ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

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NARUTO-ナルト- 644:分かってる 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ40号) その3

NARUTO 644:分かってる その3

(その2の続きです)
 
《ナルトとの拳の会話を思い出すミナト》・・・
 
「ああ…やってみよう」
「九尾…イヤ九喇嘛の力を借りればできないことはないよ」
 
「よし!じゃ4人で力を合わせてやんぜ!!」
 
「…4人…か ワシらを人扱いするとは… どう育ったらそうなった? ククク…」 (陰九喇嘛)
 
“ミナトの中の陰九喇嘛”とは、要するに「九尾事件当時で時間が止まっていた九喇嘛」ってことですから、いきなり17年後の世界を見て驚いてるんでしょうね(笑) 「やってみよう」と言える事、「できないことはないよ」と言える事…やっぱりミナトも「枠越え発想」が出来る人なんですよね(天然さゆえか)。 そもそもナルトと九尾が「共闘できる可能性」を信じるという、常識越えをして見せたのは他でもない・・ミナトなんだから。
 
「ナルト…」
「ん!?」
 
「今のお前と…もっとゆっくり話して…」
「男はいちいち言わなくていい! もう分かってっから!」
 
「…もう… 母ちゃんのチャクラとは会ったんだ…」
「・・・!」
 
(…ミナトごめん… 私ばっかり…) (ううん…いいんだ…)
(ナルト… 父さんの言葉は…)
 
イメージ 1
 
「言いてェ事は口うるせェー母ちゃんと同じだろ!」
 
「もう分かってっからなっ!」
 
ナルトの…何よりも「感心」させられちゃったのは、「男はいちいち言わなくていい!もう分かってっから!」と言えたところ。 
 
ナルトが、ミナトに「余計な事を言わせなかったところ」…これが、もうとてつもなく「カッコ良かった」。 
ナルトには、ミナトが何を言いたいのか・・どんな気持ちでいるのか、その心がよく「分かった」んじゃないだろうか。 ナルト…《大人の男の気持ち》も分かるようになったのか!?
 
思うにですが…47巻で出てきた「ミナトのチャクラ」も、穢土転されたばっかりの頃のミナトにしても、ホントはナルトに「ごめんよ」なんて言うつもりはなかったんじゃないかと思うんです。 ナルトに九尾を封印してしまった「後ろめたさ」とか、一人にしてしまった事への「後悔」とか・・それを「ごめん」なんて言ったら、許しを「強いる」ことにもなるし、それに何だか・・愚痴っぽいというか、「言い訳」っぽく聞こえるというか…オヤジとして息子にそんな事を言うのは、正直「カッコ悪い」。 たとえ心の中では「悪かったなぁ」と思っても、口では「おまえを信じているからだぞ!」って言いたいもんじゃないのかなぁ・・・息子だって「ごめん」なんて後悔する親父の姿を見たくはないんじゃないだろうか。 息子にとって、どの父親も「憧れ」・・ヒーローなんだろうから。
 
で・・・父の本当の想いを「そっと察してあげる」のが息子ってモノなんじゃないだろうか。
「分かってる」と…
だからそれ以上は「言わなくていいんだよ」ってのが、男どうしの「絆」・・“父と息子”っていうモノなんだろうか(私にとっては「想像の範疇」なんですが)。 
 
前にナルトは、雷影エーに「四代目火影は失敗した」と言われたことに怒って四代目火影は失敗なんかしてねェ!」 「失敗したら救世主じゃなくなっちまう」と言ってましたっけ(541話、544話で)。 ナルトにとってミナトの背中は火影としても、親父としても最高にカッコいいモノだったのかもしれない。 
 
ミナトの背中にある四代目火影の文字・・・あれは、皆に背中を見せる為ですよね。 火影として「盾」となって、皆を守ってみせるという決意の表れ。 
火影である以上、弱さや迷いなんて「見せられない」…失敗も許されない。 ミナトの「覚悟の重さ」があの文字には感じられるんです。 ミナトは・・己の《実は失敗も多かった人生》を封印してきたのかもしれない。その背中に「不安」の文字なんて、絶対に見せられなかったんじゃないだろうか。
 
《火影》というものが、己の失敗を認めてはならないような、《本当の己》を認められない存在だったのなら…火影というものも「偽り」の存在だったとは言えないだろうか。 
オビトがミナトに言い放った「おかげで火影を諦められた」の言葉は、本当の己を認められないような存在を火影というのなら、火影にはなりたくない・・という強烈な皮肉でもあったんじゃないかとも思うんです。 
 
だけど穢土転されたミナトを見れば、意外と「失敗もあって」実は「完璧じゃなかった」・・・
四代目火影の真実の姿」をオビトに暴露されちゃって、ミナトは初めは戸惑い、落ち込んでいたけど・・でもそれがキッカケでミナトは「本当の自分」と向き合えたんじゃないだろうか。 そして己の失敗をちゃんと受け入れられたんじゃないだろうか・・・?
 
ナルトだって「実は完璧じゃなかった父ちゃん」を知ったからといって、父ちゃんへの愛情や尊敬が減っちゃうことなんて無かった。 
ナルトは…母ちゃんから聞かされた「九尾事件の真実」で、既に「父ちゃんは実は完璧では無かった」ことも、父ちゃんが「母ちゃんを守れなかった事で苦しんでいる」ことだって、ホントは分かってたと思うんです。 だから、ナルトは母ちゃんからもう「真実を聞いてる」と伝えることで、真実を知った上で「父ちゃんに苦労を背負わされた(尻拭いをさせられた)なんて思っちゃあいない」ってことを伝えたかったんじゃないだろうか。
そうやって、ナルトは父ちゃんを《ナルトへの申し訳ない気持ち》から解放させてあげたんじゃないのかな。
 
それは…サスケが、穢土転イタチに「もう兄さんの真実を知ってる」と伝えたことで、結果的にイタチを《許せサスケ》の気持ちから解いたように… オビトがカカシに「リンの真実を知ってる」と伝えたことで、カカシを後悔や自責の念から解いたように…(カカシはまだ未可決だけど)。
そして結果的に、ミナトは心の中に秘かにしまい込んできた「失敗への後悔」から、やっと解き放たれたんじゃないだろうか。
 
《オヤジの背中》・・・それはシカマルにとってもカッコいいものだったようで、オヤジの背中見て育ったからよ》なんて言ってましたっけ。 今週も、シカマルは思わず《オヤジ!》と心の中で呼びかけていたし、親父の背中ってのは息子にとって「偉大」…
 
だけどシカクさんだって「完璧か」といえばそんな事はなく、母ちゃんに見つかっちゃヤバいモノを隠してたり、日頃は母ちゃんの尻に敷かれていたりと…意外と「ダメおやじ」っぽいところもある。でも、シカマルはちゃんと「全部分かってるよ…心配すんな」と言って、シカクに「恥ずかしい話」を最後まで語らせないで「止めてあげてる」ンですよね…これも「息子ならでは」の親父に対する気遣い、男としてのプライドを守ってあげる優しさじゃないでしょうか。(今回、ナルトも…父ちゃんにあえて「語らせなかった」のと同じで)。 
 
息子は…オヤジのカッコいいところも、ダメなところも全部分かってる…その上で「カッコいい」と思ってるもんなんですね。
 
「失敗を認めてる」父ちゃんもカッコいい…「完璧を演じてる」父親よりも、ずっとカッコいいのかもしれない。 だって誰だって「誇り高き失敗者」なのだし(ヒナタは上手いこと言うな・・)それをちゃんと認められるのなら、「ダメおやじ」だっていいのかもしれない。
 
扉間もミナトも・・「己の失敗」「本当の己」を見つめ直すことで、大切なモノも見えてきたんじゃないだろか・・・お互いの「心」が。 
そしてミナトには「ナルトの心」も「今までの苦労」も、やっと見えてきたんじゃないだろうか・・・だからこそ、素直に「ごめんなぁナルト・・」の言葉が心から言えたのだと思います(心の中で、だけど)。 
あえてその言葉を「声」には出さなかったのは、ナルトの「息子ならではの心遣い」に素直に甘えてのことでしょうか・・・それは「男同志として」つながれた、父と息子の絆なのかな。 
 
こうやって、少~しずつではあるけれど、忍達は「本当の自分」を認め、「本当の意味での理解」の中で心を取戻し、偽りではない「本当の世界」も取り戻しつつあるんじゃないだろうか。 
そして…今までの「忍システム」という枠(常識)は、忍達自身の手で「ぶっ潰され」乗り越えられつつあるんじゃないだろうか・・?
 
私がブツブツと言い続けている、例の…《カカシ外伝でのオビトのあの言葉…「(仲間を大切にすること)それが正しい忍じゃないってんなら…忍なんてのはこのオレがぶっ潰してやるの台詞が、オビトの面割れ以降、未だに「触れられていない」という件》なんですが… まだあのセリフが「とってある」のは、あのセリフこそオビトの本目的だからではないかと思えるからなんです。 
というのも、第二部以降・・少しずつ、世界はオビトがかつて宣言していた「方向」に確実に向かっているからなのです(その引っ張る手段は「いい」とはけして言えないとしても…)。
 
オビトの『面割れ』から早一年ですが…しかし、アレはほんの序の口で、いまだに割れない「本当の仮面」。
 
「この面はがすには…骨がおれるぞ」の言葉は、いやぁ本当だった…(あまりに時間がかかるので、いい加減にしてくれ~と短気な自分は、そろそろイライラし始めてますけど)。 だけど、コレ…忍世界が本当の意味で「変われる」まで、オビトの仮面は割れないのかもしれません(つまり、それが「オビトとの終戦」なのでは)。
とはいえ、オビトにとって最も大切な「先生」であるミナトが、「本当の自分」を取り戻し、そして「仲間を守った」今・・・その面にも、少しは「皹(ひび)」が入ったんじゃないだろうか。 
 
早く・・・仮面を取りはらって「本当の自分」をオビト自身も認める時が来て、オビトとの闘いもそろそろ…(長い!)いい加減、「終わり」に近づいて欲しい(と切実に願います)。 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
4日(水)、コミックス66巻発売です!
 
 
 
(ナルト好きブログ!2013/09/02)