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シカマルの「結婚願望」について (シカマルのメンドくせ―考察その3)

シカマルの「結婚願望」について (シカマルのメンドくせ―考察その3)

NARUTOの連載が終わってから2カ月余り…次のNARUTO(あるいはボルト)話までの間、雲を眺めてボーっとしながら(いまだに)アレコレ雑考してます。 
 
今回は、第700話で《テマリと家庭を築いていた》シカマルの事を少々。
 
 シカマルと言えば「頭脳派」というイメージですが、別の一面「結婚(あるいは女性)に興味津々」という一面もあるんですよね。 中忍試験(13歳ぐらい)の頃に、すでに《美人でもブスでもない女と結婚して子供は二人》なんて夢を漠然と思い描いていたり…親父さんに「なぜ母ちゃんを選んだのか」なんて質問をぶつけていたり…とかね。 
 
 だけど、当初のそれは「結婚への憧れ」とは違って、「理解できない事」としての関心だった…。 《女も結婚もめんどくせ―》…なのに、なぜ人は結婚するのか。かつてのシカマルには、それがどーしても理解できなかったらしい。 
 
で…ご存じの通り、シカマルはとにかく《めんどくせー事》が嫌い
 
 シカマルが言うところの《めんどくせー事》については、いわゆる「大変な仕事」という意味だけじゃなく、「自分を曲げて筋を通さない(通せない)ような事」という意味もある(これについては「めんどくせ―雑考2」にて…お時間がある時に)。
 
 それに、シカマルは大の《平和主義》。 流れていく雲をボーっと眺めているのが大好きな、余計な争い事を嫌うタイプ。
 
 だからこそ、父シカクが「きつくて毎日ガミガミ怒鳴ってる母ちゃん」と結婚した事が「理解できなかった」のだ…。
「男が女に負ける」なんてカッコ悪いのに、家庭内の平和を保つために「耐え忍んでいる(ように見える)」親父…「母ちゃんにどやされる」のを恐れて尻に敷かれている親父… そんな親父さんを見て、シカマルは《女でダメになる男もいる》なんて思ってた事さえある(20巻にて)。  
 
 そうやって平和を保たなくちゃいけない「結婚」やら「女」とは、シカマルにとっちゃ 筋を通せない《めんどくせー》以外の何物でもなかった…のだと思います。
 
 そのシカクさん…何度か息子に「女性について」語って聞かせているのですが…
 
おっかない母ちゃんと結婚した理由については、
「あんな母ちゃんでも優しく笑う時がある… それでかな…」。
 
そして綱手の事を、
「あの人ぁ…この世で一番強く美しい女だぜ~」。
 
そして「女はめんどくせ―」というシカマルには、
「女がいなきゃ男は生まれねーんだぜ」
「女がいなきゃ男はダメになっちまうもんなんだよ」
「どんなキツイ女でもな~ ホレた男にゃ優しさを見せてくれるもんだ」とか。
 
 だけど、当時13歳だったシカマルには、シカクの考えはまだ「理解不能」…
いつも母ちゃんの尻に敷かれてる「情けない」親父は、外で見せる「優秀な軍師」としての一面とは全く違う、「自分を曲げてる」姿にしかみえなかったんだろうと思います。だから、《女も結婚も、メンドくせー》…。
 
 女性との関わり方について、シカマルはとにかく「悩む」。
中忍試験の時も、闘いながらこんなことを考えて悩んでいた…(対テマリ戦)。
 
「男が女に負けるわけにゃいかねーしなぁ…」
 
(つっても…男が女殴るわけにゃいかねーしなぁ…)
 
 声に出して言ったのは、《男は女に負ける訳にゃいかない》という建前。
心の中で(声に出さず)呟いたのは、《でも男が女を殴る訳にゃいかない》という心優しい本音。
 
 だいたい、この場は「中忍試験」だし「勝利」することが要求されるわけで…それに「男が女に負けるのはみっともねぇ」。でも、女性を負かしてしまうのも それはそれでカッコ悪いというジレンマ…  100手先まで読めるシカマルでも、このジレンマから脱却する答えを見つけるのは難しかったらしい。 
 シカマルはこういう《めんどくせー状況》に、試合中にも関わらず、思わずボーっと(雲はいいよなぁ…自由で…)なんて空を見上げてしまうのだ。
 
 で、結局シカマルはどうしたのかというと…
 
 試合そのものは(誰の目から見ても)シカマルが「圧倒的有利」に進めていたのですが、なぜか詰めで自ら「ギブアップ」してテマリに「負けた」…。
 紅に言わせれば《戦いに勝って試合に負けた》ということ…表向きは女性(テマリ)に花を持たせて「勝ちを譲った」ものの、シカマルの「才」が発揮され事実上の勝利だったともいえる試合だった。 
 
  シカマルは「ギブアップ」した理由として「チャクラが続かない」などと語り、師のアスマにも「退くのが上手い」と高評価されたのですが…  シカマルがああいう形で試合を終わらせたのは、それが《男が女に負ける訳にゃいかねー》というプライドと《だからって女を負かすのもみっともねー》という本音を両立させられる唯一の方法だったからだと思います。
 「めんどくせーこと(筋を通さないこと)が嫌い」なシカマルが、筋を通そうとした結果があーなったのではないかと… あれが悩んで出した「答え」だったんじゃないかと思うんですよね。
 
…でもあの時、チョウジだけは「最初からシカマルの出す答えを分かっていた」んです。 試合が始まってすぐ、《どーせすぐやめるよ 絶対ギブアップするって あいつ“めんどくさがり”だし》とハッキリと予言した…そしてその通りになった。
「だから言ったでしょ」「イノはシカマルのこと何も分かってないのね」と…チョウジははじめっから見抜いていたのだ。 シカマル本人でさえ試合中「どうしたらいいか」迷っていたのに、チョウジのほうが先に「シカマルはどうするか」分かってた…ってのが凄い。 
 
 なぜチョウジは「見抜いていた」のか…それは、チョウジはシカマルの「めんどくせー発想」の仕組みを熟知していたから…

 昔、チョウジが仲間はずれにされて「悲しい顔をしている」のを見たシカマルは、そんな事までして遊びたくないと「遊びを放棄」したり(4歳の出会いの頃)…アカデミー時代の「組手」でも、戦うのが嫌だというチョウジ相手に「試合を放棄」した事がありました。 シカマルが「筋を曲げる=めんどくせー」と思うのは、何かの為に「誰かが犠牲になったり、誰かに悲しい顔をさせてしまう」事でもあった… シカマルは、チョウジの「悲しい顔」が辛いんですよね。だから、そんな事までして 皆と一緒に遊ぼうとか、いい成績を取ろうなんて思わない… 皆との付き合いやら成績よりも、シカマルは「チョウジ」を選んだ…  シカマルがそういう奴だってことを、チョウジはよーく知っている。
 
  あのテマリ戦は中忍試験も「本選」だったのだから、大事な試合だったはずなのに…それでもシカマルは「勝利」よりも「テマリ」を選んだ。で、なぜかチョウジはそれを分っていた。 
 で、シカマルは「誰とでも戦わない」わけではない…(そこが大事かと)。 
1つ前の対戦相手も やはり女性(音忍のキン・ツチ)でしたが、この時は「やりづれー」とは言いながらも ちゃんと倒して勝ってるんです。だから、女性なら誰であっても「勝ちを譲る」って訳でもない。

 キン・ツチは負かしたけど、「テマリ」には試合で勝つ事は出来なかった…。 チョウジは、「テマリ」には“違う何か”を感じていたに違いない…だから「絶対ギブアップするよ」と断言できたんじゃないだろうか。 かつて(大切な親友)チョウジに勝ちを譲ったように…テマリにも勝ちを譲るだろうと、チョウジは予想した。 シカマルにとって「テマリが大切な存在になりそうな予感」を、チョウジだけは「勘」で感じ取っていたのかもしれない…そこは「勘」としか言えないんだけど:シカマルのことなら「誰よりもわかる」と自信を見せるだけあって、シカマル以上にシカマルのことが分かっちまう…親友ってそういうモノなのかな?
  
 でもシカマル本人は、まだあの時は《自分がテマリに勝ちを譲ったホントの理由》には気づいていない…ただ相手が「女だったから」ぐらいにしか考えてなかっただろう…と思います。 だから「試合上での勝ち」は譲っても「事実上の勝利」は譲らなかった。

シカマルとしちゃ「男が女に負けるわけにはいかねぇ」という建前と「女を負かすのもイヤ」いう本音も、どっちも両立させて「筋を通したはず」だった…
しかし、勝ちを「譲ってもらった」テマリは納得いかないような表情だったし…シカマル自身も試合が終わって「やれやれ」といった感じだった…シカマルは《やっぱり女はめんどくせー》と思っていたはずです。 
 
 筋を通したはずだったのに…めんどくせーになってしまった…その「ちょっとした手違い」の原因は、シカマルがまだ、テマリを負かしたくなかった『ホントの理由』に気付いてなかったからじゃないかと思うんです。
 
 だけど、次にテマリと再会した時…シカマルは“気づく”ことになる。
 
 それは中忍試験直後のサスケ奪還任務…シカマルが大ピンチの時でして(この時も相手は強い女性=多由也)、今度はシカマルは逆にテマリに助けられる事になります。 シカマルは「男が女に守られる訳にゃいかねー」と相変わらずぐちゃぐちゃ言って、めんどくせ―発想のジレンマに陥りそうになるのですが…テマリにバッサリと「相変わらず男だ女だうるさい」とか「カラ元気バレバレだバーカ」と言われちゃうのです。気持ちがいいぐらい、バッサリと…
 
 あの状況では、シカマルだけではどうにもならず…ここは「母ちゃん以上に怖え―女」テマリに「仕方なく」任せた訳ですが、結果として…
 
 
イメージ 1
 
 
「どんなもんだ?」
 
 
…と最高の笑顔を貰えるのです。  
 
 
テマリの「笑顔」に、シカマルはこーんな表情になってるのですが、これは…
 
イメージ 2
 
 
 
《男が女に負ける訳にゃいかねぇ》と思っていたプライドが、心地よく崩れた瞬間だったのではないか…なんて思います。
 
シカマルは、テマリにバカにされるかドヤされると思ってたかもしれないけど…テマリは思いっきり嬉しそうに「笑ってくれた」。これ、シカマルにとっちゃ「まさか」の意外な事だったと思うんですよね。 時には《女に任せたり甘えてみるのもいいモンなのかも》って…ちょっとだけ思えたんじゃないだろうか。だって…こっちまで幸せになるような、こんな「とびっきりの笑顔」を見せてもらえるのだから。
 
 シカマルが中忍試験で「テマリを負かしたくなかった」のは…テマリが(勝って)嬉しそうに笑うのが本当は見たかったの「かも」しれないし、負けて傷つくテマリを見たくなかった…の「かも」しれない。 「チョウジが傷ついたり悲しい顔をする」のを見たくなかったように…
 
 シカクさんがヨシノさん(母ちゃん)に甘えたりお任せしたりしているのも、それは「男としてのプライド」を満足させる事よりも、ずっとずっと幸せを感じるからなんだって事も… 「女を守るカッコよさ」というのも、敵から守ったり「自分の方が強い」と示す事じゃあなくって、その「笑顔を守る事」なんだって事も…ようやくシカマルは気付いたかもしれない。ちょっとだけ… 
 
だから、テマリにバッサリ言われたように「男だ女だ」とぐちゃぐちゃこだわって 強がる必要なんかないんだと… 
 今まで「めんどくせー」と思っていた「女」やら「結婚」が、本当は「めんどうなものではない」のだと、はじめて「理解」できたかもしれない。ちょっとだけ…
 
 ま、そのあと肝心の「サスケ奪還任務」は失敗し、シカマルが恋愛やら結婚について考える暇やら心理的余裕は 全く無かったはずですが、27巻最後に…里に帰るテマリに「また何かあったら助けてやる…そん時は言いな泣き虫くん」と言われ、シカマルは「一言多いぜ… これだから女って奴は…」と返すのですが…
 
「これだから女って奴は…」と言いかけて、シカマルはなぜ そこで言葉を止めたんだろうか…?
 
 おそらく(これだから女って奴は)めんどくせ―…」と言いかけたのでしょうが、でも今回は「言いかけて止めた」のは…女って奴は「実はめんどくせーではない」と思い始めたからじゃないだろうか。
 
 テマリとの出会いと関わりの中で…長年の「謎」であった《どうしてメンドくせ―女なんかとメンドくせー結婚なんてしなくちゃいけないのか》という疑問が、少しずつ解けてきたんじゃないのかな。 27巻第一部の終り頃…もはや、シカマルにとって「女性」や「結婚」は「めんどくせーもの」ではなくなりつつあった…のではないか。
 
 
 シカマルは、ナルト同期の中では一番「結婚」「女性」をずーっと意識してきたキャラクターでした。 アスマと紅(そして彼らの子供)の関係も、シカマルの「結婚観」に大きな影響を与えただろうし…  物語終盤では、無限月読の夢の中で「テマリとの結婚」について(メンドくさそうだから)止めとくか…なんて言ってはいましたが、それだけ「現実的、具体的に結婚を考えていた」って事。彼の「結婚願望」はさらに強く具体的になっていた証拠… 「女も結婚もメンドくせ~」と言っていたシカマルが、最後には「結婚」を意識して終わった… 
 
 『シカマルの物語』とは…
 
「軍師」としての成長物語でもあったけど…
「結婚」「家庭を持つ事」という、「ごく平凡な幸せ」をみつけていく物語でもあったんですね。  
 一番の「平和」や「幸せ」は、一番身近にあるんだってことを…
そして一番守りたいものは、大切な人の「笑顔」なんだってことを…
 
 
 
 
 
 
(同期の中で一番結婚が早いのは、一番結婚願望が強そうなシカマルじゃないかと思ってたけど、どうだったんだろ…ナルトが最後で大逆転したのかな…?)
 
 
 
 
 
 
 
 ☆長駄文、読んでくださって感謝。
 
 
 
 
(ナルト好きブログ! 2015/01/10)