NARUTO 591：リスク （１）
行っちゃいましたね～・・イタチ。
こうしてみると、束の間だった《兄弟の時間》。
いま、サスケは夢から覚めたような気持ちでいるのかなぁ・・・。
サスケがイタチを想う時、よく空を見上げてるんですよね。たとえば44巻イタチの真実を聞いた後も、暁アジトで満月を見上げていましたっけ。
《こうして夜月を見ていると あの夜の事を思いだす… それに―― 忘れようとしていた記憶もな》
《今ならイタチのことを思い出せる…自分の心の奥にしまい込んでた かすかな記憶が蘇って来るんだ》、とね・・。
そして…森の中でイタチを見かけた時も、イタチを見上げて…
その瞬間からサスケは「夢のような時間」に入ったんです。お腹が《キキュン》として。 あの時は一人闇を彷徨い、迷子の子猫みたいにずぶ濡れになっていたんですよね・・ちょっと野良で目つきが鋭くて(↓第576話)、
だけど今は、優しい光に包まれながら空へ帰っていく兄さんを見上げている・・・
あったかい愛に包まれながら、なんだかすこしポーっとしながら。
「・・・・・・・・・・」
「オレは…」
…そして「夢」から醒めた。
同じように夢のはじまりも「空を見上げて」、夢のおわりにも「空を見上げて」。
結局あれは夢だったのか？と思ってしまうようなキッシーの演出、どこか柔らかくてちょっと切ない。
いまサスケは、起き抜けの子供みたいになってるんでしょうね…気が付いたら兄さんはいなかった・・みたいな。だけどまだ残る兄さんの「温もり」・・・
それに目の前のカブトが「アレは紛れもなく現実だった」ことを物語ってますよね；うん・・
でも、サスケの表情は 森に入る前と較べたら、確実に柔らかくなってます。心の中でも何かが確実に変わってるハズなんですよね。 兄さんや父さんの愛情を知ったことで、木ノ葉への憎しみは強くなったかもしれない。 だけどイタチ最後の微笑みは、それでもイタチはサスケを信じている・・・本当に未練がないスッキリした、幸せそうな笑顔でした。・・・
だけど、イタチは《告るだけ告って逃げた》わけじゃあ無いんですよ； ちゃーんとサスケに次なるミッションも与えてるところが、兄さん・・やっぱりアナタは偉大だと言いたくなるんです。
兄さん消えたら、サスケに“抜け殻症状”が出ることは目に見えてますから、イタチはちゃんと課題を与えてるんですよね… サスケに見せた「記憶」の中にいくつかもの「疑問点」を残してるんです。
シスイの話も中途半端に終えていたし、サスケが初めて見るはずの「ロン毛仮面」…アレがトビとは違う（かもしれない）ことにサスケも気づくであろうし（たぶん・・ですが；）、イタチが見せた記憶はただの「懺悔」や「告白」だけではない。 サスケに「託す」ものでもあったんです。
それはサスケの次の目的にもなり、さらに“抜け殻症状”を抑える重要な効果もあったと思うんですよね。
過去にも、イタチはサスケが抜け殻にならないよう「即、課題」を与え続けてきましたけど、今回が過去のと違うのは「強制的な道標(課題）」でもなく、嘘で作った道標でもないということ… ありのままの事実だけを伝え、そこからサスケ自身で道を選択させる。 そこが今までとは大きく違ってます。
オマケにサスケの前には「カブト＝情報源」という置き土産付き・・。
まだカブトは夢の中みたいですが、穢土転生「解」が終了したら 彼もイザナミ世界から戻ってくるでしょうか。
カブトは《サスケが知りたい情報》もかなり持っていると思われ、イタチがカブトを目の前に「置いていった」のも、計らいだったのかな・・と思ったりもします。 結局、イタチは気配り母さん的な「完璧主義者」と言いたくなっちゃうのですが、ま、当の本人は「完璧」を否定するんでしょうね；
完璧だったなんて言ってくれるな・・・。
で、「情報源」カブトですが。
以前、カブトがマダラに自己紹介した時に言ってた《ボクはカブト… 彼の協力者です》の“彼”とは、トビじゃなくて“ロン毛仮面”の方じゃないかとも思ってるんです。カブト達がロン毛と接触していた可能性もあると考えてまして・・（あの二人は別人、という仮定のもとでの話ですが）。
というのも、イタチの記憶によればロン毛は木ノ葉にある「うちはの石碑」もコソコソ調べていたらしいですよね。そうすれば、大蛇丸＆カブトはロン毛からの情報で《輪廻眼開眼の秘密》を推測出来たんじゃないか、とも考えております。それで「うちはの石碑を読めもしない」カブトごときが輪廻眼情報を手に入れていたんじゃないか・・とも思ったりで。
それに、イタチが白蛇仙人の里「龍地洞」にかなりの反応をしていたことも気になるんです。
もしかしたら「うちは」と龍地洞は何かしらの因縁もあるのかなぁと考えたりもして、以前ぐだぐだ書いたように将来的にサスケが仙術修行をする可能性もあるんじゃないかとも思ってます。
はて、カブトは目覚めたあと どういう心境になってるでしょうね。 サスケに「大蛇丸様の夢」を託そうとして協力してくれるかな・・とも期待してるんですけど；
それに、サスケについては水月が「救世主予言」をしているので（348話で、「この世に安定と平和をもたらす男が現れたと言い広めてくれ」と言ってる）、基本的にあまり心配はしていないってのも本音です。 いつかサスケも、問題の「本質」が《今までの忍システムの考え方》にあるってことに気付いてくれるだろうと思っています(まだまだ先だろうけれど）。
そして、イタチが最後におでこトン！した時に（おそらく）愛と一緒にチャクラも注入してるだろうし、サスケの眼にも具体的変化が訪れるのではないかと思っています。イタチの本質を見抜く眼としての能力や、「兄弟共闘スタイル」完成体須佐能乎（二面で六手の烏天狗）もいずれは見られるんじゃないかな・・。
…イタチが去った後の「鍾乳洞」の絵、３コマかけて後ろに引いていってますが、遠景で見るほど《穢土転生達が天に戻っていく景色》にも似てますね…。この場所から、世界に向けて「穢土転生・解」が発信されることを予告していたような景色でもあったんですね・・ 誰にも知られず、ひっそりと・・・。
五影達の『この術まで止めるとは… いったい誰が…』 『誰でもよい… 誰であろうと忍世界を守った英雄じゃ！』という会話。 《誰でもいい、誰でもない》・・。
「日の目を見る事もなく…陰の功労者…それが昔からある 忍本来の姿だ」 「そういう者達のおかげで平和は維持されてきたのだ」というのは51巻ダンゾウの言葉ですが、無名のまま散っていった名も無い英雄の「自己犠牲」、今までどれだけあったことだろう・・？ イタチも、その一人なんですよね。
長門が疑問を提起した「大国の平和のための小国の犠牲」とか、サスケが憎んでいる「忍里のための一族や一人の忍の犠牲」とか、さらにはカブトの「インテリによる肉体派への逆襲」・・・今までの戦いは、彼らのレジスタンスでもありました。でもこれからは・・・名も無い英雄達によって世界が救われていく、そういう戦いに転換していくのかもしれません。
イタチは「忍世界を救うという大偉業」を成し遂げながらも、あくまで「木ノ葉の忍として」そして「忍里の為」にこだわり謙虚でした。 ついつい、イタチの名誉を回復してイタチに感謝してくれぃ！なんて思っちゃうのですが、イタチ自身はそんな事は望んじゃいないんでしょうね・・・。
そして・・ダンの「霊化の術」。
結局、ダンの「レイカのジュツ」って何だったんだってばよ？・・という読者の疑問に応え（？）やっと見せてくれましたね「霊化の術」。あれだけ期待してたのに、明かされないで終わったら…ほんとプチ切れしたかもしれない(笑
・・・で、「霊化の術」ですが。
チョウザの説明によれば、《生霊となって距離を越えて相手にとりつき倒す術》。印を組んで、魂を自分からズ～っと出して、コントロールする…結構おっかない術ですね・・；冷夏の術でもいいような(これ、よく誤変換しちゃう）；でもダンの「霊」は美しくて、おどろおどろしさなんて無いのですが。
トビの「霊体化の術＝体を消す術」との関連性、ちょいと見た限りは似てないような気もしますけど、でもやっぱりコレはトビの“霊体化のヒント”なんだろうとは思っています(だって、そのために出てきた術だと思いますもん；）。
だいたい「気になる術」ってのは、今後につながってくるのがお決まりですから・・岸本先生は無意味な描写はなさらない！
ついでにですけど・・・トビが「霊体化」していられる時間は“約５分”というリミット付きです。普段のトビは「実体化」してる体なんですよね(実体化つまり写輪眼が見えている状態、神威みたいな万華鏡瞳術を使える状態）。
攻撃を避ける時だけ霊体化してスカスカ《すり抜け》してますが、あの時はダンの霊化の術みたいにギュン！と「誰か」の魂がトビに入って、体を強制的に霊体化してしまう…なんて可能性はあるのかな。もしかしたらですが、そのあたりに「トビの霊体化５分間リミット」の理由があるのかもしれません。５分が憑りつきの限界時間とか・・。
しかもチョウザの説明によると、《距離を越えて》魂だけ遠くまで飛んでいくことが可能みたいですね。「本体」は遠く離れた所にいてもＯＫ・・・これもトビの謎のヒントになる「かも」しれません（勿論、トビの霊体化とダンの霊体化がイコールというわけではないと思いますが）。
今のところトビを操っている「本体」はロン毛の仮面さんか？なんて想像していますが、いま彼は右眼に輪廻眼を入れてトビと視野共有している可能性もあるのかな・・と思ったりもします。
あくまで可能性という程度の話ということでジャーっと流しちゃってください(笑
（すみません、雑考２へ続きます。長文すみません。）
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