ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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NARUTO-ナルト- 647:後悔 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ43号) その2

NARUTO 647:後悔 その2

 
(その1の続きです)
 
・不完全の理由
 
「目覚め」に時間がかかるのはサスケだけじゃなくて・・・「神樹の花」も。
 
 
「なら…アレはいつ開く…?」 (柱)
 
「…八尾と九尾の人柱力がまだ生きてる …分かるな?」 (マダラ)
 
(開花させ…術を完成させるには 八尾と九尾のチャクラが必要不可欠だったということか…) (柱)
 
「だが少なからずその二匹のチャクラが入っていれば問題にはならん つまり開花ができないわけではない」 
 
「開花する時間が問題になるだけだ イムリミットは後約15分…」
 
「その間にオビトを止め入れ代わる お前の仙人の力を利用してな」 (マダラ)
 
以前オビトは「オレにとって十尾復活は完全である必要はない」とか「十尾が不完全でも復活すれば無限月読の術が組めるようになる」と言ってましたが(62巻で)、なるほど・・・確かに不完全「でも」よかったワケですね。 違いはただ、開花するまでに時間が出来るという「だけ」で。
 
八尾も九尾も入れ込む前に中途半端に計画を始めたオビトのことを「焦ったな」とか「せっかちなガキ」と言ってたマダラですが、一方で「お前のことだ・・何か考えがあるんだろうが」と、オビトが「中途半端」にしたのには理由があるのかも・・とも考えてる。 では実際には、どうだったんだろう? 
 
・・・オビトは八尾九尾を「捕獲できなかった」というよりは、「しなかった」のだし、それに魔像に溜めていた「一尾~七尾までのチャクラ」でさえ、白ゼツ大量製造で“意図的に”減らしていたわけで(54巻145頁参照)、計画的に「不完全にしていた」と思われるんです。 マダラも推測していたように《オビトには考えがあってのこと》だったのだろうと・・・緻密に計画を立てて動いてきたオビトだけに、「不完全な十尾復活」も、計画上でのこと・・・いい加減に焦ってやった結果ではなく、逆に「それが重要なポイント」だった可能性もあると思えるんです。  
 
マダラは「時間が問題になる〝だけ〟と言ってますが、その「だけ」の部分、「タイムリミットを設ける」ことにこそ、オビトの「こだわり」、オビトの計画の心髄があるのではないだろうか・・・と。 
 
そしてマダラなんですが、「オレが為す」事にこだわるのは、彼の真の目的も「無限月読」そのものではなく、その手前にある「奥の手発動」にあるからじゃないかと思うんです。 前回も、マダラはいかに「この世界に絶望しているのか」を語り、だからこそ「オレが無限月読を為す」、今回もオビトと入れ代わる(つまり自分が無限月読を為す)と言っていましたが、本当にマダラはこの世界に「絶望」してるのか、そして本当に「無限月読を為そうとしている」のか・・・まだ疑問を感じてしまうんです。 
 
マダラが言う「奥の手」が、具体的にどんな事なのかは分かりませんが、もし無限月読そのものが目的なら、「奥の手」なんて要らないような気がするし、ここまで柱間に計画を話しておきながら、まだ「奥の手」の事だけは語らない・・ってのも《奥の手が計画の心髄》だからじゃないだろうか・・・そしてその種明かしは、最後の最後まで「皆に秘密」なのかもしれません。 
 
マダラが柱間に色々と語って聞かせたのは、とにかく柱間や連合の力を借りてでも、タイムリミット内にオビトを「止めて」、ど~しても「奥の手発動」をする必要があるからだと思うんですよね。 奥の手が発動された時、やっとマダラの「腑(はらわた)」が明かされるのかもしれませんが・・・
 
とはいえオビトだって、マダラが虎視眈々と「入れ代わり」のチャンスを狙っている事は当然承知でしょうから(激しい十尾の人柱力の“取り合い合戦”もしたわけですから)、あんまり長いタイムリミットを与えることは、オビトにとって不利になる・・・《もう少しチャクラを取り戻しておくか… 開花には時間が掛かり過ぎる》なんて微調整しようとしてるのも、マダラが動き出した事も警戒しつつ・・の事かもしれません。 いよいよマダラとオビト、お互いの「譲れないもの」を賭けて「ラスト15分」の駆け引きが行われそうですな・・。
 
 
 
・「そんなもの」で終わるのか・・・
 
しかし、漫然と戦いが行われてきたこの戦場にも「タイムリミット」が出来た事で、がぜん緊迫感が増したというか・・・この15分後がこの戦争の「クライマックス」になりそうな感じですね。 
「開花の時間」・・・これが、オビトが言っていた「約束の時間」なのかもしれません。人間が「禁断の実」に手を出した結果への、神(神樹)による「審判の時間」となるのでしょうか。
 
 (じゃあ・・・!オレ達はあの木の養分ってことですか!?)
(忍とは・・・そんなものだったのですか!?)・・・(柱間から説明を受けた忍達の台詞)
 
たしかに「忍」という存在は、神から借りた力で成り立つ「夢の産物」みたいなモノ・・いずれ吸収され消えてしまう事を運命づけられた、「そんなもの」なのかもしれません。 
でも、諦めて「神の提示する平安」に全てを委ねてしまえば、それは人間が『神から借りた力』を制御できず、諦めて「放棄する」こと・・・所詮「そんなもの」だったと、認めてしまうことになる。
 
そして「チャクラ」を放棄し、無限月読(神の夢)が発動され、忍達が夢の世界の住人になってしまったら・・・今までのことも、全部『幻』になっちゃいますよね。 千年間(なのかな?)の今まで「全部」を、全て「無」にしてしまうことになる・・・
この世界を「本物」にするか、あるいは「幻」とするか。 忍達が「忍」で在り続けるのか「そんなもの」で終わるのか、それがこの15分間で、忍達が出す答え次第で決まってしまうのかもしれない・・。
 
まだ仮面を被ってた時のオビトがこんな事を言ってましたよね(597話)・・
 
「託されたものを失敗したら・・・お前自身はどう思うだろうな?」
「問題を先送りにして希望という言葉でごまかしても・・・虚しい現実が待つだけだ」
「託した側も託された側も・・・虚しいだけだ」 ・・・
 
これって、「神樹の気持ち」でもあったんじゃないかな・・と思うんです。
人間達に託してみた「力」を、人間達はロクな使い方をしてこなかった・・・それが神樹が感じてきた「虚しさ」だったのではないかと・・。
だから・・・神樹を「絶望」や「虚しさ」から救えるのは、この「ラスト15分間」に、忍達が「迷いながらも ちゃんと学んできているのだと」・・・神樹に示すことだと思うんですよね。
 
 
(何もしなければ結局同じ・・・ 時間内にあの木を切り倒すか 術者を倒すしかない) (柱間)
 
(でも・・・) (そこらの忍)
 
《諦めるなと 言ったハズぞ!!》 (柱間)
 
・・・・・(うつむく一般の忍)
 
「そうは言うがアナタは穢土転生だ・・・ もう死んだ過去の人だ・・・ だがオレ達は生きてる・・・」
 
とはいえ・・やっぱり忍達には「諦め」の空気が漂ってますね。 
そこそこお給料を貰って、そこそこ不自由のない生活を送れている「一般の忍」にとって、「忍世界の今後」だとか、「かぐやや六道仙人の時代からの因縁」とか、正直あんまり関係ないんじゃないかな・・あまりに「次元が違う」話に聞こえてるんじゃないかと思うんです。 あと15分しかないんだから、そんな事よりも「生き延びる」事しか考えられないんじゃ・・。 おまけに、「木ノ葉の内輪揉め」感が拭えないこの戦いで、「穢土転生の火影」が語る言葉が、どこまで「他里を含めた末端の忍達」の心を打つのか・・・少々疑問です。 
もちろん柱間の言葉は「先人からの温かい励ましの言葉」なんだけれど、やはり「立場が違う」・・・今の忍世界の基礎を作ってきた柱間の「この世界」へのこだわり方と、一般の忍達の「この世界」へのこだわり方には、かなり「差」があるのは自然だろうと・・・
 
「もう終わりだ・・・」
「こんな事ならいっそ最初から・・・」
 
「そうだ・・・そのままでいい・・・ 悔やむことのない世界に連れて行ってやる」 (オビト)
 
 
その膠着状態を破ったのは・・・やっと「目が覚めた」サスケ(須佐能乎で神樹の足のような枝をズバッと斬る)
 
 
イメージ 1
 

「ナルト・・・もう終わりか?」
 
「オレは行く」
 
 
で・・・後姿なんで、サスケが今「どんな表情してるのか」見えないのが残念なんですが、クールな表情のままなのか・・それとも「よし、決まったぞ」みたいな表情をしてるのか・・・「見せてない」ってことは、案外と「意外な表情」してるんじゃないかな(なんて勝手に想像)。
 
波の国任務の時、ビビってたナルトに、サスケが「ケガはねーかよ ビビリ君」と言って、ナルトがぐわ~っとなって(笑)・・そのあと大蛇丸を前にして足が竦んでいたサスケに、ナルトが「よォ・・ケガはねーかよビビリ君」とやり返し、あれからというもの、お互いに強烈に意識し合い、刺激し合ってきたんですよね、この2人は。
  
寝起きが悪いサスケを刺激して「始動させた」のは、ナルトの「機転が利いた判断」であったり「鋭い観察眼」だったわけですが、それって本来なら「サスケのお得意」のものですよね。
で・・今回ナルトを刺激したのは、サスケの「諦めないド根性」・・・これは本来「ナルトが得意とするモノ」。 何だか2人が「逆」になってるけど・・・それは、2人が昔からお互いを「認め合い」、そしてお互いの背中に「憧れ」を持っていた証なんだと思います。 
 
26巻の終末の谷で、ナルトは《サスケになかなか声を掛けられなかった過去》を振り返って・・・そしてサスケの「背中」を思い出して、
 
《オレは意地っ張りでホントの事は口にしなかったけど・・オレってばホントはお前みたいになりたかったんだ お前はオレの憧れだったんだ》
 
・・と呟いてるんですよね。
 
ナルトとサスケは、お互いを「目標」として認め合ってきた・・・だから、いつのまにかナルトはサスケのいいところを見習い、サスケはナルトのいいところを見習って・・お互いにそれを身に付けていたんですね。
 
サスケは、「こんなバカで腰抜けヤローはぜってーオレの知ってるサスケじゃねー!!」とナルトに言われて勇気を貰った事もあるけれど(中忍試験の時)、 あの時のナルトの言葉は《オレの知ってるサスケは腰抜けヤローなんかじゃねー》ってこと・・ちょっと荒っぽい言葉だけど、実は「オレはお前を認めてるんだぞ!」という・・日頃は「とてもじゃないが素直に言えない本音」まで言っちゃってる、「かなり熱い励まし」の言葉だったんですよね。 そして、ナルトは・・そういう「励ましかた」が、サスケには一番だってことも分かってた。 
 
そして今・・・ナルトが歯ぎしりしながら《ぶぐっ・・ぐっ・・》と悔し涙を流している間に、サスケが「ナルトお得意」の諦めないド根性で先を行き、《お前はそんなものじゃないだろ・・・諦めないのがお前だろ》とでもいうような言葉を掛けたのは、ナルトを『認めているから』こそ・・・そしてこれが「サスケだからこそ分かる」ナルトへの最高の励まし方法であり、ナルトへ「変わらぬ友情と信頼」を伝えた言葉なんだと思います。
 
サスケの背中は「オレだってお前の背中に憧れてきたんだから、負けられない」と、語っているようにも見える・・・ 
 
そして・・・《うちはの家紋》が、実に誇らしく見える。
 
サスケも意地っ張りだし、ストレートに表現は出来ないだろうけど、でも・・これが「お互い」だけに分かる、最高の信頼の表現じゃないかと思うのです。
「ビビリ君」と言い合った頃から、ずっとお互いを刺激し合い、実は(ホントは)お互いの背中に憧れ、お互いを認め合ってきた・・「いろんな事があったからこそ」の、以心伝心だったのではないかな・・・。
 
 
 
(すみません、その3まで続けます・・)