ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 652:ナルトの轍(わだち) 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ48号) その2

NARUTO 652:ナルトの轍 その2

(その1の続きです。 ナルトの綱引きに加わった、同期達…そして…)
 
「それだけじゃねェ」 (シカマル)
 
(ナルトを手助けするために、一斉に(ナルト達がいる)穴の中に飛び降りてくる大勢の忍達)…この画、凄くいいですねぇ…!!
 
忍達がみんな、全力で向かっていってる。それも「自信を持って」己の意志で、全く迷いが無い。一人一人、それぞれポーズが違うんだけど(全員違うポーズなんですよね、これが凄い)、全員フルパワーのヒーローみたいなカッコよさで飛びこんでる。どの忍も、文句なしにカッコいい!
彼らはもう、自分が「役に立たない小さな力」だなんて思ってないんじゃないか…それぞれが「自分」を感じてるんじゃないかと思います。自分は大勢の中に居る「掛替えの無い一人」であり、それぞれが「違う」からこそ、自分の役割があると信じてる。 そして…飛び込んでいく忍達の「輪」が、ナルトの周りに出来る…
 
《少しずつナルトの周りに仲間の輪が出来ていく…》はじめはイルカ、カカシ、第七班…それから同期、里の皆と増えていく…それはナルトの人生そのものですが、この戦場に於いても、前にもこういう描写がありましたよね、
はじめはカカシ先生とガイのふたりが第七班の教え子がガンバリすぎてんのに休んでる訳にはいかないでしょ!」とやってきてナルトの「盾」となってくれて(567話)…っていうアレです↓(629話の感想でも書いたもの)
 
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それから、次には忍連合の仲間達が皆でナルトの「盾」になってくれた(629話)。
 
イメージ 2

カカシがこの前言ってたみたいに《人は人一倍がんばる奴を見ると…おのずと手を差しのべたくなる》、ナルトのまわりには仲間が増えていった。
 
そして今度も・・・
 
まずはじめは、カカシ先生がナルトと一緒に戦うために、十尾目がけて「飛び込んでくれて」(610話…やっぱりカカシってナルトを必死に守ってるんだなぁ↓)、
 
イメージ 3
 
 
それから、今回は「同期達」がナルトと一緒に闘うために飛び込んできてくれて…さらに次は「忍連合の、数えきれない位たくさんの皆」がナルトと一緒に闘うために『飛び込んできて』くれた。
 
どんどんナルトと一緒に行動していく仲間は増えていく・・「轍(わだち)」は大きくなっていく。こういう「段階」を経た比較の描写にも、「ナルトの今まで」が凝縮されてるんですね、この戦場では…。それを見あげるナルトの目、今度は「嬉し涙」でウルウル。
 
(そしてミナトが伸ばした陰九喇嘛のチャクラを忍達が掴み、全員がつながって綱引きする)
 
「よっしゃあー!! 皆ァ!!一斉にせーのォでいくってばよ!!」
 
「・・・!!」 (オビト)
 
「せ―――――のォ!!!!」
 
《空に浮かぶオビト、地面で根のように引っ張る忍達、それを繋ぐ尾獣チャクラの絵》。
 
これ・・・ただの「綱引き」の絵ではなく、神樹と人間達の「関係」を表した絵、そのものです(ジャンプ30~31頁の綱引きの絵)。
 
今のオビトは「神樹の花(十尾)」そのものとも言えるし、その神樹から忍達が「チャクラ」を引っ張り出そうとしている… それは長い間続いてきた「神(十尾)」と「人間(忍)」達のチャクラの取り合いの絵、それこそ、かぐやの時代から続いてきた争いの絵そのもの。
 
そしてこの図は、まさに今そびえたつ神樹の絵にも見える・・
 
月に向かって咲こうとしている花(オビト)、月に向かって伸びる神樹の茎(チャクラ)、それを阻止しようとチャクラを引っ張る根(忍達)にも見える。
つまり、今咲かんとしている《神樹の木》そのものが、今までの忍世界の構成図そのものとも言えそうです。長い間の「十尾と人間の関係のゴタゴタ」に、今この時ようやく「決着(ケリ)」がつくのではないでしょうか。
そして人間と十尾を「見守る」月とは、いったい何者なのでしょう…それこそ「月」は、神樹、忍を「超える」存在の象徴に思えてきます(マダラ、オビト、サスケはどこまでその「真理」を知っているのだろう…?)。
月とは六道仙人が十尾の抜け殻を封印するために「地爆天星」で作ったものだという認識がありましたが長門の話による)、それだけじゃない、そうじゃあないのかもしれません。
 
だから、この綱引きの図・・・「まるで大運動会じゃないかぁ」なんて侮るなかれ。かなり「この世界の真理」を表した縮図でもあるのです(たぶん)。
つまり、尾獣達は十尾と忍達を「つなぐ」存在でもあるのかもしれない・・・本来「奪い合う」ものではなく。
 
(そして、オビトの心象世界)
 
「!」
 
(向こう側には、ナルト、カカシ、サスケをはじめ大勢がいる…イズモとコテツも来てたんだっけ)。
 
「・・・・・・・・」 (険しい顔で後ろを振り返るオビト)
 
(そこには誰も居ない。その表情は寂しそう)
 
「・・・!」 (再び険しい顔で前を向く) 「……!」
 
(ナルトと自分が重なる。沢山の仲間と一緒に居る自分がいる)
 
(…オレが…) 
(仲間と一緒に「微笑んでいる」自分がいる)
 
皆と一緒に居るオビト、今度は笑ってますね、すごくいい顔で。これがオビトの「本当の願い」なんですね・・まさに外伝の最後(244話)にオビトが(心の中で)言っていた、
 
《みんなと・・・もっと一緒にいたかったなぁ・・・》
 
あの時の言葉のまま・・これがオビトの“本音”。
外伝でのオビト「最期」の言葉が、ここにきて活きてきましたか… あの時も「心の中の声」だったんですが、それこそがオビトの「誰にも言えない本当の想い」だった。そして、オビト自身、目的のために封印し埋めてしまった(埋めたつもりだった)本音だったのでしょうか。
 
(このオレが…)
 
(後悔しているというのか…!?)
 
オビトが思い浮かべている「もう1人の自分の姿」…火影になって、カカシやナルト達と一緒に里に居る姿。で・・この画もなかなか興味深い画になってます。
 
オビトは「五代目火影」、四代目ミナトの後を継いでいるんですね。つまりミナトは四代目になったけど「死んでしまっている」可能性も高い状況。
そしてナルトは今とほぼ同じ服装で同じぐらいの背丈だから、ちょうど「今の頃」なのでしょうけど、九尾の人柱力なのかどうかは「はっきりしない」(顔のひげみたいな線は、生まれながらにして在るので)。
 
だけど明らかに違うのが「サスケとサクラ」でして、サスケは今とは違う服の「うちは一族らしい服」を着ているし、サクラは額にちゃんと百豪の印はあるのに「髪の毛が長い」。つまり、うちは事件は「起きていない」んですね、だからサスケは里にずっといて、サクラも「サスケが好きな長い髪」をキープしてる。おそらくイタチも生きていて、一族はクーデターを起こす事は「なかった」。
 
オビトが里に戻ってきていれば、オビトのことだから「一族と里」を上手く繋いだだろうし、うちはと里はうまくやっていて、里の中は平和で安泰だったんじゃないだろうか。サスケもナルトもサクラもカカシも・・そしてオビト自身も「かなり平和で幸せな」人生を送っていたに違いない(シスイも生きてますよね、たぶん)。
 
もちろん、オビトはこの夢の可能性を「分かってなかった」訳じゃないと思うんです。「こっちの幸せな道」と「棘の道」と・・・両方を迷って迷って考えて(おそらくマダラの死後に)棘の道を選択し、「幸せ」を封印してきたのだと思うんです。そこにはオビトにしか分からない「そうしなければならなかった理由」はあったハズ(まだこれは「不明」ですが)。
 
こんな深層心理の奥深くに埋め込んでも忘れられない「幸せな道」…《みんなと・・・もっと一緒にいたかったなぁ》の強い想いを隠すために、オビトは面をして自分の大切な名前を「忘れる」しかなかったんじゃないだろうか。
だけど「その想いを隠してでも」成し遂げねばならなかった「よほどの理由」があるんだろうと思えるんです。よほどのことなんだろうな・・と。
それでも今のナルト(別の道を歩んだ自分)を見ていると、その「よほどの理由」にも別の対処の道があったんじゃないかと《後悔》し始めているのかもしれません。いや、後悔というよりも、素直に「みんなと一緒にいたい」想いがもう、隠しきれなくなっているんじゃないのか・・。
 
そして絵の話に戻りますが、“オビトが戻っていれば”の世界では「うちは事件は起きてない」のは確定だとして(これは納得できる)、ミナトの「死因」は気になるところ・・・
ミナトが「死んで」火影の座を譲ったとは限らないわけですが、ミナトが「火影岩になってて」その後をオビトが継いでいる描写がオビトの脳内で「前提」として出来上がっている事を考えると、この描写の意味するモノはかなり「重要」なのではないかと思えるのです。つまり・・・
 
もしかしたらオビトが里に戻っていても“九尾事件は起きていたのかもしれない”。
 
以前から申しておりますように《九尾事件はいわば天災》というオビトの言葉がやはり、気になるのです。九尾事件こそ、未だに最大の「謎」を抱えているのではないかと・・
 
「お前はオレに“誰でもない…誰でもいたくない”って言ったよな」
「!」
 
「やめろ…オレの中に入ってくるな!」
 
「……」
「でも本当は…オレと一緒で火影になりたかったんだな…」
(微笑むナルト)
 
「!」
 
「もしかしたらオレはアンタの後を追っかけてた場合だってあったかもしれねーんだな… オレは火影に憧れてるから」
 
精神世界でかわされる、ナルトとオビトの「会話」…これも「一流の忍どうし」だから可能な会話ってやつでしょうか、「拳を交せば」チャクラが繋がって心で会話できてしまう…。必死に自分を隠したがってるオビトにしてみりゃ「本当の自分」に踏み込まれた時点で当然慌てるハズですが、ナルトは本当に相手の「深層心理」を引き出すのが上手い…オビトが慌てたのは、ナルトの「目」じゃないだろうか。本質を見抜いてしまう「目」…嘘偽りのない目(ジャンプ34頁下段)。
 
イメージ 4
 
四尾の孫悟空《こいつ…本気で言ってやがる…》と言わせた時(60巻62頁)のような、相手の心の奥にスーッと真っ直ぐに入ってくる目。
曇りが無い「鏡」のような目だから、多くの人がその目の先に「自分」を見る。ナルトの中に「もう1人の自分」、「もう1つの可能性」を見る。そして狼狽え、あるいは希望を見つける。だからだろうか…ナルトが相手の「深層心理」を引き出してしまうのは。
 
だけど、ナルトがオビトのことを「こんな目」で見つめることが出来るようになったのは、オビトの心の中を知ったからですよね。 それまでは、ナルトはオビトを睨みつけるような目で見ていた。憎しみや怒りの目でオビトを見ていた。
それがオビトに「オレと一緒で火影になりたかったんだな」なんて微笑むことさえ出来たのは、「取っ掛かり」を見つけたから…オビトの中に「自分と同じ夢」を見つけたからですよね。 
 
ナルトと出会う人達は、ナルトの中に「もう1人の自分」を見つけていく…ならばナルトが特別で「誰とも似ているのか?」といえば、そういう訳じゃあないと思うんです。人間は誰でも皆、どこかしらに何かの共通点、共感できるもの「つながりの取っ掛かり」となるものがあるんじゃないだろうか。しいて言えばナルトはそれを見つけられる、いや「見つけようとする」。
 
《火影の夢》…それがナルトが見付けた、オビトとの繋がりの取っ掛かり。
 
 「捨てきった過去と甘い自分だ!こんなものを…」
「なら何でオレに見えんだよ」
 
いまだに「悪あがき」してごまかそうとするオビトに、ピシャッと「なら何でオレに見えんだよ」と言ってやったナルト…なんだか、もう1人の自分にお説教しているようにも見える。 ナルトに「見える」ってことは、オビトの心には「しっかりと夢が在る」、捨て切ってなんていないってこと。 実際に人柱力になる時だって、オビトはシッカリとミナト班のつながりを「守ってた」し、「オレ達は火影になる」という言葉を「支え」にしてた。
 
仮面をしていた謎の男・・・その正体は599話で「戦闘用の頑丈な仮面」が割れただけでは「分からなかった」。ただ「オビト」という名前の「カカシとガイの同期で木ノ葉の忍だったうちはの男」(ガイの説明)としか・・もちろん、それらの情報は「この男は誰だ?」の答えにはなっている(「この男は誰なのか説明せよ」というテストの答案としては、いちおう「正解」かな)。だけど、それが本当の答えでは無かったんですよね。この人物が「どういう人物か」という事は、それらの文字っ面からは何一つ、分からない。
 
「面して自分隠したってダメだ」
 
564話で「その面ぜってーひっぺがしてやる!」のナルトの宣戦布告と、「……」「この面…はがすには骨が折れるぞ」のオビトの「受けて立つ」宣言で始まった、ナルトとオビトの直接対決。
「戦闘用の仮面」ではなく、オビトの「分厚い心の仮面」を引っぺがした時点で本当の「仮面割れ」となり、決着(ケリ)がつくのではないか・・と申し上げてまいりましたが、ようやく、ようやく、ナルトは「答え」を出したようですね。
 
でも、その答えは…「憎たらしい敵」に向けた、恨みの答えでは無かった…
《カカシ先生を苦しめ、父ちゃんの仇で、サスケを手懐けた、オレの夢を邪魔する世界の敵》ではなく…
 
「アンタはカカシ先生の友達で」
「父ちゃんの部下で」
「サスケの親類で」
「オレと同じ夢持つ先輩で木ノ葉の忍だった」
 
ナルトが出した「答え」は、ナルトに「きわめて近い」ものだった。 
カカシ先生の友達、父ちゃんの部下、サスケの親類、オレと同じ夢持つ先輩… 
目の前の最大の敵は、ナルトにとって「最も関わりが深い、最も近い存在」とも言える人だった。
ナルトがこんな答えを出せたのも、「オビトを知ったから」…オビトの心には憎しみではなく「愛」が詰まっている事を知ったからじゃないだろうか…そして「共感できる」気持ちがいっぱいあって、仲間を想う気持ち、今でも里に「帰りたい」想いでいっぱいだって事が、ナルトには「バレちゃった」からじゃないだろうか。
 
そして…そんな愛情でいっぱいな人物が「うちはオビト」…
 
「……何なんだ… いったい…お前はオレをどうしたい!?」 
(指さすオビト・・ほとんど「鏡に映ってる自分」に語ってるような気がする)
 
(指さすナルト)
 
「アンタはうちはオビトだってことだ!」
 
「言ったろ!ぜってーその面ひっぺがしてやるってよ!!」
 
オビトの心の「仮面を剥がすこと」・・・それが、オビト戦の「決着」なのだとしたら、オビトが心の仮面を引っぺがされた時点でついに「勝負アリ」ですが、ナルト達はまだ「うちはオビト」の「ほんの一部」しか知らないわけでして…オビトの様々な謎が解き明かされる段階で、その他の謎も解かれていくのではないかと考えています。特に「十尾」(の抜け殻?)とオビトの関わりは、もっとも大きな謎の1つ・・・。
 
そして「うちはオビト本来の姿」とは、仮面割れ直後の599話「うちはオビト」で示されたものが、やはり作者からの「答え」なんだと思うんです。 
とはいっても、ラストの「仮面が割れてそこに立っている「まだ心の仮面を被っている姿」のほうではなく、前半の子供時代の描写…「困ってる人を放っておけないし、努力はするけど周囲にはなかなか認められないし、本音を言えない」のが本当の姿なんだろうと(伏線なのだろうと)私は強く感じております。で、きっとその真実の姿はこれから徐々に明かされていくんじゃないだろうか。
 
なにしろ、小南や長門の知らないところで「オビトと弥彦が語り合って立ち上げた」組織名が《夜明け、夢から覚める刻》を意味する“暁”だってのが、とにかく私は気になって仕方ない… やはり「名」は名を与えた者の「本当の想い」を表しますから(十尾と関わり深い名前「オビト」の名を与えた人は、誰なんだろう?)。
 
しかし、このあと「居場所」を失った「十尾」やら「月」が大人しく引き下がるとは思えないし、忍達はいよいよ本丸であると思われる「神のような存在」と向き合う必要が出てきそうですが、その前にオビトは尾獣を抜かれても「抜け殻」(グルグル?)が残れば生きていられるのかという問題とか、尾獣チャクラは今後どうするのかという問題もあるし、マダラが何をしようとするのかも気になりますし、時空間のカカシがオビトの真実を知ること関連で何らかの重要な役割を果たしていくと思われるし・・とにかく気になる事が多すぎなのです(ちなみにマダラに関しては、私はあまり心配はしていなくって・・彼は思っている以上の「人格者」だと思うし、人間臭い人…ともいえるけど)。
 
ナルトが突き止めた「仮面男の正体」は、意外にも「ナルトにとって、すごく“親近感”を感じる存在」だった・・・
これって、ナルトの考えを「さらに大きく変える」もの、あるいは今までの忍達の「常識」を大きく変える事になるんじゃないだろうか・・・?
最大の敵、憎むべき、倒すべき相手だと思って恐れていた敵を「知ってみれば」、実は最大の「理解できる相手」、最も近い存在だったという事実。
それは今までの忍世界は多くの「幻」に惑わされてきた事実を物語ってるのではないだろうか。
 
「敵」「仇」という名で呼ばれる相手を、よく知らないまま恐れ憎しみ、戦い倒す… 忍達が本当の平和を目指すなら、そんな幻(思い込み)を自分たちの手で取っ払い、相手を知れば、相手の「正体」がとても親しい存在でもあることに気付けるのかもしれない。ナルトはまた一つ、新しい「答え」を見出したんじゃないだろうか? 
 
相手を知ること、相手の仮面を「ひっぺがし」幻を打ち消し、「理解する」事・・それが「本当の闘い」なんだってことを・・・
 
 
☆次週、オビトの反応が気になる…
 
☆すみません今週は駆け足で書いた感想なので(朝早く出なくちゃいけなかったんで)、後で文章追加など、かなり訂正していくかもしれません。書き忘れがありそう…
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
(ナルト好きブログ!2013/10/28)