ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 680 もう一度 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ29号) その1

NARUTO:680 もう一度 (1)

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…知るか…よ…
体が勝手に…動いち…まったんだよ…
バカ…!
 
  懐かしいですねぇ… 今週ナルトが思い出していた、波の国の『橋で』ナルトを命がけで守ってくれたサスケ(第27話)。 
 
 ナルトって「記憶力が抜群」だといつも思ってるんですが、特に「あの橋の出来事」はナルトにとって忘れられない大切な記憶なんだと思います。そして『あの時のサスケ』は、今も変わらず「サスケの中に在る」とナルトは信じてる(と思う)。
 
そして、今週のタイトル《もう一度》。
 
先週に引き続き、これまた以前に登場したタイトルと(ほぼ)同じです(51巻482話のタイトルは「もう一度…」)。 482話「もう一度…」のほうは、サスケに刺された香燐が、かつてのサスケ(香燐を守ってくれたサスケ)を想い出してあの顔を《もう一度…見たかったなぁ》と願うものでした。その「もう一度…」の「…」の部分には、その願望は《叶いそうもない》という切なさが漂ってたんですよね。

そして今週のタイトル「もう一度」は、カグヤのセリフ「もう一度チャクラを一つにする!!」から取られていると思うんですが(直接は)、でもナルトの「もう一度(あのサスケを見たい)」という願いも、このタイトルに込められているんじゃないだろうか。 それは香燐の「…」という《溜め息交じりな、叶いそうもない切ない願い》ではなくって、もっと《確かな願い》…もう一度、あの『橋』でのサスケを…「本当のサスケ」を確かめたいというナルトの強い願いでもあると思います。
 

 さて… 先週の続きですが、いきなりカグヤにどこか遠くの地、溶岩がドロドロと流れる灼熱の海に落とされそうになった第七班(+オビト)。
 
 先週ラストの絵から、私はカカシとサクラ、オビトの3人は「岩の上に落ちそうだから大丈夫かな」なんて甘く考えていたんですが、彼らも溶岩の海に落ちそうな位置にいたんですね…。 それに私は「一体どこの空間に“飛ばされた”んだ??」なんて考えてたんですが、どうやらその発想もズレていたようでして… カカシの分析は「違うモノ」でした。
 
カカシは、まずは「幻術」を疑った様子で(結局コレは幻術ではなく「現実」ではありましたが)、突然光景が変わったらまずは幻術を疑うのは鉄則かもしれないですね。 
 それと、カカシは《まさか― 別空間を口寄せしたとでもいうのか?》と考えている。 な、なるほど…「別空間を口寄せ」という発想は目から鱗でした。 「飛ばされた」のは「第七班」ではなく、「空間」のほうだった…。これ、現時点ではカカシの「推測の1つ」でしかありませんが 、おそらく「正解」なのだろうと思います。
 
時空間忍術とは、「自分自身が時空間経由で飛ぶパターン」(例:飛雷神の術、オビトが「移動」で使っていた神威、逆口寄せの術など)と、「対象物を時空間経由で移動させ持ってくるパターン」(例:口寄せの術、時空間からモノを取り出す時の神威など)がありますが、今回カグヤが使ったのは「対象物を時空間経由で移動させるパターン」の大掛かりな時空間忍術だったという事でしょう(たぶん)。
 …ただ、その「口寄せお取り寄せ」対象物が「巨大な空間」という、常識では考えられないものだったということ…六道仙人の力さえ超えた「カグヤ」のやる事は「忍達の常識やら認識では計り知れない」モノだったという事でしょうか。
 
 でもたとえば「九喇嘛のチャクラを少しだけもらったカカシ」でさえ、かなり大きな「八尾」を神威で出し入れできた事を考えると、「十尾のチャクラに加え、世界中の生命体のチャクラを入手しつつあるカグヤ」の莫大なチャクラ量があれば、空間の口寄せぐらい容易いのかもしれません。
 
そうなると…サスケの左眼の新しい能力も「空間の口寄せ」なのでしょうか。サスケ自身が「移動したわけではない」(マダラの分析)らしいから、空間を捻じ曲げて引き寄せたのかと想像していたんですが…そうじゃなくて「空間を口寄せ」した可能性もある。「フッ」という音も時空間忍術特有の音ですもんね。十尾の眼に似た輪廻眼を持つサスケなら、カグヤと近い瞳術が使えても不思議はない…。
 でもその一方で「空間を口寄せした」というだけでは説明しきれない部分もありますので、「真相解明」はもう少し…待ちましょうか。 しかし、相変わらずカカシの分析力には脱帽です。
 
そして「溶岩に落ちていった5人」…サクラと気絶状態のオビトはさておき「ナルト、サスケ、カカシ」この3人の「対応」が、三者三様で実に面白いです。中でも一番「お見事」だったのは、先生のカカシ…まさにお手本のような対応とでも言いましょうか。
 
「カカシはクナイに巻物の端を結び付けてロープの代わりにしたんだ オビトはクナイで刺し止めただけだが…」 (サスケの説明)
 
咄嗟に巻物をロープ代わりにして使い(今は鎖は持っていないのかな…ペイン戦では鎖を使っていたけど)、さらに離れた場所のオビトもクナイで岩に止め付けてあげ、サクラも抱えて助けるという…なんという早業…「神業か」っていうぐらいの超職人芸ですね。 ナルトじゃないけど、まさに「さすがカカシ先生!!」で…これほど器用な忍は他にいないんじゃないだろうか。 経験値の差と言うべきなのか…子供時代を過酷な戦地で過ごし、その後は暗部で鍛え上げてきたであろう「サバイバル技術」…これはちょっと真似が出来ないレベルです。 カカシは今まで「多くの仲間を守れなかった」と言ってましたが、いやいや「多くを守ってきた」のも事実なのでしょう、きっと。
 
それに今回だけじゃなく、今まで何度もカカシはサクラを守ってきてますが(例:鉄の国でサスケの刃から間一髪で守ったり、この戦争でも挿し木の術から守ったりしてる)…サクラはカカシに「ありがとう」とか感謝の言葉を言ってないんですよね。これ前からちょっと気になってるんですけど(笑)、まぁ…先生だから「守ってくれて当たり前」なのかもしれないし、カカシの守り方がそれだけ「自然でさりげなかった」せいかもしれません。が、だいたいそういう時のサクラって、「サスケとナルト」で頭がいっぱいになってる事が多いんですね。 
 
 たとえば鉄の国国境の「橋」(51~52巻)の時も、「サスケが本気の殺意でサクラを刺そうとした事」とか、その直後に「ナルトが守ってくれた」事とか…サクラは《ナルトとサスケの対応の差》に頭がいっぱいになっていたはずです。で、今回のナルトとサスケの対応も、一見すると「鉄の国国境の橋」での出来事と大差ないものでした(「一見すると…」ですが)。 だから、サクラは《ナルトとサスケの対応の差》の事で頭も心もいっぱいで…カカシ先生の「対応」は正直、気にする余裕がないのかもしれない…。
 
《溶岩上に落ちそうになったサスケは鷹を口寄せしてピンチを脱し、ナルトは「サスケ!!あっち!!」と右を指してカカシとサクラを助けるように指示するんですが…サスケはナルト「だけ」を助ける》…
 
しかもサスケは、後方のカカシとサクラの事を気にするナルトに「前を見ろナルト!」と注意したうえで「ナルト…お前にここでハッキリ言っておく」と言い…
 
「オレとお前どちらか一方が死んだとしてもこの世は終わりだ お前の六道の陽の力と…オレの陰の力だけが目の前のアレを封印できる」
 
「そうできなければ人類は滅亡する事になる オレ達は何があっても死ぬわけにはいかん」
 
「無限月読の時…カカシとサクラはたまたまお前の近くにいた… そういう事だ」
 
「この意味分かるな…」
 
…と冷たく言い放つ。いや~…そこまで言わなくてもいいでしょって事、あえて言いましたね、サスケは。  で、それを聞くサクラの表情がね…すっごく悲しそうなんですね。見てて居たたまれなくなるぐらいに…
 
サスケの「冷たい」言動の1つ1つに、深く傷ついているサクラ… 無限月読の時に須佐能乎で守ってくれたのも「偶然にすぎない」というサスケの言葉は、「サスケを信じたかった」サクラの心にトドメをさすような言葉だったと思います。
 だけど、サクラは「サスケの冷淡な言葉」以上に、ナルトが(サスケの言葉に)「分かってんよ…」と答えた時のほうが「…!」とショックを受けたような顔をしたんですよね(ナルトの「分かってんよ」は、サスケに同意っていう意味じゃあなかったんですがね)。 サクラは「ナルトだけは私を守ってくれる」と信じてる…すがっているというのかな。 サスケはサクラの心を無惨に引き裂いていくけど、そのあと必ずナルトが助けてくれる…サクラは、無意識のうちにナルトに救いを求めているんじゃないだろうか。 
 
…それでもサクラが好きなのは、今でも「ナルトじゃなくてサスケ」なんですよね…(きっと)。でも…
 

《サスケくんの言う通り… でも…》

《ありがとう… ナルト》
 
 
このサクラの「心の中の言葉」…すっごく今の“サクラの心情を表した言葉”だと思うんです。
 
サクラは、サスケの言う事は「理に適っている」し、だから仕方ないと自分に言い聞かせようとしている。 だけど、それだけじゃ「割り切れないモノ」があるんですよね。 その割り切れないモノが「感情」なんじゃないだろうか。
 
《サスケくんの言う通り》…それが忍として当たり前の事、理に適ったこと。
 …でも、
《ありがとう、ナルト》…理性的ではないけど「嬉しい」、その“余計なもの”かもしれないのが「感情」。
 
サクラの「忍」額当てがスル…と落ちて、溶岩にジュウ…と溶けてしまいましたね。それは、「忍って何なんだろう?」と、再び分からなくなってしまったサクラの心の描写にも見えました。
 
 堂々と《忍》という額当てはしているものの、最初の任務らしい任務・波の国任務で疑問に思った《忍者の在り方って何?》という基本的な疑問は、いまだに解消できていない…「忍は国の道具であって、感情なんて余計なモノを求めちゃいけない」…やっぱりそうなんだろうか?というね。

サスケが言ってることは「大勢の仲間を助ける」為だと「分かる」。それはナルトもサクラも「よく分かる」。 だけど、だからといって目の前の仲間を見捨てる事が出来ちゃうのは悲しすぎる。
 ナルトがこだわった「けど…こういう時は体が勝手に動いちまうもんだろ」という行動は、戦争においては「非効率的」かもしれない。けれど、そこにこだわり続けてくれる「心」に、サクラは「ありがとう」と言いたかったんじゃないだろうか…「心の中で」。
 
しかし…本当にサスケは(サクラが思うように)「心を刃で押さえ込んでしまったのか?」といえば、けしてサスケはそうじゃないと思うんです。
 
 サスケの冷たい言葉に、はじめは険しい表情を見せたナルトでしたが、でも…「サスケは本心からそんなことを言うやつじゃない」と、すぐにサスケの心を見抜いたみたいでした。 
 今週話最初のページ、鷹に乗ったサスケがナルトの「あっち!!(カカシとサクラのこと)」という言葉を無視してナルトだけ助けますが、でも…下段右の2コマ、最初のコマでサスケは「あっち」を確認してから「下」のナルトを見て助けてるように見えるんですね。 で、その後サスケは真っ直ぐ前だけを見ていて、カカシ達のほうを「振り返って見ていない」…にもかわらず、カカシがどうやってサクラとオビトを助けたか「ちゃんと分かっていた」。つまり、サスケは「サクラとカカシとオビトが大丈夫なのを確認していた」という事です。

とはいえ「無限月読の時は偶々カカシとサクラはナルトの近くにいたから、一緒に須佐能乎の中に入れて助けちゃっただけ」なんて可愛くない事もサスケは言ってますよね。 正直、私も…アレに関しては「偶然」だったと思っていたんです(コメントのお返事にもそう書いてしまった)。
 でも、今回のサスケの発言で、逆に「サスケは意識的にカカシとサクラを助けたんじゃないか」と思うようになりました。
 
 もしあの時、カカシとサクラがナルトと離れた場所にいたら…実際にサスケがどう行動したかは分かりません。でも…サスケは「助けたかった」んだろうと思います。なのに、サスケが「あんな憎たらしい事」を言ったのは、ナルトに「でもお前だってサクラちゃんとカカシ先生を須佐能乎で守ったじゃないか?」と突っ込まれたくなかったから「先手を打った」んじゃないかと思います(サスケって、時々ナルトの言葉を先読みして先手を打ちますから…例、鉄の国橋での会話など※486話感想その1)。 
 
だけど、今回もナルトのほうが上手(うわて)でしたな…

 
「けど…こういう時は体が勝手に動いちまうもんだろ」

「…橋での時――」
 
「橋」…とは、もちろん「波の国」の橋…のちに「なると大橋」と名付けられる、ナルト達最初の任務(ともいえる)あの再不斬・白との闘いの橋…
 
(そしてナルトの回想)…「橋」の上でサスケが身を挺してナルトを守って…
「なんでだってばよ…なんでオレなんか…よけーなお世話だ!!」と叫んだナルトに「知るか…よ…体が勝手に…動いち…まったんだよ」とサスケは答えた(27話)。
 
 
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※「第七班と橋、その2・なると大橋とサスケ」記事から使い回しの絵
 
 
ナルトはあの時を思い浮かべ、ニヤリとしながらサスケに「言い返す」…
 
 
「まあいいや――  この意味…お前なら分かるよな…サスケ」
 
そしてサスケは「……」と無言…
 
このサスケの反応…表情は髪の毛に隠れて「見えない」んですが、この「見えない加減」がまた読者の想像(妄想)をかき立てるんですよねぇ…。どんな顔してたのかな、サスケ。
 
ナルトは「橋」としか言ってないけど、当然それが「波の国の橋」のあの時の事だってサスケも「分かってる」から、言い返せないんですね。 サスケが何と言おうと、どんなに悪態をつこうと、ナルトは《サスケの本心、裏の心》をちゃんと見抜いている… 
サスケは本当は「仲間を守らずにはいられない性格」だって事を、ナルトは「分かっている」。それも…サスケは「ナルト以上」に仲間を守らずにはいられない性格だってことを、ナルトは分かってる。
 
サスケは「お前(=ナルト)にハッキリと言っておく」なんて言い方をしてましたが、本当は…自分自身に「言い聞かせていた」んじゃないだろうか…? 
二人とも「仲間を優先にしてしまい、六道仙人に託された事を忘れてしまいかねない」と感じ、それじゃ元も子もないとして「言い聞かせた」んじゃなかろうか…「お前(ナルト)」だけじゃなく、「サスケ自身」にも。
 サスケって「責任感が強く、どっちかというと融通が利かない生真面目な性格」だと思うんで…時々「本心では思ってない事」を自分に言い聞かせるように口にします。だから…言ってることが「本心(本当に願っている事)」とは限らないと私は感じています。

サスケはナルトの言葉に何も答えず、目の前のカグヤから眼を逸らさない。ナルトが何を言おうと、目の前のアレから目を離さないぞと…サスケは「動じてない」のを示すつもりでしょうが、本当はナルトに心を見透かされて「動揺」してるかもしれないですよね。 
 
でも、この会話の「意味」…ナルトとサスケにしか通じないものでもあるんです(あの「橋」の上の出来事は、彼ら二人だけの共有の思い出だから)。おそらくサクラに、その「意味」は伝わってない(ここに、ちょっと問題がある)。
 サクラは「波の国の橋で」サスケがナルトを命がけで守った一部始終は見ていないんですよね(サクラはタズナと一緒に離れた場所にいたし、濃霧の中で見えてなかった)。 しかもナルトは「橋での時」としか言ってないので、サクラは…おそらく同じ「橋」は「橋」でも、「波の国の橋(2~4巻)」ではなく「鉄の国の橋(51~52巻)」を連想しちゃった可能性が大です。
 
 つまり、サクラが想起したのは、おそらく《サスケがサクラを刺そうとして、ナルトがサクラを守ってくれた時》の、鉄の国の「橋」でのこと…  
あの時、鉄の国で「仲間を守ろうとして体が勝手に動いた」のは「サスケ」ではなく「ナルト」でした。だから、サクラは今回の「ナルトとサスケの会話」の意味を完全に「勘違い」、誤解している可能性があります。 おそらく「この意味」も…サクラには通じてない。 それで、サクラは余計に悲しい顔をしちゃったんじゃなかろうか。
 
 でも本当は…ナルトに 「仲間を守る」事を行動で示し、身をもって教えてくれたのは…他でもない「サスケ」だったんですよね。 
  
 

(※ナルトとサスケの会話は色々考えさせられるものがありますので・・もう少しだけ、さらに突っ込んで考えたいと思います。カグヤの事も含め、その2へ続けさせてください…お付き合いいただけたら有難いです。いつも長文ごめんなさい。)