クシナ母ちゃんがナルトに贈った16年分の愛 (母として迎える言葉、送り出す言葉・・・)
「ギュッ・・・」
「ギュッ・・・」 これがいいんですよね 。やっと自分が居ていい場所を見つけた!っていうかんじで。
母ちゃんに抱きついた時・・・・・「ここに居ていいのよ」っていうクシナの言葉を噛みしめていたんじゃないかな。
その喜びが「ギュッ」に出た。 赤ちゃんが生まれてはじめてお母さんに抱かれるような安心感・・・・・
クシナは、限られた時間の制約の中で 出来る限りの愛情をナルトに注ごうとしているみたいです。
失われた16年間を取り戻そうとするかのように。
意外と照れ屋なナルトは、スキンシップはあまり得意じゃない(ように見える)。
「お前のことが好きになってきたぞ~」といって迫る(?)カカシからは本気になって逃げてみたりw (影分身修行の時の話。あれは気持ち悪かっただけかなw)
これって、ナルトはスキンシップによる愛情表現に慣れていないからじゃないか?と思ったりします。
小さい時、友達がお母さんと手をつないでいたり、頭を撫でてもらったりしているのを見て羨ましかったんだろうな・・・。
で、ちょっとだけ心の中で、「いーんだってばよ、オレの母ちゃんは絶対にどこの母ちゃんよりも美人なんだってばよ!」な~んて強がっていたんじゃないかな。(そうでも思わないと、やっていられなかっただろうし・・・)。
でも、自分のお母さんの顔を知らなかったナルトは、一体どんなお母さんの顔をイメージしていたんだろう??
ナルトにとって一番家族のような、イルカ先生を女装させたイメージかな・・・・? ナルトはイルカ先生を父ちゃんみたいと言っていたけど、実際は母ちゃん像をイルカに求めていた気がするので。
(・・・・ためしに描いてみましたが、イルカファンに怒られそうだから載せるのはやめておきます・・・)
だから、クシナを見たとき 思わず本音がポロッと出たのかな? 母ちゃんが美人な人でよかった・・・って。
ほかの子供達が当たり前のようにしてもらっていた おんぶとか、ぎゅっと抱きしめてもらうこと、とか。
ナルトには そうしてくれる人がいなかった。
三代目が見守ってくれてはいたけど、遠くから見ていてくれただけだし(水晶越し?)
・・・・ナルトにはスキンシップが足りなかった。
やっぱり、抱きしめられるのって 「ここに居ていいんだ」って安心します・・・よね?(親じゃなくっても、彼氏とか彼女とかでも、ですw) 特に言葉なんか無くってもいい。
前にも一度、ナルトは「ギュッ」としたことがあります。・・・カカシ先生に。
一人で長門と対面し、大仕事を成し遂げた帰り道。 出迎えてくれたカカシに背負われた時、ナルトはカカシに「ギュっ」としがみつくのです。生きているカカシのぬくもりを喜び感じ、それまで抱えていた重荷や緊張から やっと解放されて安心できたのだと思う。 あの時のカカシも、「そのまま背にいろ」、と言ってくれた。 ナルトが一番欲しかったものは、安心して居ていい場所だったんだろうなと思います。
普通は赤ん坊の時に親に抱きしめられて覚える「ここに自分は望まれて生まれてきたということ」「自分の居場所はここだということ」。 それがナルトには足りなかったのかもしれない。
だから、クシナは真っ先にナルトを迎えいれて「ここに居ていいのよ」と受け止めた。生まれたばかりの子供のように。
そしてその次にクシナがしたことは、ナルトの「成長と自立の手助け」。
クシナは自分のチャクラを使って九尾を押さえナルトを助けますが、それ以上のことはしない。助けるのはここまで。 あとは「今のうちにやっちゃいなさい!」といって言葉で励ます。
本当なら、子供がいろんなことを学んで覚えていく時に・・・母ちゃんっていうのは側で励ましたり、ときには叱ったりするんでしょうね。 そして1つ1つ子供が成長していく過程を見ていくのだろうけど・・・・クシナには限られた時間しかない。
だから、九尾を抑えつけるのに 自分のチャクラを精一杯使ってナルトを助けていた・・・
(まだ いけるってばね!)w
そして、息子と一緒にやり遂げた喜び。 きっと嬉しかっただろうな、クシナ。
でも、めでたく九尾の力をゲットしたはずのナルト・・・笑顔のクシナとは対照的にあまり嬉しそうな顔をしていなかった。
「やったわね・・・ナルト!」ってクシナが褒めてくれても、ナルトは
「・・・・うん・・・・」
「・・・・・」 (・・・テンション低・・・)
・・・・九尾の力を取り込むのに成功しちゃったら、その時がイコール母との別れの時間になっちまう。
ナルトはそんな予感がしていたんですよね。だから成功したのが嬉しいような、でもあんまし嬉しくないような気分だったんだろうなぁ。
できればこのまま母ちゃんとずっと一緒にいたいだろうし・・・。(そりゃあそうだよね。やっと会えたばっかりなんだから。)
でも、どんな親子にだっていつかは、別れの時が来てしまう。 一人前になって独立する時も来るし、死によって別れる時だって来るし・・ それはどんな親子にでも いつかは平等にやってくる。
ナルトが「母ちゃんは今・・」と言いかけた時に、すかさず「これでミナトのところへやっと行ける・・」と言ったクシナ。
このクシナの言葉、あっさりしているように聞こえますが すご~く愛情のこもった言葉だな・・という気がしました。だって、ここで しんみりとした言葉で「別れなくてはいけない」ことを伝えたら、ナルトがもっと辛くなってしまう。 だから、あっさりすぎるような言葉でナルトに伝えたのかな?と。
「やっと行ける」という言葉。 なんだかな・・・・それじゃあ、今まで「任務」のために 仕方なくここに居たかのような言葉ですよね。 そして、ミナトに会えるのが嬉しいとでもいうような言葉・・
でも、本当はナルト以上にクシナのほうが別れが辛いんじゃないのかな・・? だけどクシナが別れを惜しむような言葉をかけてしまったら、ナルトがもっと悲しくなって辛い思いをしてしまう。 これ以上別れを辛くさせないことが 母の務め。母がナルトにしてあげられること。
だから、ここで母ちゃんはしんみりするわけにはいかないのだ。 けして辛いことではないとナルトに伝えなくちゃいけなかったんだろうな・・・・
そして、ナルトに落ち込む暇を与えず すぐに「伝えなくちゃいけない真実」を伝える・・・。
これは前人柱力としての役目でもあるんだろうけど、『くよくよなんかしている暇なんて無いってばね!』っていう、クシナ式励ましなのかな?とも思います。
クシナ自身、「特殊なチャクラの持ち主」「人柱力」としての過酷な運命に しっかりと立ち向かってきた強い人ですから、、、ね。
はじめは赤ん坊のように 「ナルトという存在」をしっかりと抱きしめてあげる。
そしてナルトが一人前に成長できるように力を貸し、伝えるべきことは伝えて・・・・
そして最後は しっかりとナルトが巣立ちできるように ちょっと突き放すような言葉で送り出す。
普通の親子が十数年(んー、それ以上かな?)という時間をかけて注ぐ愛情を、クシナは限られた制限時間内で、すべて注ごうとしたのかなと思います。
これから重い真相を伝えなくてはならないクシナだけど、きっと最後は笑顔でナルトを送り出すんだろうな。・・・・・あの、人懐っこいイタズラっ子のような、《ナルトそっくりな》笑顔で。
(・・・にしても、イーブン父ちゃんよりも だってばね母ちゃんのほうが重い真相を伝えなくちゃいけないんですね・・・。 いや、この親子、もし普通に生活していたとしても同じかな。 大切な話や面倒な話は全部クシナ担当になったような気がする。 ミナトは「あはは・・・」と笑って「ナイスだよ」「イーブンだね」なんて天然な返事をしていたのでは・・・)
・・・・・・・。
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