NARUTO 589 :穢土転生の術・解 (その2、イタチとサスケと・・)
(その1の続きです)
《子 丑 申 寅 辰 亥》
(これで全部か・・・)
って、おいカブト・・・トビに教えてた穢土転生「解」の印と全然違うじゃないかw
(ちなみにトビに教えたのは 戌、午、寅)。
もっともカブトが正直に解の印を教えるわけがないし、トビだって『それが本当だといいがな』なんて一応疑ったような発言はしてましたよね。 だけど・・・実はトビ、あの「印」を信じていたのではないかという気がします(苦笑
トビってご存知の通りの「裏切られ恐怖症」ですが、それでも懲りないんですよね彼・・だから何度も裏切られたり騙されたり。 カブトが「本マダラ」をコマとして場に出すとも思ってなかったみたいだし、《昨日の友は明日の敵・・・かもしれん》なんて座右の銘(?)を己に言い聞かせたりしてたのに、騙される。 ・・・ここにも「意外」なこの人の真実があります、根は純粋なんじゃないかなぁトビは・・(また話がそれた);
そしてカブトから印を聞き出すと、すぐに「解」に取り掛かるイタチ・・・容赦ないですね。
《子》 《丑》 《申》・・・
1つずつ印が進む度に、サスケの表情が変わっていってますが・・・イタチの態度はサスケも予想してはいたかもしれないけど、この期に及んで微塵の未練も見せようとしない兄に《反発と「やっぱり」》を感じているんじゃないでしょうか。
(サスケは「申」まで印が進んだ時、眼をスッ・・と写輪眼から普通の眼に戻す)。
写輪眼を戻したのは《共闘の終了、そして"兄弟の時間"の終了》を自分に言い聞かせる為でもあったのかな。
『もう… 何を言っても無駄なようだな』
『・・・・・』
『アンタを見かけた時… トビやダンゾウの言った事が本当なのかどうか確かめたいとアンタに付いて来た』
『だが確かめられたのは それだけじゃなかった』
印を結ばせてきたイタチが止まりましたね…相変わらず背を向けたままですが、それでも真剣にサスケの言葉を聞いている。
でも兄弟の時間が終了して、ついにサスケは《兄さんからアンタ》に戻しちゃいましたね。 というか夢の時間が終わって急に現実に引き戻された気がして、そしたら自然とアンタに戻ってしまったのかもしれない。
そしてサスケ、やっぱり仮面のことをマダラじゃなくて《トビ》って呼んでますね。前に白ゼツがうっかりサスケの前で「トビが・・」と言っちゃった事があるのですが(52巻で)、サスケはその時に気づいたのか・・・はじめから胡散臭いと思っていたのか。 当然イタチもトビは《マダラとは別人》だと気づいていたと思うのですが、結局その件を語らずに逝ってしまいそうだなぁ・・・イタチ(苦笑
そしてもう1つ。 結局サスケは《イタチの真実》が本当に真実なのかどうか、それをずっと気にしてたんですね。
トビの話だけじゃ信じられなくて、さらにダンゾウに確認してもまだ信じきれなかったらしい・・何よりもあの任務は「イタチ自身の意志だったのか」、その点を確認したかったのでしょうか。
でも死んでなお《木ノ葉の忍として己を貫く姿》を見せつけられ、イタチを理解せざるを得ないという結論に達したのかもしれません・・たとえそれが「受け入れられない」ものであっても。
『アンタといると昔を思い出す』
『…兄を慕っていた幼い日の気持ちをな』
『・・・・・』
兄さんとの共闘中の《赤ちゃん返り》も、サスケは幼き日の気持を取り戻すために意識しながら戻していたところもあるみたいですね。 森の中でイタチを見かけ、お腹が《キキュン》となっちゃったあの時からタイムワープして・・・・そして再び、今度は現実世界に戻ろうとしている、ということでしょうか。
《兄》と第三者の事を言ってるかのような表現は、幼き日の思い出は《過去》だと区切りをつけ、これからは「現在と未来」を見て行こうとする・・・サスケの決意のようにも感じます。それは「過去の存在になってしまった兄」への別れを告げる言葉にも聞こえて来るような・・・
それを受け止めたイタチの『・・・・・』。
今まで散々イタチの「・・・・・」は見てきましたが、これほど重たい「・・・・・」は、初めてな気がします。
『だからこそなんだ』
『昔のような仲の良かったオレ達兄弟に近づくほど…
アンタを理解するほど…』
『アンタを苦しめた木ノ葉への憎しみがふくれ上がってくる
前にも増してどんどんそれが強くなる…』
『アンタがオレにどうしてほしいのかは分かってるつもりだ』
『アンタはオレの兄だからこそオレを否定するだろう
でもオレはアンタの弟だからこそアンタが何を言おうとも止まらない』
『ここで兄さんが里を守ろうとも… オレは必ず里を潰す』
これが兄弟ってもんなんですね・・・兄弟だからこそ理解できる。互いに望むことも分かっている。
だけど兄弟だからこそ、受け入れられないものがある。
六道の兄弟が道を違えたのも、本当の兄弟ではないけれどマダラと柱間だってそうだったのかもしれない。
同じ道を行けば、一生その背中を追うだけになったり・・一生その壁は超えられなかったり。
だからサスケは、今日からは己の道を行き、もう兄さんの後は追わない・・と決意したのでしょうか。
そしてそれは、イタチがサスケに望んだ事でもある。
『・・・・・』
(イタチは、寅、辰、と印を進める)
『さよならだ』
『亥』 《穢土転生の術・・・ “解”!!》
《兄さん》
最後の最後まで振り向くことが無かったイタチ、そして最後はアンタではなく心で《兄さん》と言ったサスケ。
現実の16歳のサスケに戻ったはずだったのに、やっぱり兄さんを見つめるサスケの表情は あどけない7歳のあの時に戻ってますね・・。必死に涙を堪えようとしている、兄さんには見せられない寂しい顔。
あの日と同じ・・・うちは事件当日、兄さんの背中を見送った時の「嫌な予感」。 あの時を今、サスケは思い出しているんじゃないだろうか。なんだか(もしかしたら、もう兄さんの背中を二度と見る事が無いんじゃないか?)というイヤな予感の中で7歳のサスケが心で呟いたのも・・・
《兄さん・・・》だった。
サスケはイタチの背を見ながら、またキキューンとあの時に似た不安と悲しみを感じているのかもしれない。
いいの?これで本当にいいの?・・・この2人、本当にこれでいいのか?
穢土転生「解」の印が《亥(いのしし)》で終わったのは、穢土転生が兄弟の《大猪狩り=カブト狩り》で終わりを告げた事を意味しているのだろうか・・。
・・・イタチとサスケの再会。
これ、実は私は予想しておらず・・・というか望んでいなかったんです。
会ったところで二人が『別々の道を行く』ことはほぼ明白でしたし、結果として辛い再会になるだけ・・だから会って欲しくないというのが正直あったんです。怖かったんですね、要するに・・・この2人の再会と別離を見なくちゃいけないのが。 で・・・ 実際ハラハラして見守っておりました、一喜一憂しながら。 もしかしてサスケは心を入れ替えちゃうんじゃないのとまで期待して。
しかし、やはりというか・・サスケが心を変えることは無かった。 心配した通りになっちまったじゃないか。
・・・でも、意外なことに「これでよかったんだ・・」とも思えたんです。
今までサスケは、イタチの生き様を理解できなかった。
だけど『一人遺された者』として兄さんの後を追わなくちゃいけないと自分を追い込んだ・・そしてずっとずっと兄さんの背を追いかけてきたけれど、いつまでたっても追いつけやしない。 偉大で「完璧」な兄さんという壁がサスケの前に立ちはだかる・・・そしてサスケは絶望し、自分をダメな奴だと蔑み、受け入れられなくなっていた。
だけど思いがけない再会によって、サスケは兄さんの「納得した生き様」を見せられ理解することはできた・・・たとえ受け入れることまでは出来なくても。 兄さんは兄さんの道を貫いた、と思うことができた。
・・・と同時に、その道はサスケには選ぶことができない道だとも確信した。
だから、サスケは《もう兄さんの背を追わない》と初めて本気で決めることができた・・・たとえ背を向けても、その背の後ろには《大切な兄弟の時間》があると確信する事が出来たから。
「背を向けて対立」するのではない・・信頼するからこその《背中合わせ》。
背中に共有する《大切なもの》があるからこそ、背を預けて安心してそれぞれの道に進むことができる・・・サスケもイタチも、それを確信できたのだと思います。 でももちろん背中を向けて進んでいけば、もうサスケの前に「イタチの背中」は見えることは無いわけで・・・本当に、これで兄さんの背中を見るのは最後になってしまう。
本当の意味での「イタチとの別れ」・・・「さよなら」なのだ。
イタチにしてみれば、サスケをやっと自分から解放してやる事が出来る。 でも、自分を慕っていつも追いかけてきた可愛い弟が、自分の元から遠くへ飛び立っていくことは、やはり・・・想像以上に辛いことなんだろうと思います。だって《絶対にお兄ちゃんが守ってやるからな》って誓った、大切な弟なのだから。
だからイタチの最後の『・・・・・』はあれだけ重たかったのだ。
・・・・・だけど、思いたい。
彼らが背を向けて進むまっすぐな道は・・・・いつか正面からバッタリと出会う、きっと、そんな道であることを。
・消えゆく「穢土転生」
各戦場に残っていた穢土転生達。 ダンも無サマも消えそうですね・・あれれ、霊化の術説明はどうなるのっw
『ナルト!人柱力達が消えそうだ♪どうやらイタチがうまくやったようだ♪』
《ありがと・・・イタチ!!》
『こっちはまだうだうだ♪』
『うだうだ言ってねーでこっちもやるってばよ!!』
ありがとと・・・一人でも思ってくれる人が どこかに居るだけで、イタチは報われるような気がします。
戦場は既に夜9時を回っていますが、地上からいく筋もの光が天に向かっていく・・・長門が輪廻天生をした時は、魂が天から地上へ向かう光となって器に戻っていきましたが・・今度は逆に穢土から天へと魂が昇っていく。
その魂が還る道も、《まっすぐ輝く道》・・・・闇を照らす希望の光、そして迷っていた魂たちも もう迷わない・・・まっすぐ歩いていける道に見えます。
穢土転生の忍達との出会い。
それは、過去の忍達の生き様を知って彼らの思いを受け止めていくこと・・それが本当の変化には必要だったのだと思います。 新しいものを創っていくために古い忍システムを否定して破壊的にぶっ壊すことは、過去の忍達が必死に生きてきた生き様まで否定することになってしまう。
サスケとイタチがそうだったように・・
古いものを理解し、その思いを受け止めたうえで新しい道を歩いていく・・・それが《本当の変化》なのかもしれません。
大切なことを教えてくれた彼等の魂が、今度こそ・・あの世で幸せに在れることを祈らずにはいられません。
過去の忍達・・・再会と感動の物語を、本当にありがとう。
(・・・って物話は終わってない!w)
☆最後の力を振り絞ってサスケのほうに歩いていくイタチ、《まだ・・・間に合う・・・》とデコ遁のような手を差し出していますが、何を伝えるんでしょうね。《あの日の真実》とかサスケの眼に仕込んでくれないかなと期待してるんですが;
それとも言っておきたい言葉を伝えるのか、サスケの眼が《真実を見る眼》になるように力を注ぐのでしょうか。
・もう残るのはトビと・・マダラ?ぐらいですよね。 ナルトの元へ向かった増援はまだなのかな、そのわりにカカシとガイはやたら早く来たが・・ あのコンビは何処;
☆木ノ葉の方から北を見た世界地図、俯瞰図で見るときれいですね・・。左から七人衆、奇襲部隊、人柱力、元影、ダルイ部隊の戦場でしょうか。
☆来週はNARUTO休載です。
☆長駄文、読んでくださって感謝。
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