ナルト好きブログ!(NARUTO考察・雑考)

NARUTO-ナルト-の考察(伏線、言葉、人物考察などなど!)続行中!

BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS- 第5話「モモシキとキンシキ!!」感想

BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-   第5話「モモシキとキンシキ!!」感想

さて、1か月ぶりのBORUTOなんですが、まだ引き続き「劇場版BORUTO」のストーリーが続いてますので、今回も「部分的に」気になったところをつまんでみます。 ストーリーの筋書きを知っていると、どーしても先入観や「その先ありき」で読んでしまうので、「全体の感想」ってのは書きにくいんだなぁ・・
 その点、池本先生の「画」はいつでも新鮮なので、今回もちょっとだけ素人目線の厚かましい「画の感想」から書かせていただくと・・

 人物の表情については、正直言って「ちょっと固い」と思う事もあったんだけど(目とか口元・・すみません)、だけど動きのある画・・特にバトルシーンの画は、いつも素晴らしいと思うんです。  特に今回は、池本先生の「大筒木モモシキ(小さいほう)」の画がすごく魅力的でした。  たおやかに靡く長い髪の毛とか、ひるがえる衣から感じるふわっとした上質な布質とかね・・すごく「美しい」んだけど、その堂々とした感じ、余裕からくる冷静な落ち着きに無気味な「強さ」や存在感を感じるんです。 

  それと、この前《岸本×富樫対談》を読んだせいもあって、戦闘シーンのカメラ位置を特に気にしながら読んだのですが・・・池本先生の画のカメラワーク、いいですよねぇ。

 たとえば「上から見おろすモモシキを、さらに上の視点から見下ろす」画は、その実質的な「高さ」と共に、モモシキが人間を下等生物と「見下す」態度も伝わってくる。  そして「試験会場の建物から逃げてくる人々の画」も、《こっち》に向かって逃げてくるような構図になってるから臨場感があるんですよね。こういう読者視点の画は好きだなぁ・・
 もっとも、今までの話は「劇場版」で映像化されているので、アニメのカメラワークも参考になってる「かも」しれないので、やっぱり「劇場版ストーリーが終わった後」なんですよね・・・「池本先生オリジナルの本気のフルパワー」が拝見できるのは(それを楽しみにしたいと思ってます)。

そして、今回の「気になった部分」というか「気になった言葉」なんですが、それはコレ・・・ナルトとボルト親子のやり取りです。 科学忍具を使ってたのがバレちゃって、叱られるシーンの「ボルトの言葉」なんです。


「行くぞ・・まだ試験中だ」「説教は後だってばよ・・・」

後で・・? ・・説教・・・!?」

「父ちゃんにホントにそんな時間があンのかよ!?」

「ちゃんと説教されてたら・・・ 今!・・・こんな状況になってねーってばさ!!」

「・・・・・・・・・・」
「・・・ボルト・・・・・・・」


ナルトに叱られて、おとなしく俯いてたボルトが・・「後で」の言葉に敏感に反応して、一気に感情を発散させます。 

そして、ボルトの言葉を聞いた後のナルトのセリフに、やたらと長い「・・・・・・」が入ってる。 それだけ、ボルトのこの言葉は衝撃だったんですね。 叱ってるハズなのに、逆に「痛いところを突かれたような」感じがしたんじゃないのかな。 そして、私もこのセリフに何か衝かれたような気がしたんです。 

《後で・・?》そして《ちゃんと説教されてたら・・・ 今!・・・こんな状況になってねーってばさ!!》・・・

 ボルトのこれらの言葉は、今回のエピソード・・というより、もしかしたら「BORUTO-ボルト-」の重要なキーワードになるんじゃないか。 そんな気がする・・

まずは《ちゃんと説教されてたら・・・ 今!・・・こんな状況になってねーってばさ!!》のセリフから見ていこうと思うんですが、このセリフには「直接的」に語る意味と「間接的」に語る意味・・・2つがあると思うんですよね。
 
 まずは、1つめ・・このセリフが伝える直接的な意味、ボルトの「気持ち」のほうからちょっと見ていきますが・・


《ちゃんと説教されてたら・・・ 今!・・・こんな状況になってねーってばさ!!》の、ポルトの気持ち


 「ちゃんと説教されてたら」って言ってるけど、たしかに・・ボルトはこれまでも「説教されていいような事」をやらかしてますよね。 
 
 700話でも、かつてのナルトのように「火影岩にイタズラ書き」をしたり、外伝(花つ月)でもナルトの影分身相手に散々困らせていたり。   これまでのイタズラの「蓄積」に対して、ナルトはじっくりと根本的な向き合いをしてこなかったのかなぁ・・? 

 ボルトの構ってちゃん的な態度は「甘ったれ」にも見えるけど、でもまだ12才・・まだまだ父ちゃんに甘えたいお年頃なんですよね。 それでも、ボルトは精いっぱい「自分より寂しい想いをしているヒマワリ」を守るために我慢したり、頑張ってきた。 言われなくっても望まれなくっても、基本ボルトって「スゴ~~くいい子」ですよね。  本当に優しい、本当にいい子。  だけど、弱い部分もある・・・「悪い子」の部分もある。 構ってちゃん的な態度は、「いい子」を常に期待されるるボルトが発してきた「SOS」だったんじゃないだろうか・・とも思うんですよね。 ちゃんと本当の自分を見て欲しい、そして止めて欲しい、助けて欲しい・・・というね。

 そういえば、かつてのナルトも「叱って欲しくて」イタズラしたりしてたけど、「ほめてもらう以上に叱って欲しい」のはサスケに似てる気がするんです。 サスケにも「叱って欲しい、誰か止めて欲しい」って気持ちがずっとあった・・・ だから、中忍試験の死の森で呪印を暴走させたサスケを、サクラが抱きしめて止めようとしてくれた時とか・・・20巻でカカシが(カカシにしては珍しく)自分の過去を話しながら「説教」してくれた時とか・・さらに最後に、ナルトが体張って「拳で説教」したあげく「お前も意外にバカだったもんな」って言ってくれた時とか、嬉しかったんじゃないかと思うんですよね。  

 いつも「優等生」と期待され、「天才」「エリート」と言われることが多かったサスケだけに、自分の「イヤな部分、弱さ」までちゃんと見て、ちゃんと受け容れてくれてる事が嬉しかったんじゃないのかな。 そして、ボルトにもそういう願望があるのかもしれない・・  ボルトが思わず発したあのセリフは・・ちゃんとホントの自分を見て欲しいという、結構ギリギリのSOSに近い言葉だったんじゃないかとも思います。

そして・・・もう1つ。 

ボルトの言葉が間接的に意味するモノが、この直後に「現実化」しちゃいます。


・《ちゃんと説教されてたら・・・ 今!・・・こんな状況になってねーってばさ!!》のもう1つの「こんな状況」

「今」じゃなくて「後」・・・その結果の「今のこんな状況」。  目先の事を優先して片付けて、急がないものは「後」にする・・・その発想って、《封印》の発想なんですよね。 

 これは「NARUTO-ナルト-」の感想や雑考でも書いてきた事なんですが、NARUTOで残された課題の1つとして《封印》の問題があるんです。  封印ってのは「解決」じゃあない・・・ 良くも悪くも「とりあえず後にとっておく」って事なんです。 
 一応「良かった」例としては、歴代火影の魂や大蛇丸も封印されただけだったから、「解」で呼び戻す事が出来たってのもあるんだけど・・・でも、カグヤや十尾も「封印」なんですよね。 ようするに未解決なんです。 

 「封印」という便利なシステムで「後回し」にしたものの方が、実は厄介でその先「大きな火種」になることもある。 ボルトのセリフを「カグヤや十尾の問題」に置き換えると、実にドキッとするような内容なんですよね。 そして、その不安を現実化するように、ボルトのセリフの直後に「不安」が降臨する・・・カグヤ問題が残した「大筒木一族」が襲来するんです。

 もっとも、今回のストーリーで登場するのは、カグヤや十尾そのものではなく「カグヤの巻物に記されていた大筒木一族の残党」なのですが、これらもカグヤの問題、十尾の問題と「根本的に向き合ってこなかった」ツケの一部なのかもしれない。
 もちろん、ナルトやサスケを批判するつもりなど全くないんですよ・・! 彼らは世界を救うために一生懸命出来ることをやった。 だけど・・・それでも彼らも「完璧」じゃない。 それに「NARUTO-ナルト-」はあえて未完で完結されている・・

 
NARUTO-ナルト-699・700話の感想等でも書いたように、「NARUTO-ナルト-」の物語は「四代目火影が九尾を封印」した語りで始まり、そのあとナルトがその九尾の問題を根本的に解決していき・・そして「七代目火影が十尾を封印」の語りで綴じられています。

《封印》という形で先代が「後」回しにしたお題を、次世代が解決していく・・・それがNARUTO-ナルト-でした。 ナルト達が解決したのは「九尾(尾獣)」の問題であり、そこに絡むアシュラとインドラに始まった「兄弟」の問題・・・ だけど「カグヤと子供達(あるいは十尾と人間たち)」という「親子に絡む問題」はとりあえず「封印」で終えちゃっているんです。 だから・・ボルトのこのセリフは、それを間接的に示しているようにも受け取れるんですよね。

ボルトが言う「こんな状況」が示すのは、ナルトとボルトの「親子」の状況だけじゃなく、「大筒木問題」の状況も示すんじゃないだろうか・・と。


・そして、《後》と《今!》 

 ここんとこずっと、NARUTO-ナルト-に於ける《永久の美と一瞬の美》の雑考をしてきたんですが、ナルト達世代がメインに向き合って答えを出してきたのは《永久の美》のほうだったと私は思っています。 永久の美、つまり「後々まで受け継いでつないでいく想い」のほうだったと・・いわば「後」を考えると言いますか。
 だけど《一瞬の美=今現在を生きる》ほうは、まだ課題として残されているんじゃないかと考えています。  

 だから、今回のボルトの《後で・・?》《今!》の言葉の強調に「もしかしたら」次世代のボルト達は《今を生きる=一瞬の美》にも向き合ってくれるんじゃないだろうか、なんて思ってしまう。 「後」には「?」が付き、「今」には「!」がついていますからね・・・

 ま、BORUTO-ボルト-がこの先どういう展開になっていくにせよ、前世代であるナルト達が残した「親子関係に絡む問題」、さらには「今=一瞬の美」の問題・・・それらが、ボルト達世代が「根本から向き合う問題」の軸になっていくんじゃないか・・・ ボルトの《ちゃんと説教されてたら・・・ 今!・・・こんな状況になってねーってばさ!!》のセリフに、思わずそんな期待、相変わらずそんな妄想をしてしまうのです。





☆《一瞬の美》はこれからのお題である・・という雑考は、次回の記事で。

☆サスケがサラダを守る姿、ナルトが体張ってボルトを守る姿、ヒナタがヒマワリを守る姿、ボルトがサラダを守ろうとする姿・・サクラとテマリがパワフルに守る姿、いいですねぇ・・ それに、ナルトと九喇嘛が並んで一緒にパワーアップするラストの画もワクワクする。


☆駄文、おつきあいくださって感謝・・・







(ナルト好きブログ! 2016/09/12)







☆久々にコメント欄を開いてみようと思います・・が、コメント欄については次回から形を変更するかもしれません・・ご意見、ご感想ありましたら書いてくださるとうれしいです(今のところ9月いっぱいは開けておくつもり)。なお、コメントは「承認制」なので公開されるまでにちょっと時間が掛かります事も、内容によっては非公開にする事もご了解ください。 なので、ツイッターのほうでも構いません・・