ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 583:これは誰だ 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ21/22合併号) ・・・その2

NARUTO 583:これは誰だ (その2)

(続きです・・・)
 
・《「カブト」を置いて・・》
 
「忍」になる決意をし、院を出たカブト・・ 大切にしていた、ウルシにもらった「兜(カブト)」を枕元に置いていったのは「本当の自分」はここに置いておく、という意味だったのでしょうか。 
ミッションごとに違うコードネームを付けられたとしても、本当の自分「カブト」はずっとマザーのところに皆と一緒にいるよ・・みたいな気持ちだったのかな。
 
大蛇丸が《来たわね・・》的な顔で見てるのが何とも言えない)。
 
にしてもカブト、雲隠れ→霧隠れ→砂隠れ→岩隠れと大国全て渡り歩いたんですね、しかも最初の雲隠れの時なんて まだ幼いじゃないですか・・・。霧隠れなんてこの頃は「血霧時代」だろうし、過酷な任務だったことは推測できます。 これだけ各国歩いてたなら「ボクの情報量をなめないほうがいい」と言うのも分かるし、初登場時に「情報」をナルト達に自慢してたのも納得です。しかしダンゾウが語った『(諜報活動では)たいがいの者は心を壊すか敵に寝返る』・・・それほど「過酷」なスパイ活動に、こんなに幼いカブトがよく耐えましたよねぇ・・。
 
取っ換え引っ換え里を変えて、服を変えて名を変えて。 それでも変わらないのは「眼鏡」だけ・・まさに眼鏡だけがカブトのアイデンティティ、マザーがくれた眼鏡があったからこそ彼は心を壊さずに《自分はカブト》だと思えていたのかもしれません。
 
《そして「数えきれないほど時間が経った描写」として、寝る時間の「9時」を指す時計の針が何度も回っては過ぎていく描写がありますが・・・》
 
それはカブトがその後もずっと「9時就寝のルール」を守っていたということですよね。
9時に寝るルールを守る事で、カブトは皆とのつながりをいつも感じていたのかもしれません・・そして自分を見失う事もなかった。 どんなに遠く離れた場所に居ても、毎晩9時には・・・カブトの心は「カブト」を置いてきたベッドに戻っていたのでしょうね。 
 
幼い子供が毎晩思いを馳せていたのは、皆やマザーが居る『家』の温かいベッドの中・・・そう考えると、たまらなく悲しくなってきます。
 
ボクの本当の名前は「カブト」、そしてマザーの子供。 そして院に帰れば仲間達が待っている。 
ボクは彼らの為に働いている・・・これはマザーへの恩返し・・・
 
その誇りがカブトの心を強くし、どんな過酷な状況や孤独にも耐えられたんだろうなぁ。 
 
・《それから5年》。
 
これまた時代がハッキリは分からないのですが、既に大戦は終わってるハズ(九尾事件の時カブトは7歳ですから)、カブト12歳ぐらいでしょうか(でももっと大きく見えますねぇ)。 GW中はジャンプ休みだし、マダラのことや大蛇丸の事を含めて これを機会にもう一回『時系列表』を整理し直してみようと思ってます(できれば・・だけど)。
 
ヘマをやって追われてるのか、もう「ダメだ」と思って取り出したのは懐中時計・・「9時過ぎ」なのを見て院とマザー、仲間を思いだすカブト。 襲ってきた岩隠れの忍を咄嗟にチャクラのメスでズバッと斬るカブトですが(かなり優秀ですね、この頃から)・・・カブトが斬ったのは、
 
マザー!!?》
 
あれから5年もたつのにマザーは任務を続けてたんですね。 長期任務とは言ってたけどやっぱり「マザーを遠くに飛ばしていた」のでしょうか。でもなぜ、同じ木ノ葉のマザーがカブトを・・。
必死に助けるカブト、だけど眼鏡が壊れて見え辛そうにしているマザーに 自分がかつて貰った眼鏡を掛けさせて、「ボクだよ」 「カブトだよ!!」と言ったのに、マザーが言ったのは・・・
 
誰・・・ 
・・なの・・・?
 
カブトとマザーの背景が、一気に消えていく。真っ白に・・消えていく。
 
全ての記憶が、つながりが、存在が・・失われていく。あるのは広漠とした《何もない世界》・・・
一瞬にして、それまでの全てが「消えた」・・・カブトが自分を失った《瞬間》の心を痛いほど語りますね・・この絵。
前にもこんな描写がありましたっけ、279話で我愛羅が一人、何も無い乾いた砂漠の地に一人佇み・・周囲は真っ白、茫漠とした何も無い空間。 つながりが一切無い・・・たった一人の孤独。
 
 
《マザーはボクのことを・・ なぜ・・?》
《なぜボクのことを覚えていない…!?》
 
《だとしたら今までのボクは何だったんだ!?》
《マザーからもらったものは何だったんだ!?》
 
《・・名前もマザーの子供であることも・・ この眼鏡でさえも・・》
 
《・・・・・・・》
 
《これは…》
 
《誰だ・・・?》
 
この時、カブトは心の拠りどころ、全ての「つながり」を失ってしまったんですね;
そして自分を「カブト」と認めてくれていた人が、自分を「知らない」と言った・・・カブトの存在がまた「何も無い」になった・・。
 
でも、マザーは本当にカブトを忘れてしまったんだろうか?
 
これは色々考えられると思うんです、マザーは実は岩隠れのスパイだったとか、岩隠れに寝返ってしまった、記憶を消されてしまった、カブトの為に忘れたふりをした・・等々。皆様はどうお考えでしょう・・・?
 
私が思ったのは、マザーは5年に及ぶ辛い任務の間に 本当に《自分は誰なのか、自分は何なのか》分からなくなってしまったんじゃないだろうか・・ということでした。 心を無くし任務に徹するうちに、本当に大事なものを忘れてしまったのではないかと・・・。
 
ダンゾウが「心を殺しきれぬお前(ノノウ、マザー) やはりお前は根には向かぬ」と言ったのが気になるんです。 重要任務にあたって、ダンゾウは「マザーが心を殺さなければならない程の何か」酷い事をした可能性もあるような気がします(院の子供達を連れ去って根に入れたり、大蛇丸の実験体にしたりとか・・)。そしてマザーは「全て思い出せなくなってしまった」のではないか・・・とかね・・。 
 
サイがかつて言っていた、根の意志「根には名前は無い、感情は無い、過去は無い、未来は無い、あるのはただ任務」。 そして「ボクは誰でもない、ボクは存在しない」・・・(トビじゃなくてサイの言葉ですよ)。  
そういう発想に徹するために行われていた「子供同士の殺し合い」。 根の発想から考えれば、マザーが心を殺すために「その後の子供達」がどうされたのか・・・とても気になります。 (あるいは、ダンゾウがかけた「かも」しれない幻術の影響という可能性もある「かも」しれません・・カモ連発すみません)。
 
マザーが悪いわけでもない。・・「忍世界」が生んでしまった、あまりにも悲しい再会。
 
でも、だからだったのか・・・ 今ならよーく分かる、『カブトがあの時、なぜあんな態度を取ったのか』の数々。
たとえば・・304話、天地橋任務の時・・大蛇丸のアジトで、サスケを必死に探すナルト達に向かってカブトが言ったのは・・「キミを見てるとホントに憐れだよ・・・ 人は変わる サスケ君はもう昔のサスケ君じゃないんだよ」。
 
あの時、本当は繋がりを求めてるカブトが「つながり」を信じているナルト達に嫉妬して意地悪い言葉を発したのかと思ったんです(「カブトの嫉妬」記事で書いてしまった)。 だけど、そうじゃない・・・カブトは「マザーが変わってしまった」ことで傷ついた過去の自分と、ひたすらサスケを信じるナルトを重ねてたんですね。
 
そしてサイが言った「人は変わる ならボクもそうだ」 「でも変わらないモノもある・・・ つながり それを確かめたいんだ」・・・これに対して「君たちは本当のサスケ君を知らない」とククク・・と笑ってはいたけれど、あの時もナルト達がかつての自分のように傷つくのを見たくなかったのかもしれない。
 
さらに、ナルトが九尾化して変わり果ててしまった時には、「みなよ・・悲しい子だ」なんてサクラを挑発しますが、それでもナルトを見捨てなかったサクラにイラッとしながらも・・九尾化ナルトに傷つけられたサクラを「治療」してやっている。・・・その時は「君達には暁を始末してもらいたから」とか言い訳をしてましたが、本当は《意識が飛んでしまった大切な人の 変わり果てた姿を諦めきれなかったサクラ》を放っておけなかったんだろうなぁ・・・カブト。
 
そして19巻三竦みの戦いの時、カブトは綱手に対して異常にイライラしてたんですが・・それは綱手と「マザー」が重なったという理由もあったのでしょうか。 医療忍者で「見た目の」年齢も近い・・ナルトを守ろうとする綱手の姿はかつてのマザー・・「失ってしまった過去」を思い出させる姿だったからなのでしょうか。
 
《これは本当のボクじゃない・・》
 
心の拠りどころを失い、自分を見失って水面に映った顔を見つめるカブトの前に・・・
 
『自分がハッキリ見えていないようね』
 
『いい忍になったじゃない・・・ 
私は覚えてるわよ・・・ カブト』
 
で、出たぁ――! ・・・って、普通ここから出ますか?水面から・・
 やってくれるね大蛇丸 ・・・ 
(どうしよう・・・ト○レから大蛇丸が出てきたら・・・)
 
この人のビックリな「登場の仕方」は文句なしにNARUTOの中でダントツでしょうw
蛇の中から「アハハハ~」と出てきたり、期待を裏切らないですね大蛇丸(カブト、腰ぬけてますよね)。
蛇の中に入って出てきたんでしょうか、全く・・・ しかし右手を腰に当てる姿なんて実に「美しい」・・・岸本先生の描く大蛇丸は最近ますます美しくなった気がしてなりません。
では彼のやらかした悪行の数々でさえも その妖しい美しさのせいで「きっと何かワケあるんだ」としか思えなくなって困ってます(苦笑
 
にしても大蛇丸、カブトが「自分が見えなくなる」瞬間を狙って罠を張って待ってた感じですね・・さすがは「捕食者」。 
 
そして「心の闇を利用してコントロールする方法」、これってスピード勝負なんですね。 心の穴が開いた瞬間を狙う・・。
 
ロン毛仮面は鬼鮫長門をこうやって心の穴を埋めて落してきたのだろうし、トビはサスケがイタチと闘い終わった後「即刻」サスケの元に向かったし(カカシもそれを危惧して急いだのだろうけど間に合わなかった)。 
そうやって忍達は心の穴を憎しみや闇で埋め、そして自分を見失ってただの道具になっていった・・・忍から「心」が消えていった、ということでしょうか。 
 
毎晩9時に「本当の自分がいる場所」に帰ることを忘れてしまってるカブト・・・。
マザーや院の記憶は、今では「自分を否定された」辛い記憶でしかないのでしょう。思い出したくない記憶、思い出したくない「本当の自分」・・・。
でも何故マザーが自分を忘れてしまったのか・・何があったのか、カブトは正面から向き合ったことはあったのでしょうか。カブトが「本当の自分」を取り戻すためには、院に置いてきた「カブト」を見つけないといけない気がします(心の中で)。。
 
さて・・・次回はいよいよ運命を「決する時」になるんでしょうか。
 
 
(イザナミ効果がどう出るのか、早く見たいなぁ・・・)
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
☆マザー、岩隠れでは「ナニガシ」という露骨なコードネームで潜入してたんですね(追って来たのは黄ツチですね)。
 
 
☆コミックス60巻、5/2(水)発売です!
 
☆次のジャンプ発売は5/7日月曜日です・・・当分先なので、GWの遊び企画記事考え中