ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

NARUTO-ナルト- 684:殺しておくべきだ 今週のジャンプ・ナルト感想 (WJ33号) その2

NARUTO 684:殺しておくべきだ (2)

 
・《基本に立ち返る》
 
分身ナルト達のことは気にも留めず、本体ナルトに向かっていくカグヤ。そして作戦を練る本体ナルト。
 
(バカでけェ術しても吸収されちゃ意味ねェ やっぱこいつにも一番効くのは――
陽動と体術だ!!) 
(出オチのおいろけ系はもう陽動には使えねェ… オレの基本に立ち返ってやるんだ!! それで追い込む! こいつがまたあの変な扉から逃げようとしたときに一緒に入る!!)
 
ナルト、冷静に作戦立ててるじゃないか…! そして「基本に立ち返る」は、ナルトのお得意でもありますね。ナルトは「やっぱ“こいつにも”(効くのは陽動と体術)」と言ってますが“マダラにも”術は吸収されたし、効くのは体術だけでしたもんね。
「オレには体術しか効かない」とマダラは言い続けていたし「体術スペシャリスト」ガイの事をやたらと「大絶賛」していたマダラ… 今のカグヤ戦にはマダラ戦の経験が活かされているわけですが、改めて「なぜマダラは《オレには体術しか効かん》と言い続けたのか」気になってきます(きませんか…?)。
 
 下半身を柱間に託すように残して(違うか)、カグヤに(というか神樹に)取り込まれてしまったマダラですが、己を無くす前、時空間内でオビトの怒りを自分に向けさせるような発言を「わざわざ」したのは… アレは「躊躇する事なくオレを倒せ!」と言わんばかりに見えて、後をオビトに任せたのかなぁ・・なんて思ってしまうんです。やっぱりマダラは悪い奴には見えねぇ…というのが私の考えですが(なんて言うとまた怒られちゃうかなぁ)… 
 でも、不自然きわまるマダラの数々の言動は、ただ「力に憑りつかれた人物」で済ませてしまうには、あまりにも不可解。 マダラの下半身から「柱間のチャクラに呼応して」ハゴロモ爺が出てくるなんて…もはや「マダラとハゴロモは実はつるんでいた」のではないか?とさえ思ってしまう…。 「今は色々と整った」とハゴロモは言ってたけど、それを「整えた」のはマダラでしょ?と思ってしまうし。
 
…で話が逸れちゃいましたが、ナルトの『基本を大切にする戦い方』についてですが、ナルトと言えば重要な作戦に「影分身や変化の術」という基本に立ち返った術を絡めてくることが多いですよね。「ハーレムの術」はナルトの基本中の基本、影分身と変化を掛け合わせた《ナルト究極奥義》とも言える術… 黒ゼツはそんなナルトを「昔から何をするか分からない」と言ってますが、強い奴ほど「力」や「高度な術」に頼ってしまい「基本」を忘れるって事じゃないかとも思います。
 
 ハゴロモがナルトに「絶大な力」を与えたのは一種の賭けだったとも思いますが、ナルトなら力に溺れることなく「基本に立ち返る」とハゴロモは分かっていたのかもしれないですね。 ハゴロモさん…ナルトに会った時は、まるで「偶然の初対面」のような「フリ」してましたが、実際にはナルトの事をよ~く観察して知ってましたもんね、親に似ず落ちこぼれだとか。あの爺さん…なかなか(いい意味で)クセモノです(笑)
 
そしてナルトが「基本」を大切にしている理由…それは「不器用でいろんな術を使えない」って事もあるでしょうが、前にネジにこんなことを言ってましたよね、「分身はオレの一番苦手な忍術だったんだ」と。 
 今や多彩な応用をみせて得意とする「分身」も、本来はナルトの「落ちこぼれ」を象徴する苦手な術だった…。ナルトが「基本に立ち返る」のは、落ちこぼれだった頃の「一人前の忍者だと認めてもらいたい」純粋に熱かった想いをいつまでも「忘れない」という事でもあると思うんです。 だから、ナルトはこんなに強くなっても驕らず、いつも謙虚なのかもしれない。 
 同じような強大な力を持っても、そこはナルトとカグヤでは全く違うところ…なんじゃないのかな。
 
《五尾・穆王(こくおう)の力を借りてチャクラを一気に沸点まで持っていく「怪力無双」で氷柱を破壊し、(五尾の人柱力ハンはスチーム忍者でしたもんね)、九喇嘛が練ってくれたチャクラを使って「多重影分身の術」を繰り広げるナルト》
 
…カグヤの眼前に広がった影分身ナルトの光景は「君麻呂戦」を思い出させるし、そのあとの「う‼ず‼ま‼き‼ ナルト一帯連弾!!!」の一斉体術攻撃は、我愛羅戦を思いだしますねぇ。ん、基本に立ち返るなら、カカシ先生から教わった「あの体術奥義」も… いや、女性には使っちゃだめだなコレ(笑)
 
 
・《本体と分身》
 
作戦を練りながら、ナルトはこんな事も言ってたんですよね、《そこでサスケを探す! 今でもサスケのチャクラはハッキリ感じてんだ!!》…と。
…そうか「本体ナルト」は別空間にいるサスケのチャクラをハッキリ感じる事が出来るんですね。
 
一方の「分身ナルト」「サスケのチャクラは感知できねぇと言っていましたよね。「本体」と「分身」ではかなり違いがあるようで…。
 
「影分身」とは均等にチャクラを分割する術で、ただの分身と違って実体化し、本体と離れて行動も出来、《ボフン》と消えた時に経験が本体に蓄積される…というのは分かってますが、実はそれ以上はあまり詳しく説明された事ってないですよね。 正直、今のナルトの「本体と分身の差」はどれほどあるのかよく分かりません。
 
 ただし、先週の会話で「分身ナルトのチャクラ量では、別空間への出入りに十分な量ではない」とオビトが語っていたので、尾獣が中に居る本体ナルトに較べると分身のチャクラ量はそれほど多くは無いらしい。 それと、今回ナルトが別空間のサスケを感知した方法は、おそらく「陰陽の力の共鳴(引き合い)」によるものと思われ(黒ゼツのセリフによると)、本体ナルトの「陽の力」は強力でサスケの「陰の力」を感じられるが、分身ナルトの陽の力はそれほど強くないからサスケを感知できないのかもしれない。 ハゴロモから預かった「陰陽の力」も、「本体と分身」では差がありそうです。
 
 だからといって「分身ナルト」もちゃんと「ハゴロモから預かった陽の力」は持っており、だからオビトも一応回復できたんですよね。
 でも、ガイを完全回復させたのは「本体ナルト」だし、カカシの左目を再生させたのも「本体ナルト」。だけどオビトを回復させたのは「分身ナルト」…
「回復させる力」も本体と分身では当然「差」があると思われますが、なら「本体ナルト」ならオビトを完全回復できるかと言えば…そういう問題でもないのかもしれないですね、分からないけれど。
 
そして「本体(オリジナル)」と「分身」ですが、前回あたりからやたらと「区別」が強調されてましたよね。 で…これも「マダラ」がやたらと「本体と分身の違い」を強調していたのを思いだします。 柱間に「分身でなく本体が来るまで待つ」と座り込みをしたり…アレは分身じゃ「仙人の力」を頂けないからだったのでしょうが、やはり分身と本体じゃ「差」があるようで。 あの時、マダラが柱間から「仙人の力」を貰った本当の理由は何だったんだろうな…。
 
 しかし「分身より本体は優れている」とはいえ、本体(オリジナル)は「1つしかない」わけで、そこは大切にしなくちゃいけない…。 先週、分身ナルトが「本体も直ぐにやられたりはしねェ オレは…強ぇーから」と強がってましたけど、でも言いながら「ちょっと不安」になったのかな、「オレは」と「強ぇー」の間に「…」のインターバルが(笑)  「やられない理由」が具体的に思いつかず、結局「強ぇーから」しか言えなかったんじゃないのかな。
 強がったところで「本体は1つしかねェ」わけだし、あんな強敵相手に「その1つ」がやられたら「おしまい」だという…ナルトにしては正直なところ「不安」だったんじゃないかと思います。 あのナルトのセリフはオビトに遮られていましたが、オビトに「分身ナルトも実は本体ナルトを心配してた」のを見抜かれてたような気がする… そしてオビトが率いる分身チームが、うまく本体を守りましたね…今回。
 
(本体ナルトは分身チームの作戦を知らないから「自分がカグヤの空間に入ってサスケを助けようと」考え、カグヤが扉を開いた時に一緒に入り込もうとする。一方でオビトは神威を使い、カグヤの空間「始球空間」に「分身ナルト」が入り込むのに成功する)
 
 
・《ワラワの空間》
 
「入り込めたのか!? バカな!」「!!」 (…消えた?)
「何匹か入り込んでしまった様だな… 他の2匹は力尽きて消えたか…」
「分身ではチャクラがもたなかった様だな… お前がオリジナルか」  (黒)
 
「ならどうだってんだ!!」  (ナルト…肯定も否定もしてませんね、絶妙)。
 
(母さん…こいつこの始球空間まで入り込んで来てる 他の5つの空間へ直接繋がるここに コイツがいるのはマズイよ…)
 
ナルトが入り込んだ子宮…じゃなくて始球空間とは、荒涼とした地形のような、すべての始まり「基(オリジナル)」のような場所で、「5つの空間」の中心に位置するような場所でしょうか。 灼熱世界、氷の世界、砂の世界…とあと2つの世界と直結する核となる場所…かな。 なんだか隣接するカグヤの5つの世界は5つの性質変化のようにも思えます。ここはまさにチャクラの祖、チャクラの「基」オリジナルの場所のようなイメージでもあるのかな…。苗床じゃなくてまさに子宮…始まりの場所という事でしょうか。
 
 カグヤは「ワラワの空間」では「お前には何もできぬ」と言ってますが、「個人のフィールド」内で他者はフルパワーを出せないという事なのでしょうか(何が作用しているのか分からんのですが)。  大蛇丸も「誰にも邪魔されず、誰も抗えない自分の空間」とやらで転生の儀式を行っていましたし(サスケの瞳力は「大蛇丸の空間」さえ制してましたけど)。 以前、マダラが「お前たち兄弟(穢土転柱間&扉間)がかつての力を出せないのには理由がある」とか言ってましたけど、それも現実世界が「死者の空間」ではなく「生者の空間」だからなのでしょうか。 自分の空間ではない世界では「本来の力が出せない」デメリットがある代わりに、その世界に作用する「質量と空間を支配する月読」には掛からないとか…よく分かりませんが(笑)  今後「ワラワの空間」と「オレの空間」の違いに何らかの影響が出てくるのでしょう、何らかの(と誤魔化しておく)。
 
 
・《陰陽の共鳴》
 
「陰陽の力の共鳴でサスケのところへ行かれかねない…」  (黒ゼツ)
 
カグヤの袖から顔を出す黒ゼツ、言ってる事はナンですけど、見た感じは昔と違ってちょっとかわいいですね(笑)  そして今週も便利な言葉「共鳴」が出てきましたけど、「共鳴」…仮に「何かが反応し呼応して引き合う力が発生する事」とでもしておきましょうか。 
 神威とカグヤの時空扉忍術も「共鳴」しましたが、ナルトとサスケの陰陽の力も「共鳴」する。 陰(-)と陽(+)の力で引き合う、強力な磁石のようなモノと勝手にイメージしてます。
 
 本体ナルトは「氷世界」から1つ飛び越えた(始球空間越しで)「砂漠世界のサスケ」を感知したぐらいですもんね…その「陰陽の引き合う力」は相当なもののはずです。 
 黒ゼツは《陰陽の力の共鳴でサスケのところへ行かれかねない》と心配してますが、ナルトが飛び込んだ「始球空間」とサスケのいる「砂漠世界」は隣り合わせですから、もし「本体ナルト」なら強力な陰陽の力の共鳴で「サスケの居る別空間にも行けてしまう」のかもしれない。 
 「カグヤの始球空間」越しに向こうの世界には直接飛べないが、「隣り合わせの世界」だったら直接「陰陽の引き合う力で飛べる」… ならば、これが時空間忍術の原理なんじゃないだろうか。
 
 時空間忍術(飛雷神や口寄せ)の原理って、「トロイの磁遁」に似た原理じゃないかと私は考えてきたのですが(トロイの磁遁と飛雷神)、たとえば片方にプラスを帯びたチャクラをマーキングし、もう片方はマイナスを帯びたチャクラをマーキングする…それで「引き寄せ合う」。 飛雷神や口寄せは、そのシステムを使って時空間経由で「引き寄せ合う」のではないかと考えています(口寄せの場合は術者の血と契約書の血判に含まれる陰陽チャクラの引き合い)。あくまでも「推論」ですけども。
 
 で、今回の話では、「隣り合わせの空間」の場合(例えば現実空間と時空間)「普通の感知方式」ではチャクラを感知できないが「陰陽チャクラの引き合い」は感知できるらしい。 ならば、チャクラを陰陽に分割できる上に己のチャクラ型を「変換」できる人なら、時空間経由で陰陽チャクラの引き合いを頼りに「飛べる」のかもしれない…ミナトや扉間のように「トランス能力(ビリビリ感知能力)=仮称」がある人の場合は特に(ナルトもこの能力、持ってますから)。
 
「陰陽の力の引き合い」で、ナルトとサスケが互いに引き寄せ合って「飛べる」としたら…それこそ「飛雷神(のような時空間忍術)」になるのではないか?とかなり期待しちゃいます。ナルトとサスケなら疾風迅雷なんだろうけれど。
 
 
・《カグヤの「共殺(ともごろし)の灰骨」》
 
背中から骨を《バシュシュ》と突き立て、手から骨を飛ばし、ナルトに突き刺した骨を「背中の骨と共にボロボロに崩し」ナルトを砕いていく… やっと君麻呂に似た「カグヤ一族」らしい術を見せましたね、これこそ本来のカグヤ「オリジナル」の力。「共殺」と言ってますが、かぐや一族の能力は、自らの身体も傷つけていくような「痛みを伴いそうな」もの。
 大蛇丸が君麻呂にご執心だった「本当の理由」、そして大蛇丸がカグヤ一族のことを「戦う事を運命づけられた一族で、戦場だけが唯一憩える場だった愚かな呪われた一族」と言っていた理由は《かぐや》にあったという雑考は以前書いてるので今回は略しますが()、 謎の病気といい、重吾の暴走自然エネルギーをコントロールできた能力といい、君麻呂はやはり「気になる存在」…重吾が「君麻呂の意志」を大切にしている理由も少しずつ見えてきそうです(肝心の大蛇丸が月読の中で「おねむ」なのは残念なのですが)。
 
 
(そして「本体(オリジナル)ナルト」を倒したと思い込んだカグヤは、氷世界に戻り、影分身ナルト達が「消えてない」事に驚く。その隙を狙って、神威空間に隠れていたサクラとオビトがズズズ…とカグヤの始球空間に出てくる)
 
 
「ナルトのおかげでうまくオレの時空間に隠れられたが 分身でももうナルトはいない… お前だけが頼りだサクラ」  (オビト)
 
「分かってます!」  (サクラ)
 
この作戦、ちょっと何が何やらなのですが、違っていたら教えてくださいね。 結局カグヤの始球空間に行ったのは「分身」ナルトで、黒ゼツは「ほかに2匹(分身ナルト)が入り込んだ」と思ったが来てなかったので「チャクラがもたず分身たちは消えて本体だけ残った」と考えた… でも実際に入り込んだ「2匹」とは分身ナルトではなく「サクラとオビト」で、彼らはカグヤに感知されない神威空間に隠れて待っていた…という事なのかな。 そしてカグヤを追いかけた「本体ナルト」は、オビトが神威空間に送り込んで守ったのだろうか。
 
…ともかく(と誤魔化す)、分身ナルトチームの作戦は見事に成功し、オビトとサクラは潜入成功。ナルトのオリジナルも無事だった… あのままオリジナルが行ってたら危なかったかもしれないですね。
 
 カグヤと黒が「まんまと作戦にはまった」のは、分身ナルトチームの存在を「気にも留めず」軽視した事と、「神威空間」の事を考慮していなかったことでしょうか。
「本体」と「分身」では力量に差があるし、ナルト以外の忍(オビト、カカシ、サクラ)はカグヤにとっちゃ雑魚かもしれない…黒ゼツはオビトの事もかなり「ナメて」ましたからね…。でも、彼らがやれることだってある(それがチームワーク!)。
 
  
 
・《気になった画③、カグヤの表情》
 
 
《こいつ(ナルト)はここできっちり…》
《殺しておくべきだ!!》   (黒)
 
「それはダメよ あの子達のチャクラは吸収しなくては…」  (カグヤ)
 
《母さんが世界の空間を転換する時…多くのチャクラを使う… 今のチャクラはもしもの時に備えておく必要もある これ以上こいつとのやりとりを延ばさない方がいい… もし封印されれば元も子もない 確かに多くのチャクラを失う事になるが こいつの分はもういらない》
 
《この永年の計画が水の泡になるよりはマシだ》
 
「……」
 
(うつむき、険しい表情になっていくカグヤ)
 
「そうね…」
 
「世界を転換」するってのは、灼熱世界から氷世界へ舞台転換のような、あの転換能力の事ですね。 ここで黒ゼツが言ってる《永年の計画》という言葉が気になるんですよねぇ…。 「永年」という言葉に気の遠くなるような歳月の長さを感じます。もう人間レベルの時間の単位じゃないですね、これ。
 そしてこれね…58巻の「トビ」の言葉を思い出すんです。年の念願 “月の眼計画” ついに明日それが成就する」…「積年」という言葉にも「気の遠くなる長い年月」を感じたんですよね(この時のトビの画も「月、魔像、トビ仮面」の三点セットの画)。あのセリフも「オビトっぽくなかった」…。「永年」とか「積年」とか、その月日量は半端ない… 黒とカグヤ(あるいは神樹)はいったいどのぐらい「この時」を待っていたんだろう。 そして九尾事件の「仮面(クシナから九尾を抜いた仮面)」も「どれほど待った事か」なんて言っていましたっけ… 
 
 そして印象に残った画というのが、「カグヤの表情3連発」…何かを思いだし、次第に険しい表情になっていくカグヤの画なんです。
 黒ゼツが、ナルトの事を《殺しておくべきだ》と言ったのを、カグヤは一度は「否定」するんですよね。 「あの子たちのチャクラは吸収しないとダメ」という理由で否定したんだけど、ホントはそういう理由で「否定」したんじゃないような気がする。 「あの子達」という言い方に、カグヤはナルト達にハゴロモとハムラ」を見ているのが伝わってきますが、彼女が咄嗟に殺すことを「否定」したのは「可愛い我が子」を殺したくないからじゃないだろうか。
 
 それにしても、黒は唆すのがいやらしいほど巧いですねぇ…。カグヤが「乗り気」じゃないと分かると、彼女がトラウマを抱える言葉《封印》を使って揺さぶるんですから。 《封印されたら元も子もない》って…  我が子に封印された絶望感から愛情が憎しみとなり、神樹を取り込んだことで己を失った彼女は《あの時、ハゴロモとハムラを殺しておくべきだった》とまで考えた事があったんじゃないだろうか。殺しておくべきだった…と。
 
 カグヤの苦しそうな表情は、今度こそ《殺しておくべきなのだ》と己に言い聞かせてるようにも見えます。同じ失敗をしないようにと… だけど、この表情を見ていると、彼女は本心とは裏腹に「ワラワはあの子たちが憎い」と自分に言い聞かせてるような感じがするんです。
 
でも「殺しておくべきだった」ということは「殺せなかった」という事でもある。
 
その気になれば、ハゴロモ達より強いカグヤは「あの子達」も殺せたと思うのに、なぜ殺せなかったのか…そりゃあ子供達が愛しいからですよね(かつてヒルゼンが大蛇丸を殺せなかったのと似ている…)。 カグヤ《オリジナル》の心は「子供達を」殺したくなんか無いハズ… だけど、カグヤはその《オリジナルの自分》をどこかに忘れてしまったんだろうか。 
 
 
・《気になった2つの言葉》
 
今週は、本体ナルトと分身ナルトチーム(ナルト、オビト、サクラ)が活躍して、カカシだけ観客状態…そして出番(セリフ)はたった2つだけ。 ちょっと気の毒でしたが、でも彼の「たった2つのセリフ」が今週の話全体をピリリと引き締めています。
 
1つは(カグヤに無視されて) 「…こちらは気にも留めないって事か…」
2つめはラスト、作戦成功に 「こっちがうまく入れた様だね… オビト」。
 
「カグヤに気にも留めてもらえなかったこっち側(分身ナルトチーム)が「上手く入れた」・・・“してやったり”の結果に、カカシは飄々とサラりと言ってるのですが、内心は嬉しかったんじゃないかな。カグヤに感知されないようにしながら、本体を守りつつ敵地に潜入するオビトのチームワーク作戦は上手くいった… 
声に出して「…オビト」と話しかけたところで、当然「別空間」にいるオビトには聞こえない。 それでも「作戦成功」の喜びをオビトに話しかけずにはいられなかったんですね。
 
実は…「死ぬ覚悟」の先週のオビトのセリフを聞いたカカシが、意外と「あっさり反応」だったのが「ん?」だったんです。 これ、ガイが「死ぬ覚悟」を見せた時にも案外とカカシがあっさり(に見えた)のも「ん??」だったのですが、親しい者を失う悲しさをイヤってほど知ってるカカシが「なぜ親友の死に反応しない」んだろうか…って少々不思議だったんです。 でも、カカシは戦争初日に「(仲間の)死に様を守る事も自分の役目」のように言ってたし、あまりに多くの仲間の死を見てきたから、まるで「死に様の守り人」みたいになっちゃってるんでしょうか。 そしてカカシ自身も「死ぬ覚悟」をしてる様だし、お互いに最高の死に様を…と思ってるのかもしれないですね。 そういう意味で、オビトが「仲間を守って、チームワークで闘って」死ぬのなら、それは今のオビトにとって最高の事とカカシは考えているんだろうか…。
 
 カカシのサラッとした「オビトの言葉の受け止め方」と、今回ラストの「オビトに向けた言葉」…それはオビトの想いを分かっているからこその「淡々」なんだろうか…と思えてきました。 騒がず、静かに、そっと受け止め…上手くいくことを遠くから祈る。 そして心から応援する…
 今まで「忍達は死に様ではなく生き様を」「もっと生にこだわって欲しい」と書いてきたのに、う~ん…カカシのポソッとしたつぶやきに《その気持ち、分からんでもないなぁ…》と思えてきてしまうんです。でも…これって忍世界の「死を美化する傾向」に引きずり込まれてるって事かな。 静かに「死ぬ運命」を受け入れるより、最後まで抗ってギリギリまで「生」にこだわり続けてほしいとも思います。どこか達観してしまってるようなカカシですが、彼の“感情”が「沸点」に到達する時は、再び来るのでしょうか。
 
 カグヤだって、たとえどんなに「憎くても」あの子達を殺せなかった。たとえ自分が封印されても、計画が「永年おあずけ」になっても、殺しておく「べき」とは思っても、それでも出来なかった…。
 「べき」という使命に抗っても、カグヤは子供達を「守りたかった」…生きてて欲しかったんじゃないかと思うんです。
 
黒の「殺しておくべき」という言葉に、一瞬感じたカグヤの「戸惑い」そして「迷い」と「苦しみ」の表情。 ナルトに向けた術が「共殺」だったのも、心のどこかに彼女は「痛み」を感じていたからじゃないのかな…。
 
 
 
 
カグヤも神樹(あるいは黒)から解かれ「もとに立ち返る」時が来るだろうか…
 
 
 
 
 
☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
☆次号ジャンプは19日土曜日発売です。
 
 
 
(ナルト好きブログ! 2014/07/15)