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NARUTO-ナルト- 626:柱間とマダラ 其ノ弐 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ19号) その2 (回想の終わりに・・)

NARUTO 626:柱間とマダラ 其ノ弐 その2

(その1の続きです)
 
そして、この次の、柱間の言葉・・・これが辛い。 柱間とマダラは、ここで「運命に選ばれた者」としての道を完全に外れてしまったような気がします・・
 
「オレはオレたちの・・・」
「イヤ オレの里を守る・・・ 何があろうとも」
 
「オレ達」じゃなくって「オレの・・・」。 何とも悲しい決断の言葉ですねこれ・・。
 
柱間にとって「里を守る」ということは、かつての「オレ達の夢を守ること」・・・つまり「かつてのマダラの意志を守る」事だったのかもしれません。 だから「今のマダラ」は敵として斬り捨てる・・・ 
柱間はマダラを友、そして兄弟だと言ったけど「お前が“これから”どうなろうとお前を友、そして兄弟だと思っている」とまでは言えなかったんですね。
 
「里を守ることが何より人を・・・ 忍を子供を守ることになるとオレは今でも信じる・・・!」
「たとえそれが・・・友であろうと兄弟であろうと 我が子であろうと・・・ 里に仇なす者は許さぬ」 (柱間)
 
本来なら大切な者を守る手段だった「里」が、手段ではなく「目的」にすり替わっちゃったんですね。柱間の「影を背負う覚悟」の言葉は、既に「里の闇を背負う言葉」にもなってしまってる。
 
「…変わったな…柱間…」
「…本末転倒だな……」

「それが…里の…闇になる…」 「いずれ…」
 
かつて・・・マダラは「弟だけは何があろうとオレが守る!!」と言って、柱間と「子供や兄弟を守れる集落をつくろう」と夢を語り合ったのに・・火影となった柱間は「里だけは何があろうとオレが守る」、そのためなら友も兄弟も斬り捨てると言い切った。 マダラが里の「先」に見ていたのは「本末転倒になった忍世界」だったんじゃないだろうか。 
 
忍の為に里が在るのではなく・・・里の為に忍が在る世界。 「里」が要なのか・・・「大切な仲間」が要なのか。
 
この問題は、のちに「サクモの選択」という形で表面化します。「里を優先するか、仲間の命を優先するか」・・・ だけど「里が要よ」の考えを受け継ぐ木ノ葉では、「仲間」を選択したサクモは責められ、死に追いやられた・・・ 
 
そして息子のカカシでさえ肯定しなかった「父サクモ」のことを、ただ一人・・・「本当の英雄」と言いきったのが、オビトだったんですよね。 オビトは・・・マダラと同じ、「里」のために大切な存在が犠牲にされる忍の世界に疑問を持った一人だった。  
 
最大多数の最大幸福こそが扉間が言っていた「民主的な運営」のためには重要なのかもしれませんし、「里か、仲間か・・」どちらを優先すべきは難しい問題で、そう簡単に答えは出せるもんじゃないと思います。 だけど・・その陰に生じる少数の犠牲は里の闇となって、確実に増え続ける。 
 
《オレはこの時 覚悟を決めた “今を見守る”ために耐え忍ぶ覚悟をだ》
 
「今」という夢を守るために、斬り捨てた「友」。 何かを守るためには何かを犠牲にしなくてはならないことを、柱間は実感したんじゃないでしょうか・・・里という夢を守るために、友でさえ犠牲にしなければならない、と。
 
今を見守るための「耐え忍ぶ覚悟」・・・ここで言う「忍ぶ」とは、友でさえ斬り捨てるという「刃で心を殺す」忍ぶなんでしょうか。 「要」である里を守るため、平和や秩序を守るために、刃で心を殺す・・・柱間はこの時、心を刃で無くしてますよね・・・ 突いたのはマダラの心臓だったけど、ホントは自分の心を刃で突いてたんじゃないだろうか・・。
 
そしてこれって、今「あっちの戦場」で、カカシがオビトにやってる事と同じだと思うんです。 
「今のナルトを守ることが、かつてのお前の意志を守ること」と言い・・・カカシは、連合軍に仇なす敵である「今のオビト」と戦う決意している。 それで私はずっとモヤモヤしておりまして・・たとえ忍連合の奴らが何と言おうと、お前だけは「オビトの友」であって欲しかったよ・・・!ってね。 「忍連合部隊長」なんて肩書き、気になんかするな・・って。
 
いずれナルトとサスケも同じ局面に立たされるかもしれませんが、その時ナルトには「お前がどうなろうと、ずっと友達だ」と言ってもらいたい(ナルトなら言える、と思っていますが)。 この戦争は、忍が「心」を取り戻すための闘いでもある・・と思っております。
 
《そうして・・・マダラとオレの戦いは終わった》
 
(マダラが倒れた直後・・・柱間は何かの気配を《!》と感じ取っていますが、見上げた崖の上には何も無かった・・・マダラの本体なのか、あるいは抜け出た霊体のようなモノなのか、あるいはこの前窓の外に感じた気配だったのか・・・。)
 
マダラと柱間の考えの違いは、「先」を重要視するのか・・・あるいは「今」を大切にするのかにあると思うんです。 かつて「遠くまでよく見える 目の良さならお前に負けねェ自信がある」と言っていたマダラは、いつも柱間より「先を見てる」んですね(見ていたい、のかもしれない)。 写輪眼とは「先を見据える」眼・・・ そして「今と今までを大切にする」のが柱間。 だけど2人で夢を語り合った時の柱間は、こう言ってたんですよね・・《オレはこの時 覚悟を決めた 先を見るために耐え忍ぶ覚悟を》と・・。
あの時の二人は、一緒に「先」を見てたけど、火影になった柱間は『今を見守ること』にこだわり始めてしまい、マダラと守りたいものが違ってきてしまった。
 
そしてこの問題は あっちの戦場でもオビトとナルト達がぶつけ合ってる問題の1つでもあるんですよね「今のつながり」を大切にする連合と、この戦争の後には脆く崩れると言い「これから先」にこだわっているオビト・・・(「先」を見据えてる時点で、オビトが本気で「無限月読」をやろうとしてるとは思えないわけですが・・)。 
「今」にこだわるのか・・・「先」を考えるのか。「今」をどうやって「先」へ繋げていくのか・・・その答えを、ネジたちの死を通してやっと忍連合も見出しつつあるような気がします。 
 
「・・・今マダラがどう復活したのかは分からぬが・・・ オレは確実に友を殺した・・・ ・・・里の為に」
 
「・・・そう・・・」
 
「里とは・・・」
 
「始まりに… マダラとオレが望んだ里とは… 一族と一族をつなげるものだった」
 
「無秩序から秩序を形づくり それを保つための大切な要だった」
「子供達を守り 無駄な争いを避け… 平和を実現するものだった」
 
「だが…」
「君の兄… イタチが背負ったような闇を生み出してしまった」 「・・・・・・・」
「マダラが言った事は正しかったのかも知れん…」 「この状況を見すえていたのかもしれん…」
 
「…この状況を作りあげてしまった忍とはオレだ 
そしてそれをよしとした忍もオレでしかない……そして思う…」
 
「忍とは目標に向け 耐え忍ぶ者だと…」
 
「ただ何を目標に置くのかで忍も変わる… マダラとオレのように…」
 
 
柱間の回想を通して見た、柱間とマダラの物語・・・それは今まで語られていたような「千手とうちはの憎しみの物語」ではなかった・・という印象です。 柱間が語る「マダラ」には、柱間や扉間、里を恨んでいる様子は感じられず、ただ・・・柱間よりも「先に在る夢へ」届きたいと夢を追いかけ続けていた、純粋な人という印象でした。 そういえば、十尾を手に入れれば「試し撃ち」してみたくなっちゃうような、子供っぽい人ですからねぇ・・マダラは。
 
625話で柱間に火影になって欲しいと言われた時、マダラは「火影ってのは里にずっと居て皆を見守る役目って事か?」と言っていたけど、半分乗り気・・半分気が乗らないような顔をしていたのは、ただ見守るってことが「少々退屈」に思えてたんじゃないだろうか・・・? いつでも「先」を見て居たいマダラは、もっと・・先へ、まだ柱間も届いていない「先」を求め続けたかったんじゃないかと思うんです。 ライバルの柱間より「さらに先へ」。因果を断ち切った「犠牲になる者の無い、本当の夢の世界」を(柱間には決して届かない)瞳力で造り「見守る」と・・。
 
そして・・・マダラが見つけた道とは、石碑文を「別のとらえ方」で解釈し、六道仙人が示した「運命に選ばれた者たちの使命」にも抗い、意図的にコースを外したものではないか・・と思うんです。
そして、六道仙人の意図通りではない「別のとらえ方」の道をマダラが選んだのは、何者かの「意志」がマダラに関与したからではないか・・とも思っています(何者か・・・十尾神の意志か)。
 
終末の谷の戦いとは、マダラによって緻密に「計画」されたシナリオだったとしたら、なんだか・・・柱間はマダラに振り回されて踊らされたような気もしないではないんですがね・・。でも、柱間は最後には「火影として」友であるマダラを斬ったけど…マダラは「友である」柱間の手でこの世界から消される事を望んだのだろうか。…全てが「不可解」な、誰にも理解され難いマダラの決意だけど、それは「今」だけのためだけではなく・・・後々の子孫の代に至るまで「愛」を向けた結果だったんじゃないだろうか・・と思っています。その愛情が「おせっかいか、迷惑か」は別として・・。
 
 
そして『あっちの戦場の穢土転マダラさん』ですが・・・64巻を読むと、少しずつ「いい表情」になってきてるのが分かりますよね。 これは、オビトが「シナリオ外」行動で しかたなく?爺ちゃんに「己を拾わせてあげてる」からではないかと推測しております。 
重要な任務があろうと、困ってる年寄りを見たら「助けずにはいられない」・・・そして約束の時間に遅刻してしまうオビトの「お決まりパターン」は、今回も当てはまってしまうのではないか・・とね。
まずは「マダラ」という人物を忍達が理解する事・・・それが「うちは一族」に対する誤解を解き、いずれ「サスケが戻ってこられる世界」に近づく大きな一歩になるだろう、と信じております。
 
そして、何より・・「オレがこの状況をつくり出してしまった」と語る柱間が、うちはの子孫であるサスケに「里とは忍とは」・・・そして「マダラと自分」について率直に全て語り聞かせた事・・・それはサスケの為であり、復活した「友」マダラの為なのだろうと思っています。 それが自分の「果たすべき責任」と思っているんじゃないかと・・。でも・・・
 
さすがの柱間も、まさかマダラが「こんなに先まで」見守ろうとしてたとは・・思わなかっただろうけど。
 
 
 
 
☆満月の下で、横たわる「死んだはずのマダラ」・・・なんだか、うちは一族抹殺の夜を連想してしまいました。
サスケが居住区に入った時に、見上げたところに感じた「何者かの」気配、そして・・・横たわるうちは一族達の姿。 あの夜の出来事と似た「空気」を感じてしまうんですがね・・。 あの日、「マダラ」を名乗る男は、何をしたんだろうか。
 
☆柱間も言っていた、忍とは「耐え忍ぶ者」・・・そしてナルト達が出しつつある答え「耐え忍ぶ者」・・・少しずつテーマが「こっちとあっち」で重なっていってますね。 今度は、マダラがナルト達に話してやってほしいです、「本当の想い」を。
 
☆このあと、ミナトの回想でしょうか。 サスケはミナトには何を聞くつもりなのか・・・あるいは一度あっちの戦場に戻るかな?
 
☆その1、その2とも、加筆&一部考え直し&不足分、修正しました(4/8) すみません。
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
(ナルト好きブログ! 2013/04/08)