ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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NARUTO ナルト  580話:兄弟の時間 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ18号) ・・・その2

NARUTO 580:兄弟の時間 (その2)

(感想その1の続きです・・)
 
・《嘘つき忍者》
 
昨日(4/1)はエイプリルフールいわば「嘘の日」。このタイミングに合わせて「嘘」をテーマにした話を持ってくる岸本先生、ナイスです!w
 
「だからこそ人を騙すのが上手い…そもそも君は嘘をつき通して死んだ 根っからの嘘つき忍者だしね」 (カブチョ)
 
・・ったく、また《嘘つき忍者》ってイタチのウソを強調してますけど、これもカブトの巧妙な話術作戦ですよね。サスケを「イタチ不信」にさせてコンビネーションを崩そうという意図が見え隠れしている。
 
イタチの「主語抜きによる蜃気楼のような話術」と、
カブトの「仲間どうし不信を募らせる話術」。
 
こりゃなんだかなぁ、イタチとカブト・・・スパイ経験者どうしによる巧みな「話術戦」の様相を呈してきましたね。
 
カブトも大したものだと思うのは、サスケがイタチを「嘘つき」呼ばわりしていたことを聞き逃さなかった事・・・そして《イタチとサスケ兄弟の穴はイタチの嘘にある》と判断し、それを利用するところ。ちゃんと「穴」を探して上手く攻めてるところなんて「こやつ、なかなかテクニックがあるな・・」と思わされるんです。だいたいカブトは「仲間割れ、コンビネーション崩し」を得意技としますので。
 
たとえば34巻、カカシ班によるサスケ奪還任務時ですが・・ナルトに向かって「君を見てるとホントに憐れだよ・・ 人は変わる サスケ君はもう昔のサスケ君じゃないんだよ」と刺激して動揺させようとしたり、九尾化するナルトを見てショックを受けたサクラに「見なよアレを」「悲しい子だ」なんて言ってみたり。
だけどその都度ナルト達は「それでも仲間を信じ」、カブトはそれに『イラッ』とするというのがパターンだったりするのですが・・。
 
・《イタチ・・・たしかに「嘘と瞳力で道標を書き換えた」と言ってましたが、本当に彼は「嘘つき忍者」だったんだろうか?》
 
イタチ式話術・主語抜かしの術「オレとは言ってない」を過去のイタチ「会話」に当てはめて考えてみますと・・・例えば、25巻「うちは一族抹殺任務」その時のサスケとイタチの会話ですが、
 
「…どうして…?…兄さんが?」
「己の器を量る為だ」
 
「そのためだけに皆をころしたっていうのか・・?」
「それが重要なのだ」
 
「兄さんがシスイさんを殺したのかよォ!?」
「そのお陰でこの“眼”を手に入れた」
 
・・・なんだか直接答えてない気がしますが(苦笑)、少なくとも「オレが殺した」とはイタチは言ってないんですよね。う~ん、ますます「うちはの真実」はサスケが思っていたのとは違うモノのような気がしてきます。サスケもイタチのように「心で心を読む」力=本当の意味での瞳力が身につけば、次第に真実も見えてくるのかもしれませんよね。
 
ウソと曖昧な言葉の「微妙な差」・・・これって、トビが語ったイタチの真実にも感じるんです。
よく指摘されるトビの嘘「九尾事件の事実」なんですが、これも彼は「天災のようなもの」と言っていて・・この「ようなもの」が曲者なんです。天災だと断定せず「ようなもの・・」、この表現って実に曖昧で幅がある言い方です。「解釈にもよるがな・・」という感じで。 
それにトビは「九尾事件に自分は関与はしていない」とは言っておらず、「うちは一族は関与していない」とだけ言っている・・・つまり彼も「基本」嘘はついてないスレスレを狙っている気がします。 (もっとも、トビも嘘がつけないから仮面を被って誤魔化しているんじゃないかと思うのですが)。
 
 
・《付け焼き刃》
 
『いくら二人だろうと付け焼き刃のコンビじゃボクの感知能力を出し抜けやしないよ』
『しかも 嘘つきな兄キのせいでずっと仲違いしてた兄弟なんかじゃね…』
 
サスケの千鳥刀をサッと軽くかわしたカブト、仙人モードの感知能力とスピードは写輪眼の上を行きますね。(このままじゃサスケはナルトの感知とスピードにはついていけないかもしれないと思うのですが・・)。
そしてまたしつこくカブトが「嘘つき兄キ」を強調してくるのが少々ウザいですが、イタチは全く表情変えてないですね。かえってカブトが「付け焼き刃兄弟コンビのもろい絆が穴」と思いこんでくれてる事を逆手にとれると判断してるのでしょうか。
 
『サスケ…昔の猪の任務でオレに付いて来た時の事を覚えてるか?』
『・・・!?』
『・・・・』 『ああ・・アレか・・・畑を荒らし回ってた 思い出した』
『行くぞ』
『ああ』 『分かってる』
 
『?』 (このカブチョの「?」がいいですね。さすがの「情報通」のカブトも『アレ』は分からない・・・まさに「仲間ハズレ」。)
 
昔を思い出すサスケ・・・これ、まだイタチが暗部に入る前の頃(サスケがアカデミーに入る前)でしょうか。二人とも今の暗部風ベストを着てますけど、このベストは暗部用ってわけじゃないんですね;第2次大戦中、三忍はこれに似た胴当てをベストの上に重ねてましたっけ)。
サスケの弓矢姿は須佐能乎以外では初めて見るし、忍で弓矢を使う人は少ないので少々違和感もあったのですが(鬼童丸は使ってましたが)、うちはマダラの趣味が「鷹狩り」であることを考えると うちは一族は伝統的に弓矢を使うこともあったのかもしれないですね。
 
「あの時」を思い出して、同じように「イタチが得意の手裏剣術で」須佐能乎の八坂の勾玉攻撃で陽動、サスケが(須佐能乎で)矢を射る・・・あの時は思いっきり外したものの、今度は急所を外して見事に「尻尾の蛇」を射貫く。 (まさに今のカブトは竜頭蛇尾ですね)

《しかしカウンターでカブトが貫いたイタチは「烏分身(幻術で己を投影したカラス)」、そしてイタチはカブトの「龍の角」を草薙の刀で斬り落とす・・・》
 
イタチ、カブトを万華鏡であの瞬間カブトを幻術に落としたってことでしょうか・・・カブトもイタチの幻術にはかかることが確認できたという事になるのでしょうか(サスケがダンゾウに幻術が通用するか まずは試したことがありましたが)。
 
「ポト」と落ちた、カブトの角、そして「・・・・・」とニンマリするサスケ。
 
『そうだった…忘れてた… 普段ここに角なんてないもんだから…ついね』
 
カブトが角を忘れていたのは、普段ここに無いから・・・「付け焼き刃」の龍の能力の象徴だからなのでしょうか。付け焼き刃なんてものは《普段ここに無ければ忘れてしまうモノ》・・・だけどイタチとサスケの「兄弟の絆」は カブトが言ったように「付け焼き刃のコンビ」なのか?・・・答えは勿論“NO”。
「2人で行ったイノシシ任務」・・それを言っただけで兄弟は阿吽の呼吸で動くことが出来た・・・兄弟で過ごした大切な時間は、永遠の絆そのもの。これで圧され気味だった戦闘の空気が一転し穏やかな「兄弟の時間」に変わった・・。
 
数年間ものブランクを越えて、兄弟の絆は確かにここに在る。付け焼き刃なんかじゃない本当の絆だから、どんな障壁があろうとそんなものを越えるのに理屈は要らない。 付け焼き刃は「普段ここに無ければ忘れてしまう」けれど、ホンモノは「普段ここに無くても忘れることは無い」。なぜなら・・・
 
《お前とオレは唯一無二の兄弟だ》
《お前の越えるべき壁として オレはお前と共に在り続けるさ》・・・・
 
本物は「今はここに無くても、ずっと共に在り続けるから」なんですよね。
 
25巻、シスイの死の翌日イタチがサスケに語ったこの言葉はまるで遺言なんです。シスイの死を境にイタチは自分の「役割」を真剣に考えるようになり漠然と「いつか来る兄弟の別れ」を察していたのでしょうか。でも、この言葉だけは忘れてほしくなかったんじゃないだろうか・・・《お前と共に在り続ける》。
 
前にも「居る」と「在る」の事を書いたことがあるのですが(「在るという言葉、居るという言葉」) 、イタチが「在り続ける」と言ったこと・・・それは「たとえ離れていても一緒にいる」という意味での言葉だと思うんです。 そばに居られなくなる日が来ようと、兄弟の絆は変わることは無いと・・・兄としていつも「お前と共に《お前の瞳と共に》在り続ける」と・・・。
 
なんだか切ない言葉ですが、でもあのイノシシ任務の記憶のように兄弟の「大切な時間」は一生消えることがない・・・
 
イタチがカブトの角を落とした時、サスケはちょっと「ニマっ」と笑いましたよね。あのイノシシ任務も「牙狩り」が目的だったのでしょうか?あの時サスケは失敗したけれど、でも今回はうまくいったことで思わず微笑んだのでしょうか・・そして兄弟の絆を確認できたことが嬉しかったのでしょうか。今度こそは兄弟共闘を「成功させてやる」ことで焦っていたサスケに余裕を与える・・それもイタチの目的だったのでしょうか。「角を落とされた龍」カブトは、もはやただの「蛇」になっちゃいましたね。
 
『今ならあの大猪も仕留められそうだな』 イタチもサスケに微笑み返す・・
 
兄弟の絆、ここに完全に戻りましたね(涙
 
よかった・・・この2人、あんな別れ方をしてしまったから2人で笑い合える日が来るなんて思ってもみなかった。 たとえ穢土転生という禁術のせいだとはいえ、この兄弟にもひと時の大切な濃い「兄弟の時間」を与えてくれた運命にありがとうと言いたくなる。 NARUTO世界の神は「例外なく」彼等にも救いを与えてくれた・・・(キッシーに感謝)。
 
『大猪よりまずはあの蛇を仕留めないとな』
『ああ・・』
 
サスケは「兄さんにほめられて」ちょっと得意になったのか、気を引き締めたようなキリっとした顔して一人前の発言してますけど、兄さんのほうは「ああ・・」なんて頼もしくなった弟に嬉しそうに表情が緩んじゃってるじゃないですか・・。
 
前に・・・カブトが「人は変わる」(サスケくんはもう昔のサスケくんじゃないんだよ)と言った時、サイがいいこと言ってたんですよね。
 
『人は変わる・・・ ならボクもそうだ』
『・・でも変わらないモノもある・・・』
『・・・つながり・・・』
『それを確かめたいんだ』 (304話で)
 
あの時のカブトは、それを理解できずにいましたけど・・兄弟の絆を見て、カブトの心の中にも「変化」が訪れる事を祈りたいです。 
でもあのイタチの穏やかな微笑みを見ると・・・なんだかなぁ、この先どういう事が待ち受けようとも この絆さえあれば大丈夫なのではないか・・ そう思えてくるのです。
 
 
 
☆付け焼き刃には「心」が無い・・・だから「忍」にはなれないという意味もあるのかな。
「刃」と「心」と「忍」・・これも毎回のように登場しますね。
 
☆「嘘」にも相手を困らせるための嘘と 相手を大切に思うからこその「あまり罪のない嘘」がありますよね。ウソの程度にもよりますが、優しさゆえにつかなければならなかった嘘は、兄弟の信頼関係さえあればエイプリルフールデー並みに許せるのではないでしょうか。
 
☆カブトはイタチの真実をやはり知っていたのかな。それともサスケが「兄さんは嘘をついてた」と言ったことを利用しているだけなのか。 もし知っていたとしても「本当の事実」を知っているとは思えないですが・・。
 
☆今週のジャンプ、正直読み辛かった;とくにNARUTOは裏表紙からだったから、なんだかなぁ(苦笑
 
☆劇場版の前売り券特典は、岸本先生のあの絵のファイルなんですね。中身をぬくとトビが時空間からズズズッと出現する仕組み。やっぱりラスボスというか「最後の敵」は仮面なんでしょうか。・・・個人的にはラスボスは「仮面のうしろに居る奴」だとは思っているのですが・・・。
 
☆巻末の作者一言で、キッシーはメビウスジャン・ジロー)への追悼文を書いておられますね。
メビウス氏の絵は私も大好きだったので・・・岸本先生の漫画に魅かれたのも、岸本先生がメビウス氏の流れを受け継ぐ方だからなのかも・・と改めて思った次第です。
 

☆長駄文、読んでくださってありがとうございます(感謝