ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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カカシが守りたい「ナルト基準」と、守りたくない「自分の基準」 66巻感想(続き)・・・

カカシが守りたい「ナルト基準」と、守りたくない「自分の基準」

66巻の変更が多かった「カカシとオビトの会話」部分(629~636話)については、『改めて雑考書き直しいたします』と言いながら、時間があっという間に経ってしまった・・・ダラダラと長文になりますが、あの部分のカカシについて、再び考えてみようと思います。 時空間内のカカシのセリフはいくつか「変更」箇所があるのですが、大きな違いがあるところだけ書いてみますと・・・(636話から)

「だらだら闘う気はない」 「そう・・・」 「お前の未来は死だ」、これがコミックスでは
⇒「どうやらオレにはお前を変えるだけのものが見つからない・・・」 「もう・・・」 「お前にしてやれるのは死だけだ」。
 
ジャンプ掲載時には、かな~り割り切り感がある冷たい言葉だったんですが、コミックスのほうが少しカカシの「想い」あるいは迷いが分かるような言葉になってますよね。
 
・・・この部分のカカシをカッコいいと感じた方もおありでしょうから、あくまで「個人の感想」って事でご容赦いただきたいのですが・・636話のカカシは、いわば「かなり下げられた描写」だと感じています。 「カカシってこの程度じゃないでしょ?」と・・・ ま、そのかわり、この次はきっと「大幅上昇」が来るだろうと勝手に読んでおります。なにせ「カカシ先生の理解力」フラグ立ってますんで・・・(60巻567話で)。
 
しかし・・・コミックスで変更された部分(どうやらオレにはお前を変えるだけのものが見つからない・・・)等を見ると、カカシは「オビトに変わって欲しかった」、いや「オビトに戻って欲しかった」んだなぁ・・とつくづく思わされるのです。 629話ではオビトに「オレを改心でもさせるつもりか?」なんて言われてましたけど、「改心させる」というよりは、カカシは「オビトなら戻れる」と本気で思ってたんじゃないだろうか。
 
「オビト・・もう止めにしてくれないか」と懇願したり、「お前はまだ戻れる・・」とまで言っていたのも、最後まで「オビトを戻す」ことを諦めきれなかったんじゃないだろうか。 今までの「チャンス」にオビトを殺せなかったのは、ただ「オビトへの後ろめたさ」だけじゃない・・・オビトを「戻したかった」んだろうなぁ。 そしてカカシがオビトを戻したかったのは、「ナルトだったら、オビトを戻すのを諦めなかったかもしれない」という思いがあったんじゃないかと思うんです。 ・・・そもそも、カカシは「ナルト基準」に頼り過ぎる傾向がある(と思う)。
 
55巻でも、カカシは穢土転再不斬と闘いながら「ナルト…お前はどう思う?」なんて独り言を言ってたし(ナルトはその場に居なかったのに)、今回だって、オビトと闘いながら「ナルト・・・お前は・・・・・・決して迷わない・・・」とか「お前(ナルト)だけのものがたくさんある」だとか、いつの間にかオビトへの語りじゃなくて『ナルトへの語り』になってるんですよね。 ・・・なんでここで「ナルト」なの?と思ったけど、カカシは「ナルトだったらどうしただろう?」とナルト基準にいちいち照らし合わせる。 だから「サスケは抜け忍だから抹殺がセオリー」なんて話を思い出したり、ナルトの「サスケはぜってーオレが連れ帰る!」という言葉を思い出して、ナルトみたいに「オビトを連れ帰る事を諦めたくない」なんて考えてたんだろうか。 
 
そして「ブレることのない」、凛としたナルトの背中を思い浮かべてる・・・
 
 
だいたいカカシってのは、誰かの背中を思い浮かべていることが結構多いと思うんです。それは「ミナト先生の背中」だったり、「ナルトの背中越しのミナト先生」だったり「ナルト」だったり・・・ 子供時代には「サクモ父さん」だったり「オビト」だったり。 ・・・要するにカカシが思い浮かべているのは、意志が強い「ブレない背中」たち。
 
「外伝」を見る限り、カカシってのは子供時代からメチャクチャ『子供らしくない』、大人みたいな子供・・・無理して一生懸命「大人ぶってる」子供でしたよね。 だけど、オビトに「(てめえは)いつもルールだ掟だうっせーんだよ!要は自制心だろーがよ」と言われて《ピキィ》と冷や汗をかいてるんですね(239話)・・・ この頃から、カカシは「自分には自制心が足りないから、すぐブレちゃう・・だから何かに〝判断基準〟を頼りたくなる(たとえば掟やルールとかに判断基準を依存する)」という己の弱点を意識してたんだと思います。だから・・・オビトに突っ込まれて、かなり「焦った」んじゃないかな。
 
でもねぇ・・・カカシがサクモ父さんを失ったのは、まだ7歳の頃。 本来ならまだ「尊敬する父さんの背中」を見て追っかけてる年頃ですよね。 なのに、それからずっと「オトナのフリ」して、だれにも頼らないで生きてきたんですから・・・本当はかなり無理をしてたんだろうし、こっそり「追いかけられる、尊敬する(依存できる)背中」を求めてたと思うんですよね。 だから「思わず迷ったりブレたりしちゃう度に」ブレない「意志の強い背中」を探してたんじゃないかと思うんです。 例えばミナト先生や、オビト・・・。
 
子供の頃、カカシはオビトのことを「だらしない」とか「弱い」とか、「泣き虫」なんて言ってたけど、でもオビトは「火影になる!」と宣言したり自分の意見はハッキリといえる「ブレない意志の強さ」を持っていた・・・ だから、カカシは実はオビトを「尊敬し憧れていた」んじゃないだろうか・・・? 
そして神無毘橋の戦い以降、カカシにとって「オビトの背中(オビト基準)」はカカシにとって絶対のモノになっていったのかもしれません。 そういえば、第一部の最後では、カカシはオビトに向けて「お前ならなんて言うんだろうな・・」なんて言ってましたっけ。
 
だけど、今ではミナトやオビトの背中に代わり、「ナルトの背中」だけがカカシの「基準」になってるんじゃないだろうか・・・? だから、絶対にナルトは守らなくちゃいけない。 そしてナルトの意志(ナルトの判断基準)も守らなくちゃいけない。 
ど~もカカシはナルト(あるいは誰かの「ブレない背中」)に依存しすぎだと思ってしまうのですが(個人の感想って事でご容赦)、それはカカシ自身の判断に「自信がない」・・・カカシは「自分を認めてやってない」証拠でもあると思います。
 
カカシがいかに自信がなく「自分を認めてない」かという事は、その後の「否定ばっかり」のセリフからもよ~く分かります。
 
《ナルト・・・お前は・・・・・・決して迷わない・・・》
《オレより強く――お前だけのものがたくさんある》
《今のオレにはこれしかできない》
 
しつこいほどに「自己否定」・・・相当な重症。 
「ナルトをほめて信じてる」というよりは、「自分を認めていない」と言った方がいいと思うんですよね。 だから「ナルト、お前ならどう思う?」とか、「ナルト、お前だったら・・・どうする?」といちいち考えてしまうんじゃないだろうか。 う~ん・・・ちょっとは「自分」を信じて、自分の気持ちに素直になりたまえ! カカシだったら、どう思うんだ?
 
でも本当は・・・カカシは「自分自身」の基準をしっかり持ってると思うんです・・・ただ「自分で素直に認められない」だけで。 オビトを「変えたい」・・・いや「オビトを戻したい」と思っていたり、「オビトを殺せなかった」のも、今も・・本当は「今のオビト」を信じる気持ちがカカシにはあるからだと思うんです。 だけど「抜け忍は抹殺がセオリー」なんていう理屈が邪魔をして、自分の基準、自分の意志を素直に認められず・・・ブレてしまう。 そして「他」に基準をついつい求めてしまう(んじゃないか)。
 
だからオビトをころせなかったのは「ナルトを見習っていたから」だと自分に言い訳してたんじゃないかとも思えます。 そして「オビトを変えられなかった」から、ナルトを、世界を守るために「オビトを殺すしかない」なんて結論に至ってしまう。 
でも・・・本当はオビトを信じて、オビトとのつながりを守りたいんじゃないの?・・・・肝心なのは、そこなんじゃないの? カカシが「あんな結論」を出したのは、己に素直ではなかった・・と思えてならないんです。
 
“ブレない”オビトが「強制的に改心させられる」ことはないかもしれないけど、オビト本人が自発的に「変わる」事があるとしたら・・・それはカカシが己を許し、己を認め「己を取り戻した時」なんじゃないだろうか、なんて思ったりで・・・
 
・・・カカシ、今度こそ「自分の納得いく」答えを出してくれ。
 
 
☆いつもながら、まとまりのない駄文ですみません。
 
☆次のジャンプの感想は土曜日、午前中に・・と思ってます(9時ごろ)