた」と判明する話だった。 つまり、タイトルの《お前は誰だ!!》とは「白」のこと。 

 

・・・しかし。

 

 読者的には《お前は誰だ!!》ではあったけど、ナルト的には違っていたんです。

“再不斬を一撃で仕留めた少年”を見て、ナルトはこう叫んでいる・

 

「なんなんだってばよ お前は!!」ってね。

 

で、カカシが「安心しろナルト 敵じゃないよ」って言うんですよね。 だけど このあと ナルトは興奮しながら こう言っている。

 

「んなこと聞いてんじゃねーの! オレってば!!」

 

「あのザブザが・・あのザブザがころされたんだぞ!!あんなに強えー奴が・・」

「オレと変わんねェあんなガキに 簡単にころされちまったんだぞ!」

「オレ達バカみてーじゃん! 納得できるかァ!!」・・ってね。

 

 

ナルトが「なんなんだってばよお前は!!」と言ったのは《お前は誰だ!》って意味じゃなかった。 ナルトが言いたかったのは《オレたちがあんな苦戦した再不斬を 簡単に仕留めるなんて どーいうことだってばよ!!》ってことだった。 

 だから、ナルト的には 16話のタイトルは《お前は なんなんだ!!》だった。 というか、こっちのほうが良かったような気もする。

 

・・だけど、16話のタイトルは《お前は誰だ!!》。 

 

 では、その「タイトル」が記されている扉絵はというと・・それは こんな絵だった。

 

   すやすや眠るカカシ先生・・・

 何ともまぁ無防備なカカシ先生よ・・・ 

 

 ナルト達は「寝てる先生のマスク外し」に失敗してたけど、冒頭で公開されてたんですよね。 実際、完結後に明かされた「カカシの素顔」は殆どこのままだった(口元は隠れているから この時点で「タラコ唇疑惑」は残っていたけれど)。 

 

 にしても連載中の当時、この絵はかなり刺激的だったはず。 なにせ この頃のカカシ人気はダントツだったし、直前15話で「圧倒的な写輪眼の能力」で敵も読者も圧倒したばかり。 この絵の破壊力のせいで 、「タイトル」はすっかり霞んじゃったかもしれない・・

 

 多くの読者の目を釘付けにしたであろうこの扉絵は、「ほぼ素顔」に加えて「カカシのプライベート」も初めて公開されております。 

 ウッキー君と書かれた植木鉢や、枕元に置かれたイチャパラ、壁に貼られたへのへのもへじ・・いろいろ気になっちゃう。  だけど一番気になるのは、第七班の写真と並んで置かれた《もう1つの写真》じゃないだろうか。 はい、ミナト班の写真です・・ まだこの時は「この人たち誰?」って感じでしたが。

 コレってばカカシの子供時代??素直じゃなさそうだなぁ~とか、左目はまだ隠してないなとか、サクラちゃんみたいな女の子がいるなぁとか、カカシ達の先生って優しそうだなぁ・・とか。 それにカカシの隣の男子はナルトみたいにゴーグルしとるし。

 

 さらに妄想していくと、カカシの先生って四代目火影っぽいなぁとか(第1話で顔岩が出てきた)、この仲間の少年は「カカシが言ってた《戦死した親友》なのか?」とか「髪色からして うちは一族なのか?」とか、だとしたらカカシの写輪眼って《死んだ親友=この少年》の眼だったりするのか?ぐらいまでは(当時の情報内で)妄想できる絵となっております。 ま・・妄想の域は出ないにしても、ね。

 

 この扉絵、カカシの「ほぼ素顔」だけじゃなく、カカシの「知られざる真実」が詰め込まれたスゴイ絵だったのだ。 そこで改めて「意味」を持ってくるのが このタイトル《お前は誰だ!!》なんですよね。

 

 16話は「白」の正体が判明する話だから 「再不斬と白」が扉絵に描かれてもよさそうなもんだけど、実際に描かれたのは「カカシ」であり、そしてカカシの「隠された真実」だった。そして、そこに記されたのが タイトルの《お前は誰だ!!》

 

 表向きこそ このタイトルは「白」を指すけれど、「この絵の中で」お前は誰だと言えば 「この子って誰」的な少年・・つまり《死んだはずのカカシの仲間》を指している・・と言えなくもない。

 

 そして このずっと後になって、この扉絵に描かれた「謎の少年」は ナルト達の前に現れる。 白と同じように「仮面」を被って。

 で、598話で ナルトはこう言って「仮面」を割ることになる・・・

 

 

《てめーは・・・ 誰だァァァァァ!!》ってね。

 

 

 598話でナルトが発した「てめーは誰だ!」の答えは、16話「お前は誰だ」の扉絵の中に在ったのだ。

 

 もちろん、16話時点で「連載がどこまで続くか」なんて分からなかっただろうし、作者がどこまで先を考えていたかも分からない。 だけど、もし「最終的にこのカカシの親友(慰霊碑の英雄)はナルトやカカシ達の前に《仮面をかぶった謎の人物》として現れる」と設定されていたとしたら・・この絵はスゴいとしか言いようがない。

 

 それがまた「ただの偶然」とは思えないのが、16話を締めくくるのが カカシの「この言葉」だったからだ。

 

《何だ・・奴は死んだというのに・・ この言い知れぬ不安感は・・》

 

《重大な何かを‥ 何かを見落としている気がする・・》

 

 

 もちろん、ここで言う「奴」とは「再不斬」のこと。 だけど・・カカシは「(扉絵に描かれた)親友は死んだはず」という思い込みの中で「重大な何か」を既に見落としていたのだ。

 

 16話「お前は誰だ!!」は、ナルト達と再不斬・白の物語だった。 だけど「カカシの物語」という一面もある。 「写輪眼を使うとチャクラが切れて寝込んでしまう」描写は、「カカシの身体はその眼に合う身体ではない(本来の持ち主ではない)」という描写でもあった・・ カカシの物語も、ここから静かに 確実に動き始めていたのです。

 

 

 

★長駄文、読んでくださって感謝。

 

★ちなみに・・「タイトルに含まれる裏の意味」という点では、347話「寄り道!!」も秀逸だと思う。 直接的には「サスケと水月の寄り道」を指すけれど、実は「木ノ葉丸の寄り道」も指していたという・・ これもまた、話が進んでから「あの時の木ノ葉丸の影分身も、実は《寄り道》だったのか」と分かるように仕込まれている・・

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