ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 655:轍(わだち) 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ51号)

NARUTO 655:轍(わだち)

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リンクする眼・・そしてリンクする「想い」。

ようやく・・やっと、カカシとオビトが「本当の意味での理解」に少しだけ近づいたかな…? 長かった・・この2人の道のりは、ここまで本当に険しく長かった。
 
652話のタイトルは「ナルトの轍」だったけど、今週のタイトルは「轍(わだち)」…ナルトだけじゃない、皆の「轍」。

ラストの絵は、大勢の仲間たちの足跡の「轍」…573話「輝きへと続く道」の、ナルトの元へ集まっていく仲間たちの足跡、あの絵と同じ。 あの時は夕日の輝きへと続く道だったけど、今度は暗闇に「希望の花」が輝く「希望へと続く轍」。どっちも「希望が形となって見えてくるような絵」。
 
今週は心の奥底に響くような静かな感動の話でして、カカシが・・そしてミナトが本当にいいところを見せてくれた。「勝利」への期待が一気に高まって忍達の気持ちも昂る中、静かに…すご~く静かに、本当の意味での“戦いの終わり”が、ここ(オビトが倒れているところ)から始まろうとしているのを感じます。まずは、オビトに最も近い「カカシとミナト」から… 

ナルトは宣言通り、見事にオビトの《心の仮面》を引っぺがしたわけだけど、でもやっぱり、ミナトも言うように“本来それをやるのはカカシの役目”だと思うのです。そうでなくっちゃ、と。 
オビトのことを《本当に理解できるのは》カカシを置いて他にないとずーっとブツブツとボヤいてきたし、今週のミナトの言葉そしてカカシの言葉と表情に、やっと光明を見出せて「ホッと」したといいますか・・これでカカシも「新しい大きな一歩」を踏み出せたんじゃないだろうかと思います(やっと!)。
 
今まで散々「ブレにブレて」(カカシ本人談)、そして「ズレにズレた」カカシだったし大蛇丸と再不斬談)、ナルトの頼もしい背中に世代交代を感じちゃったり、第七班の絆を守れなかった事に「だらしない先生ですまない」なんて謝ってたカカシだけど、ようやくナルト達の前で「先生らしいカッコいい背中」を見せられる「かも」しれない・・なんて期待がちょっと見えてきたりで。

もちろん、今じゃ「力」や「強さ」では教え子達に敵わないけれど、「先生」が教え子に示せるのは「それだけじゃない」のだと今週のミナトを見てつくづく思うのです。 
カカシがこれから見せる(であろう)お手本とは、かつてナルト達を圧倒した「カッコよく戦う強い姿」ではなく、「友と理解し合おうとする姿」なんじゃないだろうか。 そして、それこそナルトが「本当に一番知りたいこと、一番教わりたかった事」だったんじゃないかと思うのです。
 
「忍にとって一番大切なのはチームワーク」・・・チームワークのために大切なのが友と《本当の意味で》理解し合うこと・・・その「手本」をナルト達に示してやることが、カカシの「先生として」一番大切な役割なんじゃないだろうか。
 
《さて、綱引き作戦を成功させて尾獣達を助けて「約束を守った」ナルトですが》。
 
この数週ちょいと気掛りなことがありまして・・・ というのは、この作戦の目的に忍達とナルトの間には「少々ずれ」があるってことなのです。 
綱引き作戦の目的…ナルトには3つの目的があったと思うんです、オビトから尾獣チャクラを抜いて神樹の花開花を阻止する事(無限月読阻止)、そして尾獣達を「助けること」、さらに「オビトを説教してこっちに来させる事」。 
だけど忍連合の目的は最初の1つ目「尾獣チャクラを抜いて無限月読阻止」だけであって、尾獣達を「助ける」という意識は無かっただろうし(取り返すというだけであって)、ましてやオビトを「助けてこっちに来させる」なんて絶対考えてない。ナルトと忍連合の間には依然として考えに「違い」がある。
 
案の定、忍達はオビトがまだ「生きている」と感知するや、やっちまえ~的な反応をしてますよね。 「危険な敵は、さっさと止めを刺す」…これ、当たり前といえば当たり前なセオリー通りの事なんだけど、その「当たり前」に問題が有り過ぎるのです。 だって当たり前な事だけをやったんじゃ「今まで」と何も変わらない。
だから「ここから」が肝心だと思うんです、ナルトだけじゃなく全ての忍達が「発想を変えないと」忍世界は変われない。本当に重要なのは「無限月読阻止」そのものより「忍達自身がどうやって今までの考え方を変えていけるか」…こっちのほうがよっぽど「険しいけど大切な道」じゃないかと思うんです。
 
《そして、ナルトが止めるのも聞かずに真っ先に「オビトに止めを刺す為に」刀を抜いて走り出したサスケですが…》
 
サスケには特別な「想い」があったんじゃないだろうか・・この役目は「自分」がやらねばという強い決意が。 
 
かつてイタチが「クーデターを起こそうとした一族」の幕を自分の手で下ろし里と一族の名誉を守ったように、世界を騒がせた同じ一族の「オビト」に決着をつけるのは 同じうちは一族の自分の役割だと考えていたんじゃないだろうか。それが「イタチの意志」を守ることでもあり、うちは一族の生き残りとしての責任だとサスケはずっと感じてたんじゃないかと思うんですよね…。

一族のクーデターの件はほんの一部の人しか知らない事とはいえ、過去にそういった事実があった事、そして現にマダラとオビトという同族が世界を敵に回している事が、どれだけサスケの心に重荷を背負わせてる事だろう…? 
サスケ自身も世間を騒がせちゃったけど、自分がやった「チャラにはできない事」も含め、マダラとオビトがやらかした「さらにチャラにできない事」の責任を、サスケはたった一人で背負おうとしてるんじゃないかと、少々心配になります。 
サスケが常に「先頭に立とうとしている事」に、その強い決意を感じるんですよね。
 
さらに(以前も書いたけど;)サスケはうちはの石碑を読んだ(と思われる)ことで、マダラやオビトの意図、その背景にあるものを「誰よりも」分かっており、さらに柱間の話を聞いたことでこの戦況の「本当の意味、重さ」を誰よりも読んでいるんじゃないかと思えるのです。サスケはナルト達とは「かなり違う覚悟の重さ」を持って戦ってる…「過去を切る」ことで、何者かの意図で踊らされている忍世界の状況を断とうとしてるのではないかと。 
 
もし、もしこのまま「マダラとオビト」がただのお騒がせ迷惑コンビで終わったなら・・そしてうちは一族が「身勝手な発想でクーデターを起こそうとした」だけで終わるのなら、サスケは一生、肩身の狭い思いをしながら「うちは一族の愚考愚行」を背負っていかねばならない。これじゃあサスケの道は険しく重すぎるわけで、いずれきっと「うちは一族の名誉回復」はあるんじゃないかなぁなんて思ってしまうのです。サスケが「一族」を誇りに思える時も、きっと来るのだろうと(ちょっと先になるかもしれないけれど)。
 
でも、サスケが走ってくる姿を(そうか…… 負けか……)と見つめているオビトの表情が、やたらと「穏やか」なんですよね。そしてどこか「ホッとしたような表情」ですらある。
オビトは、自分に似てるナルトにはやたらと突っかかるけど、サスケのことは手放しで「可愛い」んだろうか…未来を背負う一族のサスケの手で決着をつけてもらうことも「受け入れてる」ように見えるし、或いは自分が負けた事にも「安堵」してるかのようにも見える…。
 
《サスケの行く手を遮るように、カカシが時空間から出てきて、オビトに止めを刺そうとする 》・・・かつて「忍組手」をやった時、オビトを倒してクナイを構えた時と同じように(636話に出てくる絵)。
 
「サスケ積もる話は後だ… 急に出て来てすまないが」
「かつて…同期で友であったオレに こいつのけじめをつけさせてくれ」
 
(クナイを振り下ろそうとするカカシ、それを受け入れるような無抵抗な表情のオビト…なんか柱間の腑を試した「相子」の時のマダラを連想しちゃう)・・・そしてカカシの手を掴んで止めた《ミナト先生》・・・
 
「オビト…チャクラを引っ張り合った時 君の心の中を見せてもらったよ」
 
「・・・・・・・」
 
「ずいぶん息子がガミガミ説教したみたいだけど …どうやらそういうとこは母親ゆずりみたいだね…」
 
「・・・・・・」 「父ちゃん」
(このナルトの表情は、説教中の大人っぽい顔してた「カッコいい」ナルトより、ずっと“自然体”でナルトらしいと思ってしまった。・・ナルトも「つい頑張っちゃってた」んじゃないのかなぁ)

「・・・でも本来それをやるのは君の役目だ」 
(カカシのほうを向いて言うミナト)
 
「オビトを本当に理解し何かを言えるとしたら…」
 
「友達の君だと思うよ カカシ」
 
《かつて》同期で…とか、友で《あった》…とか。
 
あえて「過去形」で語ったカカシに、ミナト先生は「友達の君」“過去形ではない形”で告げている。 “同期”なのも、そして“友”なのも、「過去形」じゃあない…「今だって」友達だろ?とミナトは指摘してるんじゃないだろうか。
やたらと『かつてのオビト』『今のオビト』と言い分け、オビトを2つに分けて「気持ちに踏ん切りをつけようとするカカシ」に、『オビトは昔も今もオビトで別人じゃない、同じうちはオビト』なんだと…目の前のオビトを「受け入れるように」ミナト先生は諭してくれたんじゃないかと思います。 
 
んんーー、時空間に居てカカシは何か考えを変えるかもと期待してたんですが、その点に関しては「変わらず」でしたねぇ;カカシは相変わらず《オビトのけじめをオレがつける》と考えてた。つまり、カカシは自分がやれる事は「今のオビトを」ころす事だけだと・・それが「かつてのオビトを」守ることになるとか、正直分かり辛い「理論派ならではの理屈」を考え、そういう「言い訳」で無理に自分を納得させようとしてたんじゃないかと思うんです。 本当は、カカシは「心では」オビトにけじめをつけるなんてイヤだったと思うんですよ… だけどカカシは「死に様を守ることが自分の務め(責任)」と思ってるところがあるし、無理やり「かつてのオビト」と「今のオビト」を分離して、殺すのは「今のオビト」なんだと自分に言い聞かせていたに過ぎない(と思う)。だけど、ミナト先生は(カカシに再会したばかりだけど)、瞬時にカカシの「自分を必死に納得させようとしてる」無理やり感を見抜いてしまったのだと思います、「先生」だから。
 
そして、カカシがやるべき事は《オビトをころす事》ではなく、《オビトを本当に理解してやること》なんだとカカシに優しく諭した…
オビトを抹殺する事は“他の人でも出来ること”かもしれないけれど、オビトを本当に理解できるのは、友である“カカシしかいない”。
 
そして本当は、カカシだって「分かってた」んだと思います・・時空間内の決闘でも「抜け忍は抹殺するのがセオリー」なんて考えながら、真逆のナルトの発言「サスケはぜってーオレが連れ帰る!」なんてのを思い出してたぐらいなんだから・・・ つまり相反する考えの中で、カカシは「オビトはぜってーオレが連れ帰る!」のほうを望んでいたんですよね《本当は》。 ミナトはやはり「先生」だなぁ…カカシの「本心」をすぐに見抜いてしまったんじゃないだろうか。
 
ミナト自身にも何か体験があるだろうか、「一番分かってあげられるのは友達なんだ」ってこと、ミナトはよーく分かってる。 相手の心を理解できるのは、あくまで「同じ目線で」ものを考え、見て、感じることが出来、喜びも悲しみも共有できる「友達」なんだって事… 上から目線での説得や説教ではなく「相手の心を理解する事」が一番大切なんだってことを、ミナトはよく分かってる。
だから、ナルトの「上からのお説教」だけではオビトを「本当に理解し動かすこと」は難しく、それは「カカシの役目」だとも分かってる。
 
ミナトは、外伝(27巻240話)でも「こんなことを勝手に話しちゃいけないのかもしれないけれど」と前置きしつつ、オビトに「カカシの心の傷=サクモの真実」を語って聞かせてるんですよね。
 
「カカシと同じ班の君には知っておいて欲しいんだ」と言い、そして・・
「オビト…少しでもいい… 分かってあげてね」と言っていた。
 
つまり「カカシの事を本当に理解してやれるのは、友達の君(オビト)だと思うよ」と・・だから「少しでもいい」から分かってあげて欲しいと、ミナトはオビトに言ってたんです。
 
当時、ミナトが担当していた教え子「カカシ、オビト、リン」のうち、ミナトが一番心配したのは実は「カカシ」だったのではないか…と思うんです。
一番優秀でシッカリ者に見えるけど、本当は心の傷を隠して強がっていたカカシの事が、落ちこぼれ全開のオビトよりも「さらに」ミナトは心配だったんじゃないだろうか。
 
だけどミナトが「上からの立場で」心配したり同情したんじゃ、カカシは余計に殻の中に閉じこもってしまう(外伝を見ると、ミナトの前では一人前ぶった発言を繰り返し「ミナト先生と対等なんだ」的なカカシの態度が目立つ)。だから・・・カカシの事を本当に理解してやれるのは「同じように孤独だったオビト」だとミナトは信じてたんじゃないかと思うんです。そして、今はその逆、オビトのことを本当に分かってやれるのは「同じ心の傷を持つ」カカシ以外に居ないと・・ミナトは確信してるんじゃないのかな。
 
でもカカシだって、「先生として」同じことをやってるんですよね・・自来也が戦死した時、カカシはあえてナルトに「同情的な言葉」は掛けてない。そして、その役割を「同期で同じ心の傷を持つ」シカマルに託してる。 
オビトだって、ナルトにイタチの真実を語って「サスケを分かってやれ」的なことをやった・・という話については、しつこく申し上げている通りです。カカシもオビトもやはり「ミナトの教え子」・・分かってるんです、本当は。
 
そして、もしここでカカシがオビトに「けじめをつけて」しまったら・・・
忍世界は今まで通り「敵を倒して終わらせる」ことになり、今までと何も変わらなかった。 五大国も「共通の敵」がいたから一時的にまとまったけど、これから先、再び問題やら対立が起きた時は「今まで通り」相手を倒して終わらせる事になる。 でもそれじゃあ忍世界の問題は、根本的に何も解決できずに終わってしまったハズで、自来也がナルトに託した「戦いを止める為の答え」・・《本当に理解し合うこと》とは程遠い結果に終わってしまったと思います。
 
だから・・ミナトがカカシの手を「止めて」オビトとの間に入った事は、非常に大きな意味があったと思うんです。 
 
ミナトは十尾玉を海に飛ばしたり、忍達を飛雷神で救ったりと、とにかく「救世主」にふさわしい活躍をしてるわけだけど、でも・・一番「救世主らしい」行動は、ここで「カカシの手を止めてオビトとの間に入り、本当の意味での理解を求めた」ことだったんじゃないだろうか?
ミナトがカカシの手を止めたその瞬間に、忍世界のうねりは「大きな変化」を見せたのではないか・・そして新しい「先」が見えてきたのではないかと思ってしまう程です。そのぐらい、ミナトが止めてくれたことは後の世界に「大きな結果」を残すことになるんじゃないかと思えるんです。敵をただ「倒せばいい(そういう形でケジメをつける)」という発想を「転換」させる・・
 
「カカシの理解力」・・・これについては、もういい加減「うざいよ!」と叱られそうなぐらい、このブログで連呼して参りましたが(60巻567話以降ずっとかなぁ)、でも連呼してきた甲斐がちったぁあったのかな…やっと567話の「カカシの理解力フラグ(と私は勝手に思ってる)」が回収される時が来たのではないかと感じています。
 
繰り返すのはナンなので過去記事(「なぜガイとナルトはカカシの「理解力」と言ったのか」の雑考)を見ていただければ・・と思ってますけど(厚かましいですが)、カカシに必要なのはお得意の「分析」等を意味するほうの「理解力」ではなく、相手の心を知ろうとする理解力」…こっちのほうじゃないかと思ってました。つまり今まで忍達が封印してきた《本当の意味での理解力》ってやつです。
 
今までカカシが「躊躇してきた」他人の心に踏み込むこと、そして「相手の心を分かろうとする事」に、カカシは…素直に向き合うべき時が遂に来たんだろうかという気がしています。
 
ナルトがオビトの心に踏み込んだ事、あれは「やり方(チャクラをくっつけて入り込むこと)」に多少問題があったと思うんですけど、「相手の事を知って心を分かろうとする事」そのものはとっても大切だと思うんです。だけどフツーは「チャクラをくっつけて相手の記憶を見る」なんて出来ないから、相手の話を聞き、心を想い、理解しようと努めることしか出来ない・・・でも、それが大切なんじゃないかと思うんです。 
たとえ「全て」を分かる事は出来なくても、ミナトが言ったみたいに「少しでもいい…、だけど分かってあげてね(分かろうとする)」事が大切なんじゃないだろうか。
 
カカシはあまり他人の心に深く踏み込もうとしない(しなかった)・・例えば教え子のサスケに対してもそうだったんだけど、それは自分が「踏み込まれたくなかった」からだと思うんですよね(という話を前もしましたっけ)。かつてカカシは、オビトによって「閉ざした心」を開けてもらったけど、あれから色々あり過ぎて、再び心を閉ざしていた部分はあったと思うんです。昔と同じで、強がって頑張り過ぎてきた・・本心に素直になれない部分が・・・肩に物凄く力が入っていたところがあった。
 
「今のナルトよりもまだ小さかったかな… 覚えてるかい?4人でこなした任務の数々を…リンは…医療忍者として君達2人を必死に守ってた… こんな状態を望んじゃいなかったろうね」・・・そういって、ミナトはカカシが構える腕を「スッ」と下ろさせ、「でもそうさせてしまったのはオレの責任だ」と言ってカカシから手を離した…。 この時、カカシの肩に十数年間ずっと入りっぱなしだった「力」もスッと抜けたんじゃないか…なんて思います。カカシの険しかった表情も、一気にスッと緊張が解けている…
 
おそらくカカシは「全ては自分の責任」だと思ってたんじゃないだろうか。そして一人でそれを背負おうとしてた…仲間を守れなかった事も、オビトを止められ無くてこういう事態になったことも、おそらく「全て」…自分の責任だと。
ミナトは「(上司である)オレの責任」だと言って、カカシを自責の念から救ってやったのかもしれません。
 
「死んだハズのオレが君達の前にここにこうして立っているのは
偶然じゃない リンがそうさせたのかもね」 
「先生のくせに何やってんだって」
 
「リンを守れなくてすまなかった」
 
「・・・・・・」
「・・・・・・」 
(オビトとカカシ、切ない表情を見せる)
 
リンを守れなかった事・・それがミナト班が共有する「痛み」。
 
そしてカカシもオビトも、互いにリンを守れなかったのは「自分のせい」だと思って自分を責めてきた。勿論ミナトだけのせいでもないし、特定の誰のせいでも無いのだけど《お前達のせいじゃない》という「先生ならではのひとこと」が、深く傷ついた2人の教え子たちの心を救ってやったんじゃないだろうか・・《お前だけが悪い訳じゃない、お前だけが背負っていくことじゃない》のだと。 
そしてようやく彼らは『自分を許してやる』気持ちになれたんじゃないだろうか。十数年の苦しみから、ちょっとだけ彼らは解放されたような表情になってる…
 
そして「解き放たれた」カカシは、急に表情が「本来のカカシ」になってますねぇ。外伝でも「一人の時に」そっと見せた、どこかちょっと「弱い」、繊細で優しそうなあの表情です(27巻132~133頁参照)。ミナト班の「生き残り」として、今まで一人で「頑張ってた」んだなぁ・・・カカシもようやく「心の仮面」を引っぺがすことが出来たのかもしれません。
ここから先のカカシは、切ないような頼りなさげな表情も「隠さない」。そして「迷ってブレまくる」心も無理に隠さない・・・
 
「オレもハッキリは分からない」
「(オビトの道も)本当は間違いじゃないのかもしれない…」
「オレだってこの世界が地獄と思ったさ…」と。
 
でも、私はカカシの「ブレ」や「ズレ」は悪くないと思うんです。それだけ「心」がある証拠…「心」を忘れてない証拠なのだから。
 
「でも…」
 
「ハッキリとは分からないが 「眼」をこらして見ようとはしたんだ」
 
「お前がくれた写輪眼と言葉があれば」
 
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「見える気がしたんだよ」
 
…久々にリンクした、カカシとオビトの写輪眼(表情)…半面ずつ合わせた、カカシとオビトの顔(27巻162頁、そして604話以来かな)。同じような悲しい眼をして「気持ちを共有した」表情、「同じ眼」… やっとカカシとオビトは「こっちとあっち」という立場を超え、想いを同じにしたんじゃないだろうか。
 
で、ブレたり迷ったりする中で自分が「これだけは」信じることが出来ると思えるものをカカシはシッカリと見付け、ようやく本当に「先が見えた」と確信できたのかと思うんです。だから、ここからのカカシの言葉は「自分でも納得してるから」説得力がある。
 
 
「あいつ(ナルト)も失敗するかもしれないよ ――そりゃね」
「あいつが道をつまずきそうなら オレが助ける」
 
「あいつは自分の夢も…現実も諦めたりしない ――そういう奴だからさ」
「そしてあいつのそういう歩き方が仲間を引き寄せる」
「つまずきそうなら助けたくなる」
「そのサポートが多ければ多いほどゴールに近づける」
 
「お前だって見ようとすれば見えたハズだ… オレとお前は同じ眼を持ってんだからな」
 
「信じる仲間が集まれば 
希望も形となって見えてくるかもしれない…」
「オレはそう思うんだよ…オビト」
 
(上を見てひたすら神樹を駆けあがるナルト…対照的に下を見るような目線のオビト。オビトは「実際には」下を見てる訳ではないのだが、この画の対比はいいですよね)。
 
オビトはリンのことを「オレにとっての唯一の光明“だった”」と言ったけど、ミナトが言ったみたいに3人が再会できたのも「偶然じゃない」のだとしたら…リンは「今でも」カカシとオビトを導く光明なのかもしれないし、けして「過去形」になるもんじゃないと思うんです。今もカカシとオビトは「友達である」のと同じように… そしてミナトだって、これからも2人の先生であり続けるんだろうと思います。2人の心の中で…
 
《ミナトにマダラの封印を手伝えと言われ、「あっ!そっか!あいつがマダラ」…じゃない「あいつがまだだ!」って…マダラさんのこと、忘れないであげて。》
マダラは何をするつもりなんだろ。
 
十尾はチャクラを抜かれた「抜け殻」となったし、オビトもこれで十尾とは「分離」したとは思うけど、これから先、尾獣たちが「元自分」の十尾とどう対するつもりなのか、そして忍達は十尾とどう向き合うつもりなのか。
マダラが一体何をしようとしてるのかも不明だし、そろそろマダラの「本当の腑」も分かるんじゃないかとは思ってるのですが、やはりマダラを「本当に理解できるのは」柱間なんだろうと思います。
 
ミナトがカカシに《オビトを本当に理解し何かを言えるとしたら 友達の君だと思うよカカシ》と言って「そうだろナルト」と言ったのは、アレは…「ナルトはオビトの心を見て分かったつもり」で説教したけれど、やっぱり「カカシほどにはオビトを本当に理解出来ない」ってこと…そしてナルトが理解してあげるべき相手は「サスケ」なのだと《お前がやるべき事はそっち》だと伝えたかったのでしょうかね…。
 
いかに「本当の意味での理解(心を知る理解)」が難しいか… 
あの自来也だって大蛇丸のことを「本当に理解する事」は出来ず、説教して引き留めようとして失敗し、「分かってない」と言われ失敗してしまった… そして自来也は「人々が本当の意味で理解し合える答え」をナルトに託したわけだけど、「カカシとオビト」はその手本をナルトに示すことが出来るのだろうと思ってます。カカシがオビトをナルト以上に「理解してみせること」…それはナルトが見つけられなかった「オビトが隠している本心、本当の想い」を感じとることだと思うんですが、カカシなら・・きっと出来る! オビトは「まだまだ」語っていない事、誰にも見せてない「大切に守ってる何か」があるだろうと思ってます(鬼鮫がどーしてもアオバに心の中に踏み込まれたくなかった、守りたかったモノがあったように)。オビトの「真実」が分かるのも「これから」です(きっと)。
 
戦争を終わらせる答え、「本当の意味で理解し合うこと」…それは敵を倒すことよりも難しく「険しい道のり」だけど、お互いの心を「ちょっとだけでも」知ろうとする事が新たな「光明」になるんじゃないだろうか。まずはオビトに最も近い「ミナト班の仲間」から始まって、さらに「同期達」、さらに皆にと理解し合うことがひろがっていけば・・それはサスケとも本当に理解し合える道に続くかもしれない。
573話のサスケの孤独だった「轍」も、皆の轍と一緒に輝きに続いていくんじゃないだろうか・・・さらにはマダラ、十尾とも・・・
 

(雲が月の光を隠し、地上は暗闇に覆われるけど・・神樹の花の上でナルトが作る「大玉螺旋手裏剣」の光が、希望の光となって輝く)
 
「今度こそ…お前は散る事のない希望の花であってくれ」と小南はナルトに弥彦と長門の想いを託したけど(449話で)、「神頼みの」神樹の絶望の花の代わりにナルトが照らした「希望の花」。夜明け迄にはまだ時間がありそうだけど、あたりに立ち込めつつある「雲」を、いずれは“暁”の光が赤く染めるのでしょう…。
 
 
ナルトの「希望の花」を、小南も…「どこかで」見てるんじゃあないのかな…?
 
(「オビトのすり抜け能力は5分間」情報を開戦2日目に連合本部に寄せたのは、小南本人じゃないかと思ってるのですがね・・そろそろ判明しないかなぁ)。
 
 
 

☆長駄文読んでくださって感謝。
☆次週は「休載」、12/4(水)にコミックス67巻発売です。

(ナルト好きブログ!2013/11/18)