ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

BORUTO-ボルト-の、その「先」が見たい!

BORUTO-ボルト-の、その「先」が見たい!

 まだ8月(書いた時点では)だってのに急に涼しくなって、週末にあわてて長袖を引っ張り出しました。 夏が短いと、なんだか寂しいなぁ…。
 さて先日ツイッターのほうでも話題に出しましたが、劇場版 BORUTONARUTO THE MOVIE-について、こんなニュースが…(以下、Yahoo!ニュースより)

《「BORUTONARUTO THE MOVIE-」が公開初日から19日間で興行収入20億2292万2500円、動員156万4785人を記録し昨年公開の「THE LAST(ザ・ラスト)」が同じ19日間で記録した興収20億円を超え、シリーズ最高成績を記録した》

 数日前のニュースなので今現在どうなってるかは分からんのですが、大盛況のようですね。 

 「THE LAST」は連載終了直後だったから「大入り」も納得したのですが、今回は連載終了後すでに半年以上経っているわけで、しかも主人公はナルトじゃなくて「息子のボルト」だし、タイトルもBORUTO… 正直なところ、どれだけ「BORUTO」で集客できるんだろうって思っていたんです。 成功するのか、大コケしちゃうのか…子供世代の話」にファンが「YES」を示すのかそれとも「NO」を示すのか…「賭け」でもあったんじゃないだろうか、って。 
 
 で…一般の反響を知るにはやはり「数字(集客数)」だと思うのですが、数字から見ればとりあえず「BORUTO」そして「ボルトというキャラクター」はファンから「YES」を出してもらったのではないかと感じています。
(ネット上の評価ってのもあるでしょうが、ネットの多数意見ってのは、一般の多数意見とは違うケースもあると私は感じているんで…)

 かくいう私も、前まで「ナルト世代の恋愛話や子供世代の話とか要らん」と思っていた口なのですが、戦争編で「一人で何でもしようとするな」「次世代や他の者が助けてくれる、つないでくれる」というテーマが何度も何度も(それこそ何度も)繰り返し語られてきたおかげで「ミナトからナルトに渡されたバトンが、今度はボルトに渡される」ところまで描かれる事こそ「NARUTOの終わり方にふさわしい」と思えるようになりました。 「ナルトの息子登場」が自然の流れとなる為の布石は、ちゃんと打たれていたんですね。 
 …とは言っても、ナルトからバトンを渡された息子・ボルトがもし「残念なキャラ」だったりしたら、それこそ「15年間の集大成」として今までを台無しにしてしまう「かも」しれなかった… ナルトの息子登場とナルトの息子を主人公に据えた映画作りは、それなりにリスクを伴う「賭け」だったんじゃないかと思っています。
 
 それだけに「ナルトの息子のキャラクター設定」はかなり大変な作業だったのではないかな… なんたって父ちゃんの「ナルト」があれほど魅力的なキャラクターだから、それと較べても遜色無いキャラクターで、ナルトとそっくり似ている「親子らしさ」を持たせつつ、「ナルトにはない魅力」も要るとしたら…かなり難しい。

…で、ボルトはそれにドンピシャにはまっている感がある私見ですが)。

 では、「ボルト」は「ナルト」と較べてどういうキャラクターに設定されているか…というと、まず当然ながら「お育ち」が全く違います。 
 「キツネのガキ」と疎まれ一人ぼっちで、「火影の息子」として扱われなかったナルトに対し、ボルトは「誰からも慕われる火影の息子」として周囲からも温かく受け入れられていたハズです。 優しい両親がいて妹もいて、カップラーメンばっかじゃなくていつも温かいご飯があって、新品の服を着て…だからボルトにはナルトのようなハングリーなところはない。 ボルトには、ほめてくれたり叱ってくれる人もいるし、「自分」を誰かに認められたくて必死だったナルトとは違う…スタート地点が全く異なっている。

 「何もなかった」ナルトが「ゼロの状態」からどんどん積み上げ、がむしゃらに作り上げていこうとし、それを守っていこうとしたのとは違って、「すべて整っている状態」のボルトは現状の中の疑問点を突っ込み、整ったモノをぶち壊していこうとする反逆精神さえ持っている。 そして、「がむしゃらだった」ナルトがあまり気にしなかったような「細かい点」に目が届いたり気にしたり、「自分」以上に「他者」の気持ちを想うところもある。

 それに、言動こそ「反抗期の背伸びしたガキ」風なところもあるけれど、実は「火影の長男」としての自覚を持ち「しっかりとして考え方も真面目な長男気質」のようにも見えます。 日頃から、疲れたヒマワリに代わって熊(パンダ?)のぬいぐるみを持ってあげたりとか(恥ずかしいのを我慢しながら)…しっかりした、いいお兄ちゃんなんですよね。
 その細やかさや心配りは、ボルトの本質的な「優しさ、愛情の深さ」に因るのではないかと思うし、そしてその優しさと愛情の深さは両親譲りでもある…(そして祖父母譲り)…ただし優しさ、愛情の「表現のカタチ」がそれぞれ違っていて、それが性格の違いや考え方の差になっているんじゃないのかな…。

 かつてのナルトは他人に「認められたくって」必死で、自身の辛かった体験(痛み)と他人の痛みを重ねて「わかるってばよ」と共感し、相手を認め、相手に認めてもらった… そして夢は「皆に認められた火影」…自分を認めて欲しいという思いが強かった。
 ボルトは自分のこと以上に他人の「心」を守ろうとする…心と心を繋ごうとする気持ちも強く、外伝の「お弁当」の話のように「母ちゃんの想いを父ちゃんに届けたい」と思っていたりする。 そして「火影にはならない」と断言し、サラダのサポートをしてやると言う。

 ナルトの優しさ表現が「自分の経験と合わせての共感」など「自分自身」も常に中心にしっかりあったのに対して、ボルトは「他者中心」に見ている描写が目立ちます。 外伝での「母ちゃんが(弁当を)作って持たせるの知ってて…これだからよ」の発言とか、映画でも「オレじゃなくってヒマワリが」と…自分の気持ちより母ちゃんやヒマワリの気持ちを思いやる場面がありました。

 ナルトもボルトも「自分より仲間を想う」ところは変わりなく、ナルトはサスケの孤独を見て自分まで「痛くなった」と言っていた… でも、どちらかというとナルトの場合は…「自分の体がボロボロになろうと、他者を守ろうとする」…皆に九尾のチャクラを配りどんどん自分が弱っていくことを厭わなかったり、サスケを助けるためならボロボロになるのを厭わなかったり…
 でもボルトの場合は、体を張って仲間を守るというよりも「ほかの人の心の痛み」を何よりも気にしている…「自分の心より他の人の心を守ろうとする」…そこがナルトよりずっと目立っているように思えるんです。体の傷よりも、心の傷を気にかけている…

 どっちがいいとか悪いとかいう話じゃあなく、気に掛けるポイントがどう違うかということなんだと思うんですが、それはボルトの時代が「父ちゃんの時代に較べてより平和だから」こそ…なのだろうとも思います。 その平和は、前の世代の苦労の賜物でもあるし、より「心」に寄り添っていける余裕も生まれたということなのかな…。
 ボルトの思わず「ほろっ」とさせられる「優しさ」やら、時折見せる「無邪気な子供っぽさ」に、今までの世代の努力や忍耐の結実を見ることができるし、優しさ愛情といった本質的なところは親からちゃんと譲り受け、それをナルトとは違うカタチで見せてくれるボルトは、 親世代とは違う観点、感性で「さらに明るい未来」を予感させてくれます。

 映画BORUTOの成功は、もちろん連載終了後に各種プロジェクトを続けた事で「ファンの関心を惹き続けた」成果もあると思いますが、NARUTO72巻の総締め括りとしてふさわしく「その先を担う子供たちの姿」に明るい未来を読者、観客が感じ取ることができたから…そして「ボルト」がそれを可能とするキャラクターだったからではないか…とも思います。 

…ということで、ボルトのデビューは「成功」を収めたんじゃないだろうか。

 「火影の息子」として模範的で優秀なお坊ちゃま風とか、鼻高々な気取った奴になることもなく、「火影なんて大キライだってばさ!」と言い放つとは…ボルトはボルトで『なかなかおもしろい成長をしたな…こいつ』(カカシ風に言うならば)。
 ナルト達とは違う「やや現代風な都会的な世界」に生きるボルトは、どのように「忍の本質は変わらずそのカタチを変えていく様」を見せてくれるのだろう…なんて、思わず勝手にこの「先」を想像するだけで、ワクワクします。 その「先」が描かれる日が来るかどうかは分からないけれども…その「先」が、見てぇなぁ…

どう考えておられるんだろうな…岸本先生ご本人は…

ま…とりあえず「しっかり休暇」を取られるにしても、漫画家としては次の作品を描きたいと思われるだろうし、次回作がどんな作品になるのか…そこは編集の思惑とか面倒なこともあるんでしょうし、忍者モノとは全然違う作品なのかもしれないけど…1ファンとして素直にわがままに「お願い」を言わせてもらうとしたら…


BORUTO-ボルト-連載を熱望します!!!


…ってことで。


…その時は、また「BORUTO好きブログ!」でも立ち上げますか…(笑)




☆駄文、読んでくださって感謝。




☆ボルト、サラダ、ミツキが新・新三忍として蝦蟇、蛞蝓、大蛇に乗って活躍する日はいつか来るのかなぁ…


☆まだ懲りずに、人物雑考を中心に記事を気まぐれにあげていきますが、それと別に…現在、今までの雑考記事をまとめたもの、大幅加筆したものを違う「カタチ」にする作業中をだらだらやってます…







(ナルト好きブログ! 2015/08/31)