ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 606:夢の世界 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ47号)  その1

NARUTO 606:夢の世界 その1

イメージ 1

 
「リン・・・」
 
「もう一度・・・」
 
「もう一度 君の居る世界を創ろう」
 
 
すっごい悲しくて切なくて、でも美しい・・純粋な「愛」の物語。
 
優しくリンを抱き寄せるオビトの絵・・涙を流してリンを見つめ、夢の世界での再会を誓う絵・・
先生の描かれる絵は初恋を忘れちゃった読者もドキッとさせるほど美しい絵なんだけど・・・
 
なのに、最初に見た時・・・実は《これNARUTOじゃない》という違和感を感じてしまったんです・・;
 
正直私はNARUTOに恋愛要素は要らねェと思ってまして、今まで全く恋愛ネタの記事を書いた事もありません。忍の話に恋なんていらねぇ~というわけで・・。もっとも、オビトの話ってのは外伝の時から恋物語の面が色濃くあったわけで、今さらではあるんだけど・・・ 何だかここまでロミオとジュリエット風な美しさの絵って、今までのNARUTOには無かった(ような気がする)から・・NARUTOっぽくないと戸惑ってしまった。
 
この違和感はどこからくるのだ?・・・
おそらく自分の中で勝手に「NARUTOの世界観」をつくり上げちゃってたからなんですよね。 
 
ン年間62巻まで読んで・・自分がイメージしてたNARUTOってのは「ザ・忍」の渋い世界。 
忍世界という“枠”の中で、生き様に悩み 居場所を求め続けた鬼鮫やイタチ、カカシみたいな「忍らしい忍」をイメージしてたのかもしれません。 耐え忍ぶ者・・忍び忍んで忍び泣き・・の忍。だから、忍に恋愛感情なんて余計なもンなんだよ・・と思いこんでいたんです。
 
あれ?・・・「感情なんてのは余計なものなんだよ」って・・どこかで聞いたような;これ・・カカシの外伝時代の言葉ですね; あの頃のカカシと同じことを私は考えていた・・・。なんだかなぁ・・・いつのまにか読者の私まで「古い忍のイメージ」にはまって、古い忍システムの枠に登場人物を収めてNARUTO世界を読んでいたんですね。
 
・・・・これに気付いてしまって、今回軽く衝撃でした。
 
忍達はこの戦争で人間らしい「心」を取り戻す闘いをしてるのだ!なんて書いておきながら、なぜあの絵に違和感を感じるんだろう?って。・・・恋愛なんて、ごく自然な人間としての感情じゃないか。 あの絵は本当に素直な想いが溢れた美しい絵じゃないか。 自分の心にまっすぐで、愛する女性をひたすら想い続ける・・人間らしい感情を見せつけてくれる・・・オビトはやっぱり、従来の「忍」のイメージから外れてる。 どっちかというと、ジョブ的に忍じゃなくって「ナイト」のイメージとでもいいましょうか; だから、違和感も感じちゃう。
 
だけど忍が恋してどこが悪い? 好きな女性を守れず泣いてしまう忍のどこがカッコ悪い・・?
 
う~ん、やっぱり・・・
 
オビトはめちゃくちゃカッコいいじゃないか!

「忍としては」カッコ悪いかもしれないが、人間として一人の男としては すごくカッコいい。
 
・・・そう思ったら、リンを抱えて「夢の世界での再会」を誓うオビトの絵が、めちゃくちゃ美しくって、切なくって、こっちも心がキキュンと痛くなってしまった。
 
誰かを真剣に愛したことがある人なら、オビトの気持ち・・分かるんじゃないだろうか? 
リンを守るために頑張ってきたのに、やっとリンを守れる力を手に入れたと思ったのに・・でも再会して抱えたリンは、冷たくなっていたのだから・・辛かっただろうなぁ。
 
これが普通の13か14歳の少年の話だと思えば、オビトのこの感情はホント素直で自然なんです。 
だけど これが「暁の黒幕」の正体で、少し前まで「このうちはマダラの力が・・」とスゴんでいたヤツの本当の姿だと思うと拍子抜けに見えるかもしれませんが・・・
 
イヤイヤ・・・・それで結構じゃないですか。 敵の組織の黒幕は、愛する女性のために世界を創ってあげたい・・・そんな純粋な男だった。 そんな「意外性」も、いいんじゃないか、と。 
それこそ読者の「敵の黒幕」イメージ(という枠)をぶっ壊す存在で、面白いんじゃないだろうか。
愛する女性と、親友と・・そして誰もが平和に暮らせる世界、弱い者達を守れる世界を創りたい。たとえ手段が異なっても、やはり彼もヒーローの一人なんじゃないだろうか。
 
オビトって存在は、作者によってNARUTO世界に投入された「革命児」なんじゃないか・・と思うんです。
読者にも忍達にも“違和感”を与え得る存在・・・忍が「心」を取り戻すためのキッカケを与える存在じゃないだろうか? 『忍』とは何なのか、忍にとって守るべき大切なモンとは何なのかという問題を、改めて今の忍達に投げかけてくれてるんじゃないだろうか・・? 掟や忍の心得なんて無視しちゃう、従来の忍世界の『枠』ってモノから外れてる人間だからこそ、出来る役割なんじゃないだろうか。
 
実は、今までオビトとは『もう1人のナルト』、影の主人公みたいな存在じゃないかと書いてきたんですが・・・少し違うなような気がしてきました。 確かにナルトとオビトは似ているけど、ナルトと対になるわけじゃあない・・・
あくまでオビトの対なる人物は「カカシ」なのだと。

忍であることにこだわらず“心”を優先し忍なんてぶっ潰そうとしているオビトと・・・忍であることにこだわり“刃”であり続けた古い忍体質をしっかり持ってるカカシ。 
「忍が忍らしくあるために」・・・
この戦場で、唯一「忍」額あてを(見えるところに)しているカカシ、「忍なんてのはぶっ潰してやる!」とかつて宣言していたオビト。 この対となる2人がぶつかり合い・・そして手を取り合った時 「忍」は心を取り戻せるんじゃないだろうか・・・?
 
そして、この戦場にも希望の“暁”の光が見えてくるんじゃないか・・と思うんですけどね。
 
 
・影が光を踏む・・・
 
・・・さて、惨劇の後。
 
横たわるカカシを見て、マダラの《因果》という言葉を思い出すオビト・・
 
もうカタカナの「インガ」じゃあない・・・漢字の「因果」になっているから、オビトはマダラの言っていた意味が分かったのでしょう・・。 カカシとオビト、助かった者とその犠牲になった者・・光と影。 そして「影」であるオビトは、「光」のカカシを踏んでいく・・すり抜けながら。
 
オビトの胸中、複雑だと思うんですよね。 一度は命を与え、写輪眼まで託した仲間・・・カカシを光に残したのは、カカシならリンを守れるというオビトの判断だった。 だから、カカシに託した。
なのに・・・・リンの胸に空いた穴は、ただ千鳥で開けられた傷ってだけじゃない。信じていたカカシに貫かれた、心の穴でもある。
 
もし私がオビトだったら、真っ先にカカシに怒りをぶつけて写輪眼は奪い返しちゃうけど;それでもオビトは・・・カカシには手を出さないんですよね。もはや殴ることさえ出来ないほどの失望なんだろうか。
 
オビトは「唯一カカシを殴ってくれた友」だったけど、あれはカカシに「目覚めてほしい」からだった。 でも、もはや意志を失くし堕ちた英雄に、何ももう期待するものなど何も無いのかもしれない。 
ただ…失望の証として、“影”となる選択をした自分が“光”を踏んでいったんだろうか。
 
リンに近づいて、オビトはそっとリンに触れようとして・・でも恐くって手を止めてるんだけど、冷たくなったリンに触れるのはリンの「死」を現実として認めてしまうことになるんだから・・そりゃあ怖いよね。だけど、覚悟してもう一度手を伸ばす・・。
でも今度は《スカッ》とすり抜けてしまって、オビトはビクッと驚いて「・・・・・」となってるけど、ど~やらこの時までオビトは自分の万華鏡の能力をハッキリとは認識してなかったみたいですね。一瞬、リンに触れずにすり抜けてしまったのは リンがもう幻になってしまったのかと思ったんだろうか。でも・・すり抜けたのはオビト自身だった。
 
リンはもう この世界には居ないけど、でもリンの体はここに在る。
オビトはまだ この世界に居るけど、でもオビトの体はすり抜ける。
 
本当の意味でゴーストのようになってるのはオビトのほう・・。
 
オビトはこの世界ではすでに死んだ者扱いになってるんですもんね。 だから、リンにとってオビトのほうこそゴーストかもしれないんです。 もはや「うちはオビト」はこの世界では存在しないハズの「亡霊」・・・
 
オビトは「うちはオビト」という自分が、もうこの世界で「形骸化してる」と実感してしまったんじゃないだろうか・・・。
まるで誰でもない存在になりつつあるような・・・
 
 
 
(その2へ続けます・・・)
 
 
 
 
イメージ 2
ナルト好きブログ!応援よろしくお願いします(にほんブログ村本誌感想)