NARUTO533:誓いの時
「お前達に・・・ オレの〝玉〟を託す!!」
1週遅れで発売されたジャンプ、読めた方が増えているといいのですが・・・・被災地で献身的なお仕事に携わっている方々に感謝しながら、日本中に元気が戻ってくるように私達も元気に頑張りましょう。
週刊少年ジャンプのHPでは、岸本先生の応援メッセージも公開されています!
さて、そろそろナルトやカカシ、サスケといった「主流」の話も恋しいなぁ~・・早くカカシを出せぇ~と内心叫んでいたのですが、でも紅先生の優しい「満たされた」笑顔を見たら、そんな邪念?も とりあえずは消え失せました(この絵は、おそらくアスマの想像図ではありますが)。
53巻の表紙でも思いましたが、岸本先生の描く「母子像」は愛情がいっぱいで、とにかく眩しい。
今一つパッとしないNARUTOの「女性達」ですが、「お母さん達」の醸し出す愛情溢れる表情は、なぜか非常に心惹かれます。
・・・・さて、新猪鹿蝶。
金銀兄弟戦では、鮮やかに金角を封印した「新猪鹿蝶トリオ」。
あの時、いのいち・チョウザは我が子の活躍を褒めていたのに シカクだけが「作戦通りだ」としか言わなかった・・。
皆さんがおっしゃるように、《無愛想っぽい》のがシカク流のカッコ良さであり 彼らしい「褒め方」だとは思うんですが、ど~しても引っかかってるんです。 シカクは、まだ彼らを褒めるには至らない「何か」を感じているんじゃないだろうか、と。
で、シカクが感じているモノとは、シカマル達はまだ「猪鹿蝶」という伝説の忍術を(自分達だけでは)使いこなせていない点じゃないかと思います。
アスマに「デブ」と言われても攻撃できないチョウジ、そのチョウジを守ろうとして心転身でチョウジに入るイノ、心転身で無防備状態になったイノを白ゼツから守るために影真似を使うシカマル。
・・・うん、うまく助け合っていいコンビネーションじゃないかと 一見思えるんですが・・・・・でもこれ、実は危なっかしい。 とりあえずお互いに「その場凌ぎ」の対処をしているだけなんですよね。
この前の金角戦がうまくいったのは、シカクの「作戦通り」に動けただけであって、彼ら自身の判断で「猪鹿蝶」連係を使いこなせたわけではない。 そのあたりに、シカクだけが褒めずに《作戦通りだ》としか言わなかった「理由」があると思えるんです。 作戦通りであって、作戦以上では無い・・・。
・落とされた「チャクラ刀」が語るもの
シカマル、『アスマの形見のチャクラ刀』大事に戦場まで持って来ていたんですね
でもチョウジを守ろうとしてシカマルが投げたチャクラ刀は、アスマが片方の手で投げた「普通のクナイ」に簡単に簡単にかわされてしまい、チョウジを守りきれなかった。・・・
『ダメか!!』
互角にぶつかり合い、並んで地面に突き刺さった「切れ味抜群のとっておきのチャクラ刀」と、「平凡なクナイ」。
・・・シカマルが『優秀な忍具』を使っても、師アスマが使う平凡な忍具程度にしかならない、という現実。
それは『猪鹿蝶連係』という伝説の忍術を使いこなせていない、今のシカマル達の現実を意味しているんじゃないかとも思えます。 そして、普通のクナイに落とされた「チャクラ刀」は、シカマル達がまだ師から託されたものを受け止めきれていない・・・つまり、未だ「師を超えていない」ことを象徴しているんじゃないだろうか・・・?
・シカマルが見落としているモノ
チョウジを守るために身を挺して庇ったチョウザの姿を見て、シカマルはアスマの最期の言葉を思い出す・・・
《そういや・・・〝玉〟のあの話 アレが誰だか教えてやる 耳貸せ》。
そのあと、36巻では(ごにょごにょ)とアスマが何かを話したのですが、その(ごにょごにょ)部分は明かされていなかったんですよね。 でも、シカマルの後の言動から(玉とは木ノ葉の子供達である事、紅のお腹にはアスマの子がいて、その子をシカマルに託す事)を喋っただろう位の想像はついたわけです・・・・ただ、想像してたのとは(微妙ながらも)大きく違う部分が1つありました。
アスマがあの時、言った言葉は―――
《玉ってのは木ノ葉を担うこれからの子供達だ 今・・・紅のお腹の中には・・・ オレと・・紅の・・子供がいる・・》
《お前達に・・・》
《オレの〝玉〟を…託す・・・!!》
・・・アスマがオレの玉を託すと言ったのは《お前(シカマル)に、》では無くて 《お前『達』に》、だった。
お前「達」・・・・つまりチョウジ、いのを含めたシカマル達世代全体という意味だと思うんです。 でも、ど~もシカマルの今迄の言動を見ていると「お前(シカマル限定)に託す」と勘違いしちゃっているような気がするんですよね。
「あの子はオレの弟子になる アスマから託された子だ」
「その子が産まれたら 今度はオレがその子を守る師ですから」
・・・・シカマルは「オレオレ」なんです。
飛段の決着をつけるのも「あの役はオレがやる」とか、オレに拘り過ぎているところがある。オレ「達」という言葉はあまり聞かれなかったんですね・・。 シカマルの責任感の強さが、皮肉にも猪鹿蝶とのつながり、連係バランスを崩している遠因にもなっているような気もしないではない。。
でも、アスマはお前『達』に、と言っていたという事実・・・・・・それは(私としては)嬉しい新事実でもあります。 というのは、そのアスマの言葉は〝父ヒルゼンの意志をしっかりと受け継いだ言葉〟のように思えるからなんです。
《木ノ葉の皆を家族と思い、全ての忍達に火の意志を託した》父ヒルゼンの気持ちを理解したからこそ、「お前(シカマルだけ)」ではなく「お前達(全員)」に託すという言い方をしたんじゃないだろうか、アスマは。
そして最後にこんなことも言っていましたよね・・・・《今なら三代目の気持ちが分かる》、と。
・「ピアス」が意味するもの・・・
《オレ達が第十班のチームだったことを忘れないように》と言って、アスマが「中忍昇格祝い」に3人に贈ったピアス。 山中・奈良・秋道一族において〝自分のピアス〟を貰って一族を継ぐ誓いをするのは大事な「儀式」でもあるんですね。
ピアスというと、小南がしていた「弥彦の痛みを忘れないための」ピアスを思い出すのですが 猪鹿蝶のピアスは「誓いを忘れないため言い聞かせる」ピアス。 親から託された意志を受け継ぐ「印」でもあります。
血継限界一族や人柱力に限らず、宿命を何かしらの形にして背負っている忍って意外と多いですよね。
それらの印を〝根〟や日向の「呪印」のような重荷・束縛と受け取るか、あるいはダルイの「雷」の文字のように「誇り」に受け取るか・・・それは個人次第のような気がします。
ダルイが「雷の文字」を誇りに思っているのは 自分が「信じて託されている」という自信に満ちているからだと思うし、今のチョウジは自信も無いから ピアスを重荷と束縛の印にしか感じられないかもしれない・・・。
《チョウジ・・・お前がアスマにいつも何が足りないって言われてるか分かってるな?》
アスマの最期の言葉は、『お前は仲間想いの優しい男だ・・・だからこそ・・・誰よりも強い忍になる・・・
自分にもっと自信を持て・・』でした。
チョウジに足りないものは「自分を信じる事」・・・・でも自分を信じる事って意外と難しいことで、ナルトだって最近まで出来なかったわけだし、未だにサスケは出来ていないですから。
『誓いはただの儀式だと思ってた』 『変わんなきゃいけないんだ』
《我秋道チョウジは 山中・奈良両一族を守り 木ノ葉を守るため いざ蛹から蝶へと》
《翔かん!!!》
外伝好きな私には、この場面・・・オビトが「ここは・・・仲間はオレが守る!」と言って、写輪眼に開眼した瞬間と重なってしまいます;
チョウジとオビト・・・人一倍優しいけど、重荷に負けてしまって人一倍自信が無いところもそっくりだし、その分「開花」させれば人一倍強くなるところもそっくり。
チョウジの羽化、これは「極限まで凝縮されたチャクラが脊髄を抜け、その一部が肩甲骨との摩擦で可視化することで 蝶の羽のように姿を現す」 (闘の書より)。
チャクラを可視化させるのにはかなり膨大なチャクラが瞬間的に必要なはずです(カカシの雷切も爆発的にチャクラを要する。) ・・・チョウジが次郎坊戦で羽を出せたのは 死を覚悟して「赤のトウガラシ丸」を飲んだからですが、チョウザの驚き方を見ると薬に頼らず自力で羽化するのは 一族でもなかなか出来ない事なのかもしれません。 (薬に頼らずチャクラを凝縮できた場合、死のリスクは避けられるのだろうか。)
チョウジの事を〝誰よりも強い〟と信じていた(はずの)シカマルですが、今迄は自分だけで何とかしようという気持ちが強すぎたのではないかな・・。
新猪鹿蝶が「信頼の絆」を自力で掴んだ時、彼らの力は師のチャクラ刀を超え、新たな伝説になれるのかもしれません。 (そして、その時にはシカクも「褒めて」くれるかな。)
・三代目の想い
ん~、ヒルゼンがアスマに「第十班(猪鹿蝶)」を担当させた事・・・それは猿飛家が代々猪鹿蝶一族と縁が深かったという理由もあるみたいですが、実はヒルゼンがアスマに示した「父親としての想い」だったのではないだろーかと思うようになりました。
最後まで「里全体の親」であり続けた三代目火影・猿飛ヒルゼン。 そんな父親にかつてアスマは反発して飛び出したこともあったらしいですが、本当にヒルゼンはアスマに「父親らしい」ことは全くしなかったのだろうか?
いや、ヒルゼンは彼なりにアスマへ「想い」を伝えたかったんじゃないだろうか・・。
一族の枠を超え「大きな家族」として助け合いながらも、《親から子へも》大切に想いを託していく猪鹿蝶一族・・・・
ヒルゼンも、火影として「大きな家族」を見守りながら 《父親として》アスマへ自分の意志も大切に伝えていきたかったんじゃないだろうか。 アスマに猪鹿蝶を担当させることで、自分の「本当の想い」に気づいてほしかったのかな?なんて思ったりします。
アスマに第十班を担当させた事・・・それが、父親としては不器用だったヒルゼンが アスマに示せた「親としての」想いだったのかも、しれない。・・・
「そうだ チョウジ・・」
「その顔だ!」
☆最後のアスマの顔、本当に嬉しそう。できれば子供も見せてあげたいけどなぁ。
☆膨大なチャクラを使うために、体型はすっかり「スリム」に変化するんですよね~(痩せればイケメンなんですよね、チョウジ)
☆チョウジが以前(20巻)、いのに太っていたらモテないよ~なんて言われて落ち込んでいたのは《将来結婚できなかったら誓いを守れない》という不安があったからなのか・・・
☆シカマルがシカクに「何故キツイ母ちゃんと結婚したんだ」と質問していたのも、《キツイ女性でも、当主はとりあえず結婚しなくちゃいけないのか》と不安があったからなのかも;
☆チョウジは秋道家16代当主というから、一族の歴史はかなり古いですね。
☆《父さんみたいにはいかないかも・・・・そうそうマニアはいないから》ってw じゃあチョウジの母さんはマニアなの?・・
☆いの、本当に精神的に成長したと思います。 チョウジをアスマの風遁から守ったのは、医療忍術も勉強した時に攻撃をかわす訓練もシッカリした成果なのかな。
☆テンテン、拾った芭蕉扇を使いこなしちゃってますね・・・チャクラを吸われるハズなのに大丈夫なの??
☆次のジャンプは通常通り11日月曜発売です、55巻は21日発売です。
☆長駄文、読んでくださって感謝。
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