ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 630:埋めるもの 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ25号) その1

NARUTO 630:埋めるもの (1)

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「かつてのお前の想いは捨てないよ…」
「それを否定するのが今のお前でも」
 
 
忍達が抱えている“心の穴”・・・それを「埋めるもの」を見つけられた忍と、見つけられなかった忍と。
・・カカシは、本当はどうだったんだろ?
 
《ここに来ると・・・昔のバカだった自分をいつまでも いましめたくなる》なんて慰霊碑前で呟いていたカカシ。一度死んだ時には《お前との約束を破ってばっかりだが 許してくれ》と言っていたカカシ。 
そんなカカシを見てきた読者の一人として、この人はどれだけ重荷を一人で背負って生きてるんだよ??と思わずにはいられなかった…戒め苦しんでストイックに生きてきたのかと。 だけど…
 
「お前だって…ずっと苦しんでるだろう… リンの墓の前で… オレの墓の前で…」
 
オビトにそう言われたカカシは、一瞬だけ「・・・・」と考えて《否定しきれないような》反応をしたけれど、すぐに《否定するかのように》顔をしかめ、思い浮かべたのは《無邪気な笑顔を見せる、かつてのオビト》。笑ってるオビトなんですよね。 カカシは慰霊碑の前で、いつもオビトのこんな笑顔を思い浮かべてたのか…と思ったら、けして「戒めてただけ」じゃあなかったんだ、辛いばっかりじゃあなかったんだと思えてきました。 カカシにとって、毎朝リンの墓、オビトの慰霊碑(「墓」じゃないぞオビト!)に行くことは「償い」だけではなく、「大切な仲間と過ごす、大切な満たされた時間」だったんじゃないか、って。 
 
確かに、現実はオビトが言うみたいに思い通りにいかない事、間に合わなくて「仲間を守れない」事もいっぱいある。 マダラや火影たちでさえそうだった。 オビトが言うみたいに「犠牲になる人がいる世界」は、いいわけじゃあない。 だけど、そんな辛い現実の中でも、心の穴を「埋めてくれるもの」があったから…カカシは「生きてきた」。 埋めてくれたのは、今いる仲間達だけじゃなくって、リンやオビトの「想い」も、カカシの心を埋めてくれてたんだろうな…彼らの目には見えない「想い」が。
 
さて・・・先週の629話「風穴」では、前半が《ナルト達VS十尾》、そして後半が《カカシVSオビト》の話と、「2つに分けた」構成になってましたが、今回は《ナルトVS十尾》と《カカシVSオビト》の話が同時進行、並行する形で進んでいってます。まるで「表と裏」のように…。
ナルト達は外の「表舞台」で十尾と向き合い、カカシは「舞台裏」である「十尾の精神世界のような時空間」でオビトと会話していて、それは「外側と内側、両方の世界で《忍と十尾》が向き合ってる図」にも見えるのです。 そして両方が呼応するかのように、「同じような答え」が十尾(オビト)に対して示されていく…それが面白いのです。
 
まずは十尾の「内側」とも言える(かもしれない)時空間世界ですが。
 
「カカシ…もういいんだ… お前ももう苦しまなくてもいい……」
 
「リンはここに居る… お前にとって理想のオレも一緒にな…」
 
オビトが「幻術内の幻術」で創りだした《好きだよカカシ》と言ってる小さなリンと、《オレは火影になるぞ!!》と言ってる小さなオビトの「幻」。 去年の劇場版NARUTOを観た方は「限定月読」を体験済み?でしょうが、無限月読はいわゆる「たられば」が叶う世界… 
オビトが考える「カカシの理想の世界」ってのはこうなんですね、確かに『ナルトみたいなオビト』はカカシにとって「理想のオビト」だろうけど、『好きだよカカシって言ってるリン』がカカシにとって「理想のリン」かどうかは正直不明(とツッコミたくなっちゃったけど)、オビトは「カカシが好きなリン」ってのも好きだったんだろうから(サスケが好きなサクラちゃんが好きなナルト、みたいなモノかと)ま、ようするに「昔通りのミナト班」って意味でしょうか。
 
それはともかく、カカシに容赦なく揺さぶりかけてきますね…オビトは。 
「リンがカカシに貫かれる絵」とか、「昔のオビトとリン」なんてのは、オビトにとってもトラウマじゃないかと思うんですが、そこまでやるか…。 
カカシが何を言おうと、まだカカシの心には「小さな迷いがある」…オビトにはそう思えたんじゃないだろうか。 だから「心を折ってみる」かのように、悪魔の如き甘い誘いをかけてるのではないか…?カカシに迷いを断ち切らせ、呪印から解放させるために・・・
 
「好きなものを望め… この幻術の世界では全て手に入る お前の心の穴もすぐに埋められ…」
 
雷切で、幻術のオビトとリンをズバッ!と斬るカカシ》…
 
躊躇せず、一瞬で「幻」を斬り捨てたカカシの「潔さ」…
 
シスイの眼を燃やしたイタチの潔さを思い出しちゃいます。大切なのは「意志」…想い。
カカシにとっちゃ幻術のオビトとリンこそ「偽者」…だって、そこには「心(想い)」なんてありゃしないのだから。 それこそリンの生き様死に様を捨ててしまう「裏切り」なのかもしれません。 
そして、カカシは《オビトが作った幻を斬り捨てた》というよりも、カカシの心の中にまだ残っていた「迷い」を、自分で斬ってみせたって事なんじゃないだろうか。
 
カカシがリンの墓前で呟いていた、「オレ達ももう少し遅くに(生まれていれば)」(607話)だとか、
オビトの名が刻まれた慰霊碑で呟いてた、「お前が生きてたら…」(237話)の言葉。
カカシの心には、「たられば」願望や迷いは「まだ」あったと私には思えたんです。 だけど、己の迷い(呪印)を見せつけられて、カカシはそれを壊した…自分の手で、己を縛っていた呪印を完全に解いたんじゃないだろうか。
 
再会したサクモ父さんに言われた「カカシが(まだ生きて)やるべきこと」…カカシが己で「縛り」や「迷い」を断ち切ることも、その一つだったんじゃないかと思えてきます。 「許してもらう」のではなく、自分で「解く」事に意味があると思うんです。 
 
「リンはもういないんだ」
「そしてお前は まだ生きているだろ
 
「こんなので… こんなもので 本気で心の穴が埋まるとでも思ってるのか?」
 
「生きていたリンの想いまで消すなよ! リンは命をかけて里を守り残そうとしたんだ!」
 
「独りで妄想ばかり穴に詰め込んでみても 心の穴が埋まる訳がないんだ」
 
なんだかカカシ外伝を逆パターンで見てる気がします… 忍にとって「感情(心)なんて余計なものなんだよ」と言ったカカシに、オビトが「…本気で言ってるのか…!?」「お前は本気でそう思ってんのか!?」と腑を問いただす場面を(27巻の241話)。
 
《大切な仲間は絶対に死なせやしないよ》という時、カカシは「過去に仲間を守れなかった事実とその都度向き合う」と言っていたけど、そうやって残酷な現実を受け入れ向き合うことで「仲間を守ったサクモ父さん」や「里を守ったリン」の想いをしっかり受け止めて、大切に守ってきたのかもしれません。 かつてカカシが、サクモ父さんの想いが宿る「チャクラ刀」を背負っていたのはその「証」
 
「想いを守る」ってことは、まだ「生きている者」だからこそ「できる事」…カカシはオビトに『生きる』ことの大切さを伝えたいんだと思うんです、「生き永らえてしまった」のはなく「生きている」のだと…
 
《独りで妄想ばかり穴に詰め込んで・・》(って私の得意技でもあるけど)、カカシもかつては、タラればの妄想世界に逃げたいと思ってた時もあったのかもしれません。 九尾事件「当日」のカカシなんて、まだ心に「穴」があったように見えるんです。
リンの墓前での虚ろな表情、その夜ガイと一緒に居た時も無表情…そのあと「結界」に入れられた時のカカシも、熱くなってる紅の横で これまた「無表情」… あの日カカシはミナトも失ってしまう訳だけど、それを「予感」してるのか…空虚な目をしてるんです。 もしかしたら「リン=三尾」を使って里を破壊しようとした「霧隠れの陰謀」を、カカシは連想していたのでしょうか(この時、カカシは「霧隠れのリーダー」と九尾事件の「関係性」を疑わなかったんだろうか…?)
 
だけど、そんなカカシの事を周囲は放っておかなかったんですよね。 
あの日だって、ガイがカカシをやや強引に「ライバル勝負」に誘ってたのも、ガイの「友情」だと思うんです。 私はガイとカカシの「ライバル勝負」ってのは、ガイが「オビトとリンを失って落ち込んでいたカカシ」の心の穴を埋めるために「強引に」始めたんじゃないかと想像(妄想?)してるのですが、三代目がカカシに「第七班」を与えたのも、早くカカシの心の穴を埋めてやりたかったからじゃないか・・とも思っています(あれは表向きは「ナルトとサスケの見張りという任務」でしたが)。 
 
《オレにもお前(サスケ)にももう大切な仲間が見つかっただろ…》(177話)
…カカシの心の穴は、ナルト、サスケ、サクラ…この3人が埋めてくれた…
 

そして「表舞台」のナルト達と十尾ですが。

十尾ちゃんは口からガパッと巨大なフシギバナを出して、尾獣玉の発射準備に入りますが(って、やっぱりフシギダネじゃないか)、それを「ただの攻撃態勢」「最終変化一歩手前」だと説明する八つっあん…、やはり尾獣達は「十尾」時代の記憶があるのか…それとも「六道仙人のじじい」から説明を聞いていたのだろうか、いずれは「来る時」の為に。
 

(十尾が手加減無しとは)

(ナルトの中に自分の中と同じ尾獣達を見てあせったか…) 
 
「楽しみを目の前にして…… 一度バラバラにならざるをえんとはな」 (マダラ)
 
もうすぐ柱間ァが来るってのに、「バラバラ」状態を見られてしまうのは、マダラの美学に支障があるのか(笑) いや、この状況でも「岩の上で腕組み」のお得意ポーズで決めて待ってるのも「柱間をどうやって出迎えるか」を気にしてるのでしょうか。それはともかく…

なぜかマダラはナルトの中に尾獣達が「居る」ことを分かってるんですね。 十尾とつながった事で情報を得たのか、瞳力で知ったのか正直分からなかったのですが、気になったのは《十尾が手加減無しとは》とマダラさんが言ってる点…マダラも十尾の事を『よく知ってる』感じなんですよね。
 
「外道魔像=十尾の抜け殻」を月から口寄せしたのはマダラでしたが、柱間の回想にも登場した、《丸く穴の空いた木ノ葉》…まるで「一つ目の自然の神」にも見える、あの葉っぱ…アレに「居場所を失った十尾の心(想い)」が宿っていたんじゃないかと(今のところ)思ってます。 「チャクラ」を分割して取られ、「体」は月に封印され、「居場所」を失った十尾の想いが、よりどころを求め自分を復活させようとして、マダラに接触したのではないかと…
その後、十尾の想い(心)はグルグルという人造体に仮宿した後、今までオビトと同居していたのではないかと…だからマダラとオビトは十尾とつながることができ、二人共「十尾をコントロール」できたのではないだろうかと考えています。 
 
ただし、628話の「唯一繋がってたオレと十尾」というオビト発言から、「十尾と心が繋がってた」のは、長い間グルグルと同居していた(と思われる)オビトだけだったのかもしれないと思ってます。 
そのあたりに「マダラとオビトの計画のズレ」の原因もあるのではないかと…。
 
それと、十尾が「ナルトの中に自分の中と同じ尾獣達を見てあせった」とマダラは言ってますが、573話でも、同じように「焦ってるトビ」が描かれている…
 
尾獣達から名前を教えてもらったナルトに「はぁ~んお前は知らね~んだな?」なんて言われて、トビは《あいつの力は把握していた…!》 《オレがあんな奴ら相手に…》 《ナルトが何者かなんてどうでもいい》等々激しく焦って、動揺してるんですよね。あれはオビトじゃなくてグルグル…オビトに同居していた「十尾」の台詞だったのではないか、と思えるのです。
 
 
 
(その2へ続けます・・)