ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 582:何も無い 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ20号) ・・・その1

NARUTO 582:何も無い (その1)

イメージ 1
 
最初から―――
ボクには何も無い

 
まだちょっと早いけど、もう少しすると端午の節句ですね。 私もなぜか兜を持ってるんです・・生まれた時に知り合いから頂いたもので、本当は男の子が欲しかった父が知人にリクエストしたものだとか。だから小さい時は毎年飾られる「カブト」が嫌で嫌で・・・《男じゃなくて悪うございました》的な気持ちにさせられたもんです。 
久しぶりに箱開けて眺めてたんですけど「竜頭」がついてまして・・その龍を見てたら、NARUTOの「カブト」を連想しちゃいました(苦笑 
カブトも、兜にくっついてるような立派な龍になりたかったのかなぁ・・・なんて。
 
さて『イザナミ』の仕込みを打ったイタチですが、んっ・・もしかして既にイザナミに突入してるんでしょうか。 
イザナギ』も、術者以外には“夢か現か”その境界が分かりませんでしたから、既に「スタート」してると判断していいのかもしれませんね。
 
・カブトと「完璧」
 
《仙法・無機転生》・・・カブトが繰り出した術は 「生態機能を持たないモノ自体に生命を与えコントロールする術」。鍾乳洞に命を与えグニュ~ンと捻じ曲げ、鍾乳石を棘のように突き刺す・・・ようするに命を吹き込む術、「陽遁」なのかな。
カブトが言っていた「自然がボクの味方をする」、これは鍾乳洞の地形を生かした攻撃も出来るということだったんですね。 この力の原理は柱間の木遁にも近いし、九尾チャクラがヤマトの製材に生命を吹き込んでしまうのと似てる陽の力でしょうか。たしかに「行きすぎてる」・・・大蛇丸がもはや柱間細胞に無関心になっていたのも分かる気がします。
 
しかしサスケはなぜ自分で須佐能乎を出せないんでしょうねぇ。サスケ本来の動きじゃなく、まだ戸惑いや依存があるんだろうか。 
そして相変わらずイタチってば、グサグサ刺されながらも“サスケを須佐能乎で守る”。
サスケが回転天照で黒炎の盾を作れば、今度は『すまない・・・サスケ・・・』ですからねぇ。何も謝ることはないと思うのに・・・。
 
イタチって、ど~も「許せ」とか「すまない」ばっかり言ってますね。 やっぱりそこ、「すまない」じゃなくて「ありがとう」でしょーよ・・・。
このあとイタチはカブトに色々と説教してますけど、実はまだイタチ自身も己を許せてない部分が残ってるような気がします。 しかし、この兄弟・・なんでお互いに「ありがとう」と言えないのだろう? “ありがとう”が言えるようになるまでは、まだもう少しかかるのかな。 
 
一方でカブトは、イタチの札を「再上書き」する事を狙っていたみたいですが・・・なんだかなぁ、思うんですがカブトの生き様そのものが『上書き人生』なんじゃないでしょうか。
 
失敗したら上書きして「無かったことにすればいい」・・・それで「リセット」したつもりになる。
そんなことばっかりやってるから ますます「己」が分からくなる。
やっぱり『術の使い方』には 生き様って表れるのかもしれませんね・・だからかなぁ、イタチが「サスケを守る」事に徹底してしまうのは。
 
『最大の攻撃瞳術は最大の防御にもなるってことだね 熱くて鍾乳洞も元に戻っちゃったか』
 
ん!最近《力》を振りかざして「攻撃」ばっかりだったサスケが、なんとも久しぶりに「防御(盾)」として力(天照)を使いましたね!(もしかしたら香燐を八尾から守った時以来?・・いや五影会談でも香燐を須佐能乎で守ってましたね、粗っぽかったけど)。
イタチの《守る》姿を見ることで、本来のサスケらしい《仲間を守る》意識が少しずつ戻ってきたのでしょうか。
術の使い方に「生き様」が表れるのだとしたら、これは本来のサスケらしい生き様がちょっと戻ってきたという嬉しい傾向なのかもしれません。
 
(しかし鍾乳洞も命を与えられて生きてるから「熱くて」戻るとはね・・・でもどうなんだろう、天照という瞳術(陰遁)を使う事で陽遁の力が相殺されたとも考えられないんだろうか)。
 
『全てを成し制することに近づきつつあるボクにとって どうしても失敗する姿が思い浮かばないんだよ』
『かつて大蛇丸様が集め研究しつくしてきた自然界の法則や原理が 今やボクの中に蓄積されている』
『人から蛇へ 蛇から龍へ・・ そしてこの世で一番六道仙人に近しいのはこのボク・・それに比べればうちはの名など・・・』
 
“全てを成し(造り上げた)、制する(支配、コントロールした)” 
・・・つまり六道(全て、全能)の力に近いほぼ完璧な体と能力を造り上げて それを使いこなすことに近づいている。
つまり「神」の高みに近づきつつあると思っているカブト、“陽”の力はほぼ極めたのだから あとは極めし“陰”の力(サスケ)さえあれば完璧になれるってところでしょうか。「完璧な個体」になることを求めた大蛇丸のように。
 
大蛇丸が研究し尽くした「自然の法則や原理」・・その行き着くところが陽遁、自然さえ味方にしてしまう生命を与える神の力・・・カブトが大蛇丸に心酔したのは「完璧」を目指し、完璧に近づいていたからなのでしょうか。
カブトは蛇や龍、六道仙人よりも実は「大蛇丸様」になりたいんじゃないかとすら思えてきます。
カブトの背後に描かれる「大蛇丸様」・・・この描写は大蛇丸が彼の精神を大蛇丸がコントロールしているようにも見えますが、《カブトは大蛇丸になったつもりで語ってる》という描写なんじゃないかという気もします。 「近しい」なんて表現も、これオロチ語っぽいですよねw 
 
でもカブトがいくら大蛇丸の研究を蓄積したとはいえ、カブトは肝心の大蛇丸の本当の目的までは分かってないんじゃないかという気はするんですよね水月が見つけた巻物にあった「大蛇丸はこんな事まで考えてたのか」と思える内容)。 だけど、カブトにとっての「六道の真理を極める事」とは「完璧」になるという事・・・カブトにとってはそれが全てなんじゃないだろうか。
 
「完璧」といえば。
34巻で・・・血の付いたメスを神経質そうに洗ってたカブトに、大蛇丸「アナタA型だったかしら?」と尋ねる笑える場面がありますよね(カブトはAB型)、大蛇丸さえ驚くほど「完璧主義者」カブトは、その直後にも巻物に保管するために「新たな死体が欲しい」大蛇丸に申し出てます。で、大蛇丸「ストックがあるでしょ」と言うとカブトは「常にきちんと保存しておかないと落ち着かなくて」なんて言ってるんです・・・思いっきり「完璧主義者」アピールですよね(ちなみに大蛇丸はB型)。
で、その後アジトに戻って「ビンゴブック用資料」を置き忘れたことに気づいて「A型の方が部下に向いてるとも言われそうだな」なんて自分の失敗にブツブツ言ってるんです。 やっぱりA型ほど完璧ではないようですけどw
それでもまたカブトは「完璧」に拘ってる・・・彼のそういった一面は以前から描かれてたんですね。
 
カブトが強烈に憧れた《完璧》・・・つまり《失敗が無い》ということ。
 
「どうしても(失敗が)浮かばない」・・その理想の状態を掲げる背景には「失敗を絶対に考えたくない」強烈な失敗への恐怖が潜んでいるのを感じます。 
カブトはよほどの「失敗トラウマ」を抱えてるんだろうか(トビが「裏切りトラウマ」を抱えてるみたいに)。
 
六道仙人(あるいはそれを目指していた大蛇丸のように「完璧」になれば、自分はもう二度と失敗はしない・・・
それがカブトにとっての「己の救済手段」に思えたのかもしれません。
己を見つけたいと言いながら・・結局カブトは「本当の自分」は無かったことにして、新しい「完璧な自分」を見つけて自分を上書きしたいだけなんじゃないだろうか。
 
 
・そしてここから・・・イタチの真剣勝負。
 
「言ってろ!お前にうちはの何が分かる!いいか・・」と食って掛かったサスケの前に、スッと出されたイタチの“制止”の手。
 
私、この「制止」意味のスッと横に出す手が好きでして(手フェチだからという意味だけではなく)。
これ、よくカカシがナルトやヤマト相手にやってる『黙ってろ』 『焦って出るな』の合図なのですが、これは《ここは真剣勝負だよ》という合図でもあります。 
カカシがスッと手を出した瞬間に緊迫した空気が張り詰める・・・その「瞬間」が好きなのです。
 
でも、今イタチがサスケを「止めた」のは、ただ黙っていろという意味だけじゃなくってイザナミ発動中だから、ここは真剣な勝負どころ」という意味もあるのかもしれないですね。

そしてイタチ、ものすっごい「真剣顔」ですね・・・
 
ここまでの真剣な表情って今まであっただろうかと思えるほどです。 
だけどカブトは黒炎カーテンの向こうにいるので、イタチにカブトの姿は見えてはいないんですよね、でもイタチが見ているのはカブトの顔なんかじゃあない。
「心」ですよね、そして「かつての」イタチ自身の姿。
 
『カブト… お前を見ていると まるでかつてのオレを見ているようだ…』
『だからこそ お前は負ける』
 
イタチの厳しい表情・・・でもそこには「憎悪」や「怒り」は見えません。そこにあるのは「本気でカブトを心配する表情」です。
 
『いいかい…ボクはもう脇にはいない 今はこの戦争の中心と言ってもいい!』
 
「脇」というよりも「地下」をうごめくことしか許されなかったカブトムシの幼虫は、今や立派なツノを付けて王様気取り(ツノは折られちゃいましたが)。でも龍に昇華したとはいえ、お腹の真ん中から蛇を出してて どっちかといえば「蛇の尻尾」になってるだけにも見える・・・。
 
『オレにとってお前は対立と共感の二つの感情を抱かせる』
『お前もオレと同じスパイとして偽りの世界を歩いてきた者だからな』
 
勝利を宣言し「必死すぎる」カブト。 
イタチには・・そんなカブトの姿は 断末魔の苦しみに救いを求めるような痛々しい姿のように見えているのかもしれません。。
 
 
(その2へ続けます・・すみません。)