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NARUTO-ナルト- 642:突破口 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ37/38合併号) その4 『ミナトとオビト』

NARUTO 642:突破口 その4 (ミナトとオビト)

(その3の続きです)・・・
 
いつも以上に長くなってて本当にすみません(土下座)。 
「いつもなら、月曜日に全部書きあげるハズだったのに… もし月曜に書き終えてさえいれば、今頃は別の話題を書いていたかもしれない」… いや、月曜に書きながら途中で「こりゃ無理だ・・」と分割書きを決断しました(大袈裟)。 次号が26日なので、今回はゆっくりさせて頂いております(すみません)・・
 
 
(ミナト) 「オビト お前が成りたかったのは火影のハズだ」  
 
「どうしてこんなことを…!?」
 
(オビト) 「今さら説教か 遅すぎやしないか……先生」
 
(ミナト) 「・・・・・・」
 
(オビト) 「アンタはいつも肝心な時に遅すぎるのだ」
 
 
ちょっと気になるのは、オビトが「肝心なところで間に合わなかった」としてリンの事件を思い浮かべているのに、ミナトはリンの事件の事をまだ一度も思い出していないところ・・・これが不自然に思えるんです。 単純に「まだ」触れていないだけかもしれませんが、でも真っ先に考えついても良さそうなんですよね。 まさかミナトはあの事件を「知らない」なんてことは(ないか…)。
 
あくまで「個人的な感じ方」ですが、仮面男が“オビトだった”と知ってからのミナトは、“頭と体のキレ”が今ひとつ鋭さに欠けてるように感じるんです。 今まで描かれたミナトの戦い方・・たとえばカカシ外伝や九尾事件、エーとの戦い、オビトと判明する前までの穢土転ミナトの戦い方は、扉間以上に頭も体も動きが早く、確実に「次の手」を打っていたのに、今のミナトは・・扉間のサポートやナルトの咄嗟の適切な判断が無かったら、結構危なかったかもしれない。
 
毅然と振る舞っているようには見えても、やはり動揺は隠しきれないといいますか・・《あのオビトが何故?》の想いが、ミナトの中でますます強くなっていってるんじゃないだろうか。 その戸惑いが、ミナトの動きを鈍化させてるように思えてしまうんです。 
ナルトが「火影」という夢に真っ直ぐ向かっている姿に「目を細める」一方で、その姿が「かつてのオビト」に重なって、《ナルトとオビトが似ていること》を感じるにつけて余計に《なぜ?》の想いが強くなっていってるんじゃないだろうか。 《ナルトとオビト》・・・同じ夢と希望を持っていた2人が、どうして「真逆のような」立場になってしまったのか。 まるでパラレルワールドに生きる「同一人物の2人」を同時に見ているような、ミナトはそんな戸惑いを感じているかもしれない。 
 
そして・・・《お前は~~のハズ》だとか《どうして》とか。
 
カカシも同じような事を言ってましたよね、戦死した《ハズ》だとか、お前は木ノ葉の英雄だ(なのに・・)とか、《なぜそうなった》 《どうして》 《なぜだ!?》と。  
カカシもミナトも・・ 2人の「ハズ」とか「どうして」という言葉は、オビトがこうなった「理由」を知りたいからという以上に、「信じたくない」という想いから出た言葉にも思えるのです。 《いや、そんなハズはない》と、現実を受け入れることをまずは「否定」したいんじゃないか。 オレの知っているオビトはこんな奴じゃない、だから「今のオビト」は本当のオビトじゃないと・・まるで今のオビトが「幻」であるかのように否定したいんじゃないだろうか。
 
以前もカカシの《ハズ発想》について考えたことがあるんですが、《~~は~~のハズだ》という自分の知識と認識あるいは願望に頼った発想は、時に真実、現実を無意識に「否定」してしまうのではないだろうか。 そういう一人一人の小さな「己の認識・知識・願望に頼った認識」が、実際に横たわる「真実・現実」を見る目を曇らせ、無意識に「目を背けさせる」結果になってきたのかもしれません。 「認めたくない」という現実否定、「こうであるハズだ」という夢(幻)の肯定・・・大袈裟に言えば《ハズ発想》という思い込みによって、忍達は己に幻術にかけてしまっているのかも・・・それらの幻が いつの間にか忍世界に大きな幻を生み、内に在る矛盾や本末転倒に気付けないでいたんじゃないだろうか。 
 
 
「オレの師が火影でよかったよ」

「……」

「おかげで火影を諦められた」
 
一瞬、ミナトは「オレの師が火影でよかった」と言われて褒められたのか?と言うような表情を見せますが、「おかげで火影を諦められた」という強烈な嫌味によって、「自分を責めていく」・・・
 
 
「確かにあの時すぐにオビトだと気付けていれば オレがオビトを止められたかもしれない」、
「そうしていれば、クシナを死なせずに済んだかもしれない」、
「ナルトを九尾の人柱力にしなくてよかったかもしれない」、
「オレがオビトだと気付けてさえいれば…!!」
「そもそもこの忍世界がこんなことにならなかったかもしれない…!!」
 
《もし~だったら、あの時~だったかもしれない》とか、《もし~だったら、今、~だったかもしれない》とか。 さぁ受験生の皆さん、これを英作文してみよう!なんて言いたくなるような(ゴラッ)仮定法なんたらの…実現しなかった数々の「願望」。 
 
穢土転されてこの世界を見てみれば、自分のせいで忍世界がこんなことになってしまったという強い後悔の念と共に、「認め難い現実を否定したい想い」がミナトの頭ン中に駆け巡っているんじゃないだろうか。  ミナトは、オビトに厳しい言葉を突き付けられた事で「後悔」をし始めていますが、でもホントは・・仮面が「オビトだった」と分かった時から、既にこの後悔は生まれていたと思うんです。 だけど、それどころじゃないし・・オビトを「止める」ことに専念してたのだと思いますが、本当は・・心の中では当然、かなり動揺していたと思うんです。 
 
オビトは、ミナトの心の中に在る後悔と「もし~だったら」願望を、あえて引きずり出してみせたんじゃないかと(あくまでも個人の感想です、ということで・・)。 オビトは、カカシに対しても同じパターンでカカシの「オビトに対する罪悪感」を引きずり出して、「幻術で創った都合のいい世界」に誘ったうえで、カカシにそれを「否定させて」いましたが・・ミナトに対しても同じ事をしようとしてるんじゃないだろうか(と推測)。 
 
「オレの師でありながら オレに気づきもしなかった しょせんそんなもんだ・・・アンタは」
 
「哀れだな……英雄火影として死んだアンタが息子の前で生き恥をさらしてる」
「そう…… 火影など今のオレと比べれば 哀れな存在でしかない」
 
しかし、そこまで言うかオビト・・・
というか「アンタ」呼びしちゃってますが、サスケじゃないけど・・オビトだって心の中では「ミナト先生」なのになぁ・・。 これらのオビトの酷いセリフ…もし「今週話しか読んでなかったら」、オビトはトンデモナイ奴だと思ったところです、間違いなく。 
 
ですが、当ブログでは過去の「トビ時代」からオビトの言動を雑考してきまして(書庫・うちはオビト「トビ」内の過去記事を見ていただければ・・)、オビト(トビ)には「考えがある」と解釈しております。 さらに、637話でオビトが今も「ミナト先生」の言葉を大切にしてる事が判明しましたし、640話ではミナト班のつながりを必死に「守ろうとしている事」が分かってますので、これらの言動が「本心からの言葉じゃない」ことは確かだと考えています。  それだけに《なぜ》オビトがこんな事を言い連ねているのか…そう考えると、カカシに対してやったのと同じように、ミナトの迷いや自責の念を吹っ切らせる事も目的なんじゃなかろうか・・とも思えるのです。 
 
それに、十尾の力を完全にコントロールするようになってから、オビトは「防戦一方」になっていますし、攻撃を「避ける」事だってできると思うのに、あえて避けてない…わざと攻撃を受けてる感じがあるんです。
 
さらに《今までのお前らの常識では計れはせんぞ》という、大ヒントのような言葉まで与えたりして…
忍達が本当の意味で“暁(夢からの目覚め)の時”を迎える為には、今までの『常識』やら、『己の知識やら認識に頼った理解』を覆していかないとダメなんじゃないだろうか。
 
(そういう意味でも、ビーの超マイペース発想、ミナトの天然さ、ナルトの意外性が、今までの世界に蔓延る「幻」を消す力になるんじゃないだろうか)。
 
 
 
そして、《アンタはいつも肝心な時に遅すぎる》・・という言葉なのですが。
 
 
ミナトというと《黄色い閃光》の通り名通り、誰からも《速い!》と言われる忍ですが、一方で《肝心な時には間に合わなかった》忍という一面も、実際にはあるわけです。
 
カカシ外伝(27巻239~244話)は、ミナトのこの台詞で締めくくられています…
 
間に合わなくって済まなかった… カカシ… 話は全部リンから聞いたよ…」 
 
カカシ外伝を波風ミナト(黄色い閃光)の物語」という側面から読んだ場合、黄色い閃光は「結局、肝心なところで間に合わなかった」物語・・とも読めるのです。  
そして、カカシ外伝の「エンディング」がミナトの「間に合わなくって済まなかった…」なら、カカシ外伝の「オープニング」はオビトのこの台詞で始まってます。
 
《やばい!!》
《このままだと…殺される!》
 
《間に合うか!?》
 
「ギリギリか?」
 
いや遅いから!オビト!」 (カカシ)
 
 
カカシ外伝という話は、オビトの「間に合うか!?」とカカシの「いや遅いから!」で始まり、ミナトの「間に合わなくって済まなかった」で終わる、ミナト班の《間に合わなかった物語》とも解釈できる・・・
 
確かに、神無毘橋の戦いでミナトがもし「間に合っていたら」、忍世界の歴史はガラッと変わっていたかもしれない。 でも、雑考その1でも触れたように、神無毘橋の戦いは《神無毘》という「神の磁場」とも言える特殊なフィールド上で起きた出来事であって、あの時ミナト班の運命は「神」によって操作されていたとも思えるのです。 神の御手によって「変えられてしまった」運命…
 
そして、630話…この戦場に登場した『穢土転ミナト』が最初に言ったセリフは、
 
「遅かったか?」
 
イヤ… ピッタリだぜ父ちゃん!!」 (ナルト)
 
カカシ外伝のオープニング、「間に合うか!?」 「ギリギリか?」 「いや遅いから!」とは対照的なオープニング。
 
このオープニング…ミナトがこの戦場に降り立った時から《カカシ外伝PART2が始まった》・・といも言えるんじゃないだろうか。 今度こそ《イヤ…遅いから!》でもなく、《間に合わなくって済まなかった》でもなく、《イヤ…ピッタリだぜ!》で終わって欲しい。 そしてそれを「予感させる」ナルトの「ピッタリだぜ」の言葉… 
カカシ外伝PART1冒頭のカカシの「いや遅いから!」がPART1の「結末を予言するモノ」だったように、ナルトの「イヤ、ピッタリだぜ!」もPART2の「結末を予言するモノ」じゃないだろうか…。
 
神の仕業で「曲げられてしまった」ミナト班の運命を、ミナト班の時間を、ミナト班のつながりを、彼ら自身の手で「取り戻して欲しい」と思うんです。 この前、オビトが「ちぎられたミナト班の写真」を取戻し、つなぎ合わせていったように・・・
そして、仮定法過去完了で《もしあの時~だったら、~だったのに》ではなくて、自分達の手で《もし~したら、~できる》という・・・「未来を決める」方法で。 
 
そして、それが「出来る」ことを予感させてくれたのが、次の「ナルトの行動」なのです。
 
 
 
 
ミナト先生、ナルト・・・カカシの事も思い出してやってくれ(苦笑)
 
※すみません、その5(これで最後だ)、ナルトと仙術、陰九喇嘛の事に続けます・・・長文ごめんなさい。