ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

うずまきナルト考察「ちんちくりんと ウスラトンカチ」・・・・1. 九尾とナルト

「ちんちくりんと ウスラトンカチ」・・・・1. 九尾とナルトと「ちんちくりん」

539話で、九尾がナルトに言った「ちんちくりん」。 
 
ちんちくりんとは・・・背の低い人を嘲って言う言葉。 そして着物などの丈が足りないこと。 つんつるてん(広辞苑より)。 要するに、おチビ、半人前のガキんちょといったところでしょうか。 
 
九尾って獰猛で暴れん坊のイメージはあるけれど、意外と言葉遣いは悪くは無かったんですよね。ナルトを呼ぶ時は、だいたいは「ナルト」か「お前」。で、たまに「小僧」か「貴様」。
口調も偉そうな感じで 『よかろう ここまで来たほうびだ、くれてやるゥ』とか、『お前に全ての力を託してやろう・・・』とか・・・貫録を見せつけるような喋り方だったんですよね。
 
なのに最近の九尾・・・この前ナルトと闘った時にはボコボコにされちゃうし、みっともない姿にされちゃったりで、なんだかカッコつかないんですよね。 538話の「ナルトへの詰問」・・・これは九尾のナルトへの「逆襲」だったような気もします。
 
九尾から見たら、今のナルトは「世間知らず」。 ど~せ、今までの人間共と同じように そのうち変わってしまうと思ってるのでしょうね、だから突っ込みたくもなる。 
九尾は戦闘じゃあナルトに勝てなくても、「舌戦」では勝てる自信があったんじゃないでしょうか。九尾は「ナルトが口下手」だってことはよく知っているし、それになにより・・・・・九尾には「切り札」があったんですね。「サスケ」という切り札が。
 
「サスケとの あの日のこと」をナルトに思いださせれば、ナルトも自信がなくなるハズだと九尾は考えたんですね・・。 なんといってもナルトはサスケのことになると冷静じゃなくなる。そして動揺しちゃうことを九尾はよ~く知っていますからね。 
 
で、案の定、サスケの事を思いだしてナルトは寂しそうな顔をする・・・。で、九尾は勝ち誇ったかのようにナルトを見下ろして言うんですね、
 
『つまり・・・お前は誰であろうと 憎しみを消してやる事も受け止める事も出来やしない!』って。
 
(よし、決まった!)・・と思っただろうな、九尾。 ・・なのに、ナルトは「で・・話は終わりか?」とアッサリ九尾を躱してしまう。
 
「自分が決めた事に疑問を持ったら終わりだ!」 「サスケは何とかして見せるし 戦争だってどうにかしてみせる!!」 ・・・そう言って九尾の眼をジッと覗き込んだナルト。
 
せっかくの切り札「サスケ」にすら、ナルトが全く動じなかったこと・・・これも想定外だったでしょうけど、それ以上に九尾をビビらせたのは「ナルトの眼」だったのかなと思うんです。九尾に「真剣なまなざし」を向けてきた人間は、ナルトが初めてだったんじゃないでしょうか。 今まで人間達は、九尾に憎しみの目、恐れの目、冷たい目しか向けてこなかったのだろうから。
 
はじめて真剣なまなざしでじっと見つめてきた眼・・・心の奥まで読み取っているかのような眼にすっかり焦りまくった九尾は、ポソッと言うんですねェ・・・
 
「フン・・・あのちんちくりんが ずいぶんと盾突くようになったじゃねーか」って。
 
あのちんちくりん。・・・それを聞いたナルトは、なんだか今度は表情がすっごく柔らかくなっていくんですね~・・・
 
イメージ 1
 
 
「・・・・」
 
ナルト、何か考えてますよね。 
 
で、そのあと 「なぁ九尾・・・・・」と優しく話しかけ、「お前の憎しみをなんとかしてやりてー」とニカッと笑うんです。そのナルトは、どこか「嬉しそう」ですらある・・・・。
 
ナルトはなんだか、すご~く九尾の気持ちが分かってしまったんだと思うんですよね、九尾のあの「ちんちくりん」で。 
 
なぜなら・・・九尾がナルトのことを「あのちんちくりんが・・・」なんて言ったのは、昔のナルトと似ているから。
ナルトは九尾が意外にも「自分にそっくり」だとわかって、なんだかちょっと・・・嬉しいような気持にもなったんじゃないかと思うんです。
 
九尾に思い出させてもらった「アカデミーでの、サスケとのあの日の記憶」・・・・ナルトはサスケに一瞬で倒されて、ひっこみがつかなくなって・・・で、何言っていいか分かんなくて、
『このクソヤロー!!イヤまだ何か言い足りねェ!!この気持ち!! このクソ・・・イヤ・・むしろうんこ カチカチのビチビチヤロー!』なんて叫んじゃった。 
 
《何か言い足りねェこの気持》・・・・ナルトは今まで経験したことが無いような不思議な気持ちを、どう表現していいのか わかんなかったんですね。
 
「コイツ(サスケ)は凄い」と心の中では認めちゃったナルト。 「コイツもオレと似てる」ともわかってしまったナルト。そして「コイツはオレの事を見通しているのかもしれない」とドキドキしてしまったナルト。
 
・・・だからって素直にサスケを認めたくもないし、せめて言葉だけでも言い返してやりたいんだけど 叫んでしまったのは「罵るだけの言葉」。キバに「文句すらまともに言えてねーよ」と言われちゃったけど・・・
《言い足りねえぇこの気持》や戸惑いを表現したら、ああなっちゃったんですね。
 
九尾はナルトとは違って口上手だし、長いこと生きてるから知識も豊富なはず。 なのに、かなり動揺したんですね、九尾らしくなく何も言い返せず、ただ「あのちんちくりんが・・・」としか、言えなかった。 
それほど九尾は動揺したんですね、ナルトに心の奥を見透かされて。
 
それは事実上の負け宣言でもあり、相手を認めちゃうことでもあるんだけど、素直になれない九尾は昔のナルトと同じ。 「複雑な気持ち」をどう言い表したらいいか わかんないのかもしれない。
ずっと人間から冷たい目で見られてきた九尾は、どうやってつながりを持っていいか分かんないのだろうし、どうやって気持ちを表現していいかもわかんないのだろうか・・・・
 
だからナルトは・・・《自分にそっくりな深い孤独と憎しみにいる九尾》を 放っておけないんだろうし、心から助けてやりたいと思えたんじゃないだろうか?
 
「お前はバカか!ワシは九尾だぞ!! ちんちくりんにどうこうされるほど 落ちぶれちゃあいねーし ワシは憎しみの塊だ!!」
 
お前はバカか、って・・・・。 自分に関わろうとする人間はバカだという九尾。 その言葉は、今まで誰も まともに九尾とは関わってこなかったことを物語ってますよね。 「ワシは落ちぶれてない」と言い張るのは、逆に「誰かに救ってほしい」と言ってるようなもんです。 頑固ジジイが「ワシは寂しくなんかないわい!」と言い張っているようにも聞こえる・・・。
 
「ならOKだ!!オレはちんちくりんじゃねーし!そっちの方がやりがいがある!」
 
ナルトは・・・本当なら、闇ナルトを抱きしめたみたいに九尾を抱きしめたい気持だったかもしれない。 昔の自分みたいな九尾をギューっと。 だけど、プライドが高くて頑固者の九尾は 「自分の本心を ちんちくりんなんかに読み取られて恥ずかしい」と思ってる事も、ナルトは分かったと思うんです。・・・それも、《サスケに全てを見通されちゃった気持になった、あの日のナルト》と同じだから。
 
九尾が言った、「ちんちくりん」。
これが ナルトと九尾の「心の距離」をグッと縮めたような気がします。
 
 
 
 
☆駄文読んでくださって感謝。
 
☆2.サスケとナルトと「ウスラトンカチ」につづく