ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 629:風穴 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ24号) その1

NARUTO 629:風穴 (1)

 
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「見てみろ!!オレの心には何もありゃしない!!痛みさえ感じやしない!!」
「後ろめたく思わなくていい カカシ」

「この風穴はこの地獄の世界に空けられたものだ!!」
 
「心の風穴」…それこそ波の国の再不斬・白戦、ナルト達最初の闘いの時から始まった「忍達の心の穴」の話は、今のこの戦争編に至るまでずーっと続いてますよね。 
「本当の」忍とは何なのか…オビトがカカシに突き付け、詰問しようとしている問題…それは、カカシが今まで《知らず知らずのうちに悩んできた》と言っていた問題であり、忍達が未だに「答え」を出せていない問題でもあります。
 
さて、まずは大自然の破壊力を見せつけた、あの 十尾の「天変地異」ですが…
 
マダラは須佐能乎で防いで「さすがに少しは掃除できたろう…」なんて言ってますが(掃除って!?)、この方のお考えは本当に理解に苦しみます。 
 
人一倍深い愛情の器を持ち、人一倍先まで見据えることができ、「見守る」優しさを持っているというのに、何でこんな言葉を言うんですかねぇ。 これも「マダラ独自のセンスによる言葉遣い」なのでしょうから、真に受けるべきではない…とは思っておりますが、今や頭ン中は「柱間ァ♡」でいっぱいのマダラさんが「次のお楽しみ」のために、雑魚共には「ご退場願いたい」と思ってるのは どうやら「本気」のようだし、彼のシナリオは一体どうなってるんだ!?と、ますます分からない… 
その不可解なところがマダラの魅力でもあり、かつ「面白さ」だったりもするのですが、難解な「マダラ」解釈のためにも柱間には早く来てもらって、そろそろ「マダラの腑(はらわた)」をグイッと引きずり出して頂きたいものです。
 
そして十尾ですが、天変地異で起こした自然エネルギーを溜めこんで、ますます「マッチョ化」していってますね。 で、今までは、ただ動物的に喚いているばかりだった十尾が(せいぜいオビトの言葉に耳を傾けたりするぐらいだった)、ナルトの背後に「尾獣達と六道仙人の気配」を感じ取って「!」と反応してますね。 
初めて「己の意志」らしい感情を「!」で表現した十尾・・・今やオビトとの「つながり」も断たれ、ついに己の意志のみで動き出したようですが、十尾から見た「六道仙人」とは、どんな存在なのでしょうか。 
 
かつて自分を抑え込んでいた「敵」なのか、それとも懐かしい存在なのか…。
 
 
・《ナルトと、皆…》
 
 
(また…ナルトが守ってくれたんだ…) (チョウジ)
(…ナルトくん…!) (ヒナタ)
 
ペインの巨大神羅天征から里を守った綱手(と蛞蝓)みたいに、天変地異から皆を守った「ナルトと九喇嘛のチャクラ」… 
 
ボロボロになりながら守りきったナルト(と九喇嘛)ですが、まだ忍達は「ナルトが守ってくれた」と考えてるんですよね…(九喇嘛も忘れんな!) 「尾獣は敵じゃない」と思えるのは、まだまだ「先」のようで。
 
今回は九喇嘛だけじゃなくって、ナルトにチャクラを「プレゼントした」各尾獣達も力を貸してくれたのかもしれませんが(いつの間にか守鶴・一尾も加わってますな) ついに「一~九尾」の尾獣達「もう1つの自分」である十尾と向き合うことになったんじゃないだろうか。
 
今まで九喇嘛が「十尾(元自分ですよね)をまるで「他人」のように 客観的に突き放して語るのが気になっていたんです、九喇嘛にとって十尾は「本当なら向き合いたくない自分」なんだろうか…とね。 だけど尾獣達だって、いつかは「本当の自分」と向き合わなくちゃいけないと思うんです、そしていよいよ「その時」が来たんじゃないだろうか、忍達が「本当の忍とは何か」と己自身と向き合う時が来ているように…。
 
そして十尾がナルトの後ろに感じた「六道仙人」…六道仙人もいずれ「登場アリ」と期待していますが、彼もナルトを通してかつて失敗した「十尾との向き合い」を果たし、己と向き合おうと考えているの「かも」しれません。
しかし、「…きかねーな…」と歯を食いしばるナルト…本当にいい表情してます。 試練を乗り越える度に、ナルトはいい男に…いや、いい表情になっていく。
 
だけど…ナルトはもうボロボロになって「ここまで」と思われた時、ナルトの「盾」となって、ナルトを守ろうとする「忍連合」の忍達…!
 
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「!」
 
ナルトを守ろうとする「背中」達は、こんなにも増えてきた… 
 
前にこの戦場に来たばかりの頃、いきなり元人柱力達との戦いに苦戦して「絶体絶命」のピンチに陥ったナルトを助けて、「盾」になってくれたのは、「カカシ先生とガイ先生」だったんですよね(567話)
 
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「来てくれたんだカカシ先生!! ゲキマユ先生!!」
 
ナルトは すっごく嬉しそうだったけど、あの時「盾」になって守ってくれたのは、「同じ木ノ葉の、自分の先生たち」だった… 
だけど今度は、「違う里の、今まで知らなかった忍達」全てがナルトを守り、「盾」になってくれた。 
 
これって、前までナルトが度々思い出していた「絵」と重なるんです。 
《最初は一人だったけど、イルカ先生、三代目、カカシ先生に第七班…そして同期達、さらに里の人達全員と、「ナルトを認めてくれる仲間」が少しずつ増えていった…》という絵と。 
 
ナルトは今まで、「自分を認めてくれる」人が増えたのは、「自分が強くなって仲間を守れたから」だと信じていたと思うんです。 だから「認めてもらう」ためにも「もっと強くなって、もっと仲間を守らなきゃ」と思ってた。
だけど…それだけじゃあないんですね。
 
「認められる」ってことは、「盾になって守ってもらう」ことでもある。 そして、仲間を信頼して「預ける」ってことでもある…。 ただただ「与える」だけではなく、「もらう」ことだって大切なんですよね。それが認めたり認めてもらったり、互いに信じて託し合うってこと…。
 
ナルトを守ろうとする忍達の背中が何よりもすごく眩しく見えたし、そして仲間を信頼して「安心している」ナルトの姿も、なんだかすごく眩しく見えた…
 
「皆さん!!力を合わせていきますよ!!」…って、ヒナタって完全にキャラ変わったでしょ(笑) いや、変わったんじゃなく、今まで「中に居た眠れる獅子」が目を覚ました感じがするってばよ・・。 「アンタは回復っ!!」とナルトを癒すサクラ…こちらも、これが「本領」なんだと思います。 彼女たちも「本当の自分」をこの戦争で見つけたのかな…どうやら。
 
(…皆ァ…)と嬉しそうに「一緒」である幸せを噛みしめているナルト。
 
ここでサスケが登場したら…と思うと、思わずこちらのテンションも上がってしまいそうです。もう、それこそマダラさん並みに。
 
さて…一条の光がさしてきたような「こっちの世界」とは違い、一筋縄ではいきそうにないのが…
 
 
・《時空間のカカシとオビト》。 
 
 
2人の会話は噛み合わないままだけど、でも…そこから滲み出てくるのは、互いを想う気持ち、思い遣り、そして「揺るがない信頼」なんですよね。 う~ん男の友情って、どうしてこうも熱く、こうもややこしいんだろう?
 
時空間に飛び込んだ2人ですが、カカシのほうは「決闘か」って勢いで片足着地で切り返し、そのまま雷切かまそうと突進するものの、オビトのほうはドタッと尻もちついたまま、カカシの突進をかわす様子もない…かわせないオビトでは無いハズなのだが… 《カカシにはオビトを殺すつもりはない》って事、オビトは分かってるんですよね。 いや「信じている」と言った方がいいでしょうか…そもそもオビトだって、カカシを殺すつもりなんて全くないわけですから(エックス切りだって、見事に「ベストの表面に線を入れただけ」だったし)。 
 
この状況、柱間とマダラの回想を思い出しちゃいます。柱間とマダラの「組手」とか(マダラはひっくり返って、柱間は着地するんだけど、それもマダラの作戦だった…)、そしてマダラが柱間の「腑(はらわた)=本心」を命懸けで問うた例の「相子」の件も…。 オビトも、カカシの「腑」を再び、確認したんじゃないだろうか。
 
 
・《カカシがリンの事を切りださなかったワケ…》
 
 
今までカカシがオビトを殺さなかったのは(「さらにもう一発」の時など)、
 
「後ろめたさか?」
「リンを守れなかったと… オレとの約束を守らなかった事で気がとがめたか…?」
(それとも)
「オレを改心でもさせるつもりか?」
 
というオビトの質問にも、カカシは後者の「改心」の方には答えたものの、前者の「リン」の事には、苦しそうな思いでいっぱいになったような目をするだけで…答えないんですよねぇ…。
 
今まで、カカシが頑なにリンの「真実」に自分から触れようとしなかったのは、オビトにリンの真実を伝えるのが あまりに「残酷」だからと思ったからなのか… そして、いかなる事情があろうと「リンを守れなかった=約束を守れなかった」自分は許されるべきではないと思ってるのだろうし、言い訳をする事自体が卑怯だと思ったからじゃないかと思うんです。
 
リンの事…それは(おそらく)十数年間、カカシが自分の心ン中にギューっと圧しこめ、誰にも語らず(ガイにすら語らず)一人で堪えてきた事なのだと思います。 今までも、これから先も誰にも…オビトにさえ真相は語るつもりはなかったんじゃないだろうか。
だけどオビトの言葉は、容赦なくカカシの心の奥底に閉じ込めてあった「過去」を、グサグサっと抉りだしていきますよね、オビトを見つめるカカシの目には《十数年分の苦悩》が滲み出ていますが、挑発されてもなおカカシは「・・・・」と 一向に語ろうとしない。
 
それは辛い過去を「自分の中だけに封印して墓場まで持っていく」覚悟を決めた目に見えるんです、リンの事でこれ以上の苦しみをオビトに与えたくないという「一人で背負おうとする」カカシの、頑固な、そしてオビトを思い遣る意志の表れにも見えるんです。
 
 
・《改心と悔心》
 
 
もう1つのオビトの質問、《オレを改心でもさせるつもりか?》に応えるようにした、カカシの言葉…
 
「…オビト… もう止めにしてくれないか」
 
「お前はまだ戻れる…」
昔の自分をもう一度・・」
 
…やっぱりカカシは、オビトを「改心」させたいんですね。
 
度々申し上げてますが、私は個人的に《改心させる》って言葉は苦手なんです。 改心させるってのは、《自分は絶対に正しくて相手が間違ってるんだから、相手を直させる》という発想によるものであって、その考え方がある限り、争いや戦いは無くならない…と思うからです。 それこそ、余計過ぎる「お節介」なんじゃないだろうか、と。
 
カカシが「今のオビト」を改心させて「昔のオビト」に戻そうとする理由には、カカシ自身が「過去の日々」を取り戻したい願望があるからじゃないかと思うんです。 かつてサスケが《オレの夢は過去にしかない》と言ってたことがありましたが、カカシだって、そうなんじゃないか… 
 
カカシの夢は過去、「ミナト班全員が生きていた過去」にしか無いんじゃないか?と思うことが度々あります。 
ナルト達に出会った事で「今現在」にも夢を見つけられたとカカシは思っているみたいですが、本当に本当にカカシはそう思えているんだろうか…? カカシが枕元に並べて飾っていた「第七班の写真」と、「ミナト班の写真」。 それは第七班を「ミナト班」と重ねる事で、失った夢を「取り戻そうとする」気持ちの表れでもあったんじゃないかと思うんです。 「ミナト班」の穴を埋めるための「第七班」…でもおそらく、カカシ自身はまだその事には気づいていないんじゃないかと思うんです。 
 
「オビトとの約束を守れなかった」事を後悔するあまり、ナルトをオビトに見立て、オビトの代わりに「守ろうとする」カカシ…  カカシの中に在るのは、オビトを「改心」させたいという思いより、カカシ自身の「悔心」なんじゃないだろうか…?
 
カカシが「ナルト」の中に見ているのは、ナルト自身よりも「かつてのオビト」である、という事…
 
カカシの深層心理であるその「事実」が、今週のカカシとオビトの会話をみていくと、ジワジワと次第に浮き上がってくるのです…
 
(その2へ続けます…)